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IH調理器のガラス天板が割れた、という報告をときどき聞く。これは、熱の差が理由だ。
・ 熱いガラス天板に、冷たい鍋を載せる。
・ 冷たいガラス天板に、熱い鍋を載せる。
この二通りがあるが、通常は、前者だろう。この場合、ガラスが熱収縮するので、すぐに割れてしまいそうだ。
この問題を避けるには、上記のようなことをしなければいいわけだが、ついつい、うっかりしてミスってしまうこともありそうだ。
ならば、それを避けるための措置を取ればいい。フェイル・セーフ。
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具体的には、どうする?
「 IH調理器の上にカバーを載せる」
という方法で済むだろう。これによって、熱いものと冷たいものが直接接触するのを防ぐ。
その素材は? 不燃性のガラス繊維やアラミド繊維が販売されている。
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しかしこれはちょっと不便だ。
・ 価格がけっこう高い。
・ サイズが小さい。(21cm)
・ すぐにすべって、ずれてしまう。
それでいて、過剰なスペックがある。それは「不燃性」だ。IH調理器は、火が出ないのだから、不燃性は特に必要ない。せいぜい、揚げ物ときに、油が跳ねて、油滴がくっつくことぐらいだろうが、そんなことで火が出るはずがない。
なお、油が過熱して、油に火が付くことは、ないとは言えない(特にステンレス鍋を使ったとき)のだが、油に火が付いたら、もはや手遅れだ。カバーの問題では済まない。
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というわけで、私のおすすめは、
「厚紙を載せること」
だ。これならば、特に問題はないだろう。すべるようならば、四隅を事務用の糊で接着すればいい。糊だから、あとで洗い流すのも簡単だ。
なお、厚紙は、100円ショップで買える。ダイソーならば、A4サイズが3枚 100円だ。厚さは1mm 弱。
[ 付記1 ]
カバーを付けることの最大の美点は、次のことだ。
「ガラス天板が汚れない」
これは次の二つを防止する。
・ 鍋の底の汚れがこびりつかない。
・ 鍋からあふれた汁の材質がこびりつかない。
特に後者が大事だ。鍋からあふれた汁は、ガラス天板に乗っかると、蒸発して、汁材質がこびりつく。これを洗うのは面倒臭い。適当にさっと拭いておいて、何度か繰り返したあとは、この紙を(汚れのまま)捨ててしまえばいい。
[ 付記2 ]
カバーを載せると、IH調理器の効率が下がるのでは? という心配があるかもしれない。だが、その心配は不要だ。電磁的な効果によるので、紙やガラス繊維には影響されない。
[ 付記3 ]
カバーを載せると、センサーの感度が下がるのでは? という心配があるかもしれない。たしかに、そうだ。
だが、普通の加熱料理(煮物・湯沸かし)のときには、どうせ 100度以下にしかならないはずだから、センサーの感度に無闇にうるさくなることは必要ないだろう。
焼き物のときには、目で見ているはずだ。(さもないと、焦げてしまう。)だから、この場合も、問題ないだろう。
一方、揚げ物のときには、カバーをはずした方がいいかもしれない。ちゃんと目で見ていれば問題ないが、席を外して放置するような使い方をすると、危ない。(もっとも、揚げ物のときにそんな使い方をするのが論外だが。)
センサーの感度が精密に必要となる揚げ物のときに限り、カバーをはずした方がいい、と言える。といっても、高熱にしなければ問題ない。温度設定を「高温」にして長く使うのでない限り、大丈夫だろう。
なお、揚げ物の場合に大事なのは、「ステンレス鍋を使ってはいけない」ということだ。理由は、下記。
ステンレスの鍋は、底面がフラットではない。板が薄いので、波状に凸凹している。さもないと、強度を保てないからだ。
一方、鉄の鍋は、厚みがあって、強度があるので、底面はフラットだ。
このような形状の違いが、センサーの精度に影響しているのかもしれない。
つまり、ステンレス鍋が駄目なのは、熱伝導率の問題じゃなくて、薄くて形状が凸凹しているから。そう理解するといいようだ。
( → IH 調理器 / 電気圧力鍋(火事予防): Open ブログ(コメント欄) )
傷を防ぐためにはラップでもいいかもしれません。