2016年07月27日

◆ 大量殺人と自己嫌悪

 相模原の大量殺人は、他人を憎むというより、自己を憎むこと(自己嫌悪)が原因だったかもしれない。

 ──

 犯人は障害者に関して、否定的な言葉を語っていたという。「死ね」というような言葉。次のように。
  → 「障害者は生きていても無駄」「安楽死したほうがいい」
  → 「障害者は生きていても意味がない」
  → 「障害者なんて、生きる意味なくないですか」
  → 『障害者なんて死ねばいい』

 これに対して、「障害者を冒涜するな」というような批判の声が起こっている。だが、待ってほしい。よく考えれば、上記の発言は根本的におかしいとわかる。
  ・ 本人は障害者の施設で、障害者を助ける仕事をしている。
  ・ 本人自身が精神障害者である。


 この意味で、彼の発言を「他者攻撃」と見なすのは妥当ではない。
  ・ 仮に障害者がいなくなったら、自分も失業する。
  ・ 精神障害者を否定したら、自分自身を否定することになる。


 だから、彼の攻撃は、ヒトラーがユダヤ人や障害者を攻撃したような「他者攻撃」ではない。では、何か? 

 ──

 上のことから論理的にわかるのは、これは、「他者攻撃」であるどころか「自己攻撃」である、とわかる。つまり、彼が障害者を批判しているときは、外部の障害者を批判しているというよりは、自分の内部にある障害者としての性質を攻撃しているのだ。
 これは、「自己嫌悪」とも言える。

 では、自己嫌悪の対象が、どうして自分自身に向かわず、他者に向かうのか?
 このことは、不思議に思えるかもしれない。しかし、精神医学的には、このことは不思議ではない。このことは「投影」または「自己投影」という言葉で、類型的に認識される。
 要するに、自分のなかに許しがたい形質を見出したときは、自分自身を攻撃するかわりに、それと同等の形質をもつ他人を攻撃したがるのだ。
 
 ──

 今回の犯人について分析するなら、次のように考えられる。
 「彼の内部で、内なる精神異常がどんどん膨張しつつあった。これまでは十分に制御可能だったのに、自分には制御不能なほどに異常性が暴走しつつあった。何としても、こいつを抑制したい。しかし、抑制できない。まるで他人のように、制御不能な形で、勝手におれさまを支配しようとする。こういう異常なものを押しつぶしたい。こいつを殺したい」


 とはいえ、自分で自分を殺すことはできない。そこで、「精神異常者などは生きる資格はない」と語ることで、自己の内なる精神異常性を押しつぶそうとした。自分のなかの他人を殺すかわりに、他人のなかの異常性を、他人もろとも殺そうとした。
 要するに、自分のなかにある狂気を殺したいので、狂気のある他人を殺そうとしたのだ。

 以上のことは、もちろん、論理的にはおかしい。まともな人間ならば、そんな論理は取らない。しかし、統合失調症っぽい人ならば、そういう論理を自然に取れる。かくて彼は犯行に走った。

 ……というのが、私の分析・診断だ。

 《 注記 》

 このように理解した場合にのみ、彼が犯行前に予告したことも、犯行後に自首したことも、ともに理解できる。この行為は、一種の自己破壊なのだ。
 自己嫌悪ゆえの自己破壊。……こう解釈した場合のみ、すべては整合的に理解される。
 単に「他者攻撃」と理解した場合には、結果的に自己の人生を破綻させること(予告や自首)を理解できない。



 [ 余談 ]
 上に、私の分析・診断を記したが、これは医師法違反にならないか?
医師法第20条 医師は、自ら診察しないで治療をし、若しくは診断書若しくは処方せんを交付し……てはならない。
( → 医師法

 私は、犯人を自ら診察してないので、(診察なしで)勝手に診断すると、上記の医師法に反するように思える。しかし、大丈夫。
  ・ 私は医師ではない。
  ・ 私は、治療もしていないし、診断書も交付していない。

 したがって、医師法違反にはなりません。 (^^)v



 【 追記 】
 では、どうすればいいか? 対策は? 
 それは、前項に記してある。要するに、制度的な欠陥があるから、制度を改正すればいい。
 では、制度的な欠陥とは? その根本は、次に二つの矛盾だ。
  ・ 加害性のある精神異常者は、強制的に措置入院。
  ・ 精神異常者は、罪を免責する。

 この二つはたがいに矛盾する。
 そして、今回の犯人は、強制的に措置入院したあとで、短期的に退院となり、そのときに罪を免責されたまま、解放された。……ここが根源的な問題だ。
 
 だから、加害性のある精神異常者(犯罪実行済み)については、措置入院と監獄入りのどちらかを課すればいい。
 なのに、現状は、そのどちらも免責される。
  ・ 監獄入りは、精神病者だとして、免責される。
  ・ 措置入院は、治癒したとして、免除される。

 ここには明らかに制度的な欠陥がある。この制度的な欠陥を是正することが必要だ。
posted by 管理人 at 21:40| Comment(2) | 一般(雑学)4 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
 最後に 【 追記 】 を加筆しました。
 タイムスタンプは 下記 ↓
Posted by 管理人 at 2016年07月28日 00:04
 本日 28日 のニュースから。
 以下、一部抜粋。

  ̄ ̄

 「措置入院」制度 厚労省が見直し検討:
  現状では、解除後に患者を継続して見守る制度にはなっておらず、行政機関の体制や、医療と福祉の連携の仕組みを築く必要があるとの指摘が専門家から出ている。 
 → http://www.sponichi.co.jp/society/news/2016/07/28/kiji/K20160728013051170.html

 植松容疑者、措置入院中「ヒトラー思想降りてきた」:
  2月の措置入院中、医師に「ヒトラーの思想が2週間前に降りてきた」と話していた
 → http://www.nikkansports.com/general/news/1685570.html
Posted by 管理人 at 2016年07月28日 11:55
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