「主として継ぎ盤機能を使っているつもりだったが、実際にはソフトの手をかなり参考にしていた」
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ソフトとの一致率から、「ソフトを使った」という意味では「クロだ」と認定した。
→ 渡辺竜王の逆襲!(将棋紛争)
しかしながら、全面的にソフトに頼ったにしては、一致率が低い。90%にならないのだ。普通の指し手でも 70% にはなるので、一致率が 90% 程度では全面依拠とは言えない。
また、本人が「自分は潔白だ」と(勝手に)思い込んでいる、という点もある。
また、早指しの NHK杯や JT杯で優勝しているので、(長考をしない)早指しでの棋力は非常に高い、と見なせる。これは逆に、「長考は苦手なので、継ぎ盤を欲しがる」ということでもあり、「継ぎ盤を使ったという疑惑が高まる」ということでもある。
なお、継ぎ盤使用の疑惑が高いことについては、下記で解説した。
→ 三浦九段と文春報道(解決編)
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以上から見て、少なくとも本人の意識では、「ソフトを盗み見たよりは、継ぎ盤の使用の方が、主体であった」ということなのだろう。
また、ソフトを盗み見たことは、少なくとも本人の意識では、例外的であるほど少なかったのだろう。(実際には、かなり多くあったと思えるが。)
というわけで、私としては、次のように判定したい。
・ 本人の意識では、継ぎ盤が主体で、ソフト使用は例外的。
・ 実際には、継ぎ盤使用だけでなく、ソフト使用も多々あった。
つまり、本人は「長考が苦手なので、継ぎ盤を使うのが主体だ」と思っていたのだが、「ついでにチラチラとソフトの解析結果も見てしまう」というふうになる。ところが、ソフトの示した手を、いろいろと研究しているうちに、自分で考えた手だと思い込んでしまう。だから、「自分で考えた手だから、ソフトの不正利用には当たらない」と勝手に思い込んでしまう。「自分がやったのは継ぎ盤の利用だけだから、ちっとも悪くはない。あとで解析したって、ソフトの手を使ったという結果になるはずがない」と思い込む。
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これを名付けて、「スティーブ・ジョブズ症候群」と言おう。IT業界では、「現実歪曲空間」という言葉で有名である。
( ※ 他人のアイデアを、いったん「駄目だ」と却下するが、あとになって、そのアイデアを「自分の考えたすばらしいアイデア」として、発表する。そのアイデアを、自分が考えた独自のアイデアだ、と本当に思い込んでいる。)

というわけで、三浦事件の謎は、IT用語によって理解されるわけだ。
こうして、すべての謎が完全解決する、と言えそうだ。
PCはもちろん研究のために使用していただろうけど。
控室でミニ駒などを畳の上で並べたり。
記憶力が落ちて継ぎ盤を使ってみたら棋力が大幅に向上してしまったと。
森下卓がCOM戦で継ぎ盤を使ってCOMと同等になったのを見て思いついたのかも。
だからPCもパソコンも調べても何も出てこないよ。
継ぎ盤を使うのは恥ではあるが違反ではない。
千田さんが奇しくも言ってるが人間は終盤が異常に弱い。自滅で負ける。
自滅を防ぐだけで勝てるし必然的にCOMに似てくる。
継ぎ盤を使うなら、ミニチュアの駒を使うより、スマホのソフトを使う方がずっと合理的です。指先だけで使えるし、ミニ駒を落とす心配もないし、最初の画面に復帰することも容易だし。逆順に戻すことも可能だし。
だから、継ぎ盤を使ったなら、スマホのソフトを使ったことになる。手は教わらなかった、というだけ。……その可能性は、皆無ではない。本項の本文中にも書いたとおり。