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この件では、三浦・渡辺戦の妙手の連発について、
「こんな神がかった手を、人間が指せるはずがない。だから、ソフトが指したに決まっている」
というのが、世評だった。また、プロ棋士も同様の判断だったようだ。( → 前項 )

ところが、ソフトのデータを見ると、ソフトはそのような妙手を思い浮かばなかったのだ。二つの妙手については、ソフトも思いついた。しかし、最高の妙手については、ソフトは思いつかなかったのだ。

これは将棋ソフト「技巧」の分析結果である。データは
手数 人間の手(元位置) 評価値 技巧の手
の順となっている。二つを取り出すと、
63 ▲5五桂打 906 ▲5五桂打
67 ▲6三桂成 1457 ▲同歩
というデータがわかる。
63手目の ▲5五桂打 は、コンピュータの手と同じだ。これについては、一致しても不思議ではない。
67手目の ▲6三桂成 は、神がかっている。「よくもまあこんな手を思いつくものだ」とビックリした。「でも、ソフトならば、網羅するから、こういう手を思いつくのかも」とも思った。ところが、上のデータを見ればわかるように、ソフトは ▲6三桂成 を思いついていない。ソフトが思いついたのは ▲同歩 という非常に平凡な手だ。(銀得になる手)。
要するに、 ▲6三桂成 という特別な妙手があったのだが、それを思いついたのは、ソフトではなかった。つまり、三浦九段が自分で思いついた。ここでは、ソフトを三浦九段が上回ったのである。
これまで、「ソフトは人間を大きく越えた。もはや人間はソフトにはかなわない」というような世評があった。

しかしながら実は、それは成立しなかったことになる。少なくとも、今回の対局においては。
( ※ 「人間の逆襲!」という感じである。)
【 追記 】
前項のコメント欄で指摘を受けたが、「ソフトでは、手の複数表示をすると、次善手として ▲6三桂成 が指摘されていた」とのことだ。
ううむ。そうだとすると、事情は混迷してくる。
ソフトはその手で、「▲8五飛」や、将来の飛打まで、きちんと読んでいたのだろうか?
《 加筆 》
ソフトの読みを見てみた。
→ http://upup.bz/j/my25985MtVYtjo-27ELrJsU.png
これによると、▲8五同歩 の場合には、「優勢が続く」というだけであって、決着(詰み)はまだまだ先だ。
一方、▲6三桂成 ならば、ここで決着(ほぼ詰み)となる。将来の飛打が見込めるからだ。三浦九段はそこまで読んでいたはずだ。(たったの6手だけ先なのだから、絶対に読んでいるはずだ。)
一方、ソフトはそこを読めなかった。だから「決着(ほぼ詰み)」と判定できなかった。
とすれば、ここでは「絶妙手」を発見したのは三浦九段であって、ソフトはやはり「絶妙手」を発見できなかったことになる。ソフトは ▲6三桂成 を読んではいたのだが、その先を正しく読めなかったせいで、これが「絶妙手」だとは気づかなかったのだ。
判定。人間の勝ち。
いいの、人間同士だけでやれば
コンピューターにしか気付けないリスクを抱えた手だったのかもしれない
スマホで家のPCを遠隔操作、もしくはLINEで指示して代行操作してもらえばいいので全てのPC版ソフトの手を確認した方がいいと思う
2ちゃんねるでは、Ponanza の開発者が極秘裏に協力した……という冗談がつぶやかれている。
PC版技巧で確かめましたが、やはり▲6三桂成はソフトは読めませんでしたよ。
強いソフトほどむしろこれは読まないと思います(弱くても読めないが)。なぜかというと、▲8五同歩で逆転不能なほどの優勢を維持できるからです。普通に指して勝ててしまう以上、ソフト的には▲同歩を捨てる道理がないということだと思います。
例えば棋士がAとBという2つの候補手があったとして両方に深い読みを入れた末Aの手のほうが有利と判断して指し、事実Aの手が有利だったとしたらBの手を読めてなかったというでしょうか?
▲6三桂成と▲8五同歩のどちらが本当に有利なのかの判断は難しいのではないでしょうか。(どちらでも大優勢というのは間違いないですが)
それから、1億2000手ほど読んだ段階での技巧の▲6三桂成の読み筋を参考に貼っておきます
▲6三桂成(55) △同 角(52) ▲8五飛(35) △同 飛(82) ▲同 歩(86) △5二玉(51) ▲7三銀打 △6一銀(72) ▲8二飛打 △4三玉(52) (以下略)
渡辺竜王が△6五歩と変化したため、飛車の打ち場所は▲8二に変わっていますが、飛車交換しての飛車打ちを狙っているのは読み筋からわかります。
何れにせよすでに優勢の状況から詰みに持っていく手を妙手とは言えません。
アクセス数の多いブログなのだから客観性を大事にしてください。あまりに横暴すぎます。
それは「光速の寄せ」だろ
> 2ちゃんねるでは、Ponanza の開発者が極秘裏に協力した……という冗談がつぶやかれている。
>Posted by 管理人 at 2016年10月20日 12:54
技巧売られてないのよ?配布エンジンよ?
GitHub - gikou-official/Gikou: 将棋ソフト「技巧」 https://github.com/gikou-official/Gikou
Ponanzaは配布されてないのよね
他の配布エンジンもあるから試してみては?
将棋所:USIエンジンのリンク http://www.geocities.jp/shogidokoro/enginelink.html
PC使ってるファンならみんな知ってると思うのよね
ソフト指しといままで言ってきたんだから知らないわけないでしょう。 Android 版にも言及していました。これだけさまざまな手をソフト指しと判断するためには使い込まなければただの思い込みになります。電王戦のルールの変遷はご存知ありませんか?
電王戦ではプロ棋士が本番とまったく同じ環境で練習可能なルールに落ち着きました。プロ棋士がソフトを研究するために事前貸出ルールに落ち着いたんです。それ以前のコンピューター対局でも同様です。渡辺竜王は2007年に Bonanza と対戦しましたが、そのときでさえ事前利用の上研究を重ねました。
>【AWAKEの悲劇】2・主催者によるレギュレーション|ドキュメント コンピュータ将棋|松本博文|cakes(ケイクス)
> https://cakes.mu/posts/9406
> 2007年の渡辺明竜王−Bonanza戦では、渡辺竜王は事前にフリーで公開されていたBonanzaをダウンロードして、自宅のPCにインストールしている。
> 実はこのとき、セッティングをしたのは、筆者だった。それから5年後、保木邦仁らと渡辺邸を訪れる機会があった。渡辺のパソコンに残った古いユーザーインターフェースのBonanzaが残っているのを見て、保木は感慨にふけっていた。
こちらは勝つためですが、妙手をコンピューター独特の手と判断するには相当にソフトを研究していないと無視でしょう。
文春報道では、渡辺竜王が三浦九段の不正を疑いだしたのは対局後に第三者から一致率の進言をされてからとあります。文春報道には疑問点も多いですが、こと渡辺竜王のコメントに関しては直接取材されているようなのでその点は信用に足ります。(流布している資料及び文春文脈から考えると、この第三者は千田五段ではないかと考えられる)
あの渡辺竜王でさえ気付けないのです。渡辺竜王は Bonanza には詳しくても技巧には詳しく(研究したことが)なかったので気付けないのも仕方ありません。これをソフト指しと判断するには渡辺竜王を凌ぐ棋力(笑)か相当に技巧を使用した経験がないと不可能です。その判断をしてきたのだから知る知らないを遙かに越えて十分使用した経験がないわけがありません。
管理人氏は別のソフトと勘違いしているのでしょう。
書き間違えたんじゃない?笑 ホンニンに聞いて笑
事前貸出とかは知ってるから