2017年04月13日

◆ 砧公園の老木・枯木

 砧(きぬた)公園の桜は、多くが枯れてしまっている。寿命を迎えつつあるようだ。枯木だらけになる前に、対処するべきだろう。

 ──

 砧公園の桜は、巨木が多いので有名だが、今年はどうも枯れた老木が目立つようだ。
 そこで念のため、再訪して確認してみたのだが、やはり、枯れた老木が多い。

 このことは、「緑の葉っぱが一枚もなくて、枝だけがある」という巨木が多いことからもわかる。
 こういうふうに「緑なし」というのは、冬ならば珍しくもない。だが、春でも「緑なし」だというのは、「枯木」と見なすしかない。つまり、もう死んでしまったわけだ。


kareki.png


 こういう枯木状態の巨木が目立つので、細かく確認してみた。すると、公園の奥の方ではあまり目立たないものの、手前、つまり、公園の入口に近いあたり(環八や東名高速に近いあたり)では、ほとんどが枯れてしまっているようだ。枯木となった巨木がずらりと並んでいる情景は、ちょっと物悲しい。
  ※ 「第三の男」のラストシーンみたいだ。

 これらの枯れた樹木はたぶん桜だろうと思った。で、確認が取れないまま、少し出口の方に進むと、案内地図がある。そこには「ケヤキ並木と桜並木があります」という地図が示してある。


kinuta.gif
出典:園内マップ



 それと照合すると、ケヤキ並木となる場所には、緑の葉がいっぱい茂っているのに、桜並木となる場所には、枯木となった巨木ばかりが並んでいる。このことから、枯木となった巨木は本来は桜並木となる場所であった(つまり枯れた巨木は桜である)ことがわかる。

 ──

 桜(ソメイヨシノ)の寿命は、 60年と言われることもある。
 ヤマザクラやエドヒガンでは数百年の古木になることもある一方で、江戸時代に作出されたソメイヨシノは、野生種に比べて新しく誕生した種であることを割り引いても、高齢の木が少ない。老木の少なさの原因ははっきりしていないが、「ソメイヨシノは成長が早いので、その分老化も早い」という説がある。
 ソメイヨシノはクローンであるため、全ての株が同一に近い特性を持ち、病気や環境の変化に負ける場合には、多くの株が同じような影響を受け、植樹された時期が同時期ならば、同時期に樹勢の衰えを迎えると考えられている。21世紀に入り樹勢の衰えが目立つようになったため、戦後に大量に植えられた本種の寿命が到来しつつあると危惧されており、ソメイヨシノ60年寿命説が唱えられることもある。
( → ソメイヨシノ - Wikipedia

 砧公園の巨木は、60年という時期を大幅に超えてしまっている。
 砧公園は昭和15年(1940年)、紀元2600年記念事業により都市計画決定された大緑地を前身として、昭和32年(1957年)4月1日に開園しました。
( → 砧公園|東京都

 1940年から数えて、ことして 77年目だ。1957年からなら 60年目だが、開園の時点の桜が苗木であったはずがなく、苗木からすでに 17年ぐらいの時間がたっていると思えるので、この場合もやはり 77年となる。
 おおざっぱに言って、75〜80年の樹齢である桜が多いと見ていいだろう。(もっと若いものもあるだろうが。)
 こうなると、いっせいに寿命を迎えたとしても、おかしくはない。
( ※ この樹齢の染井吉野は、人間だと 100歳ぐらいに相当するらしい。一説によると、だが。)

 ──

 なお、どの樹木も一律に寿命を迎えるわけではない。遺伝子的な個体差はないが、環境による差があるようだ。
 《 寿命は環境がつくる 》
 樹木の寿命は成育する環境によって大きく左右されます。そしてその環境は人が作っているのです。
 もともと人が接ぎ木をして作って植えてきたソメイヨシノです。人が手を掛けないとソメイヨシノは弱ってしまいます。その時期は植えられて40年経ったころからで、弱り始めて何も手を掛けずにいれば衰退はいっそう進み、60年経った頃には無残な姿になってしまうでしょう。これが寿命60年といわれる所以だと想像しています。
 私たちを楽しませてくれるソメイヨシノを60年で絶やすわけにはいきません。そのためにも植えっぱなしにせず、地元の人たちと一緒になって樹木医もその状態をチェックし、見続ける必要があるのではないかと、私はサクラが咲く時期になると特に思いを強くします。
( → 桜を未来に 〜ソメイヨシノの寿命60年説は本当か?〜|桜だより|日比谷花壇

 環八や東名高速に近い樹木は、それだけ排ガスなどの影響を受けていそうだし、現地の日当たり条件も良くないし、水の利りも良くないようだ。その点、公園の奥の方の樹木は、恵まれている。
 そういうわけで、差が出たのかも。
 あるいは、植樹の時期にも差があるのかもしれない。(可能性としては、ありそうだ。公園の建設には 17年もかかっているから、最初は入口付近から植樹したとしても、おかしくはない。今は見事な桜が見られるのは、最も奥の方だから、このあたりの植樹は遅くなった可能性もある。)

 ──

 ともあれ、以上のような状況で、砧公園の桜は寿命を迎えつつあるようだ。一般論では、下記のようになる。
 ソメイヨシノは天狗巣病(※3)や排気ガスに弱く,寿命はおよそ60年と,他のサクラと比べて短命だともいわれています。樹齢100年を超えるソメイヨシノが現存することも事実であり,適切な管理によって樹勢を取り戻した木もありますが,わたしたちの周りに見られるソメイヨシノの中には戦後間もなく植栽され,樹齢60年を迎えつつあるものが少なくないため,今後寿命を迎えるものが増えてくるのではないかと心配されています。
( → 利用案内・情報 ≫ ホットニュース ≫ 2008-04-01 :: 国立科学博物館 National Museum of Nature and Science,Tokyo

 こういうことだとすれば、このまま放置すると、砧公園の桜はすべて枯れてしまうだろう。今のような見事な桜が見られるのも、あと何年あることやら。20年もたてば、すべては枯木になってしまってもおかしくはない。
 
 とすれば、その前に、桜の植え替えが必要だろう。というか、植樹だ。
 2600年の記念に植樹したように、東京オリンピック記念で植樹することはできないだろうか? 苗木を植えても育つのに時間がかかるから、最初から高さ3メートルぐらいの桜を植えてほしいものだ。それが 10年もたてば、結構大きくなるだろうから、少なくとも新宿御苑ぐらいにはなりそうだ。

 小池都知事は、豊洲市場のことなんかよりも、砧公園の桜の維持の方に、気を遣ってほしいものだ。



 【 関連サイト 】

 別項(新宿御苑)で記した動画を、下に再掲する。(砧公園の動画)
 
 2016年




 2017年




 ※ 撮影した場所が違うので、比較はできないのだが、
   2017年版では、枯木の巨木がたくさん確認できる。



 【 関連項目 】

 → 新宿御苑は便所臭い
posted by 管理人 at 22:55| Comment(1) | 一般(雑学)4 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
中国からきた外来種“クビアカツヤカミキリ”が
桜・梅・桃の幹に侵入して食い荒らすらしいです
今のところ、切り倒して処分するしかないらしいです
Posted by 田舎者 at 2017年04月14日 07:22
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

過去ログ