2017年04月09日

◆ 保育所の補助金の闇 2

 保育所の補助金は食い物にされている。そのせいで保育所不足となる。(前項の続き)

 ──

 前項では、「保育所の補助金が食い物にされている(経営社が私腹を肥やしている)という話をした。
 同様の話は、他のページでも紹介されている。一部引用しよう。
 《 待機児童の裏に隠された、「巨大な保育利権」の深い闇 》
保育業界というのは、国や自治体から莫大な補助金を受け取っています。
一定の基準をクリアして、自治体から認可された「認可保育所」というのは、それはそれは潤沢な補助金をもらっているのです。

これにプラスして、自治体からもらえる補助金や保護者から徴収する保育料があります。だから児童を30〜40人も抱えていれば、毎月数百万円〜1千万円以上の収入になるのです。年間ではなく、毎月ですよ!
土地と金とコネを持っている人にとっては、これほど美味しい商売はないのです。
 
民間保育所というのは、社会福祉法人によって運営されていることが多いものです。
この社会福祉法人というのは、税制上、様々な優遇措置を受け、補助金も投入されているにも関わらず、内部の経理関係は不透明になっています。外部からの監査や指導が、ほとんどないからです。
だから、報酬なども、理事長の意向で決められます。
保育士は、安い給料でこき使い、自分は多額の報酬を受け取るということも多いのです。
その一方、民間保育園の理事長の報酬の平均は1千万円を超えているのではないかと見られています。
( → まぐまぐニュース!

 上では「理事長の報酬」というふうに述べているが、理事長本人ではなく、妻や子供を理事に据えて、年間で数千万円をボロ儲けしている例も多い。その一方で、職員は薄給だ。
 ともあれ、こういう利権がある。その利権を守るために、保育業界では、「新規参入をなるべく阻止する」という方針が取られているそうだ。政治的なコネを聞かせて、新規参入を阻止したがっているという。(上記記事)

 これについては、新規参入が困難だった、という声も出ている。いろいろと参入規制があるそうだ。下記に実例が示してある。
  → 保育園の開園を阻む、たった一枚の紙
  → 舛添東京都知事が3分でできる、効果的な待機児童対策はこれだ!

 前者は、建築規制。
 後者は、バリアフリーの設備規制。
 必要もない過剰な規制があるせいで、保育所をうまく増やせないそうだ。

 ──

 なお、引用記事では、さらに次の記述もある。
現在の認可保育所における高い設置基準は、子供たちを守るためのものではなく、保育業界を守るためにあるということです。
認可保育所に入れれば、子供たちは手厚い保護を受けられますが、入れなければ、安全はまったく保障されません。
実際に認可保育所に入っていない子供は、しばしば事故に巻き込まれています。
保育所での死亡事故の7割は、認可外の保育所で起きているのです。
認可外の保育所に入っている児童は、保育児童全体の1割程度です。つまり1割しかいない認可外保育所の児童が、死亡事故の7割を占めているのです。認可保育所の20倍以上の確率で死亡事故が起きているのです。
認可外保育所で、事故が多発する最大の理由は、「補助金が一切でていないこと」です。
保育事業というのは、異常な仕組みになっており認可されれば、先ほども述べたような手厚い補助金がもらえますが、認可されなければ、補助金はまったくでないのです。その差は、天国と地獄ほどです。
( → まぐまぐニュース!



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 以上のことからすると、次のように状況分析ができる。
 「保育所不足が問題だとしばしば言われるが、実は、保育所はまったく不足していない。むしろ大量にありあまっているぐらいだ。ただし、その多くは認可外保育所である。足りないのは認可保育所であって、認可外保育所はありあまっているのだ」
 「しかし認可外保育所は、補助金が投入されないので、劣悪なサービスと高額の料金となっている。だから人々は認可保育所を望む」


 ここから得られる結論は、こうだ。
 「保育所不足が問題だとしばしば言われるが、不足しているのは、保育所の数ではなくて、補助金の投入だ」
 「したがって、これを解決するには、保育所をたくさん増やせばいいのではなく、認可外保育所に投入する補助金を大量に増やせばいい。不足しているのは、土地や建物ではなくて、補助金という金なのだ。大量の補助金を投入して、認可外保育所でも高度なサービスを受けられるようにすれば、問題は一挙に解決する」


 ──

 実を言うと、この方針は、ある程度は実現しつつある。それは「小規模認可保育所」という形だ。これは近年急増している。
  → 小規模認可保育所が2429園に激増しました|駒崎弘樹

 この方針がどんどん推進されれば、「認可外保育所が小規模認可保育所になる」という形で、保育所の問題は急激に改善されるだろう。
 とはいえ、問題は、予算の額だ。この額が制限されていると、増やせる小規模認可保育所の数も制限される。……それが現状であるようだ。
 
 というわけで、結論としては、こうなる。
 「保育所不足の根源は、土地や建物の不足ではない。予算の不足だ。予算さえ十分ならば、認可外保育所を小規模認可保育所に転換するという形で、問題の解決は進む」

 ただし、この方針には、認可保育所を経営する既存の保育所からは、反発が出そうだ。利権団体の圧力がある。
 このあたりにメスを入れることが、問題解決の一助となるだろう。



 [ 付記 ]
 認可外保育所の危険性については、下記項目でも論じた。
   → 認可外保育所の危険性の放置



 【 関連項目 】
 保育所が不足するのは、保育所の土地が不足しているからだ……という弁解は、しばしばなされる。この件は、本サイトでも何度か言及した。下記項目だ。

  → 銀座の公園を保育所に?
  → 杉並区の保育園騒動
  → 保育園設置を住民が阻止
  → 保育所と借地の問題が解決
  → 土地を自治体に寄付するには?

posted by 管理人 at 15:59| Comment(2) | 一般(雑学)4 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
既に私腹を肥やしてしまった、保育と特養は社会福祉法人改革を打ち出しても難しい。管理が国ではなく都道府県市に降りてしまっているから。市の公務員で経営的な事がわかるひとが皆無ではないかな。
Posted by 35年前は現役 at 2017年04月16日 00:36
社福の理事長、理事ポストって、完全に官庁の天下り先になってますからね。要は、現場の人間はともかくとして、自分たちが潤えばそれでよしっていう。。。
Posted by 反財務省 at 2017年04月30日 20:51
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