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世間の見解
そもそも、生前退位を認めるかどうかについては、世間の意見は「認める」でほぼ一致している。
一部には、反対論者もある。だが、それは、「生前退位を認めない」ということではなくて、「天皇の政治介入を認めない」ということだけだ。
ただし、これは誤解だ。「政治介入」というときの「政治」とは、「国民への政治」という意味だ。天皇に限って当てはまるような制度は、国民への政治ではないから、天皇が政治介入するということにはならない。だいたい、こんなことまで「政治介入だ」なんて言って、自分自身のことまで決められないとしたら、食事の上げ下げまで決められなくなってしまう。馬鹿馬鹿しい。というわけで、天皇個人に関する法的制度は、「政治」とは言えないし、天皇がそれに言及するとしても、「政治介入」とは言えない。
参考までに、Wikipedia から援用しておくと、大辞泉からの孫引きとして、政治とは、「主権者が、領土・人民を治めること」であるそうだ。( → 政治 - Wikipedia )
私の見解
私の見解を示そう。
(1) 労働基準法違反
天皇が高齢ゆえに勤務したくないという意思をもっているとき、その意思に反して、強制的に天皇の仕事を勤めさせることは、「意思に反する労働」を強制することになる。これは、労働基準法違反だろう。
労働基準法 第5条(強制労働の禁止)
使用者は、暴行、脅迫、監禁その他精神又は身体の自由を不当に拘束する手段によって、労働者の意思に反して労働を強制してはならない。
( → 強制労働の禁止 )
憲法第18条
何人も、いかなる奴隷的拘束も受けない。又、犯罪に因る処罰の場合を除いては、その意に反する苦役に服させられない。
( → 強制労働の禁止 )
これらの条文が、天皇制にも当てはまるかどうかについては、議論の余地がある。しかしながら、発想としては、労働の強制があっていいはずがない。ゆえに、天皇が「仕事をしたくない」と言ったなら、その言い分を認める必要がある。さもなくば、天皇は基本的人権のない奴隷だということになる。そして、奴隷については、憲法で禁じられている。
(2) 言外の意(つらさ)
この「お言葉」を字義通りに読むだけでは足りない、と私は考える。つまり、「言外の意」を読み取るべきだ、と考える。
では、「言外の意」とは? それは、天皇の個人的な、肉体上の苦痛である。この年齢になると、体のあちこちにガタが来ているだろうし、関係者によると「満身創痍だ」と言える状態だそうだ。( → 出典 )
実際、(心臓疾患を含む)さまざまな大手術を受けてきたことが報道されてきた。その内容は、個人的な医学情報になるので、ここでは詳らかに記さないが、調べればすぐにわかるように、大変な病歴がある。
→ 朝日新聞記事(一部の病歴など)
このような病歴があり、かつ、高齢だとすれば、普段から全身に痛みが出ていたとしても不思議ではない。また、痛みがないとしても、歩いたりするだけでも、大変な苦労があるだろうと推定される。
だから、天皇陛下が「自分は肉体的につらくて仕方ないんだ」と言わないとしても、その言外の意を汲み取るべきだと思う。それが国民の思いやりというものだ。
(3) 気持ちの尊重
この「つらさ」というものは、天皇の個人的なものだ。だから、他人には感知できない。しかしながら、いくら個人的なものであっても、それは本人にとっては最重要な事柄だ。それを尊重するべきだ。
「そんなことは当り前だ」
と思うかもしれないが、違う。今日の朝日新聞には、まったく正反対の意見が掲載されていた。
《 「お気持ち」切り離し議論を 》
今後この問題は国会などで議論されることになるでしょうが、そこでは、天皇の「お気持ち」を持ち出すことは厳に排除されなければなりませんそれは、天皇の影響力を国政に及ぼさないためであると同時に、天皇の「お気持ち」が切り札となることによって、議論がショートカットされるのを許さないためでもあります。
生前退位を認めるのか。認めるとすればどんな条件をつけるのか。制度設計の議論にあたり、世論も含めた政治プロセスの中から天皇の「お気持ち」を切り離し、国民が自律的・理性的に判断をする。それによって国民主権原理が貫徹されることになるでしょう。
( → 西村裕一さん:朝日新聞 )
あくまで国民本位で考えるべきだ、という発想だ。これは、共和制(君主を否定する発想)の発想では当然だが、天皇制や王制を名目的に有する国には不適だというしかない。日本は共和制の国ではないのだ。象徴天皇制の国なのだ。上記の論者の言い分を貫徹するのであれば、それはただちに天皇廃止に行き着く。ほとんど暴論だ。
私の考えでは、上記の見解と正反対にすればいい。つまり、天皇の個人的な「お気持ち」を最優先にするべきだ。なぜか? 職業選択の自由という基本的人権を守るためだ。基本的人権は国家の都合に優先する。それが近代の民主主義の発想だ。
上記の学者の主張は、「基本的人権よりも国家の都合が優先する」というもので、ほとんど戦前の政治体制の発想に近い。非民主的だ。
すでに述べたように、天皇の健康状態は危機的なものだと推定される。このような状況では、「やりたくない」「やめたい」という個人の気持ちを最優先するべきだろう。
(4) すぐに
生前退位を認めるとして、その時期はいつにするか?
新聞報道によると、「有識者会議を経たあとで、国民の議論を広く集めて、じっくり議論するべきだ」という見解が強い。また、その方針に従った場合、「数年の時間がかかるだろう」ということだ。( → 朝日新聞 )
しかし、これでは遅すぎる。私の予想では、「天皇の生前退位を認める」という法律が成立するのは、天皇の死後だ。(崩御のあとだ。)……呆れるしかない。世界の物笑いだ。「グズグズしているせいで間に合わなかった」という見本。
で、どうしてこうなるか? 実は、民進党や共産党など、リベラル系の野党は、「天皇の意思を尊重して、ただちに生前退位を認める」という方針のようだ。
民進党の岡田克也代表は、長崎市で記者団に、「陛下のお気持ちが示された以上、しっかりと応えていく必要がある」と述べた。政府と並行して国会でも議論する必要性を指摘し、党内に議論の場を設ける考えも表明。「時間をそう長くはかけず、国民的合意を取り付けていくべきだ」と強調した。
共産党の志位和夫委員長は東京都内で記者会見し、「高齢によって象徴としての責任を果たすことが難しくなるのではないかと案じるお気持ちは理解できる。政治の責任として生前退位について真剣な検討が必要だ」と語った。
( → 生前退位の議論、与野党前向き:朝日新聞 )
ではなぜ、野党が積極的なのに、法制化に時間がかかるのか? もちろん、論理的に明らかだ。保守である自民党が反対しているからだ。「何でも現状維持。改革は反対」という伝統主義だ。この記事でも、
閣僚経験者はビデオメッセージを見て、「陛下は、摂政での対応は想定されていないのだろう」と受け止めた。「(生前退位に)反対する国民はいないのでは。では。ただ、政治利用による退位などを避けるため、今回限りにした方がいい」とし、「どんな制度改正が必要なのか早急に考えなければならない。場合によっては憲法改正が必要になるかもしれない」と指摘した。
という調子で、「今回限りにした方がいい」とか何とか、やたらと(理不尽な)制約を加えたがっており、やる気がないのが見え見えだ。
要するに、天皇の意向に反対する抵抗勢力が、自民党なのだ。国賊と言ってもいいね。呆れる。
[ 余談 ]
とはいえ、「国民をブラック労働漬けにしてしまえ」というのが安倍自民の方針なのだから、「天皇陛下もブラック労働で」という方針だと理解すれば、首尾一貫していることにはなる。
摂政は現憲法にも明文規定がある。皇室典範は読んでないがおそらく詳細な規定があるだろう。
むしろなぜこの制度を昭和天皇が危篤になったときにも使わなかったか、そして今もなぜ使おうとしないのか疑問。
きちんと読みましょう。
「天皇が,精神・身体の重患か重大な事故により,国事行為をみずからすることができないとき」
と規定されています。高齢は理由になりません。
なお、単に高齢で摂政が出てくるということは、「天皇は仕事をサボる」という意味です。しかし、天皇本人の意向として、「仕事をサボる」というようなことはしたくない、という気持ちがお言葉に窺えます。お言葉をきちんと読みましょう。
天皇陛下の気持ちは、「現状の規定があるうちは、摂政に任せてサボるつもりはない。老骨に鞭打って仕事をする。たとえそのせいで死ぬとしても」ということが窺えます。
本人が「サボるつもりはない」と言っているのに、「法律を無視して、違法にサボればいいのに」というのは、無責任すぎます。
> なぜ使おうとしないのか疑問。
読めばわかるのに、読まないから。
天皇としての職務をこなせないならばその地位にいるべきではない、とお考えの様だ
取り立てて皇室に思い入れが無い私でさえも心を打たれました
その説明ではこっちについての疑問は解消されません。
あとそんなに忙しいならなんで、当時(昭和天皇が危篤になった時)摂政もおかずに業務が回っていたかとか。今やってる仕事は本当に必要な仕事なのかとか。
>天皇本人の意向として、「仕事をサボる」というようなことはしたくない、という気持ちがお言葉に窺えます。
nuvolariさん
>これ以上国事行為を減らす事さえも拒否している様ですね
南堂さんは天皇を労働者にたとえてますが(労働基準法をもちだすということはそういうことですよね)
そのたとえが成立するとして、その場合天皇の直属の上司は内閣ですよね。(「内閣の助言と承認」という憲法上の規定より)さらにその上に国民が株主、国会は株主総会?
ならばその直属上司が「仕事を減らせ」もしくは「休め」と命令したなら、その命令には従う必要があるものと思います。「お気持ち」は関係ありません。
「お前過労死直前だから休め」
「いやです。この仕事を終えるまでは」
みたいなもんでしょうか?
>「天皇が,精神・身体の重患か重大な事故により,国事行為をみずからすることができないとき」
>と規定されています。高齢は理由になりません。
生前退位やる場合にしても皇室典範の改訂が必要になります。
摂政の規定に高齢をつけくわえるほうが簡単です。
>(生前退位に)場合によっては憲法改正が必要になるかもしれない
本当に必要かどうかアレですが、摂政ならその必要がないのは明白です。
そんな滅茶苦茶なことを言って、右翼に指弾されても知らないぞ。
天皇の上司は、国民全体および憲法です。少なくとも天皇の意識はそうだ。
内閣? ただの部下でしょうが。どっちが偉いかも知らないの?
あまりにも初歩的な質問が続くので、付き合いきれん。まずは初歩知識を調べてから書いてください。
> 摂政の規定に高齢をつけくわえるほうが簡単です。
せめて、天皇陛下の「お言葉」を読んでから書き込みましょうね。子供じゃないんだから。
>直属上司が「仕事を減らせ」もしくは「休め」と命令したなら、その命令には従う必要があるものと思います。「お気持ち」は関係ありません。
「お前過労死直前だから休め」
「いやです。この仕事を終えるまでは」
みたいなもんでしょうか?
その通りだと思いますが、「仕事を減らせ」もしくは「休め」という命令は憲法や法律に基づいて出される必要があると思います。今の法律ではそうできないのではないかと考えます。
政令レベルで可能なことなのか、皇室典範の改正が必要なのか、私には判断できませんが。
ただ、たとえ話でいえば、「社長は高齢なので副社長に任せて」よりも、「社長は高齢なので副社長に社長をかわって」の方をご自身が望んでおられるようには思います。
日本では戦前まであった華族・士族も廃止されたことだし、カースト制度のあるインドでさえも憲法でカーストによる差別を禁止し、君主制ではなく共和制をとっているんだから、日本も君主制を廃止して、イタリアとかアメリカとか台湾みたいな国民が大統領を選ぶ共和国になるべきだと思います。
国民投票で王制を廃止し共和制に移行したギリシャやモルディブのように、日本でも天皇制の是非を問う国民投票を実施すべきだと私は思います。
日本州
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日本をアメリカの州にしてはどうか?
http://mainichi.jp/articles/20160506/k00/00e/030/121000c
>トランプ氏:「米軍駐留費、全額負担を」…共和指名確定 - 毎日新聞
>米軍駐留費全額負担
このような事態に対応する方策として次の手段が考えられます。
日本をアメリカの州にする
本方策の方針は以下の通りとなります。
日本をアメリカの州にする。
これにより、日本における米軍の駐留をアメリカの自国内という位置づけにする。
これにより、「米軍が駐留する同盟国」というトランプの主張の前提を打ち消す。
これにより、「米軍駐留費全額負担」の回避を原因とする、日本に駐留する米軍の撤退という事態を回避する。
加 盟
これが本方策のコンセプトです。
第三次世界大戦は既に始まっていると考えて行動しましょう。
pdf版(*^ヮ゚)σ:http://www.geocities.co.jp/WallStreet/7659/sjp/statements/sjp20160815a.pdf
m9(゚∀゚)Идиот!> номенклату́ра
נומנקלטורה עמלק
Ceterum autem censeo, Nomenklaturam esse delendam.