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高齢者の事故では操作ミスが多いそうだ。
《 死亡事故3割「操作ミス」高齢運転事故 》
75歳以上の高齢運転者による交通死亡事故を警察庁が分析した結果、人的な要因別では、ハンドル操作の誤りやブレーキとアクセルの踏み間違いなど「操作の誤り」が最多で、全体の29%を占めることが分かった。75歳未満の運転者の2倍近かった。警察庁が初めて多角的に分析し、明らかにした。
( → 高齢運転事故防止へ 有識者会議が初会合:朝日新聞 2017-01-17 )

この問題への対処として、「高齢者には自動ブレーキ車を義務づける」という方針が好ましい。具体的には、自動ブレーキ限定免許だ。
→ 高齢者には限定免許を
これはこれで一案だが、「義務」のかわりに「半・義務」みたいな形も考えられる。「自動ブレーキ車の運転手は優遇し、そうでない運転手は冷遇する」という形で、金銭的に優遇・冷遇の差を導入することだ。
それは、具体的には、「保険料の差別」という形となる。つまり、「自動ブレーキ車の運転手は、保険料が安くなるが、そうでない場合には、保険料が高くなる」という形だ。
この方針は、前にも述べた。下記項目の後半で。
→ 日産の危険な自動ブレーキを排除せよ(9月24日)
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一方、上記項目のあとで、「保険料に差を付ける」という方針が現実化した。
《 自動ブレーキ車の保険料9%下げ発表 》
損害保険各社でつくる損害保険料率算出機構は9日、2018年1月から自動ブレーキの搭載車の保険料を9%安くすると発表した。自動ブレーキの普及で事故の確率が低下していることから料率を引き下げる。
自家用軽自動車と発売から約3年以内の自家用普通・小型乗用車が対象になる。損保各社は機構が決定した料率を参考に自社の自動車保険の料率を決める。
( → 日本経済新聞 2016/12/9 )
この方針は、私が先に指摘した問題を、解決していない。それは、
「割引率が一律なので、車種ごとの自動ブレーキの性能の差を反映していない」
ということだ。
( ※ 仮に車種ごとの自動ブレーキの性能の差を反映していれば、9%というような一律の数字が出るはずがない。車種ごとに0%〜30%ぐらいの数値となり、大いにバラツキが生じるはずだ。)
このことゆえに、「自動ブレーキの性能の高いものを普及させる」という効果が生じにくい。逆に、粗悪で安価なものが普及してしまう。(悪貨が良貨を駆逐する、という感じ。)
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一方、別の問題もある。(以下が大事だ。)
それは、「高齢者に限定した保険料率の差」になっていないことだ。
記事では一律に9%という数字になるのだから、年齢の差は考慮されていない。若手であっても、高齢者であっても、一律に9%だ。これはおかしい。
保険会社としては、次のように弁解するつもりだろう。
「保険料率は、もともと年齢の差が考慮されている。中年は保険料が安いが、免許取り立ての若者と、反応の鈍い高齢者は、事故率が高いのに応じて、保険料が高くなっている。高齢者向けにはちゃんと保険料が高くなっているわけだから、問題ない」
しかし、これは理屈になっていない。そもそも、問題になっているのは、自動ブレーキ車の割引率だ。だとすれば、自動ブレーキの有効性に応じて、自動ブレーキ車の割引率を変えるべきだ。
若者の場合には、自動ブレーキ車であってもなくても、大差はあるまい。運動神経が鋭敏なので、どっちみち、すばやく反応できるからだ。目の前に何かが現れればすぐにブレーキペダルを踏むだろうし、また、アクセルとブレーキの踏み間違えも少ないだろう。若者の場合には、自動ブレーキ車の必要性は少ない。
高齢者の場合には、大いに差が生じる。目の前に何かが現れても、すぐにブレーキペダルを踏めないだろうし、また、アクセルとブレーキの踏み間違えも多めだろう。高齢者の場合には、自動ブレーキ車の必要性は多い。
だからこそ、高齢者に限っては、自動ブレーキ車の導入を大々的に進めるために、自動ブレーキ車の保険料金を大幅に引き下げるべきだ。と同時に、自動ブレーキ車以外については、保険料金を大幅に引き上げるべきだ。
簡単に言えば、保険料金の二本立てだ。自動ブレーキ車と、そうでないものとで、料金を別仕立てにする。ここでは、自動ブレーキ車でないものについては、料金の引き上げを認めるべきだ。特に、高齢者については。
なのに、保険会社は、「引き下げ」だけにしようとする。そのせいで、料金の引き下げ率は中途半端なものとなる。結果的には、自動ブレーキ車の導入を遅らせる。保険会社のせいで、日本では無駄な交通事故死者が大量に発生することになる。

ときどき、駅のホームで「ホームドアがないから死者が生じる」ということが話題になる。しかし、それを圧倒的に上回る死者が、保険会社の馬鹿げた制度設計のせいで発生するはずなのだ。……「自動ブレーキ車の普及を阻害する」という形で。
保険会社が馬鹿なせいで、日本では大量の生命が奪われる。ひょっとしたら、そのせいで死ぬのは、あなたかもしれない。……実際、高齢者のアクセルとブレーキの踏み間違いのせいで、若者や子供が次々と死んでいるのだ。この件は、前にも述べたとおり。
老人の運転する自動車が誤発進して、人を轢き殺す、という事件が、昨年は何度も起こった。毎月1ぺんぐらいあるのではないか、という感じだった。
これはほとんどが「アクセルとブレーキの踏み間違え」のせいだと判明している。
( → ITで安全を推進せよ: Open ブログ )
事故の具体例は、ググればすぐに見つかる。
→ 「アクセル ブレーキ 事故 死者|死亡」 - Google 検索
そもそもブレーキを踏もうともせず、小学生の列に突っ込む……という例さえある。
→ 運転の 87歳、認知症か=小1死亡事故(横浜)
[ 付記 ]
自動ブレーキ車の認定については、「国交省のテストで(ほぼ)満点を取ったこと」を条件にするといいだろう。
日産の新型セレナの場合には、メーカーは「自動ブレーキを採用しています」と述べているが、国交省のテストを受けなかった(受けても満点を取れないから受けなかった)[前出]ので、上記の点をパスしない。ゆえに、このような車種については、「自動ブレーキがあっても割引はしない」(または割引を限定する)というふうにするのが妥当だろう。

付記の無試験排除の方法は大阪の中学生が内申点に影響する共通試験を、体調不良を理由に受験しなければ内申点に影響しないという拡大解釈を防ぐ手にもなりそうです。
さて、最近の高齢者事故報道が過剰気味なのは何か思惑が潜んでそうで気がかりです。
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/report/16/122600095/011300001/?rt=nocnt
こちらによると何か印象付けによる情報操作が示唆されます。
高齢者の料率は同じ7等級ではアップしていますが、
http://kurumahoken30.com/souba/
長期無事故割引(14等級)で半額になりますので、保険会社としては高齢者を排除したいのではないでしょうか。
若年層が等級アップで14等級になる頃は事故率が下がる年齢になりますので、サービスによる収益低下をあまり考える必要はない。
しかし、高齢者は等級アップで保険料が安いのにも関わらずそれなりに事故を起こすので、保険会社にとっては過剰サービスを享受する顧客という位置付けになります。
なので、そういう望まない顧客を減らすようにマスコミを通じて世論形成しているのでは?と勘ぐってしまいます。
実際、SNSなどでは過激な高齢者排除の感情コメントで溢れています。情報操作側としては「してやったり」とほくそ笑んでいることでしょう。
数年前に施行された
“等級による割引”と
“三年以内の事故歴による割引”と
二重になっている保険料が分かりにくい。
これを一本化できないだろうか。