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保育所不足が問題となっているなかで、「借地に建てた保育所は優遇しない」という歪んだ制度があった。保育所が自己所有している土地については固定資産税を免除するが、借地にある保育所についてはそうしない、という歪んだ制度。
この件が、東京都に限り、是正されるそうだ。東京都が固定資産税を免除するという。
東京都は保育施設として使われる借地を対象に、17年度から固定資産税を全額免除する方針を固めた。全国初の試みで、用地不足が一因となっている施設不足の解消を目指す。待機児童対策に過去最大規模となる 1100億円超の予算も組む方針だ。
( → 朝日新聞 2017-01-07 )

これで思い出したが、この件については、私も前に言及した。下記だ。
高架下の建物を賃貸で借りると、国や自治体からの補助金をもらえないので、莫大なコストがかかってしまう、という制度上の欠陥があるそうだ。そのせいで、高架下を利用する保育園の設置が進まないらしい。
→ 市川市:市川の高架下保育園の現状
というわけで、制度上の問題を是正することで、状況を改善することが可能であるようだ。
この方針の下で、高架下の保育所を増やすことが望ましい、と結論しておこう。
( → 保育所を高架下に: Open ブログ )
ここで述べたのは、高架下に限った話だが、今回の措置は、高架下に限らず、借地一般で免税となるそうだ。
ともあれ、その方針は好ましいことだ。おかしな制度が是正されるわけなので、歓迎したい。
ただ、問題もある。この方針を、東京都が実施するだけで、全国規模では実施されないことだ。東京都以外では、借地にある保育所は優遇されない( or 冷遇される)。ひどいものだ。(国が無策であるせい。)
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なお、上記項目が述べたように、「高架下の土地を借りて、保育所にする」という方針がある。これは、これまでは「借地だから無理」という感じだったが、これからはその制限もなくなる。
今後は(駅のそばで)高架下の保育所が次々とできることを期待したい。それで、保育所の問題は、いくらか緩和されるだろう。
※ 高架下の土地は、鉄道会社の保有なので、保育所が保有することはできなかった。これまでは保育所にはうまく利用できなかったが、今後はうまく利用できることになる。
[ 付記 ]
高架下の騒音について心配する人は、上記項目を読めば安心できる。一部抜粋しよう。
なお、「騒音や振動が大変なのでは?」と思う人もいそうだが、実際には気になるほどのレベルではない。児童がみんなそろってお昼寝しているときには、電車の音がいくらか気になるな、という程度。普通の生活をしているときは、児童の立てる物音の方が圧倒的に大きいので、電車の音や振動は無視できるレベルであるそうだ。