2017年02月03日

◆ 自動ブレーキの義務化は愚策

 政府は「自動ブレーキの義務化をしよう」と検討中だ。素晴らしいことのように見えるが、これは愚策だ。

 ──

 私は何度も「自動ブレーキの普及を推進せよ」と唱えてきた。たとえば、下記項目。
 高齢者の事故では操作ミスが多い。これを防ぐには、自動ブレーキを普及させればいいが、現状の保険制度はおかしなことになっている。
( → 高齢者の事故・自動ブレーキ・保険

 さて。政府は「自動ブレーキの義務化をしよう」と検討しているそうだ。本日の報道による。
 《 自動ブレーキ義務化を検討 国交省 》
 前方の危険を自動車の装置が察知して停止する「自動ブレーキ」の搭載義務化に向け、国土交通省が動き出した。国連の作業部会に国際的な性能基準づくりを提唱。部会は1月、基準策定に着手する方針を決めた。国交省は国際基準ができ次第、法令を改正し、全新型車への搭載義務づけを目指す。
 現在、自動ブレーキは国内外のメーカー各社が独自に開発に乗り出し、搭載・販売されている。
 国連の部会では、両方の安全基準について議論される見通し。国際基準が策定された場合、国交省はそれを新型車販売の条件にするように法令を改正し、最終的に全車への搭載を義務づけたい意向だ。
( → 朝日新聞 2017-02-03

 「義務化する」とうと、素晴らしいことのように見える。だが、これは愚策だ。その理由を示そう。

 ──

 (1) 国際基準

 国際基準に頼るのでは、国際基準ができるまで、何年間もかかってしまう。今すぐ対処するべきなのに、上の方針だと時期が遅れてしまう。日本だけでもさっさと実施するべきだ。(国際基準の策定は不要だ。)

 (2) 輸入障壁

 ただし、日本国内で独自規格を取ると、外国車が排除されてしまうので、輸入障壁となる。この意味では、「義務化」は不要である。せいぜい「できなければ罰金」というぐらいで十分だ。

 (3) 新型車限定

 新型車に限定しての義務化だと、旧型車は放置される。しかし、旧型車だって、マイナーチェンジという形で、部品を追加すれば、簡単に搭載できるのだ。(例:マツダ・アクセラ
 この意味で、「旧型車への搭載」こそが重視される。「新型車限定」という方針は好ましくない。

 ──

 結論としては、以下のようになる。

 「義務化」という強制性をもたせようとするがゆえに、制度導入の条件が厳しくなる。
  ・ 輸入車を含めるために、国際基準が必要となる。
  ・ 導入が面倒な旧型車を免除するために、新型車限定となる。

 だから、「義務化」をやめるべきだ。かわりに「アメとムチ」つまり「補助金と罰金」という方針を取るべきだ。次のように。
  ・ 搭載車には補助金3万円
  ・ 非搭載車には罰金3万円
 このように、格差を付けることで、搭載車を優遇し、非搭載車を冷遇する。
 この場合、今すぐにも実施できるので、導入時期が早まる。
 また、義務化ではないので、非搭載車が排除されることもなく、輸入障壁にもならない。

 ──

 一般的に、商品に何かを義務づけたいときには、「義務化」という形で強制するより、「補助金と罰金」という形で価格差を付ける方が、はるかに有効なのである。
 これは「市場原理に頼る」という方法でもある。
 一方、政府が一律に強制するのは、共産主義のようなもので、非効率的だ。
 「善なることは義務化するべきだ」というような単細胞な発想だと、かえって普及を遅らせる結果になってしまうのである。
 


 【 関連動画 】

 



posted by 管理人 at 19:24| Comment(1) | 安全・事故 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
 掲載する動画を変更しました。以前の動画はつまらなかったので。
Posted by 管理人 at 2017年02月04日 06:15
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