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どうしてこうなった?
と謎に思ったので、調べてみた。すると、原因がわかった。
基本は、監督が未熟な未経験者であったことだ。さらに、この監督が GM の権限も得るという全権ぶり。
→ 名古屋グランパスがJ2へ降格 原因は小倉隆史前監督の経験不足?
ではなぜ、こんな滅茶苦茶な人事をしたのか? これについては、人事を決定した社長が「自分の責任だ」と述べて、辞任したそうだ。
4日夕方、クラブハウスから出てきた久米一正社長は突如、「今朝、辞任を申し入れた」と切り出した。佐々木真一副会長から承認されたという。
( → グランパス、ついに降格 Jの「顔」、険しい道のり:朝日新聞 2016-11-05 )
とはいえ、上の記事を見ると、社長がこの人事の決定をしたのではないらしい。社長は内部昇格の人だが、方針を決定したのは親会社のトヨタから天下りしてきた人らしい。
今季、名古屋はプロの指導経験のないクラブOBの小倉隆史氏をゼネラルマネジャー(GM)兼監督に起用した。親会社のトヨタ自動車から送り込まれた上層部が担ぎ上げ、久米社長の「生え抜きの監督を育てたい」という思惑とも一致した。
結局は、親会社から天下りしてきた素人が人事を決定したことが致命的だったようだ。サッカーのことを何も知らない上層部が、単に「クラブの出身者(OB)だから」という理由で、監督未経験者にすべてを託した。その結果は、とんでもない惨敗だ、というわけ。

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ここまで読めば、似た例が思いつく。プロ野球にも、そっくりのチームがある。どこだ?
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それは、阪神タイガースだ。
・ 内部昇格(チームのOB)
・ 監督未経験者
・ 決定したのは親会社の天下り
・ チームは惨敗
阪神の場合は、さすがに「降格」というのはないが、かわりに、「ドラフトで大失敗」というのがあった。
「最初の方針通りにしておけば、ドラフトで二番目の目玉であった佐々木を取れたのに、監督が弱気を出したせいで、ドラフト2位に相当する野手をドラフト1位で取った。結果として、阪神はドラフト1位の選択権をみすみすドブに捨てたのも同然」
あまりにも馬鹿馬鹿しいので、「今年のドラフト大失敗のナンバー1」とも表されている。
馬鹿な球団経営の見本だね。それにしても、名古屋グランパスとうり二つだ。
このそっくり具合(馬鹿さの双子)を指摘するのが、本項の趣旨だ。
※ その根っこにあるのが何かは、すぐわかる。
[ 付記 ]
こういう経営体質とは正反対の例がある。アメリカの大リーグで優勝したカブスの経営だ。
→ カブス、108年ぶりV 「ヤギの呪い」解けた
エプスタインという若手の実務家に全権を委ねた。彼は徹底的に数値で分析して、有能だが埋もれている選手を見出して、発掘して、人材をそろえた。この方法で、レッドソックスを優勝に導き、さらにカブスを優勝に導いた。
この方法は、セイバー・メトリクスと言われる。
→ セイバーメトリクス - Wikipedia
→ 野球の見方が180度変わるセイバーメトリクス( Amazon )
これと似たことは、日本でも DeNA のラミレス監督が実行して、今年の DeNA を躍進させた。
どこかの関西の馬鹿球団とは、まったく正反対の方針だ。片や数値経営で、大躍進。片や情実人事で、大没落。
「ベンチがアホやから野球がでけへん」と言われた球団は、どこだっけ? あのころから何も変わっていないな。
無知・無能な親会社の天下りが実務に口を出すと、こういうことになる。
ま、日本の政治も同様だが。
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昨年からピッチ外がゴタゴタしている。新しい人材が加わる際にクラブトップの社長が最終段階まで知らされていないことや、功労者を半ば追い出す形で退団に追い込み、あろうことか「オレが追い出してやったんだ!」と豪語する幹部。
最後の最後に力尽きたチームを見て、ある幹部はスタンドから「お前ら、全員クビだ!」と吐き捨てたという。
http://www.sponichi.co.jp/soccer/news/2016/07/07/kiji/K20160707012918400.html