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東京都知事選の話題で、東京五輪の予算の検証がなされている。読売新聞・朝刊 2016-07-24 に詳しいが、ネットにはないので、引用しづらい。捜してみると、毎日新聞 2016-07-20 にも同趣旨の記事があった。これを引用しよう。
初めに要旨を言うと、本来は国の負担となるはずだった費用(仮設施設の分)が、東京都に押しつけられるせいで、東京都に莫大な負担が降りかかりそうだ、ということ。
《 五輪経費、膨らむ負担 1兆8000億円の試算も - 》
2020年東京五輪・パラリンピックを巡り今年3月、政府、大会組織委員会、都の代表が集まった。招致時の合意で競技会場は大会期間中だけの「仮設」を組織委、終了後も活用する「恒設」は都が整備費を負担するはずだったが、元首相の森喜朗組織委会長は主張した。「無理がある。定義もよく分からない」。費用分担は見直されることになった。
都の負担は恒設整備費と既存移設の改修費で既に2241億円に上っている。このほか新国立競技場整備費の一部約400億円や会場周辺と街頭の警備費支出が必要。都は3870億円の開催準備基金を積み立てているが、仮設もとなれば簡単に使い果たしそうだ。
東京大会開催にかかる経費は招致時、施設整備費も含め総額7340億円とされた。しかし、12年ロンドン大会は約4兆円、08年北京大会は約4兆3000億円を費やしたとの試算もあり、あり得ない数字だった。公にされていないが関係者によると、東京も約1兆8000億円との試算が出ている。
都の負担増は確実に現実味を帯びる。そこには都の懐具合への期待がある。人だけでなく企業も集積する都は税収が5兆円余(今年度予算)。国側からも「招致したのは東京都」と突き放す声が聞こえ、ある都幹部は「当事者責任はある」と苦渋の表情で語る。
( → 首都の未来は:毎日新聞 2016-07-20 )
読売も同趣旨だが、こちらは数字が2兆円に跳ね上がっている。事例もある。
(費用は)関係者の間では「2兆円」との見方も出ている。
海の森水上競技場は当初、69億円だったが約 1000億円に跳ね上がることがわかった。その後の見直しで、491億円に圧縮された。
( → 読売新聞 2016-07-24 )
当初予算に比べて、15倍になるはずだったのが、圧縮されて、半分以下の7倍に収まった。「ほう。よかったですね。お安いですね。だから全額払ってください」というわけ。……まるでテキ屋か詐欺師だね。
で、なぜ東京都に押しつけるかというと、こうだ。
スポンサー収入などに頼る組織委は経費増に対応できず、森喜朗会長は「都が承知したオリンピック。都が競技会場を用意するのが第一義だ」と負担割合の見直しを求めた。
( → 読売新聞 2016-07-24 )
組織委は「大半をスポンサー収入でまかなうので、国民には負担はかけません」と言って、勝手に莫大な予算の大風呂敷を広げておきながら、いざとなったら、「実はスポンサー収入がありません」と言って、負担を放棄する。その負担の分を、東京都に丸投げする。
かくて、東京都が、本来はスポンサーまたは組織委の支払いになる分を、押しつけられる。いわば、放蕩息子が勝手に浪費したあとで、請求書だけがこっちにやって来る、というようなものだ。

で、その額は? 1.8兆円〜2兆円のうちの大半になりそうだ。下手をすると、1.5兆円ぐらいを押しつけられる。そうでなくとも、1兆円ぐらいは押しつけられる。
こうなると、東京都は一挙に財政破綻しかねない。
※ 読売の記事によると、「総額はいまだに見えてこない」
とのことだ。下手をすると、総額3兆円になるかもね。
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こういう状況なのに、今回の知事選では、保守系2候補は能天気だ。「五輪成功」をスローガンにするだけで、コスト削減については何一つ言及していない。小池候補はかろうじて「五輪関連予算・運営の適正化」と述べているが、この1行だけだ。コスト削減という方向性は明示されていない。
鳥越候補だけは、コスト削減の方向性を出している。(本人というより、民進党の政策だろうが。)
ムダをなくしつつも、平和の祭典としての五輪を成功させます。
( → 鳥越俊太郎公式サイト )
と述べたあとで、「五輪のコストカット」というイラストを掲げている。あまり詳しくはないが、一応はぎりぎりで合格点だ。
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だが、本当は、いずれの候補も駄目だ。正しくは、こうだ。
(1) 五輪の予算を大幅に縮小する。
(2) 先に費用総額を決める。その範囲内でまかなう。
(3) 新・国立競技場は建設をやめる。(味の素スタジアムと
日産スタジアムで、代用する。)
(4) 国の費用負担を大幅に求める。都の負担を拒否する。
(5) ふるさと減税の廃止を求める。その分を五輪予算に転用する。
特に、(5) が重要だ。この分は巨額になるからだ。
個人が故郷や好きな自治体に寄付できる「ふるさと納税」が2015年度に1652億円となり、前年度の4.3倍に急増した。
( → 都知事選と ふるさと納税: Open ブログ )
孫引きになるが、毎年 1652億円という巨額の金が、脱税同然のふるさと納税のために費やされる。この額は年々、さらに増額していく。そのうち毎年 2000〜 4000億円ぐらいになりそうだ。それだけの金があれば、五輪に回せるだろう。(4000億円の5年分だ。3000億円の6〜7年分ぐらい。)
現状では、下手をすると、東京都が財政破綻しかねない。東京都の危機だ。東京都がまるで大阪府みたいになってしまう。カッコ悪い。
東京都知事候補は、今は、「ええかっこしい」をしている事態じゃない。危機を回避すべき事態なのだ。この危機事態に、平気でいるようでは、まったく困る。

http://uesugitakashi.com/pledge.html
聖人君子ではなさそうですが^^;
地方だと3人以外は全くメディアに出ませんね
福島も熊本もまだ復興していないし、いずれ起こる首都圏直下地震の復興にも金が要るだろう。
それをやると、国際的信用を失うので、今後永久的に開催が不可能になるでしょう。「もう二度と招致しない」という覚悟がないと、約束違反はできません。
信用というのは、金よりも大事なので、たとえ金を失っても、信用を失うべきではありません。
比喩的に言うと、デフォルトです。国債を返済しないと、もう二度と誰も国債を買ってくれなくなります。
→ http://www.asahi.com/articles/DA3S12479654.html
鳥越は口先だけピーピーで実行力皆無で
しょうがないから小池おばさんに嫌々一票か?
お邪魔します。
>> 五輪開催返上
>それをやると、国際的信用を失うので、今後永久的に開催が不可能になるでしょう。「もう二度と招致しない」という覚悟がないと、約束違反はできません。
それで良いのではないでしょうか。高度成長で得たものを使い果たした以上、今後の日本にはもうこういったビッグイベントを成功させるような力は無いと思われます。たとえ東京五輪をするにしても「これとラグビーW杯を最後にする」との確約が無い限り、協力すべきではないと思います。「次はこれ、その次はこれ」なんてされたら、到底こちらや日本自体がが持ちこたえられませんから。
五輪をやめると支出がまるまる浮くと思ったら、大間違い。別の理由でスポーツ支出の総額はかえって増えかねない。右手で減らしても、左手で増えれば、総額はかえって増えてしまう。
物事を片面でしか見ない人は多い。下記も。
→ http://nando.seesaa.net/article/440244269.html