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洪水や噴火という災害があったが、それへの検証記事がいくつか出ている。たいていは「自治体はきちんと対応できなかった。だから被害が生じた」という趣旨。
(1) 洪水のあった岩泉の対策
《 早めの避難情報、ジレンマ 災害時の発令、悩む市町村 》
豪雨などで発令される「避難勧告」などの避難情報は、市町村長が判断している。災害のたびに基準を見直す自治体が相次ぎ、早めの発令が増えている。ただ、「空振りが続けば避難してくれなくなる」と慎重な自治体もある。1カ月前の台風10号で19人が死亡した岩手県岩泉町でも試行錯誤が続く。
( → 朝日新聞 2016-09-30 )
「早めの発令が増えている」とのことだが、単に「批判されたくない」ということで、やみくもに避難勧告を乱発しているだけだ。危険性もないのに乱発するから、住民はいい迷惑。
事後はそういう過剰乱発だが、当時はどうだったかというと、何もしないで、単に、殺到する電話の対応をしていただけ。そのせいで、肝心の洪水対策は、業務停止状態。
《 電話の嵐、役場混乱 岩手・岩泉の台風被害 協議できず・情報滞り・機能不全に 》
8月末の豪雨災害で19人が死亡した岩手県岩泉町。台風が上陸した日、防災の司令塔となるはずの町役場は、鳴り続ける電話対応に忙殺されて機能不全に陥っていた。
8月30日、人口約1万人の岩泉町は未明から雨が降っていた。町役場の職員は189人。午前9時、全域の約4600世帯に避難準備情報を発令し、6カ所に避難所を開いた。防災業務を担うのは総務課。職員13人のうち総務課長以下5人が実務を担っていた。早朝から全世帯に、防災情報を文字で発信する電話型端末で氾濫(はんらん)の危険性を伝えた。
午後2時前、北部の安家(あっか)川が氾濫しそうだとの情報が支所職員から寄せられた。町は安家地区133世帯に避難勧告を発令した。
午後3時すぎ、雨の勢いが一時弱まった。午後4時半ごろ、高齢者グループホーム「楽(ら)ん楽(ら)ん」にも職員が様子を見に訪れていた。近くを流れる小本(おもと)川の水位は1メートルほど。堤防の高さは4・87メートルあった。
■夕方事態急変
状況はこの後急変する。雨が急激に強く降り出したのだ。総務課には支部職員から「水が住宅の前まで来ている」などの情報が寄せられた。町民からも「土嚢(どのう)がほしい」などの要望が次々と電話で寄せられた。
電話は午後5時以降、ひっきりなしにかかってくるようになった。会社から帰宅する町民が道路が通れるかどうかを問い合わせてきたためだ。職員は電話の内容を書き留め、道路担当課に問い合わせた上で回答したり、浸水地区に土嚢を持っていくよう消防署に要請したりした。
■職員10人忙殺
町役場は、代表電話番号にかけると総務課につながるようになっていた。総務課は午後3時以降、対応する職員を5人から10人に増員したが、課内の11台の電話は鳴りやまず、職員の大声で課内は騒然となった。職員は電話メモをホワイトボードに貼ったが、スペースがなくなり、課内の書棚や窓ガラスにも貼った。
午後5時20分、グループホームのそばを流れる小本川を管理する岩手県の岩泉土木センターから「氾濫注意水位の2メートル50センチを超えた」との情報が電話とメールで届いた。気象庁の情報では、今後の雨量が1時間に80ミリを超えると予想されることも確認された。町が避難勧告を出す基準だ。
■避難勧告出ず
だが、電話を受けた職員は再び町民からの問い合わせ対応に追われ、情報は共有されなかった。避難勧告を発令する立場の伊達勝身町長にも伝わらなかった。
午後6時7分、日没。「裏山が崩れそう」「水が自宅に入ってきている。何とかして」。支所職員や町民の情報で、総務課から一歩も出られない職員にも、事態が急激に悪化していることが理解できた。だが、目の前の電話対応に追われ、職員同士で話をすることも、同じ階の町長室に事態を伝えにいくこともできなかった。
電話が鳴りっぱなしの状態は、午後8時25分の停電で終わった。
■町長「組織的な欠陥」 態勢改善へ
同様の混乱は過去にも起きている。昨年9月に茨城県常総市の鬼怒川の堤防が決壊した関東・東北豪雨でも、住民らの問い合わせが殺到して災害対応に混乱が生じたとして、内閣府は今年6月、市町村向けの水害対応の手引をまとめた。住民からの問い合わせについては、「窓口を一元化して本来業務に集中できる環境を作り、窓口の連絡先などの情報を広く迅速に公表することが重要」と記した。
岩泉町の伊達町長は28日の記者会見で「避難勧告・指示を出せなかったのは組織的な欠陥。即座に発令できる態勢をつくる必要がある」と述べた。
( → 朝日新聞 2016-09-29 )
内閣府は「手引き」を渡しただけで、災害の最中は何もしない。すべてを市町村に丸投げだ。
(2) 噴火の対策
御嶽山の噴火から2周年で、あちこちで報道されている。対策についても報道されている。
→ 御嶽山の噴火から2年 気象庁などが防災対策進める | NHK
→ アプリで富士山噴火警報…防災意識の高まり課題 : 読売新聞
→ 火山列島の防災不備浮き彫りにした噴火 進む対策 残る課題
報道によると、各地の自治体任せである上、自治体は、「どういうふうに対策したらいいのかもわからない。知識がない」と困っている状態だ。(*)
(*)の話は、新聞記事からの記憶から。出典不明。
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結局、洪水であれ、噴火であれ、すべては自治体に丸投げである上、自治体には対処の能力がない。
そもそも、噴火とか洪水対策とは、全国共通で行うべきであるのに、個別の自治体が独力で対処するのでは、業務の多重化になってしまって、きわめて無駄だ。
たとえば、台風の対策なら、「その台風による影響の予測」は、各自治体が個別にやるのでは無駄だ。国が一元的に予想するべきであり、その予想から「被害が出そうな自治体」に絞って、「こういう状況になるから、こういう対策をせよ」と勧告するだけでいい。
では、具体的には、どういうふうに? それは、前にも述べた。「防災庁を設立して、一元的に災害対策をせよ」という趣旨。
防災庁を設置せよ
次にまたいつか地震が来る。その対処として、防災庁を設置するべきだ。なぜなら、自治体の防災レベルは低すぎるからだ。自治体任せでは不足だ。
どの自治体でも最高レベルの対策が取れるような、国家規模の体制が必要だ。
そのために、専門の省庁を設置することを提案したい。すなわち、「防災庁」の設置だ。
そこから得られた結論は、自治体に下ろされる。自治体が阿呆な運営をしていれば、自治体に対して指導がなされる。こうして、陸前高田のような馬鹿な防災対策は、きちんと是正される。
( → 防災庁を設置せよ )
さらに、その上で、この作業を自動化(機械化・電子化)するといい。
岩泉町で洪水の被害が大きくなったのは、人間が川の水位を見ていたからだ。ここに失敗の原因がある。これをやめて、判断を自動化することが好ましい。
現実には、とんでもないお間抜けがあった。水位が避難勧告を出す基準に達していたのに、それを報告しなかったせいで、避難勧告を出せなかったのだ。なぜ? 電話が忙しかったから。(馬鹿丸出し)
紙の新聞の記事によると、水位を知って避難勧告を出すのにかかる時間は、たったの1〜2分。なのに、なぜそうしなかったか? 電話が次々とかかってくるので、その対応に手を取られて、避難勧告を出せなかったという。
では、このお間抜けを解決すれば、大丈夫だったか?
いや、違う。実を言うと、このときに避難勧告を出しても、無意味だったようだ。間抜けであろうと、間抜けでなかろうと、どっちみち多大な被害は避けられなかったようだ。なぜか? もっと重大な根源的な問題があったからだ。
水位の上昇があまりにも急激で、もともと時間の余裕はなかったのだ。避難勧告を出しても出さなくても、水位の上昇が急激だから、逃げ出そうと思ったころには、もはやまわりは濁流だらけだった、ということになる。
では、どうすればいいか? 川が増水してから避難勧告を出しても手遅れだとすれば、川が増水する前に避難勧告を出せばいい。では、どうやって?
その方法を教えよう。こうだ。
「気象庁の予報にしたがって、降水(の地域と量)の予報を見る」
( → 避難警報を自動化せよ )
具体的な手法は、上の項目の続きを見ればわかる。ともあれ、こうやって、2〜3時間後の被害を予想できる。つまり、実際の被害が生じる2〜3時間前に、避難勧告を出せる。そして、どこが被害勧告を出すべきかは、防災庁が自治体に指示できるのだ。
また、自治体は、防災庁の指示を待たずに、独自に上記の自動警報の情報を得て、先だって対策を練ることもできるのだ。
以上のように、
・ 防災庁の設置
・ 警告の自動化
という二本立てで、二重に対処できる。
洪水はそうだが、噴火についても、同様に考えていい。「防災庁の設置」「警告の自動化」を、噴火についても適用するべきだ。
政府がなすべきは、そういうことだ。ひるがえって、すべてを市町村に丸投げしている現状は、あまりにもひどすぎる。
[ 付記1 ]
東京五輪のテロ対策のためには、数千億円を出費するつもりらしい。五輪のテロなんて、ありそうもないのだが、そんなことのために大金を出費する。
その一方で、防災対策には、ほとんど金を出さない。呆れるしかない。
[ 付記2 ]
書き落としたことがあったの記しておく。
大量の電話が押し寄せたときには、電話をすべて切ってしまえばいいのだ。どうせ代表番号にかかってくるのだから、代表番号から各課に伝わる回線を遮断するか、あるいは、代表番号そのものを「話し中」にする。(受付停止。)
また、各課の電話も「話し中」みたいにして、放置してしまえばいいのだ。何だったら、オルゴールでも聴かせておけばいい。
要するに、電話が押し寄せても、受け付けずに放置すればいい。その間に、きちんと自分の仕事をすればいいのだ。
仕事の優先順位もわからないなんて、どうかしているね。この分だと、役所が火事でも、役所が水没しそうでも、役所に爆弾が投げられても、あくまで電話番ばかりをやっていそうだ。
電話から離れられないなんて、スマホ中毒のせいだろうか? 頭がイカレているとしか思えないのだが。
私には(その白痴ぶりが)理解不可能なので、誰かわかる人がいたら、コメント欄にでも書き込んでおいてください。
【 追記 】
コメント欄に書いてもらった。転載しよう。
「●●役所 住民を無視
○○豪雨災害において、●●役所では電話回線を遮断していたことが分かった」
という記事を甘受できる自治体はない、と思います。
ははーん。ようやくわかった。
「住民の個別の問い合わせを受けるのをやめて、かわりに災害対策に専念していた」
というのは、ごく当たり前だと思ったが、その当たり前のことができない。なぜか? 住民のクレームが怖いからだ。
本来ならば、「小さなこと(住民のクレーム)なんか無視して、重大なこと(住民の命を守ることに)」というふうにするべきだろう。小さなことより、重大なことの方が、大事だからだ。
しかし、それができない。それは、小さなことと重大なことの、どちらをするべきかを、判断する能力がなくなっているからだ。いわば、「1円玉よりは1万円札の方が大切だ」という判断能力がなくなっているようなものだ。だから、「小さな電話が、住民の大量の生死よりも大事だ」と思い込む。
ではなぜ、判断能力がなくなっているのか? それは、お役所意識だ。「小さなことの責任は、自分にある。住民が大量に死ぬのは、台風の責任であって、自分の責任ではない」というわけだ。
自分の責任とされる小さなことは、あとで責任を問われるのが怖いから、決しておろそかにできない。一方、住民が大量に死んだとしても、それは自分の責任ではないから、ほったらかす。
要するに、役人の目的は、「住民の生命を守る」という住民サービスではなくて、「自分が責任を問われない」という保身意識なのだ。だから、自分の保身のために、住民が大量に死ぬのを放置するわけだ。
役人というものが何のために働いているのか、よくわかった。役人は決して住民のために働いているのではない。住民が死のうがどうなろうが、そんなことは二の次だ。自分の本来の業務(電話の受け答え)をしなかったと批判されるのを避けること、つまり、自分の保身こそが、最優先となるのだ。
では、どうすればいいか?
・ 自治体は非常事態宣言をする。
「本来の業務よりも災害対策を最優先にすると宣言する」」
・ この趣旨に反して通常業務を優先した職員には
何らかの処分を下す。(訓告処分など)
特に、該当者の氏名をマスコミに公表する。
こうすれば、責任の所在がはっきりするだろう。役人は、真に住民のために(その生命を守るために)行動するようになるだろう。
なお、「非常事態宣言」というのは、「ゴジラ襲来」というような場面を思い描くといいだろう。国家存亡の危機のときに、個別の電話の受付が最優先となり、ゴジラ対策の仕事が完全ストップする……なんてことの馬鹿らしさが、わかるはずだ。
【 関連項目 】
洪水対策関連の項目。
→ 2016年 台風 10号の被害:
→ 2016年 台風 10号の被害(原因)
→ 避難警報を自動化せよ
→ 豪雨の気象予想は誰がやるべきか?
→ 防災庁を設置せよ
→ 防災研究所の必要性
→ 川沿いの危険地は居住制限せよ
※ 川の氾濫(堤防決壊)への対策……という話題は、別途。
※ 本サイトで、似たような話題を一括して見たければ、
→ カテゴリ(地震・自然災害)
(表示に時間がかかります。)
【 関連サイト 】
→ IP電話機能せず 岩手・岩泉町、停電対策取らず
いずれにしても防災庁というか総務省消防庁の権限強化が必要ですね。ちょろっと調べたらWikipediaにその旨の意見があると記載されていました(笑)。
ざぶとん1枚。 (^^)
それで思い出したことがあったので、[ 付記2 ] に加筆しておきました。
連絡手段
庁内(専用線とNTT線併用)
対府県(専用線あるけど使用頻度低く、ほとんどNTT線)
対国河川事務所(NTT線のみ)
対地方気象台(専用線のみ)
対警察(NTT線のみ)
対マスコミ(一部専用線あるけど使用せずNTT線のみ)
で災害対策本部のNTT線に掛かってくる電話BEST3
1 関係機関
2 マスコミ
3 住民
4 議員
という感じ。
1以外は重要性は低いけど、取りこぼせないので、電話が鳴ったら出る。
しつこいのは2。議員は「今無理」というと掛けてこないが、2はネットに出している情報でも何遍も掛けてくる。何のためのLアラートだか。「土砂災害の危険性が高まったため」と書いているのに「なんで避難勧告出したのですか?」と聞いてくる。今危ないときに、いちいち基準値の考え方から説明してられるかぼけ、ごたごた言うてんと早よ逃がさんかい。
それで手を取られているのにそのことは絶対にニュースにならない。(しゃぁないけど)
対策は、フィルター要員を置いているけど、本来的には関係機関には専用線(ホットライン)が望ましい。でも国と府県はあまりしてくれない(部署によるが)。
なお、代表番号より、防災部署直接の方が多い。
そんなことしなくても、メールで済むのでは?
国がメールしてきて、そのあと市町村が自分から電話するか、メールで返信するか、ホームページでも見る。
通常、国は個別にカスタマイズした連絡なんかやっていられないはずだから、国は「ホームページを見ろ」という通知メールだけでいいはずだ。それでおしまい。
市町村が疑問を感じたら、返信メールを出せばいい。
今どき、音声なんかでやったら、人出を食い過ぎて仕方がないはずだ。ホームページとメールで十分。
LINE とは言わないが。
町役場の場合関係者や関係機関とは知り合いということもあえりえるので同じ情報の繰り返し説明や輻輳も生じてしまうと思われます。
マスコミからの問い合わせによる業務遅延については被害を受けた自治体のトップからデータをもとに公表することが必要でしょう。それによって報道協定等が確立すると思います。また防災庁が窓口になることも必要でしょう。
それでも直通電話に問い合わせることでスプークできると思い込む記者を止めることは不可能でしょうけど、マスコミへの回答はしない。でいいと思います。
そうかもしれませんが、そうだとしたら、ホットラインの必要性はなく、すべて遮断してしまってよさそうです。
別に、有益な情報を与えてくれるわけでもないし、閉鎖してしまった方が賢明だと思える。
「●●役所 住民を無視
○○豪雨災害において、●●役所では電話回線を遮断していたことが分かった」
という記事を甘受できる自治体はない、と思います。
というか、リスクコミュニケーション的にありえない。
ホットラインというのは、そんなに大層なものではなく、一般向けに公開していない電話番号もあるので、関係者はそちらに掛けてきてほしい、というくらいのものです(部長の専用番号、とか)。
重要な情報(避難を判断する水位に達しましたよ、とか)はFAXorMAILorBOTH+電話が基本の運用。
FAXorMAILorBOTHだけだと連絡漏れ(見落とし)があります(広島でも東北でもありましたね・・・)。
「FAXは確認されましたか?」という電話が掛かってきます。
即応性の電話と記録性のFAX・MAILを兼ねたツールにメッセンジャーがあるのに、使ってない。
専用サーバを立ててもそんなにコスト掛からないし、公的機関運用ならセキュリティポリシーもクリアしやすいのですが。
LINEだとポリシーはクリアできないかな。
携帯なら電源を落とせばいい。
マスコミからの執拗な電話による問い合わせによって本来の業務ができなくなってしまう、というご指摘に対して、非効率な電話による情報共有はやめよう。というのが趣旨ですよね。お問い合わせ有難うございます。豪雨対策なら1を避難所情報は2を、という自動音声案内に切り替えても良いんじゃないでしょうか。
また、faxの様な懐古技術なんか捨て去るべきでしょう。あるから使う。そして確認漏れ。それを防ぐために電話。根本的に無駄が多すぎそうです。
タイムスタンプは 下記 ↓
内部間(部内)や、外部でも緊密な関係を持つ関連機関との間には、電話番号を部外秘として緊急連絡網などを構築していることが行政機関として求められますね。
おそらく構築されていたのでしょうけど、訓練などを繰り返さないと身につくわけではありませんね。
すでにある仕組みを活用し、日頃から訓練を怠らなければ、岩泉の件もそこまでひどくはならなかったと思いますね。
東日本大震災時も活用されましたね。 http://bit.ly/2dAq8NV http://bit.ly/2cK6e1p
岩泉で検索してみましょうね。 http://bit.ly/2cJotbY
仕組みがあっても、日頃から定期的に訓練を行わなければいけませんね。
防災庁は必要ないでしょう。設置されても消防庁 http://www.fdma.go.jp/ とほとんどの業務が被ってしまいますね。
警告の自動化は、 http://bit.ly/2cJnSHn のp6に岡崎市の事例が載っています。徐々に普及するでしょうね。お金に苦労しなければよいですね。
怖いかどうかで言えば、怖いに決まっています。
自治体にとって、住民は、比喩的には株主券顧客の立場の人々ですよ。最強じゃないですか。
正しく言えば、怖いと言うより尊重している、ですけど。
比喩兼実情で言っても、親であり、子であり、恩師であり、先輩であり同朋であり後輩であり・・・。
家に帰れば、地域に戻れば、仕事についてあーだこーだと言われる訳ですよ。
(首都圏だと違うのかも)
で、そういうしがらみの中で仕事をするのは非常時にはマイナスとなるから、防災庁で対応しろ、という主旨はあり、と思っています。
けど、「国とかマスコミが逃げろと言うても信じひんけど、お前が逃げろと言うなら逃げる」というようなことを言ってくれる奴もいるから(もちろん、友人でも私よりマスコミを信じる方もいますが)、どっちがいいか(トータルで被害を減らせるか)は分かりません。自民党の「国家重視」「しがらみ重視」のどっちが重いかで方針が出るのでしょうか。
本当に「怖い」のは住民よりマスコミ。住民は身内(こういうのを地方自治体のお役所意識と言われるんでしょうけど)ですが、マスコミは違う(地方紙でも)。
「●●役所 住民を無視
○○豪雨災害において、●●役所では電話回線を遮断していたことが分かった」
↑これは、マスコミからの電話が役所につながらなかった場合、こう書かれるだろうな、という意味。
バリエーションとしては
「●●役所 防災準備不足
●●役所では、電話回線が10本しかなく、○○豪雨の際に電話が繋がらなくなっていたことが分かった」
「●●役所 非常事態を乱発
今年、●●役所では、避難勧告を5回発令しているが、その度に非常事態を宣言するため、他の業務が停滞しているのでは、と言う声が住民、専門家の間から出ている」
などなど。
(平常時のネガティブリスト作成は危機管理の基本 膾を吹くと笑うなかれ 役人はみんな痛い目に遭っている)
※ 役所のすかたんをマスコミが指摘するのは当然ですが、すかたんでないものまで論われてはたまったもんではない。
>また、faxの様な懐古技術なんか捨て去るべきでしょう。あるから使う。そして確認漏れ。それを防ぐために電話。根本的に無駄が多すぎそうです。
これは、同意。文言化してくれてありがとう。内部だけで言っていても通じないこともあるので。
> 怖いかどうかで言えば、怖いに決まっています。
上司の方が怖いから、上司の命令で「電話受付禁止」にすればいい。その方法は? うまい方法がある。
本文中に記したように、非常事態宣言をして、通常の業務を止める。戸籍とか転入とか。どうせ来る人もいないだろうし。
そこで浮いた人員を、災害対策課に回して、電話の対応をさせる。返答は「わかりません。対処中です。ホームページを見てください」だけでいい。場合によっては録音機でもいい。留守録機能で対応してもいい。
ホームページの更新要員は、一人だけ確保する。ここで刻々と情報を伝える。
災害対策課は、本来の業務に専念する。というか、災害対策課は、普段は存在せず、他の課の人が一時的に業務を果たすのでもいい。(総務課でもいいが。)
とにかく、専門要員は専門の仕事をする。電話業務は、他の部門から一時的に借り受けて、「わかりません」か「ホームページを見てください」とだけ伝えればいい。
あるいは、「わからなければさっさと避難しろ」でもいい。1件30秒以内が原則。
なお、すべての責任は、首長が負うべし。末端レベルが自分で決めるべきじゃない。あからじめ「こうしろ」とマニュアル化しておくべき。マニュアルの決裁の権限は首長にある。末端レベルが責任を負うことはない。住民の批判はすべて首長が受け止める。
それにしても、岩泉の課長や部長のレベルは、何をやっていたんだ? 部下が電話番ばかりしているのを放置していたのか? あきれる。
事前のマニュアルがないのが駄目だな。そして、そのマニュアルを作るのは、首長ではなく、防災庁であるべきだ。
やはり、防災庁がないのが、根源的な問題だ。
非常事態を宣言するべき状態だ、というのは、防災庁が決断するのだから、自治体が批判されるはずがない。(防災庁が批判されるのならわかるが。)
あと、防災庁がそのことを指示するのは、事前の2〜3時間前なのだから、確率的にはほぼ 100% 当たる。はずれるとしても、「超豪雨」が「豪雨」になるぐらいであって、丸ハズレではない。これは自動化されたソフトによるのだから、はずれるはずがない。(該当項目を参照。)
岩泉では、はずれまくっているが、あれは、首長が自分で勝手にヤマカンで判断しているからだ。きちんとソフトで判断すれば、はずれることは、まずありえない。
※ 気象庁の予報ソフトは、一般的な天気についてはまだはずれることがあるが、台風の進路予想については、非常に良く当たっている。2〜3時間後の予報なら、まずはずさない。
http://openblog.seesaa.net/article/441690824.html
訓練させてくれる良識な上司陣であることをお祈りしますね。広域防災は最大でも隣接都道府県なので常日頃から訓練できるとよいですね。
書かれているように「一般向けに公開していない電話番号」を十二分に活用できていないようですね。おそらく優先電話でしょうから非常にもったいないですね。
またどちらの市かは存じませんがまず市の規模であればLASCOS( http://bit.ly/2dB4SI0 で導入しているか否か確認できます)も導入されている可能性が高いでしょうね。
これらを活用できるような環境を得られることをお祈りしますね。
>Posted by 圭 at 2016年10月02日 10:47
メールもそうとう懐古技術ですけどね。開封(閲覧)確認が困難( http://bit.ly/2dm9iD6 )であることもありますが、それを記録できないのが致命的ですね。見た見てない論争になるのはFAXと変わりありません。
開封(閲覧)確認機能はグループウェアにはよくある機能ですので http://bit.ly/2djB9p8 http://bit.ly/2dy6YHx 、国としてプロトコルを選定し(RFC近似)、全国の自治体で同プロトコル動作要件を満たした民間開発のグループウェア的なものを導入するような時代が早くくることを願っておりますね。
個別に異なるプロトコルで動くグループウェアを導入すると、自自治体外との接続(連携)に利用できないので(プロトコルを直接解さなくてもブリッジを置けば済むことでもありますが)、ここは国が音頭を取っていただきたいですね。
余談。
似たような防災グループウェア…CMSはありますね。 http://ecom-plat.jp/
いっそ国がサイボウズのプロトコルを買って、自治体にプロトコル動作要件を強制してもいいかもしれない…けどさすがにマズいですね。(個人的にはdesknet's NEOを推したいのもありますね)
プロトコルも常に改良を加えないといけないのでこれでお終いとはいきませんからねー。
>Posted by 管理人 at 2016年10月02日 11:49
消防庁のなにが不足とお考えで、防災庁のなにがそれを優越するとお考えでしょうか、ご提案が看板の掛け替えだけになっていませんかね。
消防庁って、実際的な権限が何もないんです。実際の活動は、地方自治体の消防署が担当するので、あくまで自治体レベルです。
また、消防庁が何かやるとしたら、その指示対象は自治体の消防署でしょう。自治体そのものを傘下に置くことはできません。
> 防災庁のなにがそれを優越する
本項で述べた新事業をなします。噴火や津波を含めた、あらゆる災害についての被害予測と、その対処法の呈示。とりあえず予算は年間 1000億円は必要だな。
あと、消防庁の仕事は、災害の事後対策(肉体労働)が主任務であり、予防という知的労働は関係ない。
どうせやるなら、パソコン業務の得意な産総研や理研の方がまだマシだ。ここにいるようなソフトウェア技術者に、コンピュータ能力を発揮して仕事をしてもらう。それでこそ予防ができる。
消防庁とは、やる任務がまったく違う。
比喩的に病気で言えば、本項の目的は予防接種による病気の予防。消防庁は病気の死者を片付ける葬儀屋。病気対策という面では似ているが、やることはまったく別だ。
私の構想では、安全省をつくって、その傘下に、消防庁・気象庁・防災庁を設置したい。この防災庁が、地震対策やる。
いったん災害が起こったあとでは、消防庁は実働部隊として活躍してもらうが、それは事後的な話。
──
前にも書いたことがある。そこから引用すると、こうだ。
環境安全省
・ 原子力安全庁
・ 交通安全庁
・ 食品安全庁
・ 生活安全庁
・ 防災庁 (新設)
・ 環境庁
・ 気象庁
・ 消防庁
http://openblog.seesaa.net/article/435848836.html
阪神淡路大震災後にで総務部局から消防部局へ
東日本大震災後に消防部局から総務部局へ移管しました。
前者は「非常時の即応性を確保」するためで、
後者は「予防も含め総合的な防災を推進」するため、というのが名目です。
非常時対応(災害対策本部)だけなら消防が最強ですが、それ以外は他の方が強い。
同様の動きをした自治体も多いと聞きますから、管理人さんの提案の方向性は間違っていない、と思います。
防災の人員は、半分は消防の人間で、他は事業をやっていた人間が多く、最近は、都市計画部局から人が来ることが多いです。
ところで、河川整備とか都市計画とかいった国交省の仕事はかなり防災目的の色が濃いですが、防潮堤とかダムの整備でも「誰が判断・指揮するか」というところで、防災庁が上になるイメージですか?
(余談ですが、管理人さんの持論では、錦織圭氏やワールドカップの疲労論が大変参考になり、役所のミスは疲労で説明できることが多い、と思っています。防災だと、警戒態勢に入ってから12時間とか24時間くらいたって、被害が出始めるので、主力の人員(実質的な判断する人とか)が疲れているんですね(睡眠不足とか)。なので、判断しないでいいように機械化するのが一つの方向で、体制とかマネジメントで何とかするのがもう一つの方向ですが、中小の自治体ではいずれも荷が重い)
さすがにこれは防災庁の仕事ではありません。
防災庁がやるとしたら、「被害の大小の予想」でしょう。私が言っているような、「洪水防止ダムよりも遊水地の方が有効であるから、そういうふうに整備せよ」という勧告。また、「鬼怒川周辺には遊水地を整備せよ」という勧告。個別の工事を担当するのは、国交省です。