2017年04月09日

◆ 宅配の再配達をなくすには

 宅配の再配達をなくすには、どうすればいいか? 「時刻通知」および「時刻指定」という解決策がある。

 ──

 宅配の再配達をなくすには、到着時刻の通知をするべきだ……という提案を、これまで本サイトで何度か述べてきた。
 宅配便を自宅で受け取る場合、いつ来るかわからないのが困る。時間をあらかじめ通知してほしいものだ。できれば、届く1時間ぐらい前に、「あと 20〜40分ぐらいで届きます」というふうに、スマホに連絡してほしいものだ。
 とにかく、来る時間がほとんどわからないのが困る。クロネコメンバーズというのがあって、これだと、一応、通知のメールは来るが、通知時間には2時間ぐらいの幅がある。たとえば、「12時〜14時」というふうに。これでは、おおざっぱすぎる。
 しかも、メールの通知が、品物が届いたあとに来ることもある。ひどいものだ。IT時代なのだから、もうちょっと、何とかならないものか。GPS と連動させたりして、AI による予測機能を使えば、もっと何とかなるはずだが。

 実を言うと、これをすでに実現した会社がある。それは、アスクルだ。アスクルの LOHACO というサービスには、
 「商品が届く10分前にスマホに通知される」

 というサービスがあるのだ。下記の通り。
 (以下略)
( → 宅配の再配達

 (2) Amazon 連携
 配達の時間を指定できるようにすれば、家庭と宅配業者はともに便利になり、win-win 関係になる。これは「クロネコメンバーズ」というサービスに登録すると、実現できる。
 ただし、登録するのが面倒臭い。かといって、登録しないと、身元確認ができず、不正利用されてしまう。それはまずい。では、どうする?
 ここでも「困ったときの Openブログ」だ。うまい案がある。
 「Amazon の会員番号で、クロネコメンバーズに自動登録される」
 これは、Amazon のシステムとクロネコヤマトのシステムを結合することで実現できる。クロネコヤマトは、いちいちメールを出して身元確認するのではなく、Amazonの会員番号で身元確認する。こうして Amazonの利用者ということだけで自動的に身元確認ができて、配達の時間指定もできるようになる。

 さらに言えば、Amazon のアカウント上で、配達時間も指定できるようにすればいい。実際、現在では、配達過程が表示される。たとえば、
 「ただ今、厚木の配達センターを出発しました」
 というような表示が出る。
 このような画面の一部に、
 「配達時間の指定(変更)」
 という項目を付ければいいのだ。そうすれば、クロネコメンバーズの資格の有無に関係なく、Amazonのアカウント上で配達時間の指定ができる。これによって、再配達の無駄が激減する。

 そもそも、現状では、Amazonの商品については配達時間の指定ができない。そこが根本的に狂っている。そのせいで再配達が激増しているのだが。
( → 宅配便の再配達を減らすには?

 このように「時刻通知や時刻指定をできるようにせよ」というのが、本サイトの提案だった。


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 ──

 一方、この提案を実施すると再配達の頻度が大幅に減少する……というデータが出た。実施したアスクルがデータを公開した。
 国交省が再配達になった理由を利用者に尋ねたところ、約4割が「配達が来るのを知らなかった」と答えた。宅配業者のコミュニケーション不足も再配達の理由のひとつになっていた。
 事務用品通販のアスクルは昨年8月、1〜2時間単位で配送時間を指定でき、配達時間をきめ細かく配達先に伝えるサービスを東京、大阪の一部地域で始めた。その結果、再配達になる割合を約3%に抑えられたという。
( → 「宅配便、1回で受け取りを」 再配達抑制へ国呼びかけ:朝日新聞 2017-04-04

 要点は下記。
  ・ 実施主体はアスクル。
  ・ 1〜2時間単位で配送時間を指定できる
  ・ 配達時間をきめ細かく配達先に伝える
  ・ その結果、再配達になる割合を約3%に抑えられた


 ここでは「配達時間をきめ細かく配達先に伝える」ということの詳細が記してないが、この内容は、
  「商品が届く10分前にスマホに通知される」
 というものである。先に(本項冒頭付近で)引用したとおり。

 ──


yuubin_takuhaiin_man2.png


 というわけで、本サイトで提案したこと(時刻指定・時刻通知)をやれば、再配達の頻度は大幅に減ることが実証されたわけだ。これなら配達コストも激減するだろう。
 ヤマト運輸は、「時刻指定・時刻通知をすると、サービス向上になるから、配達コストが上がる」と思い込んでいるのだろう。しかし、正しくは、「時刻指定・時刻通知をすると、サービス向上になるとともに、配達コストが下がる」というふうになるのだ。
 これはつまり win-win の関係だ。
 そういうことを理解できず、「サービスを低下させればコストが下がる」というふうに思い込んでいるところに、ヤマト運輸の愚かさがある。

dorei_kyousei_roudou.png
奴隷労働




 [ 付記1 ]
 ヤマト運輸は愚かである。愚かだからこそ、Amazonから原価割れの料金で業務を引き受ける……という馬鹿げたことをやるわけだ。下記のように。
 Amazon の宅配では、再配達率がとても高いそうだ。昼間は不在で、夜間でも不在のことが多いそうだ。
 これは当然だろう。通販を使うような人は、自分では買い物には行けないような人が多い。昼間は忙しいのだから、昼間は不在となり、再配達率が高くなる。
 一方、普通の宅配ならば、昼間に主婦が在宅であることも多い。これなら再配達は少なめだ。
 要するに、Amazon などの通販の宅配では、一般の宅配よりも、再配達の比率が高い。ならば、料金を上げるべきなのだが、実際には、料金は安い。( 300円以下かも。Amazonで設定された宅配料金は、基本が 350円だが、2000円以上の買物だと無料だ。実際にヤマトに払っている金も、相当安いはずだ。)
 この点では、ヤマトの経営陣の見込みが、相当狂っていたことになるね。
( → 宅配ロッカーの共同利用

 なお、Amazonが過剰な低料金を要求した、ということについては、何度も報道されてきた。
 佐川は、「送料無料」を維持するため運賃の切り下げを迫るアマゾンとの取引を自ら打ち切ったのだ。12年に行われた運賃見直しの際、当時270円前後だった運賃を20円ほど上げようとの腹積もりで交渉に臨んだと、佐川の営業マンは語る。
 「けれどアマゾンは、宅配便の運賃をさらに下げ、しかもメール便でも『判取り』(受領印をもらうこと)をするよう要求してきました。いくら物量が多くても、うちはボランティアじゃないとして、アマゾンとの取引をやめました」
 代わってアマゾンの配送を引き受けたヤマトの現場では、一日で一ルート当たり20〜30個の荷物が増えた。現場からは「正直言って、しんどい」という声が聞こえてくる。

( → アマゾンの配送を引き受け「正直しんどい」 過酷すぎるヤマト運輸の実態

 Amazonは 「送料無料を維持するため運賃の切り下げを迫る」というふうにゴリ押ししてきたのだ。それも、業者が「うちはボランティアじゃない」というほどの過剰な要求だ。
 普通の荷物なら、600円以上になるのに、Amazon は 270円よりももっと低い価格を要求するのだから、5割引以上だ。これでは利益が出るはずがない。(従業員にサビ残を強要するしかない。)従業員は、給料をもらわないまま、仕事ばかりを大量に押しつけられるわけだ。Amazon のせいで。
( → 宅配便と Amazon

 [ 付記2 ]
 再配達を減らすためには、まったく別の方策もある。宅配ボックスを用意することだ。これについては、下記で言及した。そちらを参照。
  → 宅配の再配達の解消には?
  → 宅配ロッカーの共同利用
  → 宅配ボックスを駅に設置できるか?

 [ 付記3 ]
 本項の趣旨はわかりにくいかもしれないので、解説しておく。
 次のことを言いたいわけではない。
 「時刻指定・時刻通知という正解を、本サイトは以前から示していたぞ。えっへん」

 むしろ、次のことを言いたい。
 「時刻指定・時刻通知ということを、本サイトは以前から示していたが、それが正解であることは、はっきりと証明された。正解は判明したのだから、さっさと実施しろ
 「宅配ボックスの配備なんていうのは、何年もかかる方策だ。それは正解ではない。そんなことより、今すぐできることをさっさと実施しろ」
 後者の件は、前にも述べた。
 無人ボックス(宅配便ロッカー)は、次々と実現しつつあるわけだ。こうして、再配達の問題は解消されつつある。
 当面は駅だけらしいが、そのうち、コンビニを初めとして、各地にたくさんできるそうだ。(5000箇所)
 
 なお、同様のものは、米国の Amazon も自力で設置しているそうだ。(アマゾン専用のロッカー)
  → 米国で人気のAmazonロッカーとは

 ──

 では、これで再配達の問題は完全解決か? いや、そうは言えない。次の難点があるからだ。
  ・ 2022年まで、という計画があるように、あと5年もかかる。
  ・ 都会でない地方では、あまり設置されそうにない。
  ・ その理由は、設置コストがかなりかかることだ。

( → 宅配の再配達の解消には?

 宅配ボックスの配備よりは、コンビニ受け取りの方がいい。だからコンビニ受け取りには 10〜30円ぐらい値引きしろ(ついでに標準料金を値上げしろ)……というのが、上記項目の提案だった。
 それとは別に、本項で述べた方策もあるわけだ。
 一方、「宅配ボックスの設置」なんていうヤマト運輸の方策は、愚策である。あと5年もかかる。遅すぎ。
posted by 管理人 at 14:25| Comment(3) | 一般(雑学)4 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
アスクルの倉庫が火事になる前まで、頻繁にLOHACOを利用していました。商品の配送はヤマト運輸が担っていましたから、アスクルのシステムが配送時間指定に対応できていたということでしょう。Amazon他のEC事業者が技術的に対応できないとは思えませんから、再配達率低減に効果があるなら各社ともいずれ配送時間指定をシステムに組み込んでいくのではないでしょうか。勿論、一般荷物を取り扱うヤマト運輸も含めてです。

ただ、個人注文の便では、”時間指定しておいて不在”という問題も生じそうな気もします。
Posted by 作業員 at 2017年04月09日 19:08
> いずれ配送時間指定をシステムに組み込んでいくのではないでしょうか。

 本サイトが正しいことを書いても、それが実現することは、まずない。本サイトに書いてあることは、たいていは先進的すぎるので、人々は理解できない。シャープの倒産寸前・売却でも、鴻海の買収でも、MRJ の失敗でも、本サイトに書いてから、それが理解されるまでには、何年もかかった。

 宅配の再配達をなくす方法でも、本サイトの方法は取られないだろう。ちなみに、政府が取っているのは、「配達は1回で受け取って」というふうに訴える萌えキャラを、税金でつくることだけだ。

  http://www.asahi.com/articles/ASK3S3FSVK3SULBJ001.html

 税金で萌えキャラごっこをやるんだから、たいした度胸だね。よくまあ、こんな浪費ができるものだ。

 ※ そもそも私企業のために公金を支出するということからしておかしいが。どうせなら Amazon の「当日配達」に罰金でもかける方が、よほど政府らしい方針なのだが。罰金で規制することなく、税金による補助金で援助する。ブラック企業ほど多くの補助金をもらえるという愚。まともなアスクルは1円ももらえない。

Posted by 管理人 at 2017年04月09日 19:25
Amazonさんも一部では「もうじきいくよ〜」メールが届きますよ。
あれは便利です。
Posted by 先生 at 2017年04月10日 10:55
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