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森林があることを衛星で観測することは簡単だ。現在でもあちこちの衛星が観測データを示している。
しかし、森林がなくなったこと(違法伐採されたこと)を観測するのは、簡単ではない。「データが消えたら伐採されたことになる」と言えるわけではないからだ。
ところが、ここをうまく工夫して、「ないこと(なくなったこと)を観測する」という技術が開発された。ちょっと面白い。「だいち2号」という衛星のレーダーで観測する。
衛星から地上に向けて斜めに電波を発する。森林が無くて平らだと、電波のほとんどは衛星に備えられたアンテナへは戻ってこない。森林があると、電波は乱反射しアンテナに戻ってくる。戻ってくる電波が強いと森林がある場所として認識される。
同じ地点に1カ月半の間隔で電波をあててデータを蓄積。過去のデータに比べて、反射して戻ってくる電波が一定以上弱くなったら、森林が伐採されたと判断する。
( → 違法伐採、衛星が監視 だいち2号:朝日新聞 2017-01-22 )
ここでは、「斜めに電波を発する」というのがコツだ。そのあと、乱反射の有無を調べる。……なるほど。うまいアイデアですね。
感心したついでに、関連する記事をいくらか捜してみた。
→ 違法伐採、宇宙から監視 「だいち2号」がデータ公開へ:朝日新聞
→ 熱帯林の違法伐採、人工衛星で監視 JICAとJAXA:朝日新聞
→ 伐採の背景に大豆と畜産/衛星で監視強化【動画あり】 朝日新聞
→ JAXA | 「だいち2号」による全球森林マップの公開について
[ 付記 ]
地球温暖化については、「炭酸ガスの削減ばかりでなく、緑地の減少を考えよ。こっちの方が地球温暖化の主因だろう」というのが、私の見解だ。
→ 陸地温暖化説 (緑地減少説)
→ 地球環境の変化(緑地減少)を画像で見る
→ 開墾による森林消失
→ 陸地温暖化への対策
途上国の森林減少を食い止める活動です。
http://www.reddplus-platform.jp/
これはJICAを中心とした日本の活動ですが、今世界中で競って活動しています。