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家事代行サービスは、通常は1時間 3000円〜 3500円である。本人に払われるのは、そのうち半分ぐらい。
一方、業者がやるのではなく、業者は単に労働者を IT技術で紹介するだけ、というタイプもある。これだと安い。1時間 1500円〜1800円 ぐらい。
→ 家事代行/家政婦マッチングサイトなら1時間1500円からの『タスカジ』
一方、もっと安いのが、シルバー人材センターだ。1時間 1000円 ぐらいで済む。格安だ。
実は、この件は、前にも述べた。
→ 育児と家事代行(格安)
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では、どうしてこんなに安いのか? その理由は、「ピンハネされないから」と上記項目で書いたが、もう一つ、別の理由があるとわかった。
「シルバー人材センターには、最賃法が適用されないから」
である。
このことは、下記で情報を得た。
シルバー人材センターは雇用ではなく、請負・委任ですから、最低賃金法とか年齢や時給は関係ないと思います。
( → 【OKWAVE】 )
念のために確認してみたら、まさにその通り。
シルバー人材センターでは、会員は、請負・委任契約に基づいて、仕事をすることになるため、雇用関係はなく、労働関係の法律等(最低賃金法等)は、適用されません。また、会員が仕事をした時の対価を「配分金」といいますが、この配分金は、労働基準法における「賃金」に該当しません。
( → 神戸市シルバー人材センター )
シルバー人材センターでは、会員は、請負・委任契約に基づいて、仕事をすることになるため、雇用を前提とした労働関係の法律等(最低賃金法等)は、適用されないことになります。また、会員が仕事をした時の対価を「配分金」といいますが、この配分金は、労働基準法における「賃金」に該当しません。
( → 箕面市シルバー人材センター )
シルバー人材センターが受注する仕事の対価については、 最低賃金法の適用外にあります
( → 厚生労働省交渉 3月3日[PDF] )
というわけで、最賃法の適用外である。だから、格安だ。
高度な仕事をしてもらえるわけではないが、簡単な仕事をしてもらうだけなら、格安のサービスを受ける手はあるわけだ。
( ※ 泣いている赤ちゃんを3時間ぐらいあやすだけ、というのもある。これが3時間 3000円と交通費 1000円で、合計 4000円なら、格安だろう。業者に頼むと、1万円ぐらいになりそうだが。)
その相場が市場価格になると労働単価が引き下げられ、勤勉で長時間労働を厭わないほど、労働生産性が低くなってしまいます。生産性向上を掛け声にする政策と矛盾していると考えます。
ミクロには、安価にサービスを享受できる事はいいことなんですけどね〜。難しいです。
身障者の場合は、同一労働ができないことが多いんです。手が動かなかったり、足が動かなかったりして。知的障害の人も含まれます。
高齢者の場合も同様で、本人の自発的意志によるシルバー人材センターへの登録です。これを「やめてしまえ」と言うと、現状より状況が悪化する。若い人より能率が3割落ちるが給料も3割落ちる、という人は、現状では働けるが、最賃法を適用すると失業するしかない。
同一労働同一賃金ではなくて、低労働低賃金です。これを避ければ、失業するしかないので、無労働無賃金(生活保護または餓死)となります。無労働無賃金よりは、低労働低賃金の方がマシでしょう。
同一労働を低賃金にする、という趣旨ではありません。
なお、身障者の場合は、……
同一労働同一賃金は、身障者雇用促進法による雇用義務の方で実現できています。
ともあれ、本項の提案は、現状では失業するしかない、というような場合を想定しています。同一労働ができる人は、対象外です。
そもそも、シルバー人材センターは、失業中の人だけが対象であって、一般の労働者は対象ではありません。
なお、実際の勤務状況を見ると、週 10時間程度で、しかも、管理者なしの自己管理です。こんなにゆるゆるの労働条件の一般会社は、まずありません。
今後の利用は予定にありませんでしたが、なるほど請負なら個人の裁量に任されるワケですから、こういった事も起き得ますね。またの機会があれば別の方に(指名できるかわかりませんが)お願いしてみようと思います。
たとえば、組み立て式家具を組み立てしてほしい場合がある。自分でもできないことはないが、不慣れな仕事だから壊してしまうことがあるし、時間がかかってめんどうくさい。
こういう時に、「便利屋」を呼ぶと、請負なので安い。
同様のことは、入院と往診の比較でも言えます。入院だと、医師が当直しているから、時間給を払う必要があって高くなる。往診だと、都度払いで済むので安くなる。
なるほど。それは気づかなかった。往診料を取られるので高くなるのだとばかり思っていた。
政府は介護老人について、自宅往診を推進しているという記事を読んだ覚えがあるが、上記が理由だったんですね。