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読売の記事を引用しよう。
《 設計会社提案書に「盛り土不要」 》
基本設計を行ったのは日建設計(東京)。2011年1月までに都に提出した技術提案書には、工期圧縮の案として「盛り土工事を建築の基礎工事と一体的に検討することで、無駄な工事を省略する」との説明があった。都の内部調査報告書には、この事実が盛り込まれていなかった。
都議会民進党の浅野克彦議員は「いつ誰が盛り土をしないことを決めたのかを検証するのに必要な資料だ。報告書に記載しなかった理由を追及する」と述べた。
( → 読売新聞 2016-10-05 )
画像もある。

出典:設計業者が「盛り土不要」提案 - TBS )
類似記事。
→ 11年1月に「盛り土不要」=設計会社の技術提案に記載−豊洲市場
→ 東京新聞:11年1月までに盛り土なし工法案 受注会社が都に提出
私は先に、「専門家が見当してきちんと決めたことなんだから、素人がいちいち口を挟んで反対するべきではない」という趣旨のことを述べた。
→ 豊洲市場の盛り土の問題
そのことが、上記の記事で、おおよそ裏付けられたと言えるだろう。
要するに、この工事変更を決めたのは、日建設計という日本でも最優秀の集団だ。彼らが「この方がいい」と言って推奨したのだから、それに任せておけばいいのだ。
今さら「盛り土がないのは当初の設計とは違う」なんて言って、いちいちめくじらを立てる必要はない。「ああ、そうですか」で話をおしまいにするべきだろう。
だいたい、「盛り土がないと安全性が保てない」というふうに批判するのならまだ理屈が立つが、「当初の計画とは違うから」という形式論・手続き論で馬鹿騒ぎをしても、ただの無駄でしかない。
いったいどれほど、この馬鹿騒ぎを続けているんだ。呆れる。素人が騒ぐと、まったくろくなことはない。(私が初めから言っていたとおり。)

とにかく、手続き論は、さっさとやめるべきだ。かわりに、「危険性があるかどうか」だけを論じればいい。
それに対しては、「この工法だと危険だ」と言えるような論拠は何もないのだから、さっさと「現状でOK」という結論を出して、話を片付けるべきだ。
一部では、「環境評価を再度やり直して、築地からの移転を1年半ぐらい遅らせよ」なんていう主張も出ているが、単に時間と金を無駄にするだけだ。(というか、現状の無駄を数十倍に拡大するだけだ。愚の骨頂。)
専門家が「OK」と言ったことに、素人が馬鹿騒ぎする。まったく、見ていられたもんじゃない。
その一方で、東京五輪の費用が3兆円になるという問題は、ろくに報じられない。
→ 東京五輪 3兆円 - Google 検索
どうしてこっちの肝心の話題を放置してまで、地下室の有無なんていうどうでもいいことを話題にするのか?
ひょっとして、「3兆円の無駄遣いを隠蔽しよう」という陰謀なのか? とすると、豊洲の地下室を問題にしている連中は、マスコミや野党を含めて、すべてが陰謀に加担している悪の結社に属しているのかもね。

国民は皆、だまされている。「だまされるな」と言っているのは、本サイト(など)だけだ。
[ 付記 ]
「本当に日建設計が提案したのか? ただの推測では?」
と思うかもしれない。しかし、豊洲市場の設計者は、日建設計である。設計者が設計で提案するのは、ごく当たり前のことだ。それを東京都は承認しただけだろう。
むしろ、「東京都の組織の誰かが勝手に決めた」という推測の方がおかしい。専門家でもない素人が勝手に決めるはずがない。担当である専門家(日建設計)が提案して、それを東京都が承認した、というだけだろう。
小池都知事は、「誰が決めたのか」というような犯人捜しみたいなことをしていたが、犯人は東京都のなかにはいない。外部にいるのだ。そして、それは、実は「犯人」ではないのだ。なぜなら、犯罪はなかったからだ。
ここまで見ると、今回の騒動は、STAP細胞のときとそっくりだ、とわかる。あのときは、人々は「捏造があった! 犯人は誰だ!」と騒いだが、捏造はなかったし、犯人もいなかった。単にミスと勘違いがあっただけだった。それに気づかなかったせいで、莫大な騒動は、「天才の死」という大いなる浪費をもたらしただけだった。まったく、情けない。
そして、それと同様の馬鹿騒ぎを、今回もやっている。STAP細胞のときには、ノーベル賞級の天才を死なせてしまったが、今度はどれほどの損失をもたらすことやら。3兆円という金だけで住めば、まだいいのだが。
結局、喜ぶのは、3兆円の無駄遣いで潤う土木業者と政治家だけか。


【 追記 】
小池都知事が「責任者を処罰する」と言明した。
《 小池都知事「責任者は懲戒処分」 豊洲問題 》
小池百合子知事は5日午後の都議会一般質問の答弁で、豊洲市場(江東区)の建物の下に盛り土がされていなかった問題を巡り、「退職者を含む歴代市場長や幹部職員について、個人の特定など行政監察手続きを進め、懲戒処分などの対応をとる」と述べた。
( → 日本経済新聞 2016-10-05 )
しかし、本項で述べたように、提案したのは日建設計であり、都職員はそれを承認しただけだ。また、その承認については、当時の石原都知事の承認を得ている。何も間違っていない。
間違っているのは、専門家が「正しい」と認定した工法を「駄目だ」と否定している素人(小池都知事)だ。この人が、正しいものを「間違っている」と否定して、混乱を巻き起こしているだけだ。素人が引っ掻き回している罪は、きわめて大きい。(移転の遅れで多大な問題が発生する。)
もはや都政に混乱をもたらす怪獣並みだ。

ゆえに、悪の張本人を処分するのであれば、小池都知事だけを処分するべきだ。
- 《 注記 》
小池都知事は勘違いしているようだが、今回の問題は特定の誰か(悪人)が勝手な行動を取ったのではない。組織としてきちんと正しい手順を踏んで、正しい結論が出て、正しい施策がなされただけだ。ただし、それを、隣の部局が知らされていなかった。そのせいで、広報では間違った情報(古い情報)が掲載されていた。……それだけのことだ。
ここで、問題があるとすれば、組織に縦割りの弊害があって、組織間の連携がうまく行かなかったことだ。
そして、組織そのものに問題があったとしたら、組織の編成の責任者(つまり当時の都知事)だけに責任があるのであって、組織に属する各人には責任はないのだ。なぜなら各人は組織を編成する権限がないからだ。
ここを理解しないで、都職員に責任を取らせようという小池都知事は、組織を扱う資格がないとすら言える。彼女がやっているのはただの恐怖政治であるにすぎない。(やたらと処分の好きな橋下みたいだね。フィリピンの大統領にも似ている。)
死刑!!
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【 追記 】
日建設計が「地下室」を提案する前に、都職員が「モニタリング空間」を設置するよう指示したそうだ。
東京都の豊洲市場(江東区)をめぐる問題で、主な建物下で土壌汚染対策の盛り土の代わりに地下空間が造られた経緯を調べた都の自己検証報告書について、都が7日、誤りがあったことを認めた。
都が誤りを認めたのは、先月30日に公表したばかりの都職員による自己検証報告書だ。それによると、汚染対策の工法を検討していた都の有識者会議「技術会議」で2008年12月25日、開場後に汚染が検出された際に、地下に限らず建物下で除去作業などをする空間(モニタリング空間)を確保する必要性を「技術会議が独自に提案した」としていた。
しかし実際には、この回の会合で空間の必要性を記した会議報告案を示したのは都職員で、議論もなかった。
( → 豊洲問題、都の報告書に誤り 作業空間は都側が提案:朝日新聞 2016-10-08 )
これは本日の記事だが、もっと以前にも報道されていた。
豊洲市場の建物の地盤で、「盛り土」が行われず「地下空間」となっていた問題で、都の職員が「土壌汚染対策法の改正に備えて空間が必要」との認識を持っていたことが分かった。
都の幹部職員への取材で当時、法改正の議論が進む中、「法改正されれば、将来、新たな汚染対策を迫られる可能性がある」として、職員の間では「更なる安全対策として土壌汚染をモニタリングする空間が必要」との認識があり、この法改正に備えモニタリング空間設置の検討が始まっていたことが分かった。ただし当初は、盛り土をした上で空間は地上に置く「高床式」を検討していて、空間を地下にした経緯については分かっていないという。
( → 都職員「法改正に備えて空間が必要」盛り土|日テレNEWS24 )
要するに、こうだ。
将来の法改正に備えて、「高床式のまま床下にモニタリング空間を設置すること」を都職員が指示した。
その後、「どうせなら全部地下室にした方がいいですよ」と日建設計が提案して、それを都組織が承認し、都知事も承認した。
本項では、「日建設計が地下室を提案した」と記したが、いきなりその提案がなされたわけではなく、その前に1クッションみたいな感じで、都職員による「モニタリング空間の設置」が指示されていたわけだ。
ただしこれは、地下ではなくて、地上(高床式の床下)であるはずだった。それがどうして「砕石層までの地下全部」という形での地下室になったか、というと、下記の【 関連項目 】で述べたとおりの事情だろう。
( ※ 中途半端な地下室や床下は駄目だから、全面的な地下室にする、ということ。その理由は、盛り土の地盤沈下だ。)
【 関連項目 】
10日前に書いた話。
→ 豊洲問題の近況(2016-09 下旬)
一部抜粋しよう。
だから、今なすべきことは、「地下水かどうか」を調べることではなく、「さっさと床面を敷設すること」だ。
いったい、何を騒いでいるんだか。今の騒動のすべては、コンクリートの床面が敷設された段階で、無意味になる。だから、馬鹿げた騒動をしないで、さっさとコンクリートの床面を敷設するべし。(そうして騒動に終止符を打つべし。)
真相については、もっと前に書いた。
→ 豊洲の真相:配管のため
一部抜粋しよう。
2.地下室と盛り土の二重構造は、コスト的に不可
地下室は必要になるが、それが 4.5m もの大きさを持つ必要はない。通常ならば、2.0m ぐらいの地下室を設けるだけだろう。
ところが、豊洲市場の場合には、事情が異なる。ここは「地下を掘る」のではなく、「盛り土を載せる」のだ。そして、盛り土を載せた場合には、二重構造が生じる。つまり、盛り土が 2.5m の上に、地下室が 2.0m という二重構造になる。
このような二重構造には、デメリットが付随する。
(以下、略)
小池都知事が「責任者を処罰する」と言明した、という話。
タイムスタンプは 下記 ↓
リスク=ハザード×確率( or 暴露)
すでにゼロリスクに相当する(暴露は近似的に濃度に換算できる)ものをいつまでもゼロハザードではないから安心できないと叫び続ける。
もしかしたらぼったくりの宝くじや、公営ギャンブル、果てはパチンコにうつつを抜かす確率論を理解できない人々とも重複するかもしれない。
その様な人々にも手続の不備、形式の違いはわかりやすく、誰かの意図が働いたと勘ぐることも簡単だ。
そこに陰謀論を絡めると安物のドラマのシナリオになるので無我夢中になる。
結局彼らが期待しているのは新都知事が数人の敵を公開裁判の様に議会などで懲らしめること。
そのドラマの間に本来なされるべきことが停滞していることなんかどうでもいい。「今も市場は動いていて困らない、明日以後も同じ」。
五輪の無駄遣いを隠蔽する・・・関係者による小出しのコメントが燃料投下になって、結果的に時間切れ着工を導く狡猾な政治的手法かもしれない。
組織に縦割りの弊害があっただけだ、という話。
タイムスタンプは 下記 ↓
100円のボールペンの購買には高すぎると長時間紛糾し、兆単位の超過は軽くスルーされる。
善意に解釈すれば、この後の様々な腐敗構造を暴く端緒にすべく豊洲問題を取り上げたとなる。
悪意にとれば本質を俯瞰できない女性特有の瑣末な拘り心理が発現されたとなる。
経済番組キャスターで鍛えた視点を都政に活かせるか・・・・
都職員がモニタリング空間の設置を指示した、という話。
タイムスタンプは 下記 ↓
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私は39年間建築関係の仕事で生計を立てていて、専門は建築付帯設備(給排水空調設備)でありますが、現場監督、設計事務所、そして現在は自営業で建築現場の施工図(製作図)作成を生業としています。
豊洲の件はごく初期の頃から違和感がありました。
一番最初は、すべての建物を盛り土の上に建てることを知った時でありまして、正直言って正気の沙汰とは思えませんでした。
この地震国日本で、土を一度掘り返して、その掘り返した土を除染してまた埋め戻し、その上に2.5mの新たな盛り土をして、その上に建物を建てるのであります。
私の経験値では、どの現場も耐震性が最優先され、すべての造作は、構造上問題ないとされるものでなければなりませんでした。
そこでこう考えました。
『いくら沢山の杭を打ったとしても、真っ当な構造設計者が盛り土の上に建造物を建てる訳がない。(これは、現在騒いでるところの所謂「食の安心」なんぞと比べても、比べ様がないくらいの切実で緊迫したこと)
きっとこれは、まだ私の知らない画期的な新しい工法でも出来たのだろう。そうに決まってる。』
それから数年を経て、
先月、TV画面にいきなり「豊洲に地下空洞」の文字が現れ、空洞と聞いたときには建物の下にぽっかり穴でも開いちゃったのかなと思って画面を見ていると、流石お役所仕事と思われる綺麗なコンクリートの空間に見慣れた配管類が数本これまた教科書通りに綺麗に吊られている動画が流れており、この空間、タッパはかなりあるが、壁が2重壁(雨水等の侵入を防ぐ)になってないようなので地下室じゃなくて「ピット」だな、とすぐに推測できました。
それで、『どうやら、結局、盛り土の上には建物は立てなかったんだ、他人事ながら良かった良かった』と思って見ていると、午後のワイドショーのお歴々が皆〜んなお怒りのようで、そしてあろうことか、建築エコノミストと称する「いっきゅうけんちくし森山某」なる紳士が「盛り土をしないで訳のわからない空洞を作っておいてそこに一応配管を敷設して誤魔化している」と、宣っているではありませんか。
素人が専門的な事が分からなくて言いたい事言うのはまだ理解できますが、
一級建築士がなんであの画面見て、
『あの空間は配管ピットだし、あのぶっとい(200φくらいか)配管は排水管で材質はVP管(硬質塩化ビニル管)で、1階市場のどでかい排水桝の底に接続してる』くらいのことが分からないのか不思議で不思議で、
一級建築士にもペーパードライバーが存在するんだなと思いましたけど、
何しろ建築の専門家(と称する)者がTVに出てプロが聞けばすぐ分かるような酷く偏った発言をまるで常識のようにのうのうといってのけることに腹が立って、腹が立って・・・。
それから続々と汚染物質の専門家やらが、
「何故盛り土にしなかったのか、盛り土にしないと汚染物質が漏れだす恐れがある」と大合唱、
ちょっと考えても土よりコンクリートの方が遮断性が高いように思えますが、
コンクリートに変えたリスクを説明するのに、「もしコンクリートにひびが入ったら汚染物質がそこからあふれ出し食品に降りかかる可能性ががある」
などとと素っ頓狂なことをこれまたのうのうと言い散らかしす始末です。
もし45cmの厚さの床にひびが入るような大地震が来たら多分汚染物質どこの騒ぎでなく、湾岸地域全体がどうにかなっちゃうでしょう。
可能性を言うなら何%かその数字をいいやがれ、てなもんです。
その後の経過と推察はこのブログの通りなのでいちいち触れませんが、
今回の件はごく最初、豊洲のこの地を新しい市場とすることを決めた時点であまりにも世間が「汚染物質」なる物で大騒ぎしたため、
お役人の心がそちらの方に気を使いすぎて、冷静な対応が出来なくなり、つまり何が一番優先されるべきか、自分で分かっていても回りの反応に気圧されてしまい、正しいことがいえないのかな〜と推察します。
書き込みが長くなってしまい、恐縮です
最後に提案です。
東京23区内の築地も含めた各市場の、地下水なり、空気なり、水溜り等の成分をすべて検査するってのは如何なもんでしょうか。特に築地のアスベストは念入りに。
きっと逆説的な意味で東京都民の皆さんは「安心」するのではないでしょうか。
委員なので築地比較は潰してくるよ