2017年02月22日

◆ アスクルの火災の教訓

 アスクルの倉庫で大規模な火災が起こったが、消化が困難だった。その教訓は? 対策は? 

 ──

 アスクルの倉庫で大規模な火災が起こった。(各社報道)
 このような火災は、今後も起こりそうだ。では、それを防ぐには、どうすればいい? 

 まず、現場の報道を見ると、こう報道された。
 「倉庫なので、窓が小さくて、ホースで水を入れるのが困難だ」

 これを知って、ちょっと思いついたのは、次のことだ。
 「だったら、不活性ガスを入れればいい。窓が小さいなら、その分、密閉されるのだから、不活性ガスが有効だろう」

 この案は当り前ふうなので、念のため、ググってみた。すると、この案は駄目だ、と判明した。理由は、「倉庫はあまりにも広大な空間なので、不活性ガスは有効ではない」

 つまり、不活性ガスをどんどん注入しても、倉庫の内部空間が広すぎるので、あまりにもたくさんの空気(酸素)がまだまだ残っている。それを使って、火災は急激に広がる。
 したがって、いったん全焼したあとの鎮火ならともかく、初期消火にはまったく役立たない。これではほとんど意味がない。

 ──

 ただし、ここまで理解すると、方向性がわかる。
 「大切なのは、初期消火である。最初に小さな火や煙が出た時点で、それをさっさと消火するべきだ」

 そこで私が提案するのは、こうだ。
 「 IT技術の熱線センサーで、火の発生を正確に感知する。感知したあとは、場所を正確にピンポイントで認定した上で、その箇所に水鉄砲で放水する」

 これは、スプリンクラーとは違う。スプリンクラーは、場所を決めずに、たくさんの水を放水する。そうすると、倉庫にある大量の商品がずぶ濡れとなる。特に、スプリンクラーが誤作動すると、多大な損害が出る。
 ネットで調べたところ、次の報告が見つかった。
 新潟の長岡トイザらスはスプリンクラー誤作動が原因で潰れた。
( → アスクルの物流倉庫の火災、煙の勢い衰えない

 スプリンクラーでは、こういう問題が発生する。しかし、水鉄砲方式なら、局所的にしか被害は発生しない。しかも、ピンポイントでその箇所に大量の水を放水できるから、消防効果も高い。
 今は IT技術が発達してるのだから、火災予防のためにも、IT技術を使うべきだろう。


kasai_tanchi.png




 [ 付記 ]
 付け足しをいくつか。

 (1) ここでいう水鉄砲とは、ロボットみたいな自動機械である。オートマチックの大砲みたいな感じだ。オモチャの水鉄砲とは違うので、お間違えなく。

 (2) 「金額が張るぞ」という心配もありそうだが、むしろ、安価になりそうだ。というのは、強力な水鉄砲が1台あれば、そこから半径 20メートルぐらいは届くので、台数が少なくて済み、投資金額が少なくて済みそうだからだ。

 (3) ただし、水が放物線を描くと、棚の陰になった部分には水が届かない。これを避けるには、下から天井に向けて放水し、水が天井にぶつかってから真下に落下する……という方式がいいかも。
  → 参考:アスクルの倉庫の内部(画像)

 (4) 水鉄砲は自動機械だと言ったが、ここでは、マニュアル操作を追加してもいい。つまり、カメラ画像を見ながら、人間が放水を手動で調整してもいい。(スマート爆弾みたいな感じだ。)

 (5) ともあれ、大切なのは、初期消火である。このことを忘れないようにしたい。「広い面積でとにかく放水すればいい」という問題ではない。「最初にピンポイントで大量の水を放水することが大切なのだ」と理解しておきたい。



 [ 参考 ]
 スプリンクラーについては、日本では設置数が足りない、という指摘もある。
 随分前になるが、当時最新鋭と謳われた東洋製缶の倉庫が全焼したことを思い出す。スプリンクラー付きにも拘わらず全焼したということで、クローズアップ現代でも取り上げられていた。
 今回の記事でも「法定基準を満たして設置していた」(アスクル広報部)とあるが、東洋製缶の時もそうだった。消防法準拠ではスプリンクラーヘッドの設置間隔が広すぎ、ラックへの積み方次第で散水障害にが起こりやすく、また貯水槽も小さすぎるので散水時間が30分以下となってしまい、最も重要な初期消火に失敗する。番組でもそのような分析だったと記憶している。
 わが国に進出している米系企業の防災設備は消防法準拠は当たり前、FM基準やHPR基準に従って、その数倍ものスプリンクラーヘッドや貯水槽を備えている。当然コストとリスクを勘案してのことだ。他山の石にできなかったのが残念でならない。
( → 火災のアスクル倉庫、内部はこうなっていた:コメント




 【 追記 】
 自走式の小型消防車も用意しておくと良さそうだ。倉庫だったら、スプリンクラーを設置するよりは、小型消防車を用意する方が、効果的でコスト安かもしれない。
 火災センサーだけは、きちんと設置するべきだろうが、発見後の消火活動は、小型消防車でも間に合いそうだ。(初期消火ならば。)

( ※ ただし、火事は最初の3分間で急激に拡大するので、やはり、スプリンクラーや水鉄砲は重要かも。この点は、燃えやすい可燃物を置いているかどうかで、状況は大幅に変動するが。)
posted by 管理人 at 20:59| Comment(3) | 安全・事故 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
局部的に噴射する
スプリンクラー様の設備があります。
小規模な倉庫ならイケそうです
Posted by 先生 at 2017年02月22日 21:34
↑ そう言えば、スプリンクラーって、2種類ありますね。放射式と、回転式。
Posted by 管理人 at 2017年02月22日 21:43
 最後に 【 追記 】 を加筆しました。 小型消防車の話。
 タイムスタンプは 下記 ↓
Posted by 管理人 at 2017年02月23日 07:35
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

過去ログ