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細かな話題がいくつかある。
(1) 「地下水だ」
専門家会議(の座長)が、「たまり水は地下水だ」という判断を下した。
東京都の築地市場(中央区)が移転する予定の豊洲市場(江東区)の施設の下に盛り土がない問題で、安全性を検証する都の専門家会議の平田健正座長(放送大学和歌山学習センター所長)は24日、施設下の地下空間にたまった水は地下水の浸透によるものとの判断を示した。
( → たまり水は「地下水」 豊洲市場地下、専門家会議が視察:朝日新聞 2016-09-25 )
これは変ですね。「亜硝酸がいっぱい検出された」という報道と矛盾する。
「亜硝酸がいっぱい検出された」というのは、「空気中の窒素酸化物をいっぱい含んでいる」ということなのだから、雨水由来であることを意味している。地下水では説明できない。
どういうつもりなのか?
参考項目:
→ (豊洲)地下室の水は雨水だろう
《 加筆 》
「亜硝酸はコンクリ由来だ」という指摘があった。
コメント欄の
by もつ(仮) at 2016年09月25日 21:50
を参照。
(2) 地下水管理システム
たまり水が貯まったまま、砕石層の下に吸収されない。これは、地下水管理システムが作動していないことを意味する。
いったいどうして稼働しないのか? たまり水が検出されたあとは、わざとか? そもそも、どうして、もともと稼働していないのか?
これは異常事態だ。なのに、この説明がない。
(3) コンクリート床面がない
砕石層が剥き出しだということは、コンクリート床面がないということだ。これは工事が手抜きであったことを意味する。この工事未完了こそ、非常に重要な問題だ。金を払って仕事をしてもらえないとしたら、詐欺も同然。
どうしてこうなった? また、いつ誰が工事するのか? 担当会社はどこなのか? ……ここが最も肝心な問題なのだが、ちっとも報道されない。詐欺師にだまされている感じだ。
(4) 対策
「たまり水は地下水だ」というふうな騒動が出ているが、たとえ地下水であったとしても、何の問題もない。コンクリートの床面が敷設されれば、地下水は遮断されるからだ。
ここに地下水が貯まるとしても、それは、コンクリートの床面がない状態(砕石層が剥き出しである状態)のときに限られる。つまり、工事未完了のときに限られる。
だから、今なすべきことは、「地下水かどうか」を調べることではなく、「さっさと床面を敷設すること」だ。
いったい、何を騒いでいるんだか。今の騒動のすべては、コンクリートの床面が敷設された段階で、無意味になる。だから、馬鹿げた騒動をしないで、さっさとコンクリートの床面を敷設するべし。(そうして騒動に終止符を打つべし。)
騒ぐべきことがあったら、「建設会社はなぜいまだに工事を完了していないか?」ということだろう。たまり水がどこから来たかなんて、まったくどうでもいい話だ。むしろ、手抜き工事を問題視するべきだ。

何か、みんな、だまされているんだよね。(その間に、建設会社の社長は、ワインでも飲んでいるよ。)

《 注記 》
本項では特に大きな話題を扱っていません。落ち穂拾いふうに、近況の小さな話題を拾い上げました。
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ここ数日、コメント欄には有益な情報が来ています。過去の記事に埋もれてしまった感じもするし、もったいない。そこで、同一のコメントを下記に複写・転載しておいても構いません。(二重掲載の形。ただし、9/20日以降のコメントに限る。)
それ以外についても、近況について新たにコメントを書きたい人は、この項目にお書きください。コメント受付中。
出典:http://openblog.seesaa.net/article/441949321.html
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古い記事を検索したら、シアンは簡単に生じることがわかった。アンモニアがある状態で、塩素消毒をすると、シアンが発生するそうだ。
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伊藤ハム東京工場(千葉県柏市)で使用した地下水から水道法上の基準値を超すシアン化合物を検出した問題で、同社の立ち上げた外部有識者による調査対策委員会は2008年12月5日、地下水そのものがシアン化合物を含んでいたのではなく、工場で塩素処理をする過程で生じた、とする報告をまとめた。
調査対策委員会によると、東京工場で使用した地下水はアンモニア性窒素を多く含み、塩素の添加量が不十分だとシアン化合物が生じることが再現実験によって分かった。
http://trendy.nikkeibp.co.jp/article/news/20081208/1021644/
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地下室では、アンモニア臭がしていたということだから、ここに消毒用の塩素が入れば、シアンは簡単にできるだろう。
むしろ、濃度が低いことに驚く。もっと大量にあってもおかしくないのだが。
Posted by 管理人 at 2016年09月21日 00:10
雨水が地下水をかん養し、地下水位が上昇して溜まったとみれば上のことは説明できます。もちろん、地下空間に直接入った雨水もあるでしょうが。
>たまり水が貯まったまま、砕石層の下に吸収されない。これは、地下水管理システムが作動していないことを意味する。いったいどうして稼働しないのか? たまり水が検出されたあとは、わざとか? そもそも、どうして、もともと稼働していないのか?
現状保存のためではないでしょうか。へたに稼働させてたまり水がなくなったらまた何を言われるか。
>砕石層が剥き出しだということは、コンクリート床面がないということだ。これは工事が手抜きであったことを意味する。この工事未完了こそ、非常に重要な問題だ。
コンクリートを打ったのはゼネコンの都合で、打たないことがもともとのスペックではないでしょうか。地下空間で作業するにはあったほうがよいとは思いますが。
>コンクリートの床面が敷設されれば、地下水は遮断されるからだ。
地下水管理システムが稼働すれば地下水は上昇しないのでコンクリートを打つ必要はないのでは。
その説明だと、雨水が地下の土や地下水によって大幅に稀釈されたあとで、なおかつ高い濃度の亜硝酸が検出されたということだから、最初に降った雨水の亜硝酸は、薬品並みに高濃度でないと説明が付かない。ゆえに、無理。
普通の雨水なら、地下の土や地下水によって大幅に稀釈されたあとで、かなり低い濃度の亜硝酸となります。これは観測された事実に反する。矛盾。ゆえに、地下の土や地下水にしみこんだもの、という説は不成立。
> 地下水管理システムが稼働すれば地下水は上昇しないのでコンクリートを打つ必要はないのでは。
ベンゼンその他が揮発するので、コンクリートは必要です。だいたい、もともとその設計です。(だから盛り土が不要になった。)
照明が無い、消防設備が設置されてない、土間コンが打ってないので「地下室」でなく「床下」が正しい言葉ではないでしょうか。
「床下」であれば、どんな建物にも有るし水が溜まろうが少々のことは問題ないはずなのに、何故「地下空間」という言葉を使うのか。
専門家でないので判りませんが、「床下」という言葉を使うと、何か都合の悪い事が有るのでしょうか。
「床下」だと、各階ごとにあるので、たくさんありすぎて、どの階の床下のことかわからなくなります。
地下水管理システムは現在、試運転調整中、10月中旬に本稼働の予定
>コンクリート床面がない
地下水面の上昇を防止し、概ねA.P.+2mの状態を維持するよう、地下水位のモニタリングを行うため、床面はコンクリートを打っていないのでは。
なお、同時に地下水質のモニタリングも行う。
なお、同時に地下水質のモニタリングも行う。
誰もモニタリングしていないみたいですけど。
あと、コンクリートを打っている床面もあります。全部が砕石層ではない。(たしかそのはず。未確認だが。)
「地下空間、誰がいつなぜか推理」
・専門家会議は建物下に盛り土をすることを提言していたが、排水管管理などの作業空間や、場内の搬送車の置き場を、
建物敷地の一部に作ることは了承していた。
しかし、平成20年12月の技術会議で、東京都は地下空間を、建物敷地の一部ではなく、もっと広い範囲に作ることを予定していた。
http://www.shijou.metro.tokyo.jp/toyosu/pdf/pdf/gijutsu/siryo/8-10.pdf
・平成20年5月に基準の4万倍のベンゼンが検出され、土壌汚染対策費が1000億円以上と予測された。
そこで費用削減のため、建物敷地には盛土をせず、地下空間を作ることを決めたのでは。
・平成21年2月に石原知事は、土壌汚染対策費が1000億円以上から586億円に減ったと発表した。
費用が大幅に減ったのは、建物敷地に盛土を止めたからである。
このような大幅な費用の減少理由を、当時の市場長の比留間氏が知らないことはありえず、石原氏も同様である。
>Posted by passerby at 2016年09月24日 22:07
「地下空間をなぜ説明しなかったか推理」
・専門家会議はすでに散会していたため。
・技術会議は盛り土の方法を議論してもらう場で、建物の設計については検討を求めていないため。
・市場関係者には、費用削減のためと言っても、専門家会議で安全性を確認していないので、安全への不安が指摘されるため。
また、土壌汚染対策用の空間と説明しても、土壌汚染対策が不十分との不安を招く恐れがあったので言わなかった。(日テレNEWS24)
リンク先の真贋は確認していません。
>Posted by 管理人 at 2016年09月25日 16:26
http://b.hatena.ne.jp/entry/301516004/comment/poko_pen
http://potato.2ch.net/test/read.cgi/dqnplus/1474014718/2
都からも詳細がでていますね。
http://www.shijou.metro.tokyo.jp/toyosu/pdf/pdf/tyousa_toyosu/tyousa_0924_1.pdf
上記PDF URLへのTwitter言及は以下の通りですね。
http://t-proj.jp/twitter/?q=http%3A%2F%2Fwww.shijou.metro.tokyo.jp%2Ftoyosu%2Fpdf%2Fpdf%2Ftyousa_toyosu%2Ftyousa_0924_1.pdf&rt=%5B-RT%5D%E6%A4%9C%E7%B4%A2
本日、専門家会議の平田座長が、地下ピットの水と、
近傍の揚水井戸の水の水質が、ほぼ同じであることから、
地下水と思えると発言。
>コンクリートを打っている床面もあります
以前、配管施工業者の都合で、作業しやすいように
コンクリートを薄く打ったとの報道がありました。
追記です。確認にご利用くださいね。
亜硝酸 鉄筋コンクリート 防錆剤 - Google 検索
https://www.google.co.jp/search?q=%E4%BA%9C%E7%A1%9D%E9%85%B8+%E9%89%84%E7%AD%8B%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%82%AF%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%88+%E9%98%B2%E9%8C%86%E5%89%A4
> その説明だと、雨水が地下の土や地下水によって大幅に稀釈されたあとで、なおかつ高い濃度の亜硝酸が検出されたということだから、最初に降った雨水の亜硝酸は、薬品並みに高濃度でないと説明が付かない。ゆえに、無理。
> 普通の雨水なら、地下の土や地下水によって大幅に稀釈されたあとで、かなり低い濃度の亜硝酸となります。これは観測された事実に反する。矛盾。ゆえに、地下の土や地下水にしみこんだもの、という説は不成立。
ご存知とは思いますが、各街区は遮水壁で囲まれています。ですから、地下水のかん養源はほぼ雨水であり、地下水を汲み上げるなどをしなければ、地下水の水平方向、鉛直方向の流れはないものと考えられます。地下水の流れがない状態では、雨水が地下水帯まで到達した後、それ以深の地下水で希釈されるとするのは考えにくいと思いますがいかがでしょう。そもそも、雨水が土の中を通過すると亜硝酸が取り除かれるものなのでしょうか。それに、豊洲の地下水はもともと亜硝酸の濃度が低いとの前提にたっておられますがそれも疑問ですね。
もうひとつ、地下コンクリートが全面に打たれていた施設(水産卸売場棟)と部分的にしかなかった施設(青果棟)では、たまり水の量に明白な差があり、後者の方が多いとの報道があります。これも地下水説を裏付けるものです。
>ベンゼンその他が揮発するので、コンクリートは必要です。だいたい、もともとその設計です。(だから盛り土が不要になった。)
管理人さんは、【 後日記 】( 2016-09-14 )に
「地下室の床がなくても、厚い天井があるので、汚染は心配ない。」
と書かれています。宗旨替えしましたか。
誤解されてしまいましたが、地下室内で稀釈されるという意味ではなく、土中の土や地中水分で稀釈・濾過されるという意味です。
> 宗旨替えしましたか。
別のことでしょ。
・ 基本的には地下室の床面で遮断する。
・ (万一の場合も)天井があるから地上の汚染は心配ない。
後者はフェイルセーフみたいなもの。
建築エコノミストの森山高至氏が、テレビで地下空間を作った理由として、
盛土の上に「高床式(床下配管ピット)」にすると連絡通路が、6街区と7街区の間を通る道路の陸橋にぶつかるので不可能なんですね。 だから下げるしかなかったんです(高床の空間が下がって地下空間となる)と言っていた。
しかし、これでは連絡通路のない5街区に地下空間ができたことを説明できない。それとも、6街区や7街区の1階の高さに合わせて、下げたとでも言いたいのか。
また、謎の数字として、ポンプ室(AP−2.5)、排水釜場(AP−2.9)、貯留槽(AP−2.5)などがあり、設備は全てAP+2.0より上にあると思っていたが、そうではなかったと述べている。
しかし、これは地下水管理システムの設備として、地中に埋めたものであり、なんでもかんでも、いちゃもんをつければ良いというものではない。
建築費5800億円をどうでもいいと小池は考えているのかな。四半世紀前のバブル崩壊後急速に東京独り勝ちが起きると考えていましたが。ソフトランディングの時間差現実が25年後の今起きているのですね。
平成28年9月30日の小池都知事定例記者会見で、「平成23年9月 実施設計の起工⇒実施設計起工の基となる基本設計の断面図に、地下空間が建物下全体にわたって示されている」との説明があった。
この基本設計は平成23年3月に発注し、同年6月に納品されており、当時の市場長は岡田至氏である。
以上により、平成20年ごろから地下空間についての検討が行われたが、平成23年6月に納品された基本設計で、地下空間が建物下全体にわたって示されており、建物下の盛土はないことが最終決定したことになる。
従って、この時期に建物下に盛土がなく、地下空間があることを市場関係者などに公表すべきであった。
よって、当時の市場長である岡田氏が責任を負うべきであり、地下空間を知らなかったことは免責にはならず、むしろ管理能力の無さを示すものであろう。