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電車などに忘れられた、落とし物の傘が大量に処分されている。
東京都内の落とし物が増え続けている。警視庁に届けられた拾得物は昨年1年間で 378万件を超え、過去最多を更新。梅雨のこの時期、増えるのは電車に置き忘れられた雨傘だ。傘を取りに来る人は 1%に満たず、保管場所に困る警視庁は「忘れっぱなし」に手を焼いている。
センターによると、置き忘れた傘を取りに来る人はほとんどいない。返還率は 0.7%といい、携帯電話の 82%、現金の 73%、財布の 64%と比べて極端に低いのが現状だ。傘は、法律上の保管期限の 3カ月を過ぎれば鉄道会社に戻す。JR東日本では、戻ってきた傘は一部を売却し、残りは処分するという。
( → 朝日新聞 2016-07-09 )
「処分する」って、つまり、廃棄しちゃうんですね。もったいない。有料で売却すればいいのに。
そもそも、「鉄道会社に戻す」というのが無駄だ。鉄道会社だって、そんなものを受け取っても、面倒なだけだ。だから、一括して処分してしまうのだろう。
では、どうすればいい? ここは、困ったときの Openブログ。とりあえず一案を出そう。
(1) 受取手のない傘は、一括して、指定団体に売却する。
(鉄道会社は、その代金だけを受け取る。)
(2) 指定団体は、雨の時間帯に限って、駅のそばで傘を売却する。
(歩道または駅構内の使用料を払う。)
(3) 指定団体は、高齢者や身障者などの失業者を雇用する。
(4) この業務は、最賃法の適用外とする。(時給 400円程度)
(5) 傘の販売価格は、原則、一律で 100〜200円程度。
(需給の状況を見て、変動させる。)
以上により、大量の傘が、処分されることなく、リサイクルされる。
そのメリットは:
・ 資源の無駄がなくなる (エコロジカルである)
・ 利用者は、安価に傘を入手できる
・ 職のない高齢者や身障者が、職と給料を得る。
現状では生活保護を受けるだけで社会から疎外されているような人々が、この方式で、とりあえずはそこそこの社会参加をして、給料を得ることができるようになる。
[ 付記 ]
働けない人々が働けるようになると行っても、限度はある。常時勤務ではなく、雨の時間帯だけの勤務だから、たいした金を稼ぐことはできない。
目的は、どちらかと言えば、エコの方だ。つまり、資源の無駄をなくすことだ。
失業者の雇用は、二の次となる。雇用の方法としては、この方式は、あまり良い方法ではない。ないよりはマシ、という程度。
【 補説 】
本項の方式に、ちょっと似た感じの方式もある。
「傘を無料で貸し出して、あとで返還してもらう」
という方式だ。
これは、試みられたが、大失敗した。「返還してもらう」という原則を立てたのだが、ちっとも返還されないのだ。借りっぱなしで、戻ってこない。
《 戻らぬ貸し傘1100本 北海道・函館の事業ピンチ 》
観光客向けの雨傘の無料貸し出しサービスで、1500本用意した傘のうち約1100本が返却されず、貸主の団体が「これでは事業が続けられない」と困惑している。観光客が宿泊先に置いたままにしているほか、地元市民が持ち帰り返却しない例も多いようだ。
ロゴマークを貼った新品のビニール傘 計千本をJR函館、 五稜郭 両駅やバス案内所など6カ所に配置した。誰でも自由に使い、どの場所でも返すことができる。
ところが借りた傘を返さない人が続出し、5月の大型連休までに在庫は約100本に激減。
新品の傘は1本約400円。
( → 北海道新聞の転載 )
誰もが「案の定」と思っているようだ。こんなことも予想できないで、人々の善意に期待した人は、世間知らずというしかない。
そもそも、「人々は善意だから返還するだろう」という見通しが甘い。人々は返還するはずがないのだ。なぜか? 悪意があるからか? 泥棒根性があるからか? 違う。単に、ものぐさだからだ。
こんなことも理解できないとは、人間認識がゆるゆるすぎる。「人間はものぐさだ」という真理を理解するべし。
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なお、この方式で、返還率を高めるために「デポジット制を取ればいい」という案もある。
→ はてなブックマーク - 戻らぬ貸し傘1100本 北海道・函館の事業ピンチ
しかし、これは駄目だ。貸出と返却のときに、二重に手間がかかるので、人件費や場所代が高騰してしまうからだ。「500円で貸し出しして、返すと400円戻ってくる」というのでは、大赤字だろう。「500円で貸し出しして、返すと 200円戻ってくる」というぐらいにしないと、ペイしない。(貸出料金は 300円。)
だが、こんな高額な手数料を取るくらいなら、最初から 200〜300円で売却する方がマシだ。ただの売却なら、たいして手間もかからないし、その方が低コストとなり、利益も出る。
要するに、「貸出と返却」という方式が、もともと無駄な手間だらけで、高コストなのだ。コストの大部分は、無駄な人件費となる。金の大半は、無駄のために消えてしまう。
どんな事業であれ、「効率」というものを考えるべきなのだ。「善意のある非効率な事業」というのは、一種の社会悪である。
( ※ 「フェアトレード」というのもそうだ。)
→ サイト内検索「フェアトレード」
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ところで、「新品の傘は1本約400円」って、高すぎますね。100円ショップなら、100円(税別)で買えるのに。傘は、化したりしないで、100円で売る方がよほどマシだ。
→ 100円ショップの傘: グ
めんど臭いことは拾得物に関する法律の改正が必要なこと
と、途中で晴れて持っているのがめんどくさくなっても、壊れても傘を車内に放置して捨てる輩が出ることでしょう。
別に必要ないと終えますが。文中には、
「法律上の保管期限の 3カ月」
と記してあるので、これ以後は処分されます。
傘に限って保管期限を短くすると便利ですが、それはそれで、別の話。本項の話とは、直接の関係はありません。
その程度のことのために法律に抜け穴(例外)を作りまくるのはいかがなことかと。
>(4) この業務は、最賃法の適用外とする。(時給 400円程度)
例外を一つ認めると「オレのところも認めろ」というのがわらわらと沸いてくる。
そんなことはないです。身障者の作業で最賃法の適用外になっているということは、すでになされています。障害者作業所というところです。
法律でもすでに規定されています。
→ 最低賃金法第7条(最低賃金の減額の特例)
http://www.mykomon.biz/chingin/saitei/saitei_jogai.html
> 「オレのところも認めろ」
けっこうなことです。そういう人が増えれば、身障者の雇用がどんどん増えて、需給の状況が好転します。できればあなたの会社でも、身障者の雇用をしてくださいね。
なお、高齢者については、下記を参照。
http://agora-web.jp/archives/1566945.html
http://okwave.jp/qa/q8704331.html
あと、文句を言う前に、ちょっとググるといいですよ。そうすれば、勘違いをしないで済む。
>>JR東日本では、戻ってきた傘は一部を売却し、
まず精読
> 「処分する」って、つまり、廃棄しちゃうんですね。もったいない。有料で売却すればいいのに。
勘違い → http://ccl.hu/2g48y
>あと、文句を言う前に、ちょっとググるといいですよ。そうすれば、勘違いをしないで済む。
他人に指摘する前に自分でまず実践
別に私は読み落としたわけじゃないですよ。私が「全量処分だと誤読している」というふうに、あなたが勝手に誤読したんでしょ? そうでしょ? 私は誤読していないんだけどね。
なお、売却されるのが一部にすぎないということは、ちょっと考えれば、すぐにわかる。忘れ物の量はものすごく大量だから、それを即売会で販売できる量はどうしても限られる。何度も開催すれば、大量の売れ残りが出て、かえって赤字になりそうだ。
単に捨てる方が安上がりでしょう。
> 勘違い → http://ccl.hu/2g48y
そこには「数年に一度だけ売却」と書いてありますけど。
また、私は「一部を売却」と引用しているし。売却の例があることは、反証にはなりません。
文句を言う前に、ちゃんとググりましょう。
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※ なお、私は、文句を言っているのではなく、肯定しているんですが。