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宅配便の再配達の解消のために、宅配ボックスを駅に設置する、という方針は、すでにある。前に詳しく述べた。
→ 宅配の再配達の解消には?
ここでは、ドイツの無人ボックスを紹介したついでに、「2022年までに宅配便の受け取りロッカーを5000カ所に設置する」という方針がすでにあることを示した。(ヤマトの方針)

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ま、これはこれでいいだろう。問題は、その先だ。これを大々的に推進することだ。「値引き」という形で。
《 ヤマト、低価格コース検討 法人向けに駅など拠点への配達 》
宅配便最大手のヤマト運輸は、ドライバーの負担軽減に協力すれば、通常より運賃を安くする「低価格コース」を新設する検討を始めた。インターネット通販業者などの法人客向けで、配達先を主要駅の宅配ボックスなどに限定することが条件。
配達先は都心の宅配ボックスのほか、ネット通販業者の各地の拠点や、全国に約4千あるヤマトの営業所などに限定するよう求める。
( → 朝日新聞 2017-03-09 )
ここで、「営業所で」というのは、まだわかる。
しかし、「主要駅の宅配ボックスで」というのは、可能なのか?
なるほど、現状ならば、可能かもしれない。もともと設置している数は限定的だが、それを利用する人も限定的だからだ。というか、どれほど少数であっても、その少数の量が上限となって、その範囲内でしか利用できないになる。それだけのことだ。あぶれた分は、コンビニや自宅配達になる。
一方、新方針は、「料金値引き」という形で「宅配ボックス」に誘導する。(上記記事)
しかし、である。この宅配ボックスに入る荷物の数は限られている。(サイズが小さいからだ。) とすれば、大量の荷物が押し寄せたら、たちまち、あぶれてしまう。
→ 画像
宅配ボックスのサイズが不足するだけではない。宅配ボックスの数(総数)も不足する。ろくに用意されていないので、全然、足りないのだ。
冒頭記事にあるように、2022年に 5000箇所とすることが目標である。だが、現状ではごく少数でしかない。
→ 宅配ロッカーのある場所
ここでは、宅配ロッカー(つまり宅配ボックス)の設置場所が、地域別に記されている。県別。これを見るとわかるが、ごく限定的である。要するに、たいていの人は使えない。
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結局、宅配ボックスに収容できる量も、宅配ボックスの数も、どちらもまったく不足している。この状況で、大量の荷物を駅の宅配ボックスに誘導しても、荷物を送れるはずがない。
つまり、冒頭記事のヤマトの方針は、「不可能」となる。
そして、「不可能」となる方針を大々的に推進しようというのだから、ヤマトは頭がおかしいとしか言いようがない。Amazonの大量の荷物を、赤字(というよりサビ残)前提で引き受けた、というのも頭がおかしいが、ありもしない宅配ボックスに荷物を収納する、というのは、もっと頭がおかしい。
何を夢見ているんだ?
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ヤマトがやるべきことは、駅の宅配ロッカーを使うことじゃない。次のいずれか(または双方)だ。
・ コンビニ受け取りを推進する。(料金割引)
・ 駅以外の一般地域に宅配ボックスを設置する。
前者(コンビニで割引)は、前に本サイトで提案した。10円引きという案。
→ 割引
後者(駅以外の宅配ボックス)は、もっと推進するべきだろう。これなら、土地代も安いし、設置場所も大量に確保できる。(駅限定ならば、駅構内の設置スペースは限られている。) 実際、米国やドイツでは、この方式が主流だ。
→ 宅配ボックス - Wikipedia
動画もある。
こういう正しい方式があるのに、できもしない「駅への設置」をめざすなんて、ヤマトは自爆作戦をとっているとしか思えない。まるで太陽に突っ込むようなものだ。
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[ 付記 ]
ヤマトの宅配ロッカーは、クロネコメンバーズの会員しか使えない。これもまた、馬鹿げたことだ。まったく、利便性を考えていない、馬鹿げた方針だ。もうちょっと、IT の知識をもつ方がいいね。
たとえば、1回限りの暗証番号を使えば、会員以外でも誰でも使えるはずだが。
不在であれば手錠付き袋に入れてドアノブにかける
袋はダイヤル錠で施錠されていて運送業者のメールによってダイヤル番号が分かる仕組み
盗難予防としてケブラーみたいな簡単に切れない布にすればいい。袋の回収は後日の運送便で行なう
はずせたら、捨てられてしまう。
さらに、回収の手間が莫大で、再配達並みだ。
指定日時にいない方に否があるのだからそれくらい我慢するでしょう
> 回収の手間が莫大で、再配達並みだ。
次回の配達時についでに引き取ればいい もしまたいなかったらその袋が使えます
または隣の家に配達に行ったときに引き取る そうすればそれほど手間がかからないでしょう
全てのユーザ−が宅配ボックスを素直に設置するかと言えばそうではないでしょう 数十円送料が安くなったとしても設置しないでしょう ということは 宅配ボックス式では 不在再配達はゼロにはならない
宅配ロッカーは荷物を取りに来るとは限らないということがあります そのための手間もかかる 管理費は必ずコストになります
重要なのは 配達が必ず完了できること トラックの荷物はすべて空になることです。