2016年11月10日

◆ トランプ大統領の衝撃

 トランプ大統領が誕生した。このあと世界はどうなるのか?
 
 ──

 トランプ大統領が誕生した。このこと自体を「米国の総意」と見なす人々もいるが、そうではあるまい。結果は僅差だった。その僅差をもたらしたのは、FBI 長官が最後にメール問題(クリントン候補の容疑)を公表したことだ。これで一挙にクリントン支持率が下落した。その幅は4%ぐらい。一方で、最後の得票では、クリントンの方がいい。単純に票差を見ればクリントンの勝ち。なのに、選挙ではトランプの勝ち。
  → 得票数・率ではクリントン氏が僅差で上回る
 このメール問題がいかに大きな影響をもたらしたかがわかる。結局は、この小さな出来事が、最後に大幅な差をもたらした。
( ※ まるで「北京の蝶々がニューヨークに嵐をもたらす」というバタフライ効果みたいな話だ。)
( ※ なお、得票数と勝敗の逆転というのは、ゴアの敗北のときにも起こった。このときは子ブッシュが当選した。)


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 ともあれ、トランプ大統領が誕生した。このことで、米国民は大混乱だ。
  → 「トランプ大統領を認めない」「ファックドナルドトランプ」と絶叫、トランプ大統領当選を拒否するアメリカ人が集団で抗議の行進を開始して非常事態に突入 - GIGAZINE

 一方で、英国の EU 離脱みたいに、「各州の USA 離脱」という声も上がっている。
  → 大接戦の米大統領。ネットでは、アメリカから離脱したい、という声が上がっています。

 大混乱の極みだが、はてなブックマークやネット世論では、「マスコミの敗北、ネットの勝利」とか言って、肯定的な声も多い。
  → はてなブックマーク - 「トランプ大統領を認めない」……
  → はてなブックマーク - : アメリカ各紙、クリントン支持「57社」 トランプ支持「2社」 ……

 その一方で、トランプ大統領自身の勝利演説は、まともなものだった。
  → 【米大統領選】「私はこの国を愛しています」トランプ氏が勝利演説(全文)

 これを見て、肯定的に評価する人も多い。
  → はてなブックマーク - 【米大統領選】「私はこの国を愛しています」……

 ──

 では、私としてはどう考えるか? 
 とても楽観的には慣れない。似た例を思い浮かべると、ブッシュ父子だ。
  ・ 父ブッシュ …… 湾岸戦争を始めた。 (1991年)
  ・ 子ブッシュ …… イラク戦争を始めた。(2003年)


 湾岸戦争の方は、まだわけがわからなくもない。私としては「経済封鎖の継続」だけで十分だと思っていたが、米国の方は痺れを切らして、戦争に突入した。それでも、「イラクのクウェート侵略を阻止」という大義名分に従って、イラク内部に振興することはなかった。ここで留まっていれば、まだマシだった。

 イラク戦争の方は、まったく意味不明状態だった。そもそもの名分からして、「大量破壊兵器の阻止」であったが、これはただの虚構(嘘八百)だった。また、攻撃の狙いは、「子が父のあとを継ぐ」というのを目的としている感じで、「父はイラク国境の手前で攻撃の手を止めたが、子はイラク内部に進行することで父のやり残した事業を完遂する」というものだった。これは父があえてやらなかったことを、「未達成」と曲解して、余計なことをするだけだった。

 結果的に、父子2代で、イラクを破壊した。(子が父の成果をぶちこわす感じだが。)
 で、その結果は? イラクの体制崩壊による大混乱だ。そのあと、IS(ISIS)がイラク・シリアを部分支配するようになり、大量の難民が発生した。難民は欧州に押し寄せ、欧州に大混乱をもたらし、英国は EU 離脱を決定するに至った。
 要するに、今日の欧州の大混乱は、すべて、ブッシュ父子によってもたらされたものなのだ。何という巨大なプレゼントか。(馬糞の山をプレゼントされたようなものだ。)

 ──

 過去の歴史をかんがみるに、トランプ大統領も同じような結果をもたらす可能性はいくらかある。それはもしかしたら、メキシコとの間の移民の問題だけで済むかもしれない。
 しかし、ひょっとしたら、「第三次世界大戦」みたいな形になるかもしれない。(中国との間で。)

 よく考えれば、中国の習主席と、米国のトランプ大統領は、風貌も性格もよく似ている。
  ・ 自己主張が強い。自己正当化。
  ・ 一方的な強圧的な態度。
  ・ 妥協をしない。攻撃的。


 これを理論的に言えば、こうだ。
 「タカ・ハト・ゲームにおける、タカとタカ」


 タカ・ハト・ゲームについては、前に述べた。
  → タカ・ハト・ゲームとは


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 タカとタカという状況になれば、双方が強気に出る。そして、いったんことが起これば、双方が大いに傷つく。(双方が攻撃して、双方が傷つく。つまり戦争による大被害。)

 こういう状況は十分に考えられるのだ。
 それが実現するかどうかはわからない。また、実現するとしても、いつになるかはわからない。……それでも、その可能性は十分にあると理解しておこう。原理的には、その可能性は十分にあるのだ。
 「英国の EU 離脱」にせよ、「トランプ大統領の誕生」にせよ、1年前には荒唐無稽としか思えないことだった。ところが、その荒唐無稽なことが実現した。
 とすれば、第三次世界大戦だって、今は「荒唐無稽」と思えても、それが実現することは十分に考えられるのだ。

 人類はひょっとしたら、絶滅への道をたどりつつあるのかもしれない。この星の支配生物種はあまりにも愚かであった……というのは、SF ではしばしば語られるネタだ。最近では映画やアニメでも、「人類の終末戦争のあと」みたいな話題が語られることも多い。
 「ヒャッハー!」と叫びながら、「ひでぶ」と うめいて、死につつあるのかも。 


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 [ 余談 ]
 よく考えてみたら、トランプ大統領と安倍首相って、よく似ているよね。だったら、「日本はすでに経験済み」ということで、安心していていいのかも。
 あるいは、日本も第三次世界大戦に巻き込まれていっしょに滅びる……と悲観すればいいのか。
 よくわからん。見通し不明。
 
posted by 管理人 at 07:10| Comment(9) | 一般(雑学)4 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
トランプ大統領誕生を日本で一番歓迎している人のコメント。他に歓迎している人を知りませんから。

「米国大統領に選出されたことに、心からお祝いを申し上げます。(中略)一緒に仕事することを楽しみにしています」(安倍首相)

社交辞令にしてももう少し言葉を選べなかったのか?

Posted by 作業員 at 2016年11月10日 11:33
トランプはナショナリストで安倍ちゃんはグローバリストで全然ちゃうやんかー
Posted by 名無しさん at 2016年11月10日 11:34
トランプ氏と阿部氏を比較するのは、トランプ氏に失礼!
学歴、実業界の経歴いずれも違いすぎる。
Posted by 管理人は失礼なお方 at 2016年11月10日 18:16
私の予想
2017 アメリカとロシア、ロシアと日本が関係改善。
2018 締め付け強化でさらに北朝鮮が強硬に。
北が爆発すると困るので、中国が北を先制攻撃。
2019 台湾が独立を宣言。台湾侵攻、電撃占拠で傀儡政権を樹立。アメリカと日本が非難
2020 北を制圧、傀儡政権樹立。アメリカ、ロシアと中国分割案を基礎に会談。中国を経済制裁へ。中国がアフガニスタンなど、独裁国家とともに新国家連合を結成。
2022 タイで中国黒幕の国政転覆クーデター。失敗し、企みがバレる。中国と開戦。日本アメリカなど応援し、世界大戦勃発。
Posted by かーくん at 2016年11月10日 18:30
> トランプ氏と阿部氏を比較するのは、トランプ氏に失礼!

 二人を比較しているんじゃなくて、それぞれをトップにいただいた国民を比較している。
 その意味では、安倍をトップに据えた日本の方がひどいということになり、アメリカは「日本よりマシだ」と思って安心できる……という説になりますね。
 ま、どっちみち、国民を比較しています。
Posted by 管理人 at 2016年11月10日 19:28
トランプという人物がキャラが立ちすぎているからみなさん忘れがちだけど、基本、共和党と民主党のかわりばんこという意味では順当な結果なのですよね。

ヒラリーもトランプもクズ度は同じなら順当な党を選ぼうということになったのではないですかね。

ブッシュがイラク戦争を主導したと主張する人もいますが、アメリカ合衆国としての基本的方針としてイラク戦争はほぼ規定路線だったし、ゴアが大統領になったところで結論は大して変わらなかったと思います。

日本で3・11のときの民主党のダメダメっぷりが槍玉に挙げられましたが、自民党だってダメダメだったでしょうしね、それと同じことだと思います。
Posted by 通りがかり at 2016年11月11日 15:44
 トランプ次期大統領の勝利の際の演説
 トランプ次期大統領がオバマ大統領と会談したあとの談話

 という二つの報道を見ると、とてもまともな人物であると思える。まるで別人だ。
 思えば、学歴からしても、超一流大学(日本の京大・早慶に相当)の出身だし、頭は悪くない。
 (英語もまともに話せない)子ブッシュみたいな大失敗はしなくて済みそうだ。第三次世界大戦は杞憂だったか。

 むしろ、ひどい学歴の日本の首相の心配をする方が先かも。
Posted by 管理人 at 2016年11月11日 23:11
まさかトランプが大統領には・・・・。杞憂のはずが、現実になってしまいました。
ビジネスで成功?しているとはいえ、政治経験のない「暴言王」のトランプが大統領になるとは。トランプ自身が一番驚いているのかもしれません。

「この世はやってみなければわからないことだけで成り立っている」(小林秀雄)
トランプ大統領誕生は、事象としては50%の確率で起き得る事でした。こちらの理性が麻痺していた、ということなのでしょう。

「勝ちに不思議な勝ちあり、負けに不思議な負けなし」(松浦静山)
今回の大統領選は、トランプが勝ったというより、ヒラリーが負けた/失敗したと言った方が正しいように思います。
 
ヒラリーは、トランプの支離滅裂な低レベルの議論(演技にすぎない?)に真面目に?対応し、まともな政策アピールが出来ませんでした。また、サンダースとの指名争いを制したとき、サンダース支持層を積極的に取り込みませんでした。これも敗因の一つでしょう。結局、最後まで政治的な主張がはっきり示せないままだったように思います。「女性初の・・・」と叫ぶだけでは、もはや賛同を得られる時代ではありませんでした。

トランプは大統領選を「テレビ画面上での人気投票合戦」と"正しく"位置付けていたようです。有権者の不満を諸外国への敵視であおり、注目をそらさせないようにしました。相手ヒラリーの弱点を執拗に攻撃しつづけました。

FBI長官コーミィの、トランプに有利な「メール問題」の扱いもありましたが、真面目すぎる?ヒラリー陣営の作戦・戦略に不手際があったように思います。結果として、有権者を投票に向かわせることができず、投票率が48.62%と低くなってしまいました。これは1932年来、過去84年で最低です(前回2012年の投票率は54.9%)。

得票数では、トランプは59,698,506(47.4%)で、前回のロムニー票約6千万を少々(30万票)下回っただけなのに対して、ヒラリーは59,926,386(47.6%)で、前回オバマの約6600万票より600万票も少ないものでした。接戦のWis., Mich., Pa., Fla.の4州で、得票に2%弱上乗せがあればヒラリーにも勝機はあったことになります。

結局、トランプは支持を増やしたのではなく共和党支持者を繋ぎ止めた、一方ヒラリーは、民主党支持者を増やすことも繋ぎ止めることもできなかった、ということだろう思います。
Posted by Nekogu at 2016年11月12日 07:58
まとも、つまり今までの延長線上の政治だというほうがむしろ不味いと思います
現状に不満で、トランプなら変えてくれると支持したコア層が失望して、不支持になったらたまらないと過激な政策をするか、トランプ自身はせずホワイトハウスを追い出されても
トランプの次が子ブッシュのごとくもっと過激な政策をすると思います。その時こそ第3次世界大戦でしょう
Posted by RFT at 2016年11月14日 21:36
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