2016年09月24日

◆ 駅のゴミ箱に爆弾

 ニューヨークの爆弾テロでは、駅のゴミ箱に爆弾が収められていたという。これをどう評価する?

 ──

 ニューヨークの爆弾テロでは、駅のゴミ箱に爆弾が収められていたという。
  2016年9月17日(土)の朝9時半ごろ、ニュージャージー州の大西洋岸にあるシーサイド・パークという町で、チャリティイベント(5000メートルのマラソン大会)の直前に、ゴミ箱のパイプ爆弾が爆発。マラソン大会は中止されたものの、被害はありませんでした。
 続いてその17日の夜8時半ごろ、マンハッタンのチェルシー地区でゴミ箱に仕掛けられた圧力鍋爆弾が爆発し、通行人29人が負傷しました。その後、市警察が周辺を捜査したところ、2時間半後の午後11時ごろ、数ブロック離れた場所で同様の圧力鍋爆弾が発見され、こちらは回収されています。
 その24時間後の18日(日)の夜、ニュージャージー州のエリザベス駅構内ゴミ箱の上にあった「不審なバックパック」の中にパイプ爆弾が5個入っているのが見つかりました。警察は、遠隔操作ロボットで解体しようとしましたが、午前3時頃に誤って1つが爆発し、直ちに近辺は厳戒態勢となりました。

( → 冷泉彰彦 | ニューズウィーク日本版

 同種記事は、他にもある。
  → アフガン出身のNY爆破犯、背後関係が焦点 (ウェッジ)
  → ニューヨーク・ニュージャージー爆破事件 [T-SITE]


gomi_asaru.png


 以上からして、ゴミ箱には「爆弾を引き寄せる」という効果がある、と判定できる。
 
 一方、私は先に、「駅のゴミ箱を撤去せよ」と述べた。
  → 駅のゴミ箱がないわけ

 とすると、私が先に述べたことは、間違いだったのだろうか? やはり、駅からはゴミ箱を撤去するべきなのだろうか?
 「 Openブログは間違いだ! トンデモだ!」
 と騒ぎたい人が出てきそうだが。

 ──

 しかし、それは早計だ。上記の項目を読めば、ちゃんと説明が付いている。再掲しよう。
 実は、「ゴミ箱の撤去」をしても、テロ防止の効果は皆無である。やってもやらなくても、テロ防止の効果には無関係なのだ。
 なぜか? テロ防止の理由は、オウム事件でゴミ箱にサリンを入れたことだった。だから「ゴミ箱を撤去すればゴミ箱にサリンや爆弾を入れられなくなる」と思ったわけだ。特に、ホームで。
 しかしこれはまったくの「底抜け論理」だ。なぜか? たとえゴミ箱を撤去しても、かわりになるものが用意されているからだ。それは「自販機の空き缶入れ」だ。
  ……(中略)……
 こういうふうに、駅のホームにはすでに空き缶入れが置かれている。実際、どのホームにも、空き缶入れがある。(上記の2タイプのいずれか。)
 だから、「テロ防止のためにゴミ箱を撤去する」という理屈は、まったくの底抜けなのだ。仮に、その名分が成立するとしたら、空き缶入れも撤去する必要があるが、そんなことはまったくなされていない。(売上げを確保するため。)

 ここでは「無効だ」という趣旨で記した。一方、さらに「逆効果だ」という趣旨の話も、そのあとにある。
 実はもう一つ、別の効果がある。それは次のことからわかる。
 「地下鉄サリン事件のとき、ゴミ箱のある駅ではサリンはゴミ箱に入れられた。そのおかげでサリンはゴミ箱にたくさん溜まっていたので、被害は限定された。一方、ゴミ箱を使わなかった駅では、サリンは電車に持ち込まれた。そのせいで電車の車両のなかでサリンがまき散らされ、莫大な被害が生じた」

 つまりゴミ箱は、サリンの被害を縮小する効果があった。ゴミ箱がないと、かえって被害は拡散するのである。犯罪者は、ゴミ箱に爆弾やサリンを入れるかわりに、車両の座席下や網棚の上に置くだろう。その場合は、被害は拡大する。
 だから、どうせテロ対策ならば、ゴミ箱をたくさん用意して、そこに爆弾を入れてもらう方がいいのだ。ゴミ箱を撤去することは、「爆弾は車両内に設置してください」と言っているのと同義だ。

 ──

 ゴミ箱があれば、被害はゴミ箱に限定される。電車内なんかに置かれるよりも、はるかに好ましい。

 また、ゴミ箱があるのは、たいていは人のあまり来ない片隅みたいなところなので、人的被害を抑える効果がある。駅のホームのベンチの下なんかに置かれるよりも、ずっと被害は減るだろう。

 さらに、別の効果もある。犯人がゴミ箱に爆弾を入れるのであれば、ゴミ箱を探すだけで、爆弾が見つかりやすい。実際、今回も、事件のあとでゴミ箱を探索したから、すぐに爆弾が見つかった。わけもわからずにあちこちを探索するより、ずっと効率的だ。(だから時間的に間に合った。)

 また、別の効果もある。ゴミ箱の場合、横方向への爆発力は、ゴミ箱のおかげで弱くなる。一方、上方向への力は、蓋を吹き飛ばすだけで、どんどん圧力が逃げていく。したがって、横方向にいる人への被害は減少し、かわりに駅の天井の被害ばかりが増える。これは、好ましいことだ。(実際、1番目のゴミ箱では、被害者はゼロだった。)

 ──

 結論。

 ニューヨークでは、爆弾がゴミ箱に入れられた。これによって、ゴミ箱は「爆弾を他の場所には置かせない」という効果があるとわかった。爆弾によるテロ行為を抑止する能力はない。しかし、どうせ爆弾によるテロ行為があるとしたならば、その被害を最小化する効果がある。ゆえに、駅にはゴミ箱を置くべし。



 [ 付記 ]
 日本の駅では、ゴミ箱がないことが多い。当然、テロリストは、網棚にでも置くだろう。そのあとは、走っている電車が脱線して、阿鼻叫喚の地獄となる。爆弾そのものの被害よりも、脱線による被害の方が大きくなるかもしれない。
  → (参考)ドイツの列車事故の画像

 これは、最悪のテロ効果と言えよう。そして、そうなるように促して、テロリストの被害拡大に協力しているのが、日本の鉄道会社だ。
 
( ※ 網棚というのは、網ではなくてパイプでできていても、網棚というそうだ。 へえ × 100 )

posted by 管理人 at 23:22| Comment(0) | 安全・事故 | 更新情報をチェックする
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