2016年10月12日

◆ 多摩川の鮎の遡上と取水堰 2

 多摩川で鮎が遡上しているが、途中で取水堰が鮎の遡上を阻害している。その近況報告。

 ──

 本日の NHK 首都圏ニュースで、この話題が報道されていた。ネットには記事が見当たらないようなので、私が要約を示しておく。
  ・ 鮎が多摩川で遡上している。数十万匹。
  ・ 鮎は取水堰の前で滞留している。それを網で獲る人がいる。
  ・ 「遡上できない鮎は、資源の無駄遣いになるから」という言い分。
  ・ なぜ遡上できないか? 魚道はあるが、鮎はそこを通らない。
  ・ 魚道の水流は緩やかで、魚道の末端は池のようだ。
  ・ しかし鮎は急な水流を好むので、ゆるい水流には行かない。
  ・ 結果的に、魚道は無駄。鮎は遡上できないまま。
  ・ 仕方ないので、稚魚を獲って、トラックで上流へ運ぶ。


 何ともまあ、馬鹿げたことをやっているものだ。せっかく魚道を作ったのだが、鮎の生物的傾向に合致しないので、魚道はただの無駄遣いとなっている。かわりに人手で鮎を獲って、トラックで運ぶ。まあ、愚の骨頂と言いますか。





 ──

 では、どうするか? 「困ったときの Openブログ」と言って、頼りにしたがるかもしれないが、おっと、この問題はすでに前に扱ったことがある。そっちを読めばいい。
  → 多摩川の鮎の遡上と取水堰

 ここにはちゃんと正解が記してある。
 二ヶ領用水は……現在は業用水としての役目を終え、環境用水として地域に水を提供しているという。

 この項目の最後に、まとめふうに、こう記してある。
 国交省もそれなりに努力している。魚が通りやすい魚道を整備している。
 しかし、魚道というものは、あまり効果がないことが知られている。実際、効果がないからこそ、上記記事のように、「捕らえてからトラックで運ぶ」なんてことをしているわけだ。
 これはどうしてかというと、魚道というのはきわめて小さいから、魚はそこに魚道があると気づかないのだ。川のなかに「あっちが魚道ですよ」というふうに地図を記して、それを魚が解読してくれるのならばともかく、現実には、魚道は川の一部にちょっと穴があいているような感じで存在するから、たいていの魚は気づかない。それゆえ、ほとんど意味がないのだ。
 
 だから、取水堰なんてものは、撤去するのが一番なのである。

 もっと詳しい話は、引用元の項目を読んでほしい。
  → 多摩川の鮎の遡上と取水堰

 ともあれ、正解は判明した。
 「魚道を改修する」という方式を番組では推奨していたが、魚道を改修したところで、現状よりは少しはマシになるという程度で、根源的な解決にはならない。特に、鮎以外の魚(ウナギなど)には、「魚道を改修する」という方式では済みそうにない。
 ※ そんなことをしていると、鳥に食われてしまいそうだ。
   海鳥は大量の魚を食ってしまうものだ。

 根本的には、「取水堰の撤去」が正しいのである。物事の根源を考えれば、そういう正解がわかる。
 しかし、「取水堰をそのまま残す」という前提を、人々は取りやすい。そのせいで、「前提をはずす」という解決案を見失いがちだ。この件は、前にも述べた。
  → うまい解決策がないときは?






 【 関連サイト 】

  → 多摩川へのアユの推定遡上数は463万尾|東京都
  → 多摩川で「アユ」が復活へ 3mの取水堰をトラックで代行遡上
  → 「江戸前アユ」 多摩川での復活劇|NIKKEI STYLE
  → 東京新聞:多摩川遡上稚魚を捕獲、上流に放流
 
posted by 管理人 at 22:52| Comment(0) | エネルギー・環境2 | 更新情報をチェックする
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