──
これについては、すでに専門家がいろいろと対策を考えているが、私としてもいくつかの方法を示そう。

まず、すでに別項で述べた方法がある。
→ 食害の鹿を駆除するには?
ここでは、次の(1)(2) の方法が示されている。
(1) 硝酸塩入り餌
硝酸塩入り餌で駆除する、という方法。
これは、鹿を駆除するのには低コストだが、死んだ鹿は放置されるので、ジビエとして利用することは難しい。「悪くはないが、良くもない」という評価になる。
(2) 鹿の牧場
「柵で囲って、牧場みたいなものをつくる。そこに鹿を集めて(誘導して)、柵のなかで多数の鹿を飼育する。そしてあるとき、いっせいに処分する」
という方法だ。詳しくは、上記項目を参照。
──
さらに、次の方法も知られている。
(3) 花火や銃
花火や銃で威嚇することで、獣を近づけない。
これは、猿にはある程度は有効かもしれないが、鹿にはあまり有効ではなさそうだ。鹿は頭が悪くて、学習効果が少ないからだ。また、猿と違って、あまり近づかない。
あと、花火や銃は、物騒だ。人に被害が出るかもしれない。
(4) 苦み物質
果物などに、ところどころに苦み物質を含ませた果物を劣りとして用意して、それをあえて食わせる。すると獣は、「苦いのでもう懲り懲り」と思って、近づかない……というわけ。
これは、猿には有効かもしれないが、鹿にはあまり有効ではなさそうだ。鹿は頭が悪くて、学習効果が少ないからだ。
(5) ネットや柵
ネットや柵で防護する、という案も知られている。電気柵も用いられる。
ただしこれは、コストがかかりすぎる。広い範囲にはちょっと無理だ。(狭ければ、何とかなるが。)
(6) モンキードッグ
猟犬のような犬で獣を追い払う……という案がある。これは、猿には有効で、「モンキードッグ」という名前で知られている。
→ 鳥獣被害対策を考える(2)対策その1 犬による追い払い大作戦
うまい案に思えるが、対象が猿ぐらいに限られているという限界がある。大柄の鹿が相手だと、犬の方が蹴飛ばされてしまいそうだ。
(7) オープンロック
罠の一種で、オープンロックという方式がある。捕獲しない罠を用意して、それになれさせて、安心させたあとで、罠に引き込んで捕獲してしまう、という方法。
《 外来リス、餌付けで一網打尽 》
台湾原産のタイワンリスによる食害などに悩む横須賀市で、「オープンロック」と言われる防除方法が成果を上げている。餌を入れた箱わなを1週間以上開放し、警戒心が薄れて、仲間と一緒に食べに来るようになったところを一斉に捕獲する手法だ。普通に仕掛けたわなにはかかりにくい成獣にも効果を発揮しているといい、隣の葉山町も取り組んでいる。
オープンロックは、箱わなの扉を動物が入っても閉まらないように針金で固定。餌を多めに入れ、補給を繰り返しながら1週間以上待って「餌付け」する。
タイワンリスは、鳴き声で仲間と情報を共有する性質があり、一部のリスが、わなを安全な餌場と認識し、仲間を誘って来るようになった頃、ロックを解除すれば、半径400メートルほどの範囲で生息するリスを次々と捕獲できるという。
横須賀市は、金属製のわなを農地や山林に多数設置して防除を図ってきたが、経験の浅い若いリスや、餌をうまく取れないリス以外はなかなか捕獲できなかった。そこで昨年度から、ノウハウを持つNPOに依頼してオープンロックを活用し始めたところ、捕獲数が前年度を700匹近く上回る過去最多の2504匹に急増した。
今年度の捕獲数は9月末時点で528匹。酷暑や台風の影響で前年同期比208匹減となったが、例年餌が少なくなる1〜3月には捕獲数が伸びるという。
横須賀三浦地域県政総合センターによると、三浦半島の横須賀、鎌倉、逗子、三浦市と葉山町の4市1町では昨年度、タイワンリスによる農作物被害は404万9000円。戸袋や電線をかじる、庭木の樹皮を剥ぐなどの生活被害も1760件に上る。捕獲数は計4617匹だった。
横須賀市と隣接する葉山町も町民にわなを貸し出す際、オープンロックを説明、実践してもらうよう働きかけている。
横須賀市は今年度、NPOなどと市外来生物防除協議会を設立。タイワンリスのほか、アライグマやハクビシンの計画防除とともに在来生物の生態系保全にも乗り出す。協議会が緑地管理者に、外来生物の捕獲理由や方法のほか、生物環境の再生の必要性もレクチャーしていくという。
( 2013年12月2日 読売新聞 )
これはけっこう、うまい方法だ。
────────────
以上は、すでに知られた方法だ。
一方、私の提案で、別の方法をいくつか示そう。
(8) 補助金を出す
補助金を出すことで、集団による捕獲を、産業として成立させる。というのは、現状では、老人が個人でやっているだけだからだ。前項でも示した朝日の記事には、次の記述がある。
環境省によると、2013年度末で全国にニホンジカ(エゾシカを除く)は約305万頭、イノシシは約98万頭が生息すると推定され、過去10年でそれぞれ2.3倍、1.3倍に増えた。同時期に年間の捕獲頭数を2〜3倍に増やしたが、個体数は減っていない。
2011年以降、日本は人口減少社会に入った。農村ではすでに「限界集落」も出現し、空洞化が進む自治体も少なくない。鳥獣を捕獲する狩猟免許の所持者も今は、過去最多だった 1970年代の約4割の約20万人。1割未満だった 60歳以上の割合が6割以上を占める。
( → 朝日新聞 2017年5月4日 )
こういう状況では、鹿の駆除は効率的には進まない。補助金を出して、産業として成立するようにするといい.そのことで、個人でなく組織によって効率的に駆除を進める。(前項でも少し言及したとおり。)
(9) IT技術の利用
獣害対策として有効なのは、(猟師が)一人でなく集団で捕獲することだ。これは、軍隊の場合と同様で、的を捕獲するには集団で捕獲する方が容易だからだ。
とはいえ、集団で行動すると、「同士討ち」の危険が高まる。これが現在、集団行動を避けがちになる理由だ。
そこで、うまい方法を出す。
「IT技術を使って、同士討ちを避ける」
現在ではスマホに GPS 機能があるので、各人の位置をスマホの地図上に記すことができそうだ。(圏外になっていなければ。)
といっても、現実には、山中では圏外になっていることが多いようだ。たとえば、下記。
→ 長野県の受信可能領域の地図(NTTドコモ)
ところが、うまい方法がある。県外になっても、スマホが単独で GPS を使えるのだ。そういうスマホ用アプリがある。
携帯圏外の山奥でもGPSとして機能します。
( → ジオグラフィカ -スマホを登山用GPSにするアプリ )
これを発展させて、複数人を同時表示させることができればうまいのだが、あいにく、圏外になっているのでは、ちょっと無理だ。圏外になっているときには、トランシーバーで連絡するのがいいだろう。
各人の現在位置は緯度と経度が表示されるので、それをトランシーバーで連絡すれば、何とかなる。具体的には、各人の位置を司令官に報告して、司令官が各人の接近状態を各人に教える。
例。「本部より山本へ。北東2キロの位置に川村がいる。それだけに注意。他はもっと遠いから心配ない」
トランシーバーは、5キロぐらいまでの距離で使える。
→ 中距離 5km - インカム・トランシーバー・無線機の販売
ただし、トランシーバーの電波は、山があると遮られる。従って、次の方法を取るしかない。
「麓から電波が届きやすい場所に限る。麓にある司令官とのみ、電波の交換をする。山中の各人同士では、山面に遮られて電波は届かないことが多い」
具体的には、二つの山稜の間の谷間部分でのみ、各人が展開する。谷間の底の麓部分(集落?)に、司令官がいる。そこから、谷間に面する山面に展開している各人に伝達する。
なお、電波の届かないことを避けるには、谷底の二箇所に、二人の司令官がいるといいだろう。

図では、緑の山稜の谷間側に、猟師(●)が何人か展開している。山稜の中韓の谷間のそこには川が流れ、その上流側と下流側に、司令官(●)の2がいる。
司令官同士で連絡するほか、猟師と司令官でも連絡する。猟師同士では、電波が途切れることが多く、連絡できないことが多い。
(10) 農業からの撤退
人里の近くの農産物被害については、対策を放棄する、という手もある。つまり、「農業からの撤退」だ。
なぜか? そもそも山間地域の農業は、産業として成立していないことが多い。狭い土地で人の労力を多大に投入して、採算割れの農業をやる。それでもくっていけるように、国が多大な税金を補助金として投入する。
こんな馬鹿げたことをやるくらいなら、さっさと農業から撤退すればいいのだ。
ただ、ジビエ利用拡大には課題も多い。ジビエを生かした地域振興の先進地域、島根県の美郷町職員、安田亮さんは「地方と消費者の間でミスマッチが起こりかねない」と指摘する。
被害を抑えたい農家と肉を商売にしたい人で思惑も違う。「多くの利害を調整していく必要がある。その際の軸足は消費者側の論理ではなく、地域振興にあることを忘れないでほしい」と安田さん。
( → 朝日新聞 2017年5月4日 )
これは農家の主張だが、こんな「農家が偉い」という主張に耳を傾ける必要はない。鹿を駆除する理由は、「環境保護」だけでいい。「農産物の被害」まで考える必要はない。それを考えるのは、農家の側だけだ。国の側がいちいち考える必要はない。駆除したければ、農家が勝手に駆除すればいい。コスト割れで駆除ができないというのなら、獣害の多い地域では、農業から撤退すればいい。それで農産物の被害はゼロになる。(生産もゼロだからだ。)
では、農家の収入は? 農業補助金として与えていた分を、農業年金か何かで与えればいい。
その代償としては、土地を没収すればいい。要するに、農家としては、「土地を売却する」という形で、農業年金を受け取るわけだ。
鹿や猿を駆除するかわりに、農家を駆除する……というわけではないのだが、そんな感じで、農家をなくしてしまえば、農業被害もなくなる。
あとは、自然保護のために、鹿などを駆除するハンター部隊を結成すればいい。そこで鹿を駆除して、補助金を得ることで、狩人として生計を立てればいい。
(11) 餌付け
猿に限っては、果物の被害を減らすために、次の方法を取れる。
「果物が実る秋に限って、餌付けする。つまり、畑とは別の山中に、クズ野菜や廃棄する果物などを提供する。そこでは、猿は安全に食物を得ることができるので、わざわざ人家のそばまでやってこない。このことで、果樹園での被害を防ぐ。
その後、果樹園での収穫期が過ぎたら、餌付けをやめる。そのことで、冬季の餓死を促し、個体増を抑制する」
(12) 分類
基本的な分類として、次の3通りがある。
・ 殺す。(捕獲する)
・ 飢えさせる。(減らすというより増やさない)
・ よそで食わせる。(近づけない)
政府方針では「殺す。(捕獲する)」という形で、ジビエにすることが推奨されているが、他の方法もあるので、いろいろと考えることができそうだ。

http://hiroyukimaki.blog.fc2.com/
九州の山の中にすんでます。
新幹線が開通した後ぐらいでしたか
「猪が増えた」
という記載を町議会の議事録で見たことがあります。その時は大笑いしましたが、今では市街地にまで狸が来ているそうです。
さすがに猪が市街地に現れたとは聞きませんが、生態バランスが安定を見ないといずれは猪まで降りていくかもしれませんね。
山間部ではよく見ますけどいまのところは人的被害はないようです。