(2) 地下室にしたのは「液状化対策だ」と都職員が告白した。
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1.石原慎太郎が「地下室は自分が指示した」と告白した
この件は新聞各紙で報道された。「指示した」といったん述べたが、そのあとで大々的に報じられると、その発言を弱めるように修正している。
《 石原氏が豊洲「コンクリ箱」案…「安くて早い」 》
東京・築地市場(中央区)の移転先となる豊洲市場(江東区)の建物の下に盛り土がなかった問題で、元知事の石原慎太郎氏が在任中の2008年5月、建物の下に「コンクリートの箱」を埋め込む案の検討を指示していたことが分かった。
都が専門家会議の提言と異なる地下空間を設けたことに、石原氏の指示が影響していた可能性がある。
石原氏は08年5月30日の定例記者会見で、専門家会議の議論を踏まえた上で、海洋工学の専門家の意見を紹介。「土壌の汚染をどうやってクリーンアップするかではなく、もっと違う発想でものを考えたらどうだ。要するにコンクリートの箱を埋め込むことで、市場(の建物)を支える。その方がずっと安くて早く終わるんじゃないか」などと専門家会議の意見に異論を唱えた。
( → 読売新聞 )
《 石原元知事意向 方針に影響か 》
「専門家会議」では、平成20年5月には敷地全体に盛り土を行う方向で議論を進めていましたが、同じ月に当時の石原知事が記者会見で、こうした方向性とは違う案について発言していました。
石原知事は、海洋工学の専門家の意見を紹介する形で「土を全部さらったあと、地下2階くらいか、コンクリートの箱を埋め込むことで、その上に市場としてのインフラを支える」と発言し、豊洲市場の敷地の土を削ったあと、コンクリートの箱を埋め込みその上に市場の建物を建てる方法を提案し、都の担当局長にも伝えたということです。
その2か月後、専門家会議では敷地全体に盛り土を行うべきだとする提言をまとめましたが、同じ年に開かれた別の専門家で作る「技術会議」で都が提言に反する方針を示し、その後、建物の地下に空洞を設ける工事に着手しています。
このため都は、当時のトップの意向が盛り土の方針に影響を与えたかどうか、経緯を調査しています。
石原元知事は午後6時前に報道陣の取材に応じ「私は建築のイロハを知らないので思いつくわけがない。部下から地下の空間を作ることを上げてきたので、それを記者会見で報告しただけだ。都庁は伏魔殿だ」と述べました。
( → NHK 首都圏 NEWS )
《 豊洲市場に「コンクリ箱」案、石原元都知事「知りません」 》
石原慎太郎元都知事が在任中、建物の下にコンクリートの箱を埋める案に言及していたことが分かりました。
当時、都知事だった石原慎太郎氏の“発言”に波紋が広がっています。
「要するに箱ですね、コンクリートの。それを埋め込むことで・・・」(08年 知事だった石原慎太郎都知事〔当時〕)
2008年の7月、東京都の専門家会議は土壌汚染対策のため豊洲新市場の土壌を入れ替え、敷地全体に「盛り土」をすることを提言しましたが、石原都知事は、そのわずか2か月前の定例会見で「盛り土」とは違う案に言及していたのです。
「(海洋工学の専門家の意見として)土を全部さらったあと、地下2階ぐらいですかね。構造を詳しくは私、専門性は分かりませんけども、3メートル、2メートル、1メートルか、そういう段階の要するに箱ですね、コンクリートの」(08年 知事だった石原慎太郎都知事〔当時〕)
この発言について、15日、石原元都知事が取材に応じました。
Q.箱を埋めたほうがいいと?
「それは知りません、僕はそういう話を聞いただけのことだから」(石原慎太郎 元都知事)
Q.それを会見で言った?
「そんな情報は私が聞いたんじゃなくて、役人が取り次いできただけのことですから」(石原慎太郎 元都知事)
当時の発言について「役人から聞いただけ」と、否定した石原元都知事。しかし・・・
「ただね、私もこの間、担当局長に言ったんですがね、それがどういうふうに伝わっているかですね」(08年 知事だった石原慎太郎都知事〔当時〕)
Q.局長にそういう話をした?
「局長から聞いたんでしょ私は。そんなものは知るわけがない」(石原慎太郎 元都知事)
石原元都知事は重ねて否定しました。
Q.ご自身の発言が影響したとは?
「私は専門家じゃないもの」(石原慎太郎 元都知事)
Q.そういう案を出したことは?
「ありません」(石原慎太郎 元都知事)
( → TBSの動画ニュースサイト )
アイデアのネタ元が、海洋専門家であるか、部下であるか、という違いはあるものの、石原都知事(当時)自身が「地下室にしろ」という方針を(案として)指示していたことになる。
とすれば、「職員が勝手にやった」という手続き上の問題はなかったことになる。
「変更の経緯をきちんと記録に残さなかった」
という問題があるだけだ。そして、その方針変更が石原都知事にあったのだとすれば、批判されるべきは、石原都知事自身であったことになる。
「東京都という組織は滅茶苦茶だ! 手続き無視だ! ガバナンスがなっていない!」
と批判していたこれまでの騒ぎは、すべて無意味な空騒ぎであったことになる。
( ※ 駄目だったのは、東京都という組織ではなく、都知事だった。)
2.地下室にしたのは「液状化対策だ」と都職員が告白した
これは本サイトのコメント欄に情報が寄せられた。テレビで報道されたという。
本日のテレビ朝日で、都の職員が「地震による液状化で、地下の汚染物質が、すぐ1階に上がるのを防ぐため、1階との間に地下空間を設けた。」と言っていたとの指摘あり。
Posted by passerby at 2016年09月15日 13:52
( → 豊洲市場で盛り土をやめた理由: コメント欄 )
これと同じ情報をネット上に探したが、見つからなかった。上記のコメントがあるだけだ。しかし、信用していいだろう。いかにも、もっともらしい。また、嘘をついたとも思えない。(凡人が思い浮かべたにしては、あまりにも卓抜すぎる。わざわざ嘘をつくより、自分の意見として公表した方が得であるのに、そうしなかった。)
《 加筆 》
ネット上に録画がある、という指摘がある。コメント欄。09月16日 10:45。
ともあれ、この理由が真相だと思える。(テレビで報道していたかどうかには関係なく。)
そこで、「これと同趣旨の見解を言っていた人はどこかにいないか?」と思ってググったら、一つ見つかりました。
そこで考え出されたのが、盛り土をすることよりも、地下空間を作っておこう、と。
何故地下空間を作っておいた方がいいかというと、例えば、大地震に見舞われ液状化現象が起き、そして、基準値を超える汚染物質が計測されたような場合に、地下空間があれば、敢えて建物の下を掘り繰り返して調査するような作業が省け、市場の正常な稼働に対する影響を最小限度に留めることができる、と。
そして、また、地下空間を作って、日常的に、基準値を超えるような汚染物質は希釈して外部に放出するような仕組みにしておけば、時間はかかるものの当該地の汚染状況は少しずつ改善していくことが期待されるからだ、と。
つまり、若干でも良心があることが今回の事態を招いたのではないでしょうか。良心という言葉が適切でないならば、都民や市場関係者に事実を伝えることなく豊洲移転を実現させたいと考えたために、訳の分からない事態になってしまった、と。
( → 豊洲の地下空間の謎 : 経済ニュースゼミ )
こういうアイデアは成立するわけだ。
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先の (1) の報道とまとめると、次のように言えそうだ。
石原慎太郎の指示を受けて、その案を検討した。すると熟考のすえ、「コンクリの箱を基礎とする」という案は(杭基礎よりも劣るので)ボツになったが、「盛り土をやめて地下室にするのは、液状化対策としては優れている」と気づいた。そこで、この案を採用した、というわけだ。
こう考えると、筋道が通る。
これが最も有力な解釈だと思える。
[ 付記 ]
全体的に評価すれば、
「組織の統治がなっていない」
という世間の批判は間違いであり、
「専門家が良心ゆえに修正した」
という本サイトの最初の項目が正しかったことになる。(細部では小さな異同もあるが。)
ただ、修正の過程が記録として残っていなかったがゆえに、世間で大騒動が起こったわけだ。
とはいえ、途中の経緯がよく見えなくても、最終的には変な結果にはなっていなかったのだから、大騒ぎすることはなかった、と言える。
終りよければすべてよし
>こう考えると、筋道が通る。
>これが最も有力な解釈だと思える。
下記に、A.P.+2m以深を対象に液状化対策を実施しますと書かれています。
http://www.shijou.metro.tokyo.jp/toyosu/dojou/taisaku/outline/step/step07/
これなら液状化は発生しないのだから、液状化対策の地下室は不要なのでは?
液状化対策は、液状化をいくらか減らせるだけで、皆無にできるのとは違うでしょう。
大地震のときには、地下水が噴出することは十分に考えられます。
古い鋼管も残っています。
>なっていなかったのだから、大騒ぎすることはなかった、
>と言える。
これはね。関係者全員が、管理人さんのような考え方をして
くれるなら、確かに大騒ぎする必要はない。
個人的には同感なんだ。法令から見て問題ないんだから。
結果としては大丈夫なんだからいいじゃないと。合理的だ。
ただ、プロジェクトの推進者の立場から見ると、こういったら
語弊があるかもしれないけど、世間は管理人さんのような
素直な人たちばかりじゃないから、単に合理的なだけではダメなんだ。
結果として正しくても「事前に説明を受けてなかった!」とか、
法令どおり施工してますからと説明しても「心配だ!法令どおり
だとしても絶対じゃないだろ!大体原発だって安全だって
言ってたくせに云々」とか、まあクレーマー気質、心配症気質な人は
割合は少ないけど、必ず一定数はいて、プロジェクト推進者は
こういう人たちにも丁寧に対応しないといけないんだ。
またね、こういう気持ちをこじらせた人たちに取り入るのがうまい
連中がいてね。成田空港の三里塚闘争はまさにその典型でね。
築地の業者は大半は自営で、家族経営のところが多いでしょう。
これはねー。危険度高いんすよ。左派勢力が入り込みやすい。
まあ農家と違って土地に執着はないから、それは大丈夫なんだけど、
安全にはこだわりがあるからね。不安を煽る連中がいるんだよ。
「これは大した問題じゃないから、東京都の内で適切に処理すれば
良い」という意見はまっとなものだし、個人的には同感。世間一般の人
に対してはそれでいいと思う。
ただ、ごく一部の不合理な人たちの中には、その対応では不満を
持ってしまう層もいるから、そういう人たちに向けたパフォーマンス
として、情報公開と併せて記者会見をする事は有効だと思うけどね。
持ってしまう層もいる
現状では、世間の大部分が、そういう不合理な思考に染まっている。圧倒的多数派が、不合理思考に染まっている。
こういう「世間の狂気状態」を指摘するのが、本サイトがいつもやっていることです。過去の例は下記。(社会的バッシング)
→ http://openblog.seesaa.net/article/435850753.html
なお、(本サイトみたいな)まともな意見が出ると、袋だたきにされることもある。はてなブックマークの例。
→ http://b.hatena.ne.jp/entry/bylines.news.yahoo.co.jp/yamamotoichiro/20160915-00062196/
本サイトの意見は、まだまだ圧倒的少数派だ。
これを報道したのは、羽鳥慎一モーニングショー 9月15日です。
以下のサイトにテレビの録画があります。
http://blog.livedoor.jp/gataroclone/archives/48456134.html
>これなら液状化は発生しないのだから、液状化対策の地下室は不要なのでは?(つりきち氏)
万が一の液状化対策と経費節減のため?
>液状化対策は、液状化をいくらか減らせるだけで、皆無にできるのとは違うでしょう。
液状化対策とは、想定地震に対して液状化をいくらか減らすためのものではなく、液状化を全面的に抑止するためのものです。私の知る限り、液状化対策工の実績は十分あります。
>大地震のときには、地下水が噴出することは十分に考えられます。
なにをもって大地震と言っているのかはわかりませんが、対策するにあたっては指針に従ってしかるべき地震を想定しているはずです。設計とはそういうものです。
>古い鋼管も残っています。
液状化にどんな関係がありますか。
液状化について私は専門的知識をもっているわけじゃないので、都職員の話を聞いて、「〜だと思える」という感想を書きました。
まあ、違うのなら違うで、それでもいいです。どうせ私の説じゃないし。
都職員の話がどうのこうのは、あくまでオマケの話。
豊洲の件、もうそろそろ面倒臭くなってきた。真相究明は私の任ではないし、どうでもいいです。
結果が良かったので終わり良ければ総て良し
流石にこれは通らない
>とはいえ、途中の経緯がよく見えなくても、最終的には変な結果にはなっていなかったのだから、大騒ぎすることはなかった、と言える。
後の歴史家みたいな視点でモノを見るならば、今は口をつぐんで移転後に語られてはいかがでしょうか
>・・・「地下室にしろ」という方針を(案として)指示していたことになる。
石原君が言ったのは、「盛り土」の代わりに「コンクリート箱」を埋め、その上に「建物」を作る、というものです。「地下室」とは言っていません。
>2.地下室にしたのは「液状化対策だ」と都職員が告白した
>本日のテレビ朝日・・・
>・・・しかし、信用していいだろう。いかにも、もっともらしい。また、嘘をついたとも思えない。・・・
>ともあれ、この理由が真相だと思える。・・・
「テレビ朝日」の映像/音声は、建屋1階の重量制限の理由を築地施設の利用業者に説明をしているもので、下っ端?都職員は、制限の理由として「汚染対策として床の嵩上げ(2m足らず)をした」と述べています。「嵩上げ」は、地震で液状化が起こったとき、影響が建物に及ばないためだと詭弁し、高さが4.5mもある「地下室」には一切触れておらず、「地下室」を「嵩上げ」と誤魔化しています。都のこれまでのフォーマルな説明は、「地下室」は配管とその管理のためで、「液状化対策」には言及していません。
>最終的には変な結果にはなっていなかった・・・
あの「空洞」は存在理由が不明な「行政空白域」で、恥ずかしくて人には見せられない都の管轄空間です。これは「変な結果」です。
都は当初から経費削減のため、建物下の地下空間を考慮しており、
専門家会議に地下駐車場としての利用を諮問したが、人の出入りは危険と判断された。
専門家会議は敷地全体の盛り土を提示したが、建物に地下空間を設けることを、明確に禁止してはいなかった。
そこで、都は建物以外の敷地に盛り土し、建物の下には空間を作り、排水管を設置することを選択した。
今後は、再開された専門家会議で、建物下の空間でも、土壌汚染対策上問題なしとされ、
大山鳴動して鼠一匹(情報開示の不備で市場管理長の更迭?)となり、一件落着かな。
気分転換に、豊洲移転廃止後の利用方法を、考えてはどうでせうか。
以前提案した件は、
1.豊洲霊園(遺骨ならベンゼンで二度死ぬことはない)
2.ホスピスと斎場(豊洲霊園に埋葬で一貫処理完成)
3.福島の汚染水置き場(東電が泣いて喜ぶ)
これに追加して
4.豊洲発電所(原子力か火力かは、お好みで)
5.卸業者に無償譲渡(移転しないのなら賠償しろとうるさいから)
大賛成!
>4.豊洲発電所(原子力か火力かは、お好みで)
太陽光パネルもありますね。
新しい「移転先」も考えましょう。直ぐには思い浮かびませんが。
都心でなければならないのでしょういか。
海辺でなければならないのでしょうか。
普通にビルを建てればいいんですよ。もともと安全なんだから。
今回は、食品を扱うから、問題視されているだけ。普通に暮らすのなら、何の問題もない。都心部の排ガスの方が、よほど汚染されている。
土壌処理をしていないお台場のあたりだって、検査すれば、豊洲以上に汚染されていると判明するはずだ。
誰も逃げないけどね。
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まあ、何だったら、私に 10億円ぐらいで払い下げてください。そのあと、1000億円ぐらいで転売して、ボロ儲けできる。