2017年01月07日

◆ がん遺伝子治療・重粒子線(詐欺)

 がん遺伝子治療というのは、詐欺である。重粒子線治療というのも、インチキっぽい。

 ──

 元の話題は、がんの重粒子線治療というのがインチキっぽい、という話。漫画に出てくるホリエモンが、がん治療の方法として重粒子線治療というのをやたらと推奨しているが、正しくない、という話。
 《 ホリエモンさん、意見広告になっていませんか?ピロリ菌と重粒子線の間違った話 》
 ホリエモン氏の話を聞いた登場人物のセリフに「重粒子線ガン治療でガンを消してしまえば抗ガン剤は使用しなくて済む」とありますが、抗がん剤治療が必要な対象と、重粒子線治療で治せるかもしれない対象はまったく異なります。基本的に、全身治療である抗がん剤が必要ながんに重粒子線治療を使用しても、がんは治りません。なぜならば、重粒子線治療は手術と同様に '局所' 治療だからです。ですから、重粒子線治療 vs 抗がん剤治療の対立構造はナンセンスだといえます。
( → 大場大のブログ "セカンドオピニオン"

 この件は、はてなブックマークでも話題になった。
  → はてなブックマーク - ピロリ菌と重粒子線の話 - 大場大のブログ

 ただ、情報は妥当ではないとしても、この情報を得た人から金を奪うわけではないから、詐欺とまでは言えないようだ。ただの嘘つきか、あるいは、無知ゆえの誤情報だと言える。
 世の中には嘘は山のように出回っているから、そのうちの一つとして、注意すればいいだけだろう。


monshin_doctor_serious.png

 ──

 もっと危ないものがある。がんの遺伝子治療というものだ。これは本格的な詐欺っぽい。

 まず、Google で「がん 遺伝子治療」を検索する と、まともな情報が少ない割には、やたらと広告が目立つ。上位4つはやたらと広告が表示される。


idensichi.png


 このことからしても、広告だらけのインチキ技術だということが窺われる。そこで、少ないながらも、まともな情報を探すと、こうだ。

 (1) 基本情報

 簡単な情報は、下記にある。基本原理。
《 がん遺伝子治療とは? 》
 がん発生原因『遺伝子』に働きかける最先端治療

 がんは遺伝子異常が積み重なってできる遺伝子異常です。遺伝子治療はがんの元になる遺伝子異常を減らしていく治療法です。再生未来で治療可能な遺伝子治療は2種類あります。免疫療法は効果がでるまで1〜2ヶ月かかることがありますが遺伝子治療の特徴は効果が出るまで2〜3週間と早いのが特徴です。他にも特徴として、耐性(治療が効かなくなること)がほとんど無いことと、抗がん剤や放射線療法で免疫力が低下していても治療が可能なことがあげられます。
( → がん免疫治療 医療法人 再生未来


 (2) 詐欺にだまされた人

 詐欺の疑いを感じて、調べてみると、まさしく被害者がたくさん生じているとわかる。
 《 がん遺伝子治療に関する裁判を経験して 》
 この裁判の相手方は、がん遺伝子治療を標榜するクリニックであり、ホームページ上や、市中一般病院内に置いてあるフリーペーパー等で、比較的大々的に治療効果を宣伝していた。
末期がん患者やその家族がその宣伝を見れば、あたかも末期がんであってもかなり高い確率で延命することができるかのような印象を与えかねない内容だった。
しかし、実際には、がん遺伝子治療は、まだ研究途上であり、治療効果(治療の有効性)があることは、医学的に確認されていないものだった。
 このがん遺伝子治療は、自由診療であり、治療費は主たるコースだけで約5百万円を超え、それを一括前払い、しかも、途中死亡などで解約しても支払った治療費は返還しないという特約を契約書で規定していた。
( → 医療問題弁護団

 まあ、典型的な、がん治療詐欺ですね。命がかかるという患者の弱みにつけ込んで、いい加減な治療を簡単に施して、莫大な金を請求する。治療がうまく行かなくても、そのときには患者はもう死んでしまっているから、文句は言えない。遺族にとっては、遺産がすっかり消えてしまう、という結果だけが残される。

 (3) 研究途上

 上の引用では、「がん遺伝子治療は、まだ研究途上であり、治療効果(治療の有効性)があることは、医学的に確認されていない」という話があるが、これには裏付けが取れる。専門家の話がある。
 《 【特集】がん遺伝子治療の現状と今後〜九州大学 中西洋一教授に訊く 》
現在、世界ではどのくらい臨床試験が実施されているのでしょうか。
 中西教授:米国の臨床試験のデータベースであるClinical trials.govから推測すると、現在実施中の臨床試験は全世界で約100〜200試験程度あるようです。一方、日本では、10試験程度の臨床試験が実施中です。

 中西教授:現在、新規薬剤とりわけ抗体医療が盛んですが、医療費の高騰が問題になる中、ウイルスベクターを使用するがん遺伝子治療は、取り扱いは容易で、しかも耐久性があるといったところで医療費の軽減にも貢献する可能性があるかもしれません。

 中西教授:第一に現在のがん治療は完璧ではないということです。期待されている免疫チェックポイント阻害薬の奏効率も高くとも20〜40%といったところで、すべての患者さんに効くわけではありません。患者さんの次の治療選択肢として、がん遺伝子治療やウイルス療法、iPS細胞を使用した医療技術といった新しい治療法に期待したいところです。
( → がんと・ひとを・つなぐオンコロ

 結局、こうだ。
  ・ 有望な技術であり、臨床研究もなされているが、いまだ開発中の技術だ。
  ・ コストは低い。抗癌剤より安くなりそう。
  ・ 効果は限定的。高くとも20〜40%。


 要するに、有望な技術ではあるが、万能薬ではなく、効果は限定的だ。そんなものに大金を払うのは馬鹿げている。大金を請求するのは、詐欺も同然だ。
 逆に言えば、それだからこそ、患者の弱みにつけ込んで大金をせしめようという詐欺師が跋扈する。

 そして、詐欺師のために宣伝を載せているのが、Google だ。詐欺師に加担する Google 。呆れるね。WELQ とか Naver とか、詐欺師・犯罪者に加担して儲けることばかりやっている。

posted by 管理人 at 09:29| Comment(0) | 医学・薬学 | 更新情報をチェックする
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