2016年08月31日

◆ 2016年 台風 10号の被害

 2016年 台風 10号は、超大型であったわりには、被害規模はあまり大きくなかった。

 ──

 被害にあった方にはお悔やみを申し上げるが、客観的に言うなら、日本全体では被害はあまり大きくなかった。台風自体は超大型であったのだが、被害はあまり大きくなかった。なぜか? それは、次の図を見るとわかりやすい。(6番)



 岩手県の東岸をかすめるようにして、下北半島を斜めに縦断し、津軽海峡を抜けて、日本海側に進んだ。
 つまり、一番被害が大きかったのは、下北半島と津軽海峡という、人家のほとんどない地域だった。
 それに次いで、岩手県東岸と、北海道南部に被害があったが、せいぜいそのくらいで済んだ。
 特に岩手県東岸は、被害が直接の降雨だけで済んだ。換言すれば、内陸部の豪雨が河川を氾濫させながら下流域を襲うということはなかった。(内陸部には豪雨がなかったからだ。)……これは、かなりラッキーなことだった。直接の豪雨で、路道路が冠水した地域はいっぱいあったが、せいぜいそのくらいで済んだのだ。昨年の鬼怒川のように、上流から多大な水が押し寄せて、その水が氾濫したせいで被害にあった、ということはなかった。
 要するに、台風そのものは超大型であったにもかかわらず、その豪雨の降る地域はうまく海上などを通過してくれたので、被害は大幅に少なくて済んだのだ。

 【 注記 】
 以上についての根拠は、上の図ではない。上の図(6番)は、たまたま見つかったので、自分で描くかわりに利用しただけだ。本来ならば、私が自分で描こうと思っていた図だ。
 私が根拠にしたのは、昨日の降水量の変遷を示す動的な図だ。それは、下記にあった。
  → http://weather.yahoo.co.jp/weather/raincloud/

 このページには、過去のデータは残らず、常に最新のデータに更新されてしまう。だから、リアルタイムで見るしかない。
 で、昨日は、リアルタイムで見ていたら、豪雨の降っている地域(黄色や赤色の地域)が、上記の図の矢印(6番)のようなコースを通っていた。つまり、豪雨の地域は、図のように移動していったのだ。
 上記の図そのものは、台風の中心を示す図だが、その図がちょうど、豪雨の地域の図でもあったわけだ。(当り前だとも言える。)
 ともあれ、私が昨日、リアルタイムで確認したので、台風 10号の豪雨の地域は、上の図の矢印(6番)のようであると明言できるわけだ。

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 さて。話は変わって。
 「被害は少なくて済んだ」と言ったが、実際には、「9人死亡」という例もあった。
  → 9人死亡のグループホーム、流木が建物に News i
  → 東京新聞:施設高齢者ら9人死亡 岩手など豪雨で浸水や決壊)
  → 9人死亡の岩手・岩泉町、避難指示・勧告出さず - 産経ニュース

 動画を見ればわかるように、これはただの人災である。自然災害というべきではない。
  ・ 川のすぐそばに建物を建てた。
  ・ その建物は平屋であった。(2階に逃げられない)

 これはつまり、「台風で川が氾濫すれば必ず死ぬ」という状況を用意しておいたわけだ。で、台風で川が氾濫したら、予定通り、土砂が1階に押し寄せて、9人が死んでしまった、というわけだ。
 これは、自然災害というより、自然災害を利用した殺人であるにすぎない。(未必の故意)
 いや、「台風が来る」という危険が通知されていたのに、あえて退避を拒んだ(すぐそばに3階建ての建物があるのにそちらに移動しなかった)ことからして、故意の殺人であるとも言える。それに似た指摘もある。
  → 岩手・高齢認知症施設で9人の遺体 台風10号で避難しなかったのか

 ま、「助けるくらいなら、見殺しにした方がマシだ。運ぶのは面倒臭いし」と思っていたのだろう。で、その意図の通り、まさしく死んでしまった、というわけだ。
 これはただの人災だ。

 ──

 では、このような人災を避けるには、どうすればいいか? 
  → 厚労相、9人死亡で「避難できなかった原因検証」 - 産経ニュース
 政府は「原因検証」なんて言っているが、いちいち調べるまでもない。上の動画を見れば明らかだ。こんな「川のそば」という危険地域に、介護施設を設置するのを許すべきではないのだ。
 むしろ、こんな危険地域には「居住禁止」「建築禁止」に準じた規制をかぶせるべきだ。一般住居はともかく、介護施設などを認めるべきではない。(公的資金を出すべきではない。)

 ちなみに、現場が「川のそば」というのは、動画でもわかるが、Google マップでもわかる。



 川のそばですね。
 で、こんな危険な地域(川のすぐそば)ではなくとも、もっと下流には安全な場所がいくらでもある。



 このあたりなら、広い田畑があるし、川からかなり離れた地点に建物を建てることもできる。川が氾濫したとしても、水が届いたときの水位は低くて済む。土砂も押し寄せない。だから、死ぬ可能性はずっと低くなる。どうせなら、こういう安全な土地に建物を建てるべきだった。(ちょっと盛り土すれば、いっそう安全となる。)

 もうちょっと下流側には、海に近い市街地がある。このあたりに立地することもできる。



 とにかく、元の施設から 10km も離れていないところに、安全な場所はいくらでもあるのだ。(そのほとんどは田畑だ。)だから、そういう安全なところに立地すればいい。
 何も、よりによって、わざわざ危険な山間の川沿いに立地する必要はなのだ。こんなところに介護施設を設置するなんて、自殺行為だ。いや、他殺行為だ。馬鹿げている。さっさと禁止するべし。



 【 参考図 】


 TBS テレビの画像から。( → 出典

rakun.jpg

 左上の「上空」という文字のすぐ下にある、水色の屋根の平屋が、被害の建物。
 川のすぐそばにあることがわかる。そばには3階建ての建物があることもわかる。
 


 【 追記 】
 新聞報道によると、どうも、経営者はわざと川沿いの危険な土地を選んだようだ。なぜなら、そういう危険な土地は、誰も住みたがらないので、土地が格安だからだ。金儲けには最適だ、というわけだ。
 で、介護老人をそういう危険なところに住ませて、自分はちゃっかり安全な土地に住む。これでボロ儲け……という魂胆だ。
 行政側が規制しないと駄目だね。「危険な土地は介護施設としては認定しない」というふうに。
 現状は、行政の怠慢だ。

 ついでだが、遺族は経営者に対して、莫大な補償金を要求するべきだろう。また、警察や自治体は、「業務上過失致死」で、経営側を捜査・逮捕するべきだろう。放置するのは、甘すぎる。明らかに故意の犯罪だからだ。
( ※ 所長は「増水は予想できなかった」と言っているが、見え透いた嘘だ。台風が来ることは事前に予告されていたからだ。)



 【 関連項目 】

 今回の事例と似たような事例があったな……と思ったので、過去記事を調べたら、次の記事が見つかった。
  → 震災対策を水害に生かせ ( 2011年09月05日 )

 2011年09月の台風12号で、和歌山・奈良で発生した水害だ。
  → 2011年09月 台風12号 水害 - Google 検索
  → 2011年9月台風12号 奈良県天川村坪内地区水害について
  → 紀伊半島水害・台風12号 (PDF)

 被害の場所はここ。



 これもまた山間の川沿いだ。被害が起こる場所はこういう危険な場所なのだが、どれほど被害が繰り返されても、なかなか人はそこから出ていかない。困ったことだ。自殺志願者みたいなものか。



  【 続編 】
 本項の続編があります。次項と次々項です。
  → 2016年 台風 10号の被害(原因)
  → 川沿いの危険地は居住制限せよ
 
posted by 管理人 at 20:20| Comment(2) |  地震・自然災害 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
 最後に 【 関連項目 】 を加筆しました。
 タイムスタンプは 下記 ↓
Posted by 管理人 at 2016年08月31日 23:09
川のそばに住むのは山間部ではそこだけが平地であることと水源の近くであることになります。
斜面に住むと洪水には巻き込まれませんが、非常に不便です。なかなか難しい問題だと思います。
Posted by 京都の人 at 2016年09月04日 17:59
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