2017年01月12日

◆ 日産の自動ブレーキ(他社比)

 自動ブレーキについては、日産自動車だけが極端に劣っていることが明らかになった。

  【 追記 】 現時点では改善されています。 → 別項目

 ──

 先に自動ブレーキの項目で書いたように、国交省が自動ブレーキの試験をして、その試験報告を公開している。

  → 平成28年度前期自動車アセスメントの評価結果を公表します
 この最後に、添付資料もある。
  → 別紙1 予防安全性能評価結果(PDF形式)

 ──

 これを見るとわかるが、各車すべて、自動ブレーキでは満点だ。(32点満点で、32点。)

回評価した11車種はすべて総合評価でASV++(最高ランク)を獲得
メーカー   (車種数)     評価対象となった11車種
スズキ (1車種)  イグニス
スバル (4車種)  インプレッサ, フォレスター, レヴォーグ/WRX, レガシィ
トヨタ (2車種)  クラウン アスリート/クラウン ロイヤル/クラウン マジェスタ, プリウス
レクサス (2車種)  GS/GS F, RX
ホンダ (1車種)  フリード/フリード+
マツダ (1車種)  アクセラ

 各車すべて満点評価である。
( ※ 正確には、ホンダフリードだけは、32点中の 31.9点なので、「ほぼ満点」となる。)


 ただし、である。見ればわかるように、ここには日産の車種はない。セレナが含まれていてもよさそうだが、年度前半だけということなので、8月に発売のセレナは(時期が遅くて)テストから漏れたらしい。( ※ この件、 【 追記 】 で修正 )

 で、セレナはどうかというと、「テストにはパスしない」のが明らかだ。なぜなら、他者のすべては「単眼カメラ + レーダー(たぶんミリ波レーダー)」か、「ステレオカメラ」か、どちらかであるのに、日産セレナだけは、「単眼カメラ」だけであるからだ。
 で、他者の単眼カメラがすべてレーダーを併用しているのは、そうする必要があるからだ。なのに、必要のあるものを併用していない日産のセレナだけは、性能が劣るのは自明なのである。
 次回のテストでは、日産のセレナも調査されるだろうが、そこでは真実が露見するだろう。(: 取り消し → 【 追記 】 を参照。)

 ※ セレナについてテストせよ、という件は、私が前に主張したことがある。下記。
    → 日産セレナの自動ブレーキを検証せよ

 ──

 国交省のテストでは、「時速 50km/h での衝突回避テスト」がなされている。そのテストでは、今回のテストでは各車ともパスしている。動画もある。
  → 動画一覧
 今回の分については、いずれも「時速 50km/h での衝突回避にパスしている」と言える。
 一方、日産はどうかと言えば、エクストレイルの例では、40km/h で衝突している。





 セレナもだいたい同レベルであると推定される。

 ──

 ちなみに、米国で販売中の車種については、次の報告がある。
 日産自動車の米国法人、北米日産は12月8日、米国IIHS(道路安全保険協会)の最新の安全性評価において、日産ブランドの3車種が最高評価の「2017トップセーフティピック+」を受賞した、と発表した。
 この3車種は、小型SUV部門の『ローグ』(日本名:『エクストレイル』)、ミッドサイズ乗用車部門の『アルティマ』(日本名:『ティアナ』)と『マキシマ』。3車種とも、自動ブレーキなどの衝突回避システム装着車となる。
 IIHSの最高評価を受けて、北米日産の商品企画担当、Michael Bunce副社長は、「多くの北米現地生産車種が、IIHSから安全性を認められたことを、誇りに思う」とコメントしている。
( → 【IIHS衝突安全】日産3車種、最高の安全性評価 | レスポンス(Response.jp)

 「へえ、すごい」と感嘆しそうだが、念のために調べてみよう。IIHS のテストとは、何か? こうだ。
 《 How the tests work 》
 IIHS evaluates the stopping capabilities of vehicles equipped with autobrake in two tests at 12 and 25 mph on the Vehicle Research Center test track. In each, an engineer drives the vehicle straight toward a stationary target designed to simulate the back of a car.
( → Front crash prevention tests

 せいぜい 25 mph( 40km/h )におけるテストであるにすぎない。ここからわかるのは、次のことだ。
 「日産の最新の車種では、40km/h における衝突回避ができる」
 しかしここでは、50km/h での衝突回避ができた他車種には遠く及ばない。他車種はたぶん 60〜80km/h でも衝突回避ができそうだ。一方、日産は 40km/h までが限度だ。

 そして、その理由は?
 「日産は単眼カメラだけで、(ミリ波)レーダーを使っていないから」
 である。

 ── 

 日産のこの馬鹿げた方針は、今後も続くらしい。日産の公式発表では、こうなる。
「ステージ1」は高速道路における同一車線の自動運転技術で、2016年8月に日産のミニバン「セレナ」に自動運転技術「プロパイロット」を搭載することで実現しました。これは、先進の画像処理ソフトウェアを搭載した単眼カメラにより、前方車両や白線を瞬時に三次元的に把握し、その情報をもとにアクセル、ブレーキ、ステアリングの制御を行います。日本ではセレナのお客さまの約6割が、「プロパイロット」搭載グレードを購入しています。日産はこの技術を2017年度に欧州で投入する「キャシュカイ」を含め他のモデルへの採用を拡大していきます。
( → CES 2017における「ニッサン・インテリジェント・モビリティ」発表概要 - 日産自動車ニュースルーム

 セレナに搭載した単眼カメラ方式のシステムを、、「2017年度に欧州で投入する「キャシュカイ」を含め他のモデルへの採用を拡大していきます」とのことだ。何ら改良することなく(アップグレードすることなく)、である。つまり、ミリ波レーダーの併用をすることなしに、である。

 要するに、世界のなかで、日産だけは圧倒的に遅れた方式を取ることを、堂々と宣言したわけだ。呆れる。
 ま、半年後には、国交省のテストで、「日産だけが劣る」ということが、はっきり明示されるだろう。
(: 取り消し)
 また、米国でも将来的に、IIHS がテストの速度を 25mph から引き上げてテストするだろう。
 こうなったら、日産だけが劣るということが、はっきりとする。

 私が半年も前から、何度も警告して上げているのに、その半年間、何も対策を取れないのだから、日産という会社は、もう末期症状だな。燃費偽装した三菱よりも、もっとひどい。(燃費偽装は命を奪わないが、日産の未熟な自動ブレーキは命を奪う。)
 ここでは、「安全です」とい言って金を取りながら、安全でないものを売るのだから、ほとんど詐欺同然だ。

 ちなみに、ググるとこうなる。
  → セレナ 自動ブレーキ - Google 検索
  → 日産 自動ブレーキ - Google 検索

 上から4〜7番目ぐらいの項目で、日産の自動ブレーキについて批判しているサイトが見つかる。
 「こいつ、意地悪なやつだな、アンチ日産だな」……という批判も出るかもね。本当は、親切に忠告して上げているのに。

( ※ 「嘘つけ!」という陰の声あり。)
 


 【 追記 】
 本文中の記述に誤りがあったので、修正します。

 「年度前半だけということなので、8月に発売のセレナは(時期が遅くて)テストから漏れたらしい」

 と書いたが、これは憶測であり、間違いだった。ごめんなさい。
 正しくは、次の記事からわかる。
 試験を実施した。スズキ、富士重工業、トヨタ自動車、ホンダ、マツダの5社から希望があった計11車種が対象となった。
( → (ITmedia ビジネスオンライン) - Yahoo!ニュース

 つまり、国交省が試験をしたのは、メーカーから希望があったものだけだ。
 ということは、日産セレナが(前期の発売であるにもかかわらず)試験されなかったのは、日産が「テストを希望しなかった」からにほかならない。試験を受けなかったわけだ。(合格する自信がないので。)
  ※ 試験の発表は 12月だから、受ける時間はたっぷりあった。


 それにしても、試験を受けない(回避する・パスする)というインチキ手段が認められているとはね。呆れる。国交省は何をやっているんだ。これでは試験の意味がないだろう。
 ちなみに、中学・高校で「期末試験をパスします」なんてのを、劣等生に限り認めたら、学校教育は成立するまい。国交省がやっているのは、そういうことだ。ひどいね。
( ※ テストを受けなければ合格もなし……というのなら、まだわかる。だが、日産は「セレナには十分な自動ブレーキがあります」というふうに誇大宣伝を続けている。→ 該当ページ 。)
( ※ 実際はどうか? 旧型車と同レベルの、低性能な自動ブレーキがあるにすぎない。→ YouTube  もはや詐欺同然だな。)



 【 関連サイト 】

 → 車部品×電機、競争激化 自動運転向けIT化、垣根低く
 自動車部品をめぐり従来メーカーと電機メーカーの競争が激しくなっている。環境問題に対応するための電動化や、安全運転の支援や自動運転に向けたIT化が加速しており、業種の垣根が低くなっている。

(朝日新聞 2017-01-12 )

 とのことだ。
 
 こういう状況で、日産だけが、自動ブレーキの電子化技術で遅れている。というか、自動運転そのものが遅れていることになる。
 こんなことだと、日産自動車そのものを、パナソニックあたりに身売りすることになりそうだ。

 実際、日産はリチウム電池部門を、パナソニックに売却した。
  → セレナの自動運転は旧式技術だ (記事後半)
 また、日産は横浜マリノスを(意図的かどうかはともかく)崩壊させて消滅させようとしている。
  → 横浜マリノスの崩壊

 この分だと、日産自動車の本体を、パナソニックに売却することになったとしても、不思議ではない。ゴーンがめざしているのは、そういう方向なのだろう。(意図的かどうかはともかく)。
posted by 管理人 at 06:27| Comment(7) | 安全・事故 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
 最後のあたりに 【 追記 】 を加筆しました。

> 日産セレナが(前期の発売であるにもかかわらず)試験されなかったのは、日産が「テストを希望しなかった」からにほかならない。

 という話。
Posted by 管理人 at 2017年01月12日 12:46
勘違いされてますが、満点評価の車は一台もありませんよ。71点満点で46点とれば最高評価になります。
んでセレナは前の評価で39点ほど取ってますので、歩行者対応のテストで多少点取れれば最高評価は取れます。

実際赤外線レーザーと単眼カメラのカローラでも過去のテストで46点取れてますので、歩行者対応してなくとも今回のテストでも最高評価を取れることになります。赤外線レーザーなんてスピードでてたらほぼ意味ないでしょうから単眼カメラだけでも今の試験法なら最高評価とること事態はそんなに難しいことではないのでしょう。

ミリ波レーダーも対人ではそんな意味ないと思いますし、単眼カメラでもそこそこのものは出来るんでしょうね、どうやってるかは知りませんが。
Posted by あと at 2017年01月17日 22:47
↑ 私が言っているのは、総合評価じゃなくて、自動ブレーキの話だけです。
 国交省の総合評価は、どうでもいいことにやたらと配点比率が高いので、無意味だ、というのが私の認定です。
 したがって、32点満点中の 32点を取れば、とりあえずは満点となります。(本当は 80km/h や 100km/h も見るべきだ、という話もしたが。)

> 71点満点で46点とれば最高評価になります。

 それは国交省のインチキ判定基準であって、常識的には満点が最高評価でしょう。
 私は「満点」という言葉を使っています。

> ミリ波レーダーも対人ではそんな意味ないと思いますし

 対人の事故防止はあまり必要ありません。ほとんどは対車両で済みます。対人と対車両を同等の比率で扱うのは、とんでもない判定基準です。
 当面は、対車両の判定だけを見れば十分。
 
 この件は、本日の話で述べた通り。(高齢者の保険の話。)
Posted by 管理人 at 2017年01月17日 22:55
対車両でいいならむしろ単眼カメラでも十分だと思われますが。実際トヨタの安い方のシステムは単眼カメラと赤外線レーザーで60km/hでも止まれてますが、その辺りの速度だと赤外線レーザーなんて意味ないでしょうし。

日産との差はたんにソフトウェアの差ではないでしょうか。まあ日産に技術が足りないという結論は変わらないのですがね。

80km/h以上とかの高速になると単眼カメラでは物足りなくはなるかもしれませんが、実際の事故率からするとこの辺の速度になるとぶつかろうが多少速度落として軽減してくれるだけでも十分な気もします。
Posted by あと at 2017年01月18日 17:49
> 対車両でいいならむしろ単眼カメラでも十分だと思われますが。

 単眼カメラも技術が発達しつつあるので、そういう一面もありそうですね。カメラの解像度もどんどん高まりそうなので。

 しかしながら、アクセルとブレーキの踏み間違いで、正面にある壁(灰色一色)にぶつかるのを防ぐのは、単眼カメラでは無理で、ステレオカメラやミリ波レーダーや赤外線レーダーでは可能です。
 この点からしても、単眼カメラのみというのはありえない。(日産ノートは、これ専用のために超音波ソナーを使っている。コストがかかるんだが。)

 あと、ご指摘のように、高速域もそう。高速運転中の衝突を防ぐには、やはり、単眼カメラは不利だ。

> 多少速度落として軽減してくれるだけでも十分な気もします。

 時速100キロが50キロに落ちれば、ベルトを締めていれば死なずに済みそうですね。しかし、ベルトをしていなければ死ぬでしょうし、また、ケガの可能性もある。衝突するよりは、しない方がいいに決まっている。しかも、コストはたいして変わらないんだし。ミリ波レーダーは2万円ぐらいで搭載できる。
  → http://openblog.seesaa.net/article/440048291.html
これをケチる理由がない。( ※ 超ケチなゴーンだけは別だが。)
Posted by 管理人 at 2017年01月18日 18:52
ミリ波レーダーはハードは安いが、処理するためのソフトウェアが高いと聞いたことがあります。昔ながらのフェーズドアレー式ですが、まだコストがかなりかかるから高額車じゃないとペイしないとかなんでしょうか。正直専門でないのでわかりませんが。
あと目の前の壁は単眼カメラで認知できないならステレオカメラでも認識できない気がします。ミリ波なら認知できるかもしれませんが、思いっきりアクセル踏み込んだら結局システムがキャンセルされてぶつかる気もします。憶測ばかりですみません。

ちなみに個人的には日産よりホンダの方が技術が怪しい気がします。ミリ波レーダーもついてるホンダセンシングつきのジェイドで思いっきり試験で衝突してましたから。ソフトウェア更新して再試験してましたけどね。
Posted by あと at 2017年01月18日 22:28
> 目の前の壁は単眼カメラで認知できないならステレオカメラでも認識できない気がします。

 いやいや。単眼カメラだと、明白な輪郭線が必要ですが、ステレオカメラなら、モルタルとか、岩石面とか、月面みたいな、ざらざら模様(あばた面)でも大丈夫です。ちなみに、水蒸気や煙や火でも大丈夫。明白な輪郭線は不要。画面全体(の差分)を使うから。

> 思いっきりアクセル踏み込んだら結局システムがキャンセルされてぶつかる

 安価な後付けシステム(踏み間違い防止システム)では、停止状態で、「思いっきりアクセル踏み込んだ」ときに限り、自動ブレーキがかかります。急発進防止装置。
 そりゃ、そうだよね。停止状態でアクセル全開なんてことは、日常場面ではあり得ない。
Posted by 管理人 at 2017年01月18日 23:14
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

過去ログ