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地下鉄サリン事件から 22年たったということで、遺族の声が報道されている。
→ 地下鉄サリン事件から22年、被害者らが集会:朝日新聞
→ 地下鉄サリン事件「風化させぬ」 22年を前に集会 :日本経済新聞
→ 地下鉄サリン事件から22年を前に 被害伝える集会 | NHK
これはまさしく「地下鉄テロ事件」だ。テロならば地下鉄でやると効果的だ、ということが、現実の事件で実証されたわけだ。記事では「13人が死亡し、およそ 6300人が被害を受けました」と書いてある通り。
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一方で、五輪テロに関しては、地下鉄テロのことがほとんど考慮されていない。何をやっているかと言えば、「マラソンのコース上でペットボトル爆弾を爆発させる」というような、およそありえそうもないことを想定した対策ぐらいだ。
→ 東京マラソンでペットボトル禁止
ほとんど人のいないコース上で爆発させて、主たる被害者は自分だけ……というような事例を想定している。しかしこれは、「テロ」というより「自爆」と言うべきだろう。「大量殺害」とは正反対だ。こんなものを想定して、「マラソン参加者はペットボトル禁止」なんて措置を取るのだから、呆れてものが言えない。「観客はペットボトル禁止」なら、まだ意味があるが。(観客は多数いるので、観客が爆発物を持ち込めば、ある程度の被害は生じるだろう。)
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では、地下鉄のテロ防止には、どうすればいいか?
現実になされているのは、「ゴミ箱の撤去」だ。しかしこれは、二つの意味で馬鹿げている。
(1) ゴミ箱に爆弾を入れれば、被害はゴミ箱のあたりだけで済む。ゴミ箱に爆弾を入れられなければ、電車内に爆弾を持ち込むので、被害はかえって拡大する。ゴミ箱の撤去は、帰って「電車内の爆発」を促すことで、被害を拡大する。
(2) ゴミ箱を撤去しても、自販機があるので、自販機(およびその空き缶入れ)に、爆弾を入れることができる。つまり、ゴミ箱の撤去は、尻抜けだ。
上の二点は、下記でも論じた。
→ 駅のゴミ箱がないわけ

以上のすべてをまとめると、次のように言える。
・ マラソン参加者のテロを想定するのは馬鹿げている。
・ どうせなら、地下鉄テロの危険性を考えるべきだ。
・ 地下鉄テロの防止には、ゴミ箱の撤去は逆効果だ。
・ 地下鉄テロの被害軽減には、ゴミ箱をたくさん設置せよ。
あとはまあ、ゴミ箱の周辺に壁でも置けば、被害の拡大をいくらかは防げるだろう。対策は、そのくらいだ。
テロの防止といっても、実は、地下鉄だけが対象ではない。スポーツ施設だけでもない。人の集まるところはすべて対象だ。デパートも、スーパーも、駅前施設も、コンサートホールも、どこもかもだ。だとしたら、いちいち防止策を練っても仕方がない。
テロ防止の根源は、馬鹿げた対立をやめることだろう。たとえば、「アラブ敵視をやめる」というふうな。こういうのが根源的な対策だ。
なのに、「アラブ敵視をあおる」というようなトランプ政権の方針は、テロを防ぐよりは助長する。テロ対策をしたいのなら、トランプ政権を何とかするのが、最大の防止策となるだろう。
