2017年04月24日

◆ ホンダの低迷(近年)

 ホンダは近年、低迷している。かつての高い技術水準の会社とは別物になってしまったようだ。

 ──

 日産は、自動ブレーキで駄目なところがある。
 トヨタとホンダは、燃料電池車なんかをやっていて電気自動車で遅れたという、大失敗をした。( → 別項
 しかしまあ、上記の二点は、致命的というほどではない。会社そのものが傾いてしまうというほどではない。

 一方、ホンダの失敗はひどい。会社そのものが傾いてしまうほどだ。
 三点あるので、列挙しておこう。

 (1) エアバッグの失敗

 エアバッグのタカタが欠陥商品を販売して大失敗したが、これで大失敗したのがホンダだ。もともとタカタとホンダの結びつきが強いことから、ホンダはタカタを支援してきたのだが、タカタの大失敗といっしょに、ホンダも沈没してしまいそうだ。
 タカタはもはや自力再建が困難で、損失の自己負担ができなくなっている。となると、ユーザーへの保証は、(つぶれてなくなった)タカタではなく、自動車会社が(いくらか)負わなくてはならないようだ。
 ホンダはタカタのエアバッグを使っていた率がとても高いので、他社に比べてホンダの負担額は圧倒的に多い。エアバッグ関連で、莫大な損失が発生するだろう。

 (2) ハイブリッドのリコール

 フィット・ハイブリッドは、DCT という先進的なハイブリッド技術を搭載した。私はこれを見て、次のように書いた。
 で、このたび、ホンダ・フィットの新しいハイブリッドが出たのだが、これがかなり複雑で、理解しがたい。

 ま、自動車マニアなら、知りたくなる情報だ。だけど、やたらと面倒で、理解しがたい。よくまあ、こんな面倒なシステムを考えたものだ。トヨタの遊星ギヤ式のシステムだって、ずいぶん面倒なのに、ホンダのはもっと複雑なシステムだ。
( → ホンダのハイブリッド )(2013年10月06日)


 伝達効率が高いので、高速燃費が良く、欧州の高速走行にも向いている。これは高速燃費が悪いトヨタのハイブリッドをしのぐ高性能さだ。
 そういう美点はあるのだが、構造があまりにも複雑すぎるという問題があった。で、私は「複雑すぎる」と上記で表した。(2013年10月06日)

 で、その後、どうなったか? フィット・ハイブリッドは、あまりにも複雑すぎるせいで、メーカーでもまともに製造できなかった。やたらと故障だらけとなり、1年間に5回もリコールを繰り返した。
 それでも、これで不具合が解決すればいいのだが、どうやらいまだに完全には解決していないようだ。
 《 ギクシャク、加速不良 》
 題目の理由にてリコール以外に2回目のミッション交換をしましたが良くなりません。

バッテリセグメント1で上り坂の進みが悪い、また低速走行時ギクシャクする。

ギクシャクに関しては1速から2速に変速するタイミングで発生しています。
DCTハイブリッド車の正常作動でありますとの事。

ミッション交換後、セグメント量に関わらず、ギクシャク・加速不良があります。
( → 価格.com - クチコミ掲示板


 そこでリンクをたどると、同様の不具合報告が多数見つかる。
  → 不具合情報一覧|自動車のリコール・不具合情報

 もう、メチャクチャですね。不具合は続いているのに、リコールをしないということだから、もはや修正することすら諦めてしまったようだ。欠陥品を欠陥状態のまま販売している状況。
 これがホンダのハイブリッドだ。呆れる。

 ホンダの DCT は、ちょっと見たときは、「すごい。なんて頭のいい方式だろう」と感じたこともあったのだが、アイデアは良くても、あまりにも複雑すぎると、製造が困難になってしまうわけだ。
 
 とはいえ、そういうことは、別に珍しくもない。たとえば、日産でも、「無段変速機」という新型アイデアを出したのだが、製造がすごく難しくて、結局、ものにならなかった。製造中止。
  → 世界初「エクストロイドCVT」(日産・公式)
  → 日産・エクストロイドCVT( Wikipedia )
  → トロイダルCVT (ベストアンサー)(知恵袋)

 とはいえ、日産は、ものにならなかった時点で、これの製造を諦めた。損失を出したとしても、限定されていた。
 一方、ホンダは、欠陥が解決されないまま、商品化して、大量に販売して、それからリコールを繰り返した。また、「性能が低い」だけでなく、「まともに動作しない」(ギクシャクする)という欠陥品を売り続けた。
 かくて、評判がガタ落ちとなった。販売台数も、2012年には 209,276台も売っていたのに、2016年には 105,662台と半減している。
  → ホンダ フィット フィットハイブリッド 新車販売台数

 一方、日産ノートは、2012年には 85,330台だったのに、2017年には国内での販売台数1位になることが多い。3月には 24,383台も売っている。馬鹿売れだ。
  → 日産 ノート 新車販売台数

 フィットとノートは、どちらもハイブリッドだが、ハイブリッドの方式の違いで、まったく明暗が分かれた。

 (3) F1 の低迷

 自動車レースの F1 で、ホンダの性能があまりにも低い(ダントツのペケ)なので、業界で呆れられている。
  → ホンダF1、海外メディアから厳しく批判される (2015/9/7)
 この時点であまりにも低迷していたので、監督が解雇されて、別人になった。それでいくらかまともになったようだが、なかなか状況が改善されず、やはりペケの状態が続いた。(2016年)
 2017年になっても、まだまだひどい状況が続く。
  → 【最終F1テスト:1日目タイム】1分22秒を切れないのはマクラーレン・ホンダだけ・・・トップはウィリアムズ
  → 【マクラーレン・ホンダ】アロンソ、とうとう怒り爆発「ホンダはパワーも信頼性もない」
  → F1 Topic:アロンソの「ホンダパワーユニットは時速30km遅い」は本当か?
  → アロンソ「これほどパワーのないマシンで走ったのは生まれて初めて」F1バーレーン決勝で苛立ち示す

 これほどにも危機的な状況にあった。
 とはいえ、つい最近になって、光明も見えてきたようだ。急にマシンが速くなったのだ。
  → ホンダF1パワーユニットが突然示した「完璧な信頼性」にマクラーレンが喜びと困惑 (2017-04-20)
 記事にもあるように、たしかに速くなった(うまく行った)のだが、どうしてそうなったのかを理解できていない。問題点がどこにあったのかもわからない。たまたまうまく行った(ことがある)というだけらしい。
 女神の気まぐれかもね。気まぐれが変わったら、また元の木阿弥になるかも。

 そこで、あまりにもホンダがかわいそうなので、他のチームがホンダのマシンを構造分析して、どこに問題点があるかを解明して上げよう……というお情けの方針が提案されているようだ。
  → 【F1】ストラテジーグループ、パワーユニットの性能均衡化のため、ホンダ救済を計画? (2017-04-24)

 何ともまあ、哀れなありさまか。破綻した没落貴族の赤字を負担して上げよう、というようなものだ。物を恵んでもらう乞食も同様だ。
 これが今のホンダのありさまだ。






 (*) デザインの低迷

 おまけでもう一つ。ホンダのデザインは、近年、低迷している。フリードが典型だ。先代はかっこよかったのに、新型は平凡になった。
 ここ3年ぐらいのホンダ車のデザインは、やたらと凡庸なデザインが多い。かつての先端的なデザインとは正反対だ。

 どうも、全般的に、会社組織が硬直化しつつあるようだ。
 桜の木に似て、組織が寿命を迎えつつあるのかもしれない。
 参考: → 砧公園の老木・枯木



 [ 付記 ]
 ひるがえって、トヨタは ル・マン(2016年)で大活躍した。運悪く優勝はできなかったが、優勝の直前まで行った。
 2016年のルマン24時間耐久レース。トヨタ5号車は今年のルマン24時間で誰よりも速く、誰よりもたくさんの周回数を消化していた。ただし、それは日曜日の午後2時57分までのこと。直後にトラブルが発生してスローダウンを喫し、その脇を通り過ぎていったポルシェ2号車がトヨタ5号車より1ラップ多い384周を24時間で走破、午後3時過ぎに振り下ろされたチェッカードフラッグをいち早くかい潜って総合優勝を果たした。
( → 【ルマン24時間 2016】トヨタはなぜ勝てなかったのか…総まとめ | レスポンス(Response.jp)

 実に不運だったとも言える。24時間でなく 23時間57分の勝負だったなら、トヨタが優勝していたのだが。
 とはいえ、ここまで頑張ったことは、大いに称賛されていい。
 ホンダとは大違いだ。

 日産は? レースそのものをやめてしまったようだ。
 あ、違った。ものすごい大失敗をしていた。
  → 日産・GT-R LM NISMO





 ホンダどころではない。ホンダは「周回遅れ」というぐらいで済んだが、日産の方は「とんでもない遅さで、まるでコメディ」というありさまだった。比喩的に言えば、対抗馬がポルシェ911ターボであるときに、日産 GT−R を出さずに、DAYS を出したようなものだ。
  → ル・マン最後発の日産が見せたセオリー無視の「空力」勝負。押し通したのはエンジニアのプライドだ
 そもそも、FF のレーシングカーを出すというところからして、おかしい。技術陣は大得意だったが、ただの独りよがり。他社から見れば、レースを馬鹿にしているとしか思えないような、狂気の沙汰だ。その結果、大々的に批判された。
 これに懲りて、日産はレース活動から撤退した。
  → 日産がWEC&ル・マンへの参戦を中止

 トヨタは素晴らしく、ホンダはみじめだが、それでもどちらもスポーツマンシップはある。日産は論外で、ただのピエロとサボり魔であるにすぎない。
 とはいえ、みじめでも参加するのと、物笑いのタネになるくらいなら一挙に撤退するのでは、どちらがいいのか、決めかねる。

posted by 管理人 at 23:38| Comment(2) | 一般(雑学)4 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
日本の技術者の設計能力低下を端的に示していますね。

役所が発注する『●●●システム』の類いの仕様書が酷いのはよく知られていますが、民間も似たような状況になりつつあるということですかね。
Posted by 反財務省 at 2017年04月25日 08:41
空冷N360のボンネットを開けると、随分と簡単な機構でした。多分故障は少なかったと思います。
複雑な機構のハイブリッド車は、故障も複雑すぎるでしょう。
ユーザー、サービスマン泣かせと推察されます。
Posted by senjyu at 2017年04月25日 20:25
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