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豊洲問題で、小池都知事は、過去に遡って歴代の責任者を処分する方針を示した。(前項でも述べたが。)
→ 東京新聞:豊洲問題 歴代都幹部の処分検討 小池知事「体制刷新」
小池都知事の命を受けて、東京都は石原慎太郎にも聞こうとしたが、石原慎太郎はそれを拒否したらしい。
→ 全面協力のはずの石原氏 一転、ヒアリング拒否 - 毎日新聞
→ 【豊洲問題】石原慎太郎氏、公開ヒアリングに難色 - 産経
→ 石原元知事、都の調査協力を拒否 豊洲市場問題:朝日新聞
→ 石原氏、都の聞き取り調査を拒否 豊洲盛り土問題:日経
しかし、これが報道されたあとで、(世間の不評を買ったことから)、石原慎太郎は「文書でなら答える」と転じた。
→ 石原慎太郎氏、都のヒアリングを拒否 「全面協力」一転
→ 協力の気持ち「変わりない」=豊洲問題調査で石原元都知事:時事
→ 豊洲盛り土問題調査、石原氏「協力の意思変わりない」- TBS
というわけで、小池都知事と石原慎太郎との間で、「聞く・聞かない」という争いみたいなことが起こっていた。
それも、いったん収束したようだ。だが、たとえ「聞く」ことにしても、何も結果は得られまい。石原慎太郎本人が言っているように、彼は建設の専門家でもないし、そんなことを聞いた覚えもないはずだ。単に、下の方から上がってきた「承認の許可」に対して、「はい、承認するよ」とハンコを押しただけだろう。山のようにある決裁処分のうちの一つにすぎない。そんなことをいちいち仔細に考えているはずもない。(覚えているはずもないが、それ以前に、もともと何も考えていなかったはずだ。)
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以上は、現状だが、東京都の方針は見当違いだ、と私は判断する。
なぜか? 東京都と石原慎太郎は、単に日建設計の提案を承認しただけだからだ。専門家が「これがベスト」と言った方針に対して、「それじゃお任せします」と承認しただけだ。
比喩的に言えば、寿司屋が出したネタについては、そのまま食べればいい。ネタについていちいち「どこで獲れた魚だ? 港は? 鮮度は?」なんて質問する客はいない。だいたい、質問するだけの知識もないはずだ。

建築についても同じ。日建設計という最優秀の専門家が、「これをどうぞ」というネタを出したら、そのネタをそのまま素直に受け入れた、というだけのことだ。ネタの良し悪し(鮮度云々)なんて、客にわかるはずがない。客にわかるのは「美味いか不味いか」だけだ。あるいは、「この店は良いか悪いか」だけだ。ネタの細かな背景なんかわかるはずがない。当然、そのネタによって地下水がどうなるとか盛り土がどうなるかとか、そんな知識があるわけがない。単に「日建設計」というオヤジを信用しただけだ。そして、その信用は、間違っていなかった。
とすれば、小池都知事がなすべきこともわかる。こうだ。
「日建設計を呼び出して、地下室にした理由を説明させる」
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これで一発で解決がつく。地下室にしたことには、ちゃんとした理由があるのだから、その理由をきちんと説明してもらえば、すべては解決する。
ただし、である。これが実現したら、小池都知事にとっては最悪のことになる。
・ 地下室があるという専門家の判断は、合理的だった。
・ それを批判した小池都知事は、素人の無知ゆえの暴走だった。
・ これまでの批判騒動のすべては、ただの無駄騒ぎだった。
・ 大騒ぎをしていた都知事とマスコミは、バカをさらす。
つまり、本サイトが最初から指摘していたことが、白日の下にさらされる。これまで正義漢ぶっていた小池都知事やマスコミは、ただのトンチンカンなトンマだったと判明する。
というわけで、真相が暴露されるのが怖くて、都知事は日建設計に聞くことはできないだろう。自分のバカさがさらされるとわかっていて、そうするはずがない。バカは自分を利口だと思い込んだまま、バカを続ける。
裸の王様のように。
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いや。待てよ。違うかも。……バカはバカだから、自分の利口さを証明しようとして、自分のバカさをさらすかもしれないぞ。(皮肉なことに。)
もしそうなったら、壮大な喜劇だね。
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産経ニュース
砂利を露出させろなんて指示したシロウトがいたってことでしょ
日本のトップの設計やゼネコンにしたら
あんなみっともない状態は見せられないから
一般公開したくなかったんだと思う
構造は心配しなくて良いと思います
どこぞのマンションデベロッパーの構造設計より
遥かに安全側をとる設計方針だから
当然コストは上がります
これは間違いです。日建設計がホームページで反論しています。
http://www.nikken.jp/ja/news/ruuk8g000000xitk-att/20161006.pdf
つまり、建物敷地に盛土をすると、基礎工事をするために、建物敷地部分の盛土をどけなければならない。ならば最初から、建物敷地部分だけは盛土をしないことを提案しただけで、地下空間を提案したのではない。基礎工事が終われば、建物敷地に盛土をすればよいということ。
なお、地下空間は、基本設計の受託者に指名された後、業務期間中に東京都から、モニタリング空間を地下に設けるよう指示を受け、設計に反映したと述べています。
まあ、それはどっちでもよくて、「どうせ地下室を設けるなら、浅い地下室より、砕石層までの地下室にする方が合理的」ということが本質。
→ http://openblog.seesaa.net/article/442017725.html
だけど、本文に書いたことは、少し修正の必要がありそうですね。情報をありがとうございました。
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それにしても、「どうでもいい下らないことで騒いでいる」感は、どんどん深まるなあ。
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p.s.
「モニタリング空間を地下に設けるよう指示を受け」
という話は、前項の最後のあたりに 【 追記 】 として加筆しました。
相変わらず、日建設計が最初に盛土なしを提案したのが問題だと、あちこちで騒いでいる。
これは、前に書いた通り、「建物敷地に盛土をすると、基礎工事をするために、建物敷地部分の盛土をどけなければならない。ならば最初から、建物敷地部分だけは盛土をしないことを提案しただけで、地下空間を提案したのではない。基礎工事が終われば、建物敷地に盛土をすればよいということ。」
つまり、地下空間とは何の関係もない、単なる手間の省略で、何の問題もありはしない。
ちょっと考えれば分かるのに、どうしてみんな思いつかないのかね。
日刊ゲンダイが8/21に地下空間を報道しているし、地下空間発表直前に、共産党のアホ都議どもが地下室に入って騒いでいた。これでは知事も黙っているわけにはいかなかったろう。
>都が地下空間を作った理由を説明する機会を、小池都知事が奪っている
今さら都が地下空間を作った理由を説明し、安全だと言っても、誰も信用しないだろう。再開した専門家会議で安全のお墨付きが出ることが必要であり、都知事もそれを待っているのだろう。
>塚本前市場長は、地下空間を「図面を見て知っていたが、問題だとは思わなかった」と述べていた。
「知っていたが、今さら言うわけにはいかなかった。」が本音だろ。
未だに都の揉め事が全国に発信され続けていてうんざりしています。
地下水の水質まで言及したらどこでも見込み薄になるでしょう。
目を逸らさせたい何かに被せている、というほうがまだマシにさえ思えてきます。
非も認められる度量をみせてほしいですね。