2016年09月26日

◆ ゴーン経営とトヨタ経営

 ゴーン経営は「コミットメント」で、成果を確約させる。
 トヨタ経営は、「成果の達成なんかはどうでもいい」と見なす。

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 まったく正反対の経営風土なので、対比させよう。
 そもそも、「コミットメント」を強く掲げたのは、ゴーン社長だった。当初は経営者の責任を掲げた。
 トップはキチッとコミットメント(実行責任)を果たすこと。私も、1年間で公約を果たせなければ、日産を去ると約束した。コミットメントなしにはリストラはできません。
( → カルロス・ゴーンから学ぶ、目標を100%達成する方法

 ここでは経営のトップだけが「コミットメント(実行責任)」を果たすことが要請された。
 ところがいつのまにか、社員にまで、コミットメントが強要されるようになった。そのあげく、どうなったか……という話は、あとで。

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 一方、トヨタの社長(豊)は、逆のことを言っている。
 『これを達成しました』には興味が無い

豊:…… みんながバッターボックスに立っているのと同じです。まずは立たなかったら意味が無い。そしてひとたび立ったのなら、今度はフルスイングしなくちゃ意味が無い訳です。フルスイングして空振りしたって良い。その代わり、失敗から学んだものは何だと。だから僕は、「これを達成しました」なんていうレポートには興味が無い

F:えぇ!トヨタ自動車のトップが「達成しました」は興味が無い。それはまた意外なお話です。

豊:興味ないですよ。だってそんな、いつまでにこれこれを達成しましたなんて、当初に設定した目標が低いか何かですから

F:うわぁ……マジっすか。いやあの……マジでございますか。
( → 豊田章男社長「なぜ“デカい釜”を使うんだ!」

 ゴーン経営に喧嘩を売っているな。 (^^);

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 で、ゴーン経営は今ではどうかというと……
 《 日産、業績低迷で加速するゴーン社長の孤立〜コミットメント経営の弊害、社内外で不満高まる 》
 カルロス・ゴーン社長兼CEO(最高経営責任者)への不信が、同社内外でかつてなく広まっているという。そんな不安をかき立てているのが、「ゴーン社長の『コミットメント(目標必達)経営』の迷走と強気の弁明、日産向けとルノー向けのダブルスタンダードの使い分け」だと、業界関係者のひとりは指摘する。
 ゴーン社長は「『パワー88』が正しい計画であり、目標達成に向け集中する」と何度も繰り返していた。だが、業界内には「身の丈以上の高い目標を設定し、それを達成するコミットメント経営への執着こそが、業績低迷の根本原因」と指摘する声が多い。
 かつてはゴーン社長を送り込むなど日産の救世主であり、親会社同然のルノーが今では日産の重荷になっている。それにもかかわらず、「コミットメント経営を振り回して日産には厳しく、ルノーにはリストラひとつ断行できないゴーン社長のダブルスタンダードに対し、日産社内では冷めた空気が広がっている」と業界関係者は指摘する。

 「ゴーンが業績の(14年3月期通期における業績下方修正の)報告を受けたのは会見(=11月1日)の4日前。その前の週に日本入りしていたにもかかわらずだ。通期業績を引き下げるのは2年連続になる。このままでは自身が掲げてきた『コミットメント経営』が揺らぐ。(略)(ゴーンは)ナンバー2を8年間務めた志賀のCOO退任を決めた」。
 そんな中での志賀COO解任劇。別の業界関係者は「近年は『不在社長』のゴーン社長をけなげに補佐し、実質的に経営を切り盛りしていた志賀さんの職務を分担することになった3名の副社長は、いずれも部下の能力を引き出せない減点主義者やゴーン社長の顔色うかがいに熱心な平目役員たち。志賀さんに代わってゴーン社長を補佐できる器ではない」と評する。
 側近であった志賀COOを切り捨て、社内の求心力が低下するゴーン社長。「バリュークリエーターの資質がないゴーン社長に率いられている日産は、商品戦略面でもトヨタ・ホンダと差別化できる新車開発力や技術力はない。このままでは存在感が薄れていた元の日産に先祖返りするしかないだろう」(業界関係者)との見方もある中、志賀氏解任の代償は高くつきそうだ。
( → ビジネスジャーナル


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 《 日産自動車 コミットメントで現場はガッチガチ(仕事) 》
 「ドアの閉まる音まで数値化して、コミットさせられています。三菱では、ありえないことでした」。三菱自動車から日産に転職したある中堅技術者は、入社当初、ゴーン流のコミットメント経営に驚いたという。ベンツやBMWといった高級車の閉まる音を重回帰分析し、必達目標が課されるというのだ。
 日産でも比較的最近、導入されたのが、「部品質量」のコミットメント。部品ごとにバジェットが割り当てられ、例えば「シフター+ケーブル+ボルト」で何グラムまでに抑える、という数値目標をコミットしなければならない。
 日産で特徴的なのは、これらの目標達成に責任を負うチームが、目的別に、それぞれ組織されているところだ。
 「権限が(三菱より)分散しており、(権限を持つ組織から)細部にわたって厳しく管理されるから、社員の自由度は低いです。コピー枚数もカウントして、部門ごとに削減目標を立てさせられます。ファイルも新しいものを買わず、古いものを使い続けたり…」(同)
( → MyNewsJapan

 こういう無責任体制とコストダウン至上主義の行き着くところは、何か? コストを重視したあげくの、性能や安全性の軽視だ。
 ここまで見れば、日産がどうして「単眼カメラ式」という馬鹿げた方式を取ったか、はっきりする。他社のどこも採用しない馬鹿げた方式を取った理由は、日産そのものが馬鹿になっているからだ。……そう判明する。

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 ただし、ゴーン社長には、日本の社長のなかでも群を抜いて傑出している点もある。それは、給料の額だ。
 《 給与もらい過ぎランキング 》
 「昨年度の“1億円プレーヤー”は、301人いた(東京商工リサーチ調べ、6月30日時点)。ゴーン日産社長の9億8800万円を筆頭に、武田薬品の3役員などが、1億円以上の高額報酬を得ている。」

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カルロス・ゴーン社長の役員報酬
 2013年3月期の役員報酬は9億8800万円である。自動車業界で日産よりも売り上げが多く株価も高いトヨタの豊田章男社長(1億8400万円)、ホンダの伊東孝紳社長(1億4500万円)をはるかに上回る。

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〈役員報酬と社員平均給与の比較〉
◆社名/氏名(役職)/報酬額/倍
◇日産自動車/カルロス・ゴーン(会長兼社長)/9億8800万円/141.3
◇日本調剤/三津原博(社長)/5億9000万円/106.4
◇セガサミーHD/里見治(会長兼社長)/5億8300万円/96.2
◇武田薬品工業/デボラ・ダンサイア(取)/7億7600万円/81.2
◇武田薬品工業/フランク・モリッヒ(取)/7億4500万円/78.0
◇武田薬品工業/山田忠孝(取)/7億1200万円/74.5
◇ミスミグループ本社/三枝匡(会長)/3億1600万円/70.5
◇ヤマダ電機/山田昇(社長)/2億6100万円/66.5

( → NAVER まとめ

 社員の 141.3倍で、日本一。さすがのゴーン社長だ。
 これなら、どれほど業績がひどくても、社長を辞める気にはなるまい。独裁体制の確立だね。


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posted by 管理人 at 23:22| Comment(1) | 一般(雑学)4 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
 現在の機械工学における構造材料の耐久性に対する主な問題点は強度ではなく、摩擦にある。島根大学の客員教授である久保田邦親博士らが境界潤滑(機械工学における摩擦の中心的モード)の原理をついに解明。名称は炭素結晶の競合モデル/CCSCモデル「通称、ナノダイヤモンド理論」は開発合金Xの高面圧摺動特性を説明できるだけでなく、その他の境界潤滑現象にかかわる広い説明が可能な本質的理論で、更なる機械の高性能化に展望が開かれたとする識者もある。幅広い分野に応用でき今後48Vハイブリッドエンジンのコンパクト化(ピストンピンなど)の開発指針となってゆくことも期待されている。
Posted by ゴーン退任の理由発見 at 2017年08月27日 17:43
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