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「食事をするときは、最初に野菜を食べるべきだ。そうすれば、血糖値の急上昇を押さえられるので、健康にいい」
という説が広く知られている。あちこちで紹介されている説だ。たとえば、下記に学術的な研究が紹介されている。
→ 野菜から食べはじめると血糖変動を抑制できる
→ サラダを先に食べると食後血糖の急上昇が抑えられる
具体的なグラフもある。
→ グラフ1
→ グラフ2
以上からわかることは、次の比較だ。
・ 野菜を先に食べて、10分後に炭水化物
・ 炭水化物を先に食べて、10分後に野菜
この両者の比較では、「野菜が先」の方が、血糖値の急上昇・急低下を抑止できる。
それが、研究の結果だ。
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ここまでは問題ない。どの研究でも同様の結果になるし、間違っているわけではない。
問題は、その前提だ。
「両者の順序だけを考えるべきではない。他に、第三の道もあるはずだ。それは、野菜と炭水化物を、かわるがわる食べるという順だ」
比喩的に言えば、幕の内弁当だ。いろいろなおかずがあって、かわりばんこで食べられる。

とはいえ、幕の内弁当は、さすがに野菜が足りない。だから、もっと別の料理だ。たとえば、とんかつライス(キャベツ付き)だ。

とんかつ・キャベツ・ライスの三点セットがあるとき、キャベツだけを先に食べるのがいいか? いや、三つをかわるがわる食べる方がいいはずだ。
ちなみに、キャベツだけを先に食べると、最初のころは血糖値がほとんど上昇しない。後半になって、とんかつとライスで血糖値が上昇する。とんかつとライスを集中的に短時間で食べるからだ。
一方、かわるがわる食べると、食事時間の全体をかけて、とんかつとご飯を少しずつ食べる。とんかつとライスを食べている時間が長くなるのだから、単位時間あたりの糖質摂取量は減る。
常識的に言えば、「長い時間をかけて、少しずつ糖質を取る」という方が、健康にいいはずだ。だから、「野菜を先に食べる」よりは、「かわるがわる食べる」方が、健康にいいはずだ。
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もっとも、反論もありそうだ。
「先に野菜を食べると、すでに胃腸が野菜で満たされている。だから、あとでいっぺんに糖質を食べても、すぐに糖質が吸収されることはない。なだらかに吸収されるはずだ」
なるほど。そういう効果もありそうだ。
とはいえ、上のグラフを見ると、そういうふうにはなっていない。野菜を食べた場合には、後半に炭水化物を食べた時点で、ピークが来る。だったら、まんべんなく食事時間の全体をかけて、少しずつ食べる方が、ピークがなくて、平準化されるはずだ。
たぶん、一番いいのは、次のことだろう。
・ 最初に、野菜を少しだけ食べる。
・ その後は、野菜と他の食品をかわるがわる食べる。
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結論。
「野菜が先か、炭水化物が先か、という二者択一は、前提そのものが間違っている。すべての食品をかわるがわる食べる、という道もあるはずだ。そして、それが、たぶん最善だ」
[ 付記 ]
食べる順番をどうするか……というのは、一品ごとに料理が来るコース料理(フルコース)を前提とした発想だ。それは、フランス料理・ロシア料理では主流だが、日本では主流ではない。
日本料理の主流は、「全部をまとめて出す」という方式だ。そのあと、自分の好きなものに箸を付ける。この方式ならば、肉でも野菜でも、かわるがわる食べるということが可能となる。
なお、おかずのなかに野菜がたっぷり入っている鍋料理や中華料理なら、もともと「野菜が先」というような発想も生じないはずだ。
そして、鍋料理のときに、「野菜だけ先に食べる」というような食べ方は、おかしいですよね。肉と野菜とおかずは、いっしょに食べる方がいい。
この意味でも「野菜を最初に食べる」というのは、成立しない。
結局、世の中で「正しい」と信じられている学術的な話も、現実には正しいとは言えないことになる。
学術的な話は、物事を単純化するために「野菜が先か/炭水化物が先か」というような二者択一の実験方式を選ぶ。しかし、現実の食事は、そんなに単純化されているわけではないのだ。

鍋料理

私にはわからないので、肉と野菜とご飯を交互に食べています。
野菜先 < 野菜と炭水化物交互 < 炭水化物先
食事を始めてインスリンが作用するまで10分以上かかる。なので糖質の低いものから食べ始めて、インスリンが作用する状態になってから糖質の高いものを食べれば血糖値が上がらないで済む。という理屈だと思います。なので、食事の初期に糖質の高いものを食べれば野菜と交互に食べても血糖値は上昇する。
血糖コントロールのポイントは食事を始めて少し時間がたってから炭水化物を食べること。
※すでに糖尿病と診断されている方には有害な試験なので受けることはできません。
8時間絶食ののち、血糖値(空腹時血糖値)を測定、その後ブドウ糖75gを摂取し、血糖値の経時的変化を調べることで、糖尿病になりやすいかを調べることができます。
II型糖尿病(乱暴ないい方をすると暴飲暴食によって発症する糖尿病)になりやすい方(II型は遺伝的要素が比較的高いとされる)は、リスクを事前に知ることができます。
ちなみにI型糖尿病は、インスリンを出す細胞が自己免疫によって破壊されることに発症するとされており、比較的若年(30歳くらいまで)に発症するとされています。
例えば胃のバイパス手術なんかは急激に耐糖能が改善しますが、従来言われていた食事の量と吸収率の低下以上にインクレチン作用によるところが大きいって話があります。