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MRJ の開発の遅れについては、先月( 1月20日 )の項目で示した通り。
MRJ の開発が大幅に遅れて、納入はとうとう 2020年まで遅れることになった。
( → MRJ が大幅延期)
さらにこのたび、新たな報道が出た。 2020年では量産化そのものをやめてしまうそうだ。
《 MRJ量産、延期へ…「2020年に月産1機 》
三菱重工業が、国産初のジェット旅客機「 三菱重工業が、国産初のジェット旅客機「MRJ(三菱リージョナルジェット)」の量産計画を縮小することが25日、わかった。
2020年に「月産10機」としていた生産体制を「月産1機程度」とする。
これまでの生産計画は、17年末に月産約2機、18年末に月産3〜4機と、少しずつ生産ペースを拡大する予定だった。しかし、18年半ばを見込んでいた納入開始時期が約2年遅れて20年半ばとなったことに伴い、量産も先送りする。
( → 読売新聞 2017-02-26 )
もはや遅れは決定的だ。量産化のメドさえ立っていない。「無期限延期」とも言える。
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こうなったら、もはや、「開発中止」にした方がマシだろう。次の見解もある。
航空会社に違約金払って商売を畳んだ方が安く付くと思う。一度納品してしまったら、30-40年はメンテ体制を維持しないといけないので売り上げが少ないとメンテも赤字でどうしようもなくなる。
( → jiro68 のコメント / はてなブックマーク )
実を言うと、「開発中止にせよ」ということは、私がずっと前から言っていた。
→ MRJ の開発延期 (2013年)
→ MRJ の開発の遅れ (2015年)
→ MRJ は失敗するだろう (2015年)
→ MRJ が大幅延期 (2017年)
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そもそも、開発当初の 2007年の段階で、私はいろいろと批判していた。一部抜粋しよう。
三菱重工の小型ジェット機 MRJ というものがある。YS11 以来の国産旅客機の悲願らしいが、現状では、商売下手すぎる。見込みはかなり悲観的。
三菱は? 個人用ジェット機さえも作れないくせに、一気に旅客用のジェット機を開発しようとしている。それも、自力ではできないから、国のお金で。
三菱のような駄目駄目企業に金を出すというのは、金をドブに捨てるのと同じだろう。三菱は、金をもらいたければ、まず、自分の企業をまともにすることが先決であろう。また、こんなだらしのない会社に金を出すのは、税金の乱用と同じだろう。
私としては、ここで予告しておこう。
「三菱は、補助金として五百億円を要求した。だが、どうせあとになって、『予定が狂って、支出が大幅に増えました』と言い張って、補助金をさらに要求する。合計、1000億円〜 2000億円を要求する」
( → 三菱の小型ジェット機 MRJ : 2007年06月20日 )
最後の予想が当たるかどうかは、今のところ、判然としない。まだつぶれたわけではないからだ。ただし、開発費の膨張は、途方もない額になっている。
開発費も当初見込みの500億円から増加の一途で、最終的に4000億〜5000億円に膨らむとの見方も浮上。納入延期による航空会社への違約金も「億単位で発生するだろう」(航空ジャーナリスト)という。
( → 「MRJ」5度の延期に経産省カンカン| 日刊ゲンダイDIGITAL )
三菱重工は、造船部門でも大赤字を出したし、航空部門でもこのありさまだと、もはや倒産の危機だ。
とはいえ、軍事兵器も生産しているので、つぶすわけには行くまい。となると、国費から数千億円の投入が必要となるかもしれない。(先の予想通りに。)
[ 余談 ]
「だから言わんこっちゃない」
というのが、私の見解だ。2007年の段階で、私の意見を聞いておけば良かったのに。
あるいは、遅くとも、2013年か 2015年の時点で、開発中止にするべきだったね。「引くに引けない」と思ったまま、赤字ばかりが雪だるま式に拡大する。
【 関連項目 】
→ MRJ - サイト内 検索
http://www.sankei.com/west/news/170317/wst1703170053-n1.html