2016年06月15日

◆ 舛添は公金を私物化した

 舛添都知事が辞任を決めた。ここで、政治資金の大半は、公金である。間違えないようにしよう。

 ──

 ここを勘違いしている人がいる。
 「舛添はたしかに、政治資金を私的目的に流用した。だが、政治資金は個人献金という個人の支出した金なので、公金を私物化したのではない」
 というふうに。一例は下記。
 何度も言ってるが、政治資金は税金から出てなくて、支援者の個人献金なんだよ。政党交付金は税金だけど舛添は無所属だから無し。
( → はてなブックマーク

 はてなブックマークでは、これに賛同する人が 190人もいるが、これらの人々はみんな勘違いしている。

 政治資金とは、政治献金のことではない。政党交付金を含む。舛添の場合、無所属だから、無所属時代には、政党交付金をもらっていない。しかし、その前の新党改革の時代には、政党交付金をもらった。そのカネを、個人の政治資金団体に移した。つまり、次の形。

  政府 ──→ 新党改革 ──→ 個人の政治資金団体

    政党交付金


 こういう形で、公金が舛添の政治資金団体に入った。詳しくは、下記を参照。
  → 舛添氏:収入の7割以上が交付金…3政治団体 - 毎日新聞
  → 舛添問題と政治資金規正法

 ──

 さらに、別件もある。人々はあまり気づいていないが。それは、次のことだ。
 「個人献金は、免税措置がある」


 解説を引用しよう。
 個人が政党や政治団体に寄付すれば、所得額から寄付額を控除するか、寄付額の最大3割を所得税額から控除するかを選べ、納めた税の還付などが受けられる。
( → 個人献金と税の優遇とは - コトバンク

 個人献金をすれば、納めた税金が返ってくる。これはつまり、

    国 ──→ 個人 ──→ 政治家

       還付    政治献金


 という形でカネが流れるわけだから、結果的には、公金が政治家に流れるのと同じことだ。
 わかりやすく言うと、次のことと同等だ。
 「個人が政治献金をすると、それに応じて一定割合で、国も政治家に公金を与える」


 たとえば、大金持ちが保守政党に1億円を政治献金すると、その額に応じて、国もまた保守政党に3千万円を給付する。

 この制度がずるいのは、金持ちほど優遇されるということだ。たとえば、
  ・ 大金持ち1人が1億円を政治献金すると、国も3千万円を給付する。
  ・ 貧乏人千人が計1億円を政治献金すると、国は百万円を給付するだけ。

 こういうふうに、大金持ちほど、その政治的権力を優遇されるわけだ。(大金持ちほど声がデカくなって国の政策を左右する、と言ってもいい。)

 まあ、呆れた制度である。(自民党が制度設計したのだから、ゲリマンダーみたいなものだが。)

 ともあれ、金額の多少はあるが、国民の政治献金に応じて、国は政治家にカネを給付する。ここでは、政治家に公金を給付する。
 そのカネを、舛添は私物化したのだ。ここではもちろん、「公金を私物化してはいない」なんていう主張は通らない。献金者が「政治献金による所得税の還付」という制度を利用した時点で、政治家は公金をもらっているのと同じことになるのである。
( ※ 上記の図式のように、直接的でなく間接的であるので、気づきにくいが。)
 


 [ 余談 ]
 本項は、政治問題の解説というよりは、「人々の見失っている思考の盲点を指摘する」という形です。
 思考の盲点を指摘する話が大好き、という人向け。政治の話とはちょっと違う。
 
posted by 管理人 at 22:11| Comment(4) | 一般(雑学)3 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
舛添氏が知事の給与を彼の個人的政治団体へ献金すると、国から還付されるわけですね。所得税が還付されると考えればいいのでしょう。
そして様々な支出は政治団体名義で支払うので、個人の支出が最低限に抑制され、政治団体はそれを経費で処理。
錬金術師ですね。

地方では権力者一族が公共団体の金を私物化していますが、それにインスパイアされたのでしょうかもしれません。

権力者は土建屋。公共工事を確実に落札。親戚の飲食店で交際費を落とす、文具や雑用品も親戚の何でも屋で購買。
「何でも屋」が出入り業者だったりすると職員も便宜を図ってもらうために活用。ってこともありそうです。
・・・たかりの構造ってやつですね。
Posted by 京都の人 at 2016年06月16日 00:15
政治に疎いものにとって、分かり易い解説をしていただきました。

週刊誌を購読する習慣はありませんが、今回の「騒動」のきっかけを作った文春の「手柄」といっていいのでしょう。第2弾、第3弾・・・、他の週刊誌(新潮、朝日など)の奮起を期待したいところです。

舛添君の会見や都議会でのやりとりは、幼稚な(小中学生レベル?の)自己中心的ディベートで、笑っちゃいました。

都合が悪いことは「自分の信義から言えない」「記憶にありません」と言い逃れます。
屁理屈でも破綻しない説明ができれば全て「正しい」と胸を張ります。
この尊大さが、世間の反感を買ったようです。
「舛添論法」、「舛添話法」と呼ぶべきでしょうか。
Posted by Nekogu at 2016年06月16日 14:13
>個人が政治献金をすると、それに応じて一定割合で、国も政治家に公金を与える

なるほどと納得しました。
紹介のページでの、政治交付金のことも参考になりました。交付金を次年度に繰り越して巨額の金を貯めこんでどうするのだろう。不思議な政党だ。
Posted by senjyu at 2016年06月16日 15:50
 参考記事。舛添のブーメラン発言。
 「(国民の税金を)横領したような連中はきちんと牢屋(ろうや)に入ってもらいますよ。泥棒でしょ」
 など。

  → http://www.nikkei.com/article/DGXLZO03660100W6A610C1000000/
  → http://j.mp/24SskTB
Posted by 管理人 at 2016年06月16日 19:31
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