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シン・ゴジラは大人気のようだ。ネット上でも話題になっている。そのうち、特に次のページが興味を引いた。
→ 空想特撮映画「シン・ゴジラ」が“マジ庵野”だと話題に
このページに、次のツイートが引用されている。
【シン・ゴジラ 鑑賞前の気持ち&イメージ】
— ぱっど (@eppadappe) 2016年8月1日
(日本の)ゴジラが大スクリーンで暴れ回るのを観られるとか超久しぶりだな!!!ゴジラガンガン暴れろ!!ぶっ壊せー!!! pic.twitter.com/CtpxQ3KSAf
【シン・ゴジラ 鑑賞後の感想&イメージ】
— ぱっど (@eppadappe) 2016年8月1日
ぅゎゴジラこゎぃ pic.twitter.com/ROCUKRIEhK
シンゴジラもう見た人なら分かってくれると思うけど普段怪獣映画みてると火吹いたり暴れたりすれば『やっべ???!』みたいにテンション上がるだけなんだけどさ、この映画に限ってはゴジラ出るたびに『早く死んでくれ………早く死んでくれ………』って震えながら観るかんじですよね
— もりそば大明神 (@morisobamyojin) 2016年7月31日
シンゴジラ観てる最中の私と姉ずっとこうでした pic.twitter.com/nVa8WftcwB
— 黒川 (@caldo_0) 2016年7月31日
さらに、 twitter 検索で検索すると、「怖かった」という感想がたっぷりと見つかる。
→ ゴジラ 怖い - Twitter検索
→ ゴジラ 怖かった - Twitter検索
いくつかを抜粋しよう。
ゴジラを応援できないくらい今回怖いんですよ、早く死んでくれ...早く...早く...ってなる。
— しょたろだよ。 (@Om0ti) 2016年8月2日
シン・ゴジラ良かった。なんで感動したのかわからないけど2回ぐらい泣きそうだった。あんまり映画のキャラを怖いと思ったことない自分にも、ゴジラがやけに怖くて、そのゴジラに人間が一生懸命抗ってる感じが良かったのかな。
— ksk_muda (@ksk_muda) 2016年8月2日
ゴジ…ゴジラ見てきた、凄く良かった、ゴジラをゴジラ映画という意味で使うならシン・ゴジラ、正にゴジラだった、畏怖すべき愛すべき怪獣が正に正にいた、怖かった、凄みのある映画という一言しか今思いつかないや、あー; pic.twitter.com/Iv1DC7G3Qp
— 墨佳大明神 (@sumiyoshi0201) 2016年8月2日
【250RT】庵野版「ゴジラ」に最敬礼!長谷川「圧倒された」竹野内「一生の思い出」石原「怖くて震えた」 https://t.co/uJF2w8xH7I #映画 #eiga pic.twitter.com/RkxCVhGfIw
— 映画.com (@eigacom) 2016年7月29日
ともあれ、「怖い」「怖かった」という感想がいっぱいある。
この「怖かった」とか「未知の体験」とかは、何かに似ている。では、何に?
「初代ゴジラに出会ったときの初めての体験に似ている」
という見解もある。下記だ。
→ 超映画批評「シン・ゴジラ」90点(100点満点中)
そうかもしれない。しかしそれは、「未知のものに触れた」という感覚だろう。一方、人々が「怖かった」と感じるのは、もっと生理的なものだ。オバケとか猛犬とかに出会ったときに感じるのと同様の、生理的な怖さだ。
では、それは、どこで体験したか?
そう思って考えると、これは、「進撃の巨人」を初めて見たときの感覚に似ている、とわかる。「進撃の巨人」は、何度も見るうちに、感覚が麻痺してしまって、怖さは感じなくなってしまうだろう。しかし、最初にこれを見たときには、すごい「怖さ」や「不気味さ」を感じたはずだ。
それは、「遠くの方でモンスターが暴れる」というような怖さではなくて、「間近に迫ってきて、(見ている)自分を食ってしまう」と感じるような怖さだ。
そして、その怖さは、「シン・ゴジラ」と「進撃の巨人」に共通する。
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ここまで来ると、私としては、次のように評価したい。
「今回のシン・ゴジラは、ゴジラ市場の最大の傑作として評価が高い。しかしそれは、庵野総監督の独創性にすべてを依拠しているのではない。進撃の巨人のアイデアが大きく影響したのだ」
もし「進撃の巨人」という作品がなかったとしたら、今回の「シン・ゴジラ」は今のような「怖い」という感じのものにはなっていなかっただろう。むしろもっと別の作品に似たものになっていただろう。ハリウッド版ゴジラとか、エヴァンゲリオンとか。
その意味で、「進撃の巨人」という作品は、シン・ゴジラに大きく影響したと言える。もちろん、シン・ゴジラは「進撃の巨人をパクった」というような単純なものではないのだが、「影響を受けた」とか「インスパイアされた」とかは言ってもよさそうだ。
その意味で、今回の事例は、「後発作品が先発作品の影響を受ける形で、レベルアップする」という事例の一つだと見なしていいだろう。
[ 付記 ]
ついでだが、進撃の巨人だって、別に、独創性があるというわけじゃない。キングコングやウルトラマンみたいなものだし。また、立体機動というのは、スパイダーマンのパクリみたいなものだし。
芸術作品というのは、先行作品から影響を受けることは、しばしばある。別に、悪いことではない。
人類史上の最高傑作とされる文学作品の「リア王」や「ファウスト」だって、先行作品から大きく影響を受けている。ストーリーの骨格部分は、半分パクリと言ってもいいぐらいだ。
というわけで、影響を受けたということで、めくじらを立てるつもりはない。どちらかと言えば、「シン・ゴジラを見たら、進撃の巨人を褒めてあげてください」というようなつもりだ。
[ 余談 ]
「シン・ゴジラ」の「シン」という言葉の意味もわかる。これは「進撃の巨人」の「進」を意味しているんだよ。つまり、「進・ゴジラ」だ。 (^^);
→ http://sow.blog.jp/archives/1059877707.html
映画の内容を一部抜粋するテレビ番組。ゴジラの映像もある。
→ https://youtu.be/Rlfd1wd_CIc
ネタバレっぽいところがあるので、見る予定のある人は、前もって見ない方がいい。