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小笠原諸島の父島で、グリーンアノールという外来生物(トカゲの一種)が大繁殖して、困っているそうだ。すでに数百万匹にも増えたせいで、在来種のいくつかを滅亡させ、さらにどんどん滅亡させていくという。

これは読売新聞で最近掲載された記事だ。(ネットにはない。)
ただ、同種の記事は、検索すればいくつか見つかる。
→ 小笠原に蔓延る外来トカゲ 「グリーンアノール」の脅威
→ 小笠原諸島の固有生物を食い尽くすグリーンアノールとは?
→ グリーンアノール / 国立環境研究所 侵入生物DB
これを駆除する方法はある、という記事も見つかった。粘着させる器具でつかまえるそうだ。
→ 外来トカゲ1万匹駆除成功 秘密はペタペタ作戦 小笠原(2010年)
一部抜粋しよう。
駆除作戦では全域で根絶するのは難しいため、希少な昆虫類が多い区域などを選び、重点的に捕獲した。その結果、今年3月までに約1万300匹を捕獲できた。駆除区域内のトカゲの生息密度は、父島では4分の1、母島では5分の1に減少したという。
大幅に削減できているようだ。「これならオーケー」と思うかもしれない。しかしこの記事は 2010年だ。それから6年たった今でも、被害は減るどころか増えている。全然、役立っていない。
敵はあまりにも膨大なのだ。大量のエイリアンかゾンビが押し寄せてくるようなものだ。ちょっとぐらいトラップでつかまえても、数百万の敵の前にはあまりにも無力だ。
では、どうすればいい?

ここで、困ったときの Openブログ。うまい案を提示しよう。こうだ。
「肉食の鳥類を導入する。特に、モズやフクロウが好ましい」
モズは体長 20cm ぐらいで、フクロウは体長 50cm ぐらい。サイズは違うが、どちらも野ネズミぐらいは楽々と餌食にする。だったら、グリーンアノールぐらいは簡単に餌食にできるだろう。
なお、万が一、モズやフクロウが大繁殖してしまう……ということがあれば、モズやフクロウを捕獲することは比較的簡単だ。(グリーンアノールをつかまえるよりはずっと簡単だ。)
ただ、モズやフクロウが大繁殖してしまう……ということは、まず考えられない。本土のどこでも、そんなことは起こっていないからだ。どちらかと言えば、モズやフクロウは絶滅危惧種に近いよね。もっと増えてほしい。
問題は、モズやフクロウをつかまえて、小笠原に放つことだ。どうやって、やればいいか? 天然のモズやフクロウをつかまえるのは、違法っぽい。(知らないけど。)
もしそうなら、養殖するといいのかも。
まあ、何とかうまく工夫して、小笠原の生態系を救ってほしいものだ。数々の種が絶滅する前に。

【 追記 】
これに似た問題は、他の場所でも起こっている。それは、丹沢で鹿が異常に繁殖していることだ。そのせいで、鹿が木々の樹皮を食べてしまい、木々が次々と枯れてしまい、生態系が破壊される。最終的には、森林が消失し、鹿も死んで、森林の砂漠化で安定すると予想される。馬鹿な結末。
どうしてこういうことが起こるか? 生態系の頂点に当たる生物が欠落しているせいだ。つまり、肉食生物の欠落だ。そのせいで、草食生物が異常に繁殖する。
従って、この問題は、肉食生物を導入することで解決する。
・ 小笠原ならば → グリーンアノールを食う肉食鳥類
・ 丹沢 ならば → 鹿を食うオオカミ
こういうものを導入すれば、生態系は安定する。逆に、そうしなければ、生態系はどんどん崩れていく。
[ 余談 ]
ついでだが、似た例(生態系の破壊)は、各地のヒグマ被害でも見られるようだ。
ヒグマやツキノワグマが人間を襲う例が最近は多いが、それには理由がある。
・ 里山の破壊で、ドングリなどをもたらす樹木がなくなる
・ 温暖化が進んで、ドングリなどの実が付かなくなる
引用しよう。
主原さんは「えさを求めてクマが里山にでる件数が増えているが、里山の放置はここ数年の問題ではない」と指摘。04年、06年にもブナ、ミズナラ、コナラなどがともに実をつけない凶作になり、この頻度が増していることや、温暖化にともなう南方系昆虫の侵入被害の重大性に警鐘を発します。
ブナも高温障害で、実をつくらないシイナ化が多発。ブナの実やドングリだけでなく、クマの重要なえさになってきたチシマザサなどのタケノコにも異変が起こりました。
榊原さんは「日本海側のこうした森林植生の衰退と人里へのクマの異常出没は、植物生態系を乱し、森林病害虫を北上させる温暖化への警告だ」と訴えています。
( → なぜクマは町に出る?/温暖化で生態系に変化 ドングリ実らず )
ただし、2016年に限ってはそうではない、という反論もある。ちょっと複雑だ。
→ 2016年、熊出没が多い理由は「昨年どんぐりが豊作だったから」
【 関連項目 】
本項の続編があります。
→ グリーンアノールを猫で駆除する: Open ブログ
※ 専用の猫を使って、グリーンアノールをうまく駆除できるだろう、という話。

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*外来種で困っているのに、また外来種を移入するのは問題だと思う。必ずしもグリーンアノールだけを食べるとは限らない。固有種が食べられるかもしれない。
三宅島で、ネズミ駆除で移入されたイタチが固有の鳥類やトカゲを捕食して、種によってはほとんど見られなくなったという例もある。
まあ、そういうふうに思っているのが圧倒的多数だから、そういう硬直した思考に「ガツンと一発ぶつけて、硬直した思考を打破しよう」というのが、本サイトの方針。
「他はそうだったから」という話を抜きにして、ゼロベースで考えてみよう、というわけ。
実は、マングースにせよ、イタチにせよ、
・ 他の生物を食い尽くす
・ 捕獲が困難
ということは、最初から予見可能だった。一方、モズやフクロウならば、そんなことはない。
ま、モズやフクロウが、他の生物を補食することは予想されるが、それは、数百万ものグリーンアノールが捕食する量に比べれば、圧倒的に少ない。
だいたい、グリーンアノールの導入はそのまま放置して、対抗馬の導入は絶対に許さん、ということの根拠がない。生態系を破壊するものの導入は(もはや仕方ないとして)認めるが、生態系を破壊しないための導入は許さん、というのは、頭が固すぎる。
生態系のピラミッドとは何か、ということから、ゼロベースで考えるべき。マングースやイタチは、そこを理解しない方法だったから、失敗した。
そのあとで、「あつものに懲りてなますを吹く」という人ばかりになったから、生態系の破壊は放置されっぱなしだ。
ついでだが、マングースやイタチは、外来種を取る形で生態系を維持するために導入されたのではない。もともといる在来種であるハブやネズミを補食するため、つまり、既存の生態系を変更するために導入した。そうしたら、予想外の方向に変更してしまった、というわけ。
生態系を維持するために何かが導入されたという例はない。
また、モズやフクロウは、外来種というほどではない。日本の在来種だ。本土のどこにでも普通に見られる。特に外来種扱いする理由はない。
なのに、外形的な「導入」ということばかりに着目して、「外来種の導入に反対」という人は、外来種と在来種の区別もろくにできないわけだ。そういうふうに硬直した思考を打破するために、本項はある。
小笠原には固有の猛禽類がいるみたいですね。(グリーンアノールも食べる)
60羽しかいない絶滅危惧種とのことで似たような鳥を導入するとまずいと思います。
オガサワラノスリ。タカ科ですね。
タカ科の猛禽類は、私も考えたのですが、「導入は不適」と判定しました。大型すぎるので、野ネズミなどを食べてしまうので、グリーンアノールの駆除には向いていません。
上の取りがグリーンアノールを食べるとしたら、野ネズミなどがいないときに、やむを得ず食べるのでしょう。(まずいから?)
タカ科の猛禽類があまり増えないで、絶滅しかかっているのは、捕食する生物が野ネズミや野ウサギなどに限られているからだと思えます。グリーンアノールをせっせと食べるようであれば、今ごろ大繁殖しているはずです。
というわけで、タカ科の猛禽類は、モズやフクロウとは競合しないでしょう。「似たような鳥」ではなく、全然別の鳥だと思います。タカ科の猛禽類を増やすためには、グリーンアノールがいっぱいいても駄目で、野ネズミや野ウサギを繁殖させる必要があるでしょう。
さらに、それらが空から見えるように、野原を用意しておく必要がある。
「人工林を伐採して、野原にしたら、猛禽類が空に戻ってきた」
という話が、最近も報道されていた。
http://www.yomiuri.co.jp/eco/20161019-OYT1T50110.html
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG18HC9_Z11C16A0000000/
http://www.sankei.com/region/news/161026/rgn1610260040-n1.html
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2016101801001815.html
http://japangiving.jp/project_report/2679
http://www.nacsj.or.jp/katsudo/akaya/2016/10/post-44.html
参考:
ネズミを逃がしてあげたらタカが持ってった
http://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1301/16/news046.html
グリーンアノールをせっせと食べるようであれば、今ごろ大繁殖しているはずです。
卵が少ない、元々個体数が少ない、などの理由で大繁殖できていないのだと思います。
人の手で増やすことを援助する方法は無いのでしょうか。
グリーンアノールは森林の中で木に登って生活しているのでしょうから、その駆除には森林の中で木に登る捕食動物が適していると思います。
猿系の動物?
しかし、グリーンアノール以外の動物も補食するでしょうし、難しいと思います。
普通のタカ類が両生類を食べるとは思えません。だから絶滅しかかっている。
両生類を食べるタカは、雑食性のもの、つまり、トビです。トビならグリーンアノールを食べて繁殖するかも。ただしオガサワラノスリと繁殖域は重なる。
> 猿系の動物?
猿は果実食なので駄目だから、哺乳類でやるなら、キツネとタヌキかな。ただしこれらは、鳥類を食べてしまう。副作用がひどい。
やはり、鳥類を食べないものとして、鳥類が最適でしょう。猛禽類(イヌワシなど)だとまずいが、モズぐらいならば大丈夫。
やはり、モズとフクロウが最適ですね。
それが駄目なら、固有種の大量絶滅を受け入れるしかない。たいていの人が「生態系ピラミッド」という概念を理解できていないのだから、無知ゆえに生態系の破壊を放置することになる。
このことは、理解できます。
ただし、慎重に行う必要があると思います。
>モズやフクロウは、外来種というほどではない。日本の在来種だ。・・・
野生生物の分布と、人間が勝手に決めた「日本」という範囲は関係ありません。小笠原の在来種とは言えません。特に小さな島の生物は外来生物にもろい傾向があります。
モズはトカゲを食べますが、スズメも捕食します。母島には固有種・特別天然記念物絶滅危惧種メグロがいます。母島でモズが増加したらメグロの絶滅が危惧されます。
なかなか良い方法はまだ思いうかびませんが、慎重にしたほうが良いと思います。
参考までに、、”””鈴木惟司 (1991b) 小笠原諸島父島において観察された育雛中のモズの食性について.第2次小笠原諸島自然環境現況調査報告書(東京都立大学編), pp.173-176.東京都, ”””に、父島ではグリーンアノールを捕食するイソヒヨドリ Monticola solitariusやモズ Lanius bucephalus が増えている(鈴木 1991b)。という記述があるようです。まだいるようなら、特に移入する必要はないみたいです。ただ父島には現在メグロはいないので、この例からはモズによるメグロの捕食の影響は予想できません。
生態系ピラミッドの考え方からすれば、猛禽類が他の鳥類を少しぐらい補食するのは、もともと当然だと言えます。また、全部食べ尽くすことがないのも自明。
マングースやイタチの場合には「天敵」という概念で導入しましたが、本項では「生態系ピラミッド」という概念で導入します。原理がまったく異なります。← 重要 ★★★
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グリーンアノールは、鳥類からの攻撃にはほぼ無防備なので、モズはまずこっちを食べて、それでおなかいっぱいになりそうです。スズメを追いかけ回すことは、ほとんどないと思えます。
どうしても心配なら、スズメの繁殖のために、コメでもばらまけばいい。食われる分と繁殖する分とで、相殺される。スズメは、食い物さえあれば、どんどん繁殖するものだ。だから世界の鳥類で最も繁栄している。
モズは渡り鳥だが小笠原に移した場合だけは渡りをしなくなる?
フクロウは夜行性で昼行動するグリーンアノールとは接点が無いのでは?
はたして最適?
下記を参照。
>> モズといえば秋・冬の鳥である。渡り鳥ではないが、
http://homepage2.nifty.com/night-forest/yatyou/y-mozu.htm
> フクロウは夜行性
夜行性だから、夜は動けない爬虫類を補食しやすい。
あと、昼間は眠っているわけじゃないです。昼間も行動します。写真多数。
参考:
http://ameblo.jp/bubo/entry-12026870591.html
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q11119026246