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ダジャレか冗談みたいだが、「軽自動車だから軽油を入れてくれ」とガソリンスタンドに頼んだ……という事例が話題になっている。
軽自動車でいらっしゃった若いお客様
— さくらっぽい (@CARDCAPTOR) 2017年5月4日
「軽油お願いします」
「ガソリンエンジンなのでレギュラーガソリンですが…」
「軽自動車です」
「エンジンはガソリンですよ?」
「だから軽油で」
「軽油はガソリンではないんですが…」
「軽なんです」
「エンジンはガソリン…」
「もういい。他行く」
さすがにこんな馬鹿はいるまい、と思ったのだが、実話だそうだ。
→ 軽自動車で来たお客様「軽油で」 - Togetterまとめ
他にも例はあるそうだ。
@CARDCAPTOR @isanaaaaa 家のご近所のGSはそんなお客様が多いのか、「軽油は軽の燃料ではありません」の張り紙がありますよ( 3ω3 )
— みつわ 藤本 (@8LQgdrls45tjaQX) 2017年5月4日
これについては、ユーザーを教育しろ、という声がある。
meeyar 教習所でセルフ給油の実習あってもいい。
( → はてなブックマーク )
しかし、そんな対症療法よりも、もっと根源的な問題がある。それは、次のことだ。
「ガソリン車に比べて、ディーゼルは税制で大幅に優遇されている。そのせいで、ディーゼル用の軽油を使いたがるという動機が生じる」
価格差で言うと、ガソリンとディーゼルには、1リットルあたり 20円ぐらいの価格差がある。
→ ガソリン価格(ハイオク・レギュラー・軽油・灯油)の推移
これは、主として、税による優遇のせいだ。
( ※ 日本では、産業用の資材は全般的に低率課税となる。ディーゼルはバスやトラックで使われるので、税率が低い。)

《 パリ 》
一方で、ディーゼルは、環境に悪い。次の事例がある。
《 パリ「花の都」返上? 大気汚染が深刻 》
フランスは12月、過去10年で最悪の大気汚染に見舞われた。
パリでは12月1日、大気汚染の原因となる粒子状物質「PM10」の濃度が1立方メートル当たり103マイクログラムに達し、警戒レベルとされる80マイクログラムを上回った。
9日付ルモンド紙(電子版)は社説で「セーヌ河岸の北京」の見出しを掲げ、大気汚染が深刻化する北京になぞらえてパリの現状を嘆いた。大気汚染による死者は全国で年間約5万人いると指摘した。
フランスでは、燃料費の安さからディーゼル車の人気が高く、新規登録車両の約7割を占める。だが、パリのアンヌ・イダルゴ市長はディーゼル車の排ガスが大気汚染の元凶だとして今年6月、「2020年までにディーゼル車をパリから一掃する」と宣言した。
( → 産経ニュース 2016.12.24 )
「フランスでは、燃料費の安さからディーゼル車の人気が高く」とある。どのくらいかというと、こうだ。
《 フランス:軽油優遇税制を見直し、ディーゼル車の普及方針を転換へ 》
フランス政府は10月14日、軽油優遇税制を見直す方針を発表した。これまで軽油の税込価格をガソリンより低くすることで、ディーゼル車の普及を促してきた政策を転換する。
政府はこれまで、フランス自動車市場で主流を占めるディーゼル車の燃料となる軽油の1リットル当たり税込価格を、ガソリン燃料に比べて約20セント(1セントはユーロの100分の1)安くなるように設定してきた。しかし、政府は「これがディーゼル車の普及を促し、その大気汚染への影響について多くのフランス人が懸念するところとなった」として、「軽油とガソリンの価格差を向こう5年にわたり是正する措置を国民議会に提案することに決めた」と発表した。
( → ジェトロ 2015年10月26日 )
20セントは約 25円。これがガソリンとディーゼルの価格差だ。(フランス)
日本と同程度か、日本よりも少し大きいことになる。とはいえ、その優遇は廃止されることが決まった。
一方、ドイツではどうか? 経由はガソリンよりも少し安いぐらいだ。
ガソリン
Super 1.60ユーロ(オクタン価95 エタノール5%)
Super. E10 1.60ユーロ (オクタン価95 エタノール10%)
Super Plus 1.70ユーロ(オクタン価98)
軽油
Diesel 1.50ユーロ
Premium Diesel 1.60ユーロ
( → 欧州のGSでのガソリン価格とディーゼル価格はだいたいどれぐらい - Yahoo!知恵袋 )
自動車税では、逆に、ディーゼル車は優遇されるどころか冷遇される。
ディーゼルが環境にいいからと、国をあげて推奨しているわけでもありません。ドイツでは、ディーゼル車の自動車税はガソリン車の2倍です。
( → なぜ、ヨーロッパはディーゼル車が多いのですか? - Yahoo!知恵袋 )
日本では、燃料税でも自動車税でも、ディーゼルは大幅に優遇されるが、欧州ではそうではない。少なくとも近年では、優遇されなくなってきた。
なのに、日本ではディーゼル車が大幅に優遇される。このことから、冒頭のように「軽自動車に軽油を入れたがる」という動機も生じるし、「環境に悪い車をあえて増やそうとする」という歪んだ税制も放置される。
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そもそも、ディーゼル車は環境に良くない。
ひところ、「クリーンディーゼルは、燃料消費が少なくて、排ガスもきれいだ」という情報が出回った。自動車業界の批評家なども、その説をひろめようとした。
しかし私はこれは嘘だと指摘した。
第1に、燃料消費は少なくないし、ガスもクリーンではない。
要するに、ちっともエコではない。エクストレイルであれ、CX―5であれ、やたらとデカくて、燃料を食うし、排ガスも特にきれいではない。こんなものを普及させる理由は、まったくない。
ま、他のディーゼルに比べればマシだ、とは言える。だったら、他のディーゼルを大幅課税すればいいだけのことだ。クリーンディーゼルなんかをことさら優遇する必要はない。そもそも、クリーンでもないのに「クリーンディーゼル」なんて称するべきではない。
こんなものを優遇するぐらいなら、リッターカーの保有者を、もっと優遇する方がマシだ。
( → クリーンディーゼル減税 2012年02月22日 )
第2に、クリーンディーゼルはちっともクリーンではない。
【 米環境保護局(EPA)によると、問題のソフトウェアは、当局の排ガス基準の適合試験を検知し、試験がある期間だけ排ガスを減らす一方、通常の運転では機能を制限し、基準の最大40倍の窒素酸化物( NOx ) を排出していたとされる。 】
これが実状だ。つまり、検査中は排ガスがクリーンだというふうに測定されるが、実際には、基準の最大40倍の窒素酸化物を出しており、ちっともクリーンではないわけだ。
( → VWの排ガス偽装 2015年09月22日 )
このことは、米国だけでなく欧州でも指摘された。
《 排ガス問題:日本メーカー3社も規制値超え 》
実際の路上環境下のテストで、日本メーカー3社を含む4社(メルセデス・ベンツ、ホンダ、マツダ、三菱)のディーゼル車の排気ガスから、規制値を大幅に超える有毒成分(NOx=窒素酸化物)が検出された。
他の欧州メーカーなどに混じって日産・ルノー車のデータも基準値を大幅に超えた。これらの結果を受け、欧州では、「VWのスキャンダルは氷山の一角だ」「自動車業界全体の構造的な問題だ」と、「クリーンディーゼル」そのものを疑問視する声が上がっている。
分析結果は「違法か適法か」を意味するのではなく、あくまで「走行実態に沿った指標」だということだ。
・(ホンダ)規制値の2.6倍から6倍
・(マツダ)規制値の1.6倍から3.6倍
・(三菱)規制値の1.5倍から3.4倍
・(メルセデス・ベンツ)EURO5の2.2倍、EURO6の5倍
・ ルノーは特に成績が悪く、『エスパス dCi 160』が11倍
ガーディアンは、「各車種のNOxレベルはイギリスのほとんどの地域の規制値を超えた違法レベルにある。それによって、何千もの死や何10億ポンドもの医療費を強いられたと思われる」と手厳しい。
( → 懸念される日本ブランドへの影響 | NewSphere )
日本のテストでも同様の結果が得られた。
《 ディーゼル車:NOx排出、走行中も規制 屋内基準超えで 》
国土交通省と環境省は3日、国内メーカーのディーゼル車の走行中の排ガス検査で、3社の計4車種が屋内検査基準の最高 10倍の窒素酸化物(NOx)を出したと発表した。現在は、走行中の排ガス規制の基準はないため、違反にはならないものの、国交省などは今後、走行中の基準も作り、規制に乗り出す方針だ。
( → 毎日新聞 2016年3月3日 )
VW の(違法な)偽装が話題になったが、VW以外も(合法的な形で)偽装をしているわけだ。「実験室と実際の走行ではデータが異なる」という形で。
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それだけではない。そもそも、「クリーンディーゼル」という概念そもものが間違っている。これは一種の詐欺(ペテンなのだ。
最近のディーゼルエンジン(コモンレール式,高圧直噴式)は、ディーゼル粒子を出さないので、クリーンだ、ということになっている。しかし、それは嘘だった。
実は、ディーゼル粒子は、消えたのではなくて、小さくなっただけだった。
「コモンレール式(高圧直噴式)では、石油を高圧直噴で粒子を微小化するので、完全燃焼します」
とメーカーは吹聴する。しかし、それは嘘だ。本当は、こうだ。
「コモンレール式(高圧直噴式)では、石油を高圧直噴で粒子を微小化すで、排気中のディーゼル粒子も見えないくらいに微小化する。完全燃焼するのではなくて、微小化するだけだ。つまり、微小化した粒子が、排気中にしっかり残っている。」
これを一言で言えば、「物はあるのに、小さく細分することで、物がないように見せかける」ということだ。ペテンですね。
( → ディーゼルの環境汚染: Open ブログ )
しかも、である。微粒子を小さくすることで、問題が解消するのではなく、かえって悪化する面もある。微粒子は(生体のフィルターで除去されずに、溶け込む形で)人間の体内に浸潤し、細胞組織に影響するからだ。
PM(ディーゼル粒子)は霧状になり黒鉛は出なくなったが、かわりに目に見えない粒子径 0.1マイクロメートル以下の微小(ナノ)粒子の数が数万倍以上に増えている。粒子が目に見えなくなっただけなのだ。
数マイクロメートルのPMは呼吸器に入り、ぜんそくなどを引き起こすことが知られていたが、ナノ粒子は呼吸器を介して血管の中に入り込み、心臓を初めとする循環器系、脳・神経系や生殖器にまで侵入することが、最近の動物実験で証明されてきた。東京理科大と栃木臨床病理研究所の研究チームは妊娠中のマウスの母親にディーゼル排気を吸わせ、ナノ粒子が胎児の脳に侵入していると証明した。
( → 上記項目で孫引き )
こういうふうに、ディーゼルは排ガスが汚いし、健康被害をもたらす。
こんなものを優遇する理由はないのだが、日本では優遇する。そのせいで、あれやこれやと問題が生じる。
このような歪みを、本項では指摘した。

ディーゼル車が日本に入るようになったのですね。
日本も早く規制強化しないと排ガスが汚い
旧型車の姥捨て山みたいになってしまうな。
ガソリンエンジンに軽油は救われますが
ディーゼルにガソリンを入れた場合は致命傷です
(笑)
フランスのディーゼルも価格が普及帯のものが販売されない限りそこまで増えないんじゃないかな?
排ガスの規制はどこの国にもありますよ。だから VWの規制違反も話題になった。
本項で述べているのは「排ガス規制しても抜本対策にならないから、排ガス規制でなく車両販売そのものをやめてしまえ」ということ。
> そこまで増えない
なるべくゼロにすべきだ、という主張です。特に、乗用車については全廃でいい。
直噴ガソリンのPMもダメみたいですね。
むしろ直噴ガソリンのPMの粒子はディーゼルより
細かくて対応が大変なようです。
走行距離が決まってる路線バスに限っては電気自動車にすればいいのではないでしょうか。
充電時間やバッテリーの容量とコストに問題がありそうですが。
エンジンをアイドリングしながら長時間睡眠をとってる
ディーゼルエンジンの宿命らしんだけど
なんとかならないものですかね