2016年09月03日

◆ JC08モードの燃費偽装(?)

 三菱自動車の燃費偽装があったが、他にもある。JC08モードというものが、もともと燃費偽装みたいになっている。ハイブリッド車の公表燃費は、実燃費をはるかに上回る数値だ。(ゴマ化しふう)

 【 追記 】 新たな燃費測定方法が導入される予定。

 ──

 この問題は、前から何度も指摘されてきた。
 「ハイブリッド車の JC08モードの燃費は、実燃費に比べて、異常に良すぎる」
 換言すれば、
 「ハイブリッド車の JC08モードの燃費は、とてもいいが、実燃費は公式数値よりもずっと悪い」

 この問題は、三菱自の燃費偽装と同様だ。いや、むしろ、もっとひどい。三菱自の燃費偽装では、燃費の悪化率(乖離率)は 7%〜17%だった。
  → 三菱自は燃費でまた嘘
 しかるに、ハイブリッド車の悪化率(乖離率)は、はるかに上回る。17%どころではなくて、がくんと落ちる、というのが世評だ。
  → 実燃費はカタログの4割落ち、エコカーの実状 | 東洋経済オンライン

 では、どうしてこういうことが起こるのか?  JC08モードというものが、もともと不正確な計測方法を取るからだ。
 簡単に言えば、バッテリが満タンの状態で走行させて、バッテリで EV 走行しているのに、「ガソリンで走行しました」ということにして、ガソリンによる燃費率を示しているからだ。実際にはガソリンは使っていないのだが、「ガソリンで走行しました」というふうに偽装(?)するから、「0リットルのガソリンでいっぱい走りました。燃費は ∞km/L です。無から有を生み出します」なんていう永久機関みたいな話を混ぜるから、平均して、燃費が極端に良くなる。
 馬鹿げているね。

 この点、アメリカの燃費の測定法は、ずっとまともだ。偽装を許さない。


トヨタハイブリッドEPA燃費一覧
  車名 シティモード ハイウェイモード
 プリウス 21.68 km/L 20.4 km/L
 アクア 22.53 km/L 19.56 km/L
 プリウスα 18.7 km/L 17.0 km/L

→ 出典ブログ


 これは、実燃費とほぼ等しい値だ。(実燃費も同じ出典ブログに記してある。)

 ──

 結論。

 三菱自よりももっとひどいのが、( JC08モードの)ハイブリッド社の燃費数値だ。メーカーが偽装しているのではないが、国の測定法がずさんであるせいで、実質的には偽装と同様になっている。ひどいものだ。



 [ 付記 ]
 「ずさんさのせいで偽装(捏造)と同様になる」
 というのは、STAP 細胞の問題と同様だ。
 あのとき、STAP 細胞の問題を、「ずさんさのせいだ」と気づけば、真相を理解できた。なのに、「捏造だ、悪意がある」というふうに決めつけたから、真相を理解できなかった。
 あげく、今回は、「国のやることだから、悪意はない」と思い込んで、「だから捏造や偽装はない」と思い込む。しかし、悪意はなくても、ずさんさがあれば、結果的には、偽装(捏造)と同様になるのだ。
 かくて、真相に気づかないまま、ハイブリッド車のインチキ数値がまかり通る。ひどいものだ。三菱自の燃費偽装より、もっとひどい。



 [ 参考 ]
 似た例で、「クリーンディーゼルの補助金」というのもある。
 ハイブリッド車は、昔は補助金が出たが、今は補助金が出ない。EV 車や燃料電池車は、補助金が出る。これに混じって、クリーンディーゼルというディーゼル車にも、補助金が出る。「炭酸ガスを出す量が少ないので、環境に好ましいので、補助金を出します」というわけ。
 しかし、クリーンディーゼルというのは、偽装も同様だ。 JC08モードで測定中なら、排ガスは比較的クリーンだが、郊外モードで測定するときには、排ガスをクリーンにする装置を切るので、有害な排ガスがいっぱい出る。その量はガソリン車の排ガスよりも圧倒的に悪い。(ディーゼル車なんだから、当然だ。)
 こんなに環境に悪いものを普及させるために、補助金を出すというのだから、呆れてものが言えないね。
  → CEV補助金対象 最新車両(FCV)|次世代自動車振興センター

 ただし、補助金の金額は、EV 車に比べて、1桁少ない。そこだけは、救いがある。
 


 【 追記 】
 書いたあとで気づいたのだが、政府は新しい燃費測定法に切り替える予定である。読売・朝刊 2016-09-03 (紙の新聞)に詳しいが、ネット上にも同様の情報はある。
 《 燃費測定国際基準、前倒し導入を検討 18年 》
 国土交通省は2日、自動車の燃費測定の国際統一基準について、導入時期を2018年10月から前倒しする検討を始めた。三菱自動車が不適切な方法で燃費を測定した問題の背景に、現在の測定ルールのあいまいさがあると判断。よりルールが明確な国際基準の採用を急ぐことにした。
 燃費は、メーカーが走行試験をして計測した「走行抵抗値」をもとに、国交省の外郭団体が算出する。14年に国連の作業部会がまとめた国際基準「WLTP」は、「市街地」「郊外」「高速」など走行状況ごとに燃費を示すよう求めている。欧州で17年にも導入される見通しだ。
( → 朝日新聞 2016-09-03
 《 燃費試験「国際基準」…不正防止、18年採用へ 》
 国交省は年内に法令整備を終え、18年に国際基準に統一。20年ごろまでは現行の試験方法と国際基準による数値がカタログに併記されることになる。
 日本は現在、08年に導入した試験方法「JC08モード」を採用。ただ、エンジンが温まった状態でのスタートが可能なことなどにより燃費性能の数値が良く出る傾向にある。国際基準はエンジンが冷えた状態からスタートし、平均時速も24キロから36キロに上がるなど現実の走行に近づくため「日本の現行方式より燃費性能が低く出る傾向にあり、実際の燃費に近くなる」(国交省)という。
( → 毎日新聞
 《 燃費試験、国際基準に=18年から、実走行に近く 》
 国連の作業部会は14年、統一的な試験方法「WLTP」を考案。現在日本で使われている「JC08モード」に比べて走行距離が2倍に伸び、平均時速も約24キロから約36キロに上がる。
 エンジンが冷えた状態で始動し、荷物を重くするなど、より実際の走行環境に近いのが特徴だ。車速が 1.5倍になるため、ハイブリッドカーや軽自動車は燃費値が悪く出る傾向にある。
 日本では18年に導入され、21年ごろ完全に切り替わる見通し。他にEUが導入予定で、インドや韓国、中国も採用に向け準備を進めている。
( → 時事ドットコム


posted by 管理人 at 10:04| Comment(1) | エネルギー・環境2 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
 最後に 【 追記 】 を加筆しました。
 タイムスタンプは 下記 ↓
Posted by 管理人 at 2016年09月03日 13:03
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