2017年01月22日

◆「ど根性ガエルの娘」の根源

 「ど根性ガエルの娘」という漫画が話題になっている。ただし、この事件の核心は、意外なところにある。

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 「ど根性ガエルの娘」という漫画が話題になっている。
  → 『ど根性ガエルの娘』15話 全てひっくり返る衝撃の展開に戦慄
  → これは事件だ。ただちに「ど根性ガエルの娘」を読むべし
  → 虚実の彼岸 ど根性ガエルの娘

話の内容などは、上記の記事を見れば、だいたいわかる。

 最初の漫画のストーリーは、おおむね、次のような感じ。
 「ど根性ガエル」という有名な漫画があった。その作者は、あるとき突然、失踪してしまった。残された家族は大変なことになった。その後、漫画家は自宅に帰ってきて、家族は再生した。今は落ち着いた人生になっている。めでたしめでたし……という話。(田中圭一)
  → 「ど根性ガエル」吉沢やすみと練馬の焼肉屋

 ところが、その娘も漫画家となって、このたび、真相を暴露した。実はもっと悲惨な話だった……というような暴露。(それを二重構造で描いている。)
 その叙述の仕方が、あまりにも意外だったので、ネット上で話題になっているわけだ。叙述トリックの推理小説みたいだ。

 ──
 
 ただし、それとは別に、私としては物事の本質を指摘しておきたい。
 それは、次のことからわかる。(第1話)

 漫画家が失踪したとき、アシスタントが家族に訴えた。
 「先生がもしこのまま帰らなければ……あと7日で、
 13本の原稿が落ちます」

 大変な事態になる……という調子で描かれている。

 しかし、である。よく考えてみよう。13本の原稿をかかえているなんて、とんでもないことだ。売れっ子の漫画家にはよくあることだが、睡眠時間が1日に1〜4時間ぐらいしかなくて、土日の休みもなく、朝から晩まで働きっぱなし、……というふうになる。実例は下記。
  → 漫画家12人の睡眠時間 鳥山明は週4時間
  → 本当に寿命を削っている!想像を絶する超激務な漫画家生活

 ど根性ガエルの作者も、同様だったのだろう。ろくに眠らずに、働き続ける。……こうなったら、脳が壊れたとしても、当然だ。もはや描くことができなくなって、失踪するのも、不思議ではない。
 似た例が、電通の東大卒女子社員の自殺だ。この自殺者と似たような状況にあったと推定できる。

 ──

 冒頭で紹介した「ど根性ガエルの娘」という話を見て、その叙述の仕方(二重構造)にびっくりして、真実を知らされることで、恐れおののく人が多い。
 しかし、本当に恐れるべきことは、別にある。「過労による脳の破壊」だ。これこそが、すべての根源なのだ。

 そして、そのことに気づかないまま、単に「怖い話だ」と思うだけの人は、いつか自分がそうなる恐れがあるということに、気づかないでいるわけだ。

 「ど根性ガエルの娘」を読んだとき、たいていの読者は、この娘の立場に身を置いて、「ひどいなあ。怖いなあ」と思う。
 しかし実は、この父親(過労で脳を破壊された漫画家)の方こそ、読者の「将来ありそうな姿」なのである。
 そこにこそ、気づくべきだ。
 



ど根性ガエル 第13話 第14話




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posted by 管理人 at 20:36| Comment(0) | 一般(雑学)4 | 更新情報をチェックする
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