2017年04月10日

◆ 共謀罪はこう直せ

 前項の続き。「共謀罪」については、「国際性」を犯罪成立の条件とするといい。

 ──

 「共謀罪」が「テロ予防」を名分としているのはおかしい、と前項で述べた。では、それが駄目なのなら、どうすればいいか?
 そこで、もともとの「国際組織犯罪防止条約」(これを締結するために共謀罪が必要とされた)にさかのぼって考えるといい。
 国際組織犯罪を防止することが目的なのだから、共謀罪の成立要件には「国際性」と「組織性」の双方を条件とすればいいのだ。
 現実には、法律で規定される犯罪要件としては、「組織性」だけがあって、「国際性」がない。そこで、「国際性」も犯罪要件とすればいい。

 この場合、国際的な犯罪だけが共謀罪の対象となるから、国内だけの犯罪(の予備罪)は、対象とならない。
 共謀罪の反対論者が心配しているような事例は、すべて、国内だけの事柄だから、「国際性」を帯びていない。したがって、「国際性」を犯罪要件とする限り、一般市民は逮捕される危険性がなくなる。

 以上が、私の提案だ。



 【 補説 】
 話は変わるが、共謀罪の事例として、マネーロンダリングが掲げられている。なるほど、これは、国際性があるだろう。したがって、組織性もあれば、国際組織犯罪となりそうだ。

 ただし、である。ここで注目するべきは、例のカジノ法案との関連だ。というのは、カジノというのは、主として(国際的な)マネーロンダリングのためにあるからだ。
 これは、前にも述べたとおり。再掲しよう。
 そもそも、マカオはどうしてあれほどにもカジノが栄えているのか? 人々がよほどギャンブル好きだからか? 大損してもなおかつ、莫大な金を投入するからか? 無尽蔵の金を投入して、ギャンブルをし続けているからか? 
 違う。彼らは単にマネーロンダリングのためにマカオを訪れているだけだ。だから、さっと来て、さっと帰ってしまう。ギャンブルそのものをやりに来たのではなく、マネーロンダリングをやりに来ただけだからだ。ここが肝心だ。
( → カジノの皮算用

 カジノはそもそも、市民よりも犯罪者のためにある。庶民がささやかなギャンブルをするためにあるのではなく、犯罪者が莫大な金をマネーロンダリングするためにあるのだ。カジノ会社や自治体はそれに協力することで、おこぼれをもらうだけだ。
 これが本質だ。この本質も理解しないまま、「マカオ・ラスベガス・シンガポールで成功しているから」という皮算用をするのは、あまりにも馬鹿げている。
( → トランプ候補のカジノ経営失敗

 カジノはマネーロンダリングのためにある。マネーロンダリングをしたい客のために場所を提供して、手数料みたいな料金をもらう。これがカジノ成功の必要条件だ。これがなければ、カジノは成功しない。横浜や大阪がカジノ誘致で成功したければ、違法なマネーロンダリングに協力するしかないのだ。
 というわけで、一方では(カジノで)マネーロンダリングに協力し、他方では(共謀罪で)マネーロンダリングを禁止する、というのでは、話が矛盾している。アクセルとブレーキを両方踏むようなものだ。
 マネーロンダリングを、禁止したいのか、推進したいのか、どちらかにするべきだ。
  ・ 禁止したいのなら → カジノ法案を止めるべきだ
  ・ 推進したいのなら → 共謀罪を止めるべきだ。

 どちらであってもいいが、この双方を同時に実施するというのは、方向性が矛盾しているし、狂気の沙汰だ。


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 ちなみに、カジノ法案はすでに成立した。
 《 カジノ法案成立 》
 カジノを含む統合型リゾート(IR)を解禁する法案(IR推進法案)は 15日、前日の参院本会議に続き、衆院本会議で可決され、成立した。政府は、規制や依存症対策などの具体的な制度設計を盛り込んだ「IR実施法案」を1年以内に国会に提出する作業に入る。
 IR推進法案は、自民党を中心とする賛成多数で 15日未明、可決、成立した。同時に提出された安倍内閣への不信任決議案は否決された。
( → 朝日新聞 2016年12月15日


 なお、共謀罪にマネーロンダリングが含まれていることは、下記記事でわかる。
 《 「共謀罪」法案 テロ以外が6割 テロ等準備罪内訳判明 》
 対象とするとみられる二百七十七の犯罪を「テロの実行」「薬物」など五つに分類。政府はテロ対策を強調しているが、「テロの実行」関連は百十で四割だった。
 「テロの実行」に分類されているのは、組織的な殺人やハイジャックなどに関する犯罪。そのほか、覚醒剤や大麻の輸出入・譲渡などの「薬物」関連が二十九▽臓器売買や集団密航者を不法入国させる行為など「人身に関する搾取」二十八▽マネーロンダリング(資金洗浄)や組織的詐欺などの「その他資金源」が百一▽偽証や逃走援助などの「司法妨害」が九−となっている。
( → 東京新聞



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posted by 管理人 at 20:26| Comment(3) | 一般(雑学)4 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
パレルモ条約に基づく。
Posted by 京都の人 at 2017年05月07日 07:26
> パレルモ条約

 本文中で「国際組織犯罪防止条約」として記してあります。
Posted by 管理人 at 2017年05月07日 07:53
>・ 禁止したいのなら → カジノ法案を止めるべきだ
  ・ 推進したいのなら → 共謀罪を止めるべきだ。

”マネーロンダリングに頼らない新たなカジノを目指す。そのために統合型リゾートとした。”という名目である意味承知で失敗へと進んでいくのかも。少なくとも、民間資金は費消され、公金投入の理由にはなります。で、ハコモノやインフラ投資、一時的な雇用が創出されます。勿論、官の既得権も。
Posted by 作業員 at 2017年05月07日 09:48
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