2016年06月07日

◆ 即応自衛官の不足

 大規模災害のときなどに招集される即応自衛官が不足しているという。

 ──

 朝日の記事から引用しよう。(本項の引用はすべて同一記事。)
 《 即応予備自衛官、減少の一途 有事・災害時に活動参加 》
 ふだんは民間企業などで働きながら、有事や災害時に自衛隊活動に参加するため招集される「即応予備自衛官(即自)」の人数が、減り続けている。熊本地震の被災地で支援活動を担うなど第一線での貴重な即戦力だけに、防衛省は対策を進めているが、減少に歯止めがかかっていない。
 即自は04年度(6335人)から減り続け、14年度は4875人。定員は予算などの事情で毎年変わるが、同年度は定員(8175人)の6割に満たなかった。
( → 朝日新聞 2016-06-07

 自衛隊員の人員不足なんか、知ったこっちゃない、と思う人も多いだろうが、実は、災害時に大量に派遣されるので、戦時よりも平時にこそ、必要なのだ。
 ■熊本地震で2度目の招集
 多くの即自は有給休暇や公休を使い、年30日の訓練に参加する。 こうした訓練を積んだ即自が注目されたのが、熊本地震の被災地での活動だ。九州・沖縄出身者を中心に162人が招集された。即自の招集は東日本大震災以来、2度目となる。
 4月下旬、家屋倒壊など大きな被害が出た熊本県益城(ましき)町の小学校では、避難者向けの炊き出しなどにあたった自衛官約80人のうち、約50人は即自が占めた。
 初めて即自が招集された東日本大震災では、1352人(延べ2179人)が被災地に入った。

 大変ですね。将来の大地震を考えたら、非常に重要な問題となる。
 では、どうしたらいいか? もちろん、即自を増やすように、制度を建てればいい。ところが、実は、その制度はすでにできている。
 年30日の訓練参加が必要で、約50万〜60万円の手当が支給される。即応予備自衛官の雇用企業にも、1人当たり年間51万円が給付される。
 即自を雇用している企業の社会貢献を認定する表示制度を設けたりした。14年からは、即自雇用企業の法人税を控除する特例措置の新設も検討されてきた。

 ずいぶん手厚い支援だ。本人にも、企業にも、十分な補助金が支払われている。制度としては、少なくとも金銭に関する限りは、十分だ。
 ではなぜ、不足が起こるのか? 
 企業側からは負担を訴える声が出ている。青森県の設備工事会社役員は「訓練で月に3、4日連続で仕事を休むこともある。顧客から緊急の修理要請が来ることもあり、訓練中の即自社員の穴を埋める別の社員が必要になってしまう」と話す。
 防衛省職員が、元自衛官の再就職先の社長に「今度雇う元自衛官を即自に」と頼んでも、「社業に専念してもらわないと困る」と言われることが多いという。

 企業は、負担があることの代償として、補助金をたっぷりもらっている。そのくせに、負担をすることを厭がる。「金はもらいたいが、負担はしたくない」というわけ。エゴだ。というより、詐欺だ。(金をもらうが商品を渡さなければ詐欺だ。)
 とはいえ、これはまあ、ある意味、仕方ない。人間というのはそういうものだからだ。金をもらったことはあっさり忘れて、負担をするときになると文句を言う。さもしい人間性の持主は、そういうものだ。(経団連の連中なんて、特にそうだ。大金を手にしながら、徹底的にケチる。舛添みたいな連中ばかりだ。)

 ──

 では、どうする? ここは、困ったときの Openブログ。うまい案を出そう。こうだ。

 (1) 訓練日程に合わせて、平日の休暇を取れるように、なるべく販売業(サービス業)に就職してもらう。たとえば、水曜定休の店に勤務して、その前後に有給休暇を取れば、2日の連休を取れる。これで、2日の訓練に行ける。
  → 陸上自衛隊公式:予備自衛官の訓練

 (2) 4日程度の連休を必要とする部隊訓練については、なるべく、7〜8月に実施する。この時期には、店は(夏休み期間中ゆえに)すいているからだ。また、かわりの要員となるアルバイトを雇用することも容易だ。

 (3) 即応自衛官が災害派遣されたときには、店単位で、宣伝を認める。例。
 《 PR 》
 今回の熊本地震では、当店の店員が即応自衛官として、熊本で救助活動しています。

 これを見た客は、「お、この店は立派だな。それなら私も協力して、この店を支援しよう。ここで買物をしよう」と思うだろう。(少なくとも私ならそう思いますね。)
 で、そういう効果を見込めるから、経営者は喜んで即応自衛官を雇用するだろう。この効果が、最も大きそうだ。(経営者の名誉心と功名心と金銭欲を刺激するわけ。)
 ついでに、事後的に、自衛隊から表彰状を贈ってもいいね。法人税減税なんていうふうに現金を与えるより、表彰状の方が、安上がりだし、効果もありそうだ。
( ※ 中小企業は別として、大企業ならば、経営者は名誉欲が強い。)

 
posted by 管理人 at 23:05| Comment(14) |  地震・自然災害 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
収入になるから兼業の禁止に触れる会社が多いんだよねぇ。そのへんもなんとかしないと

あと予備自衛官じゃなくて即応予備のほうですよね?
ということは元自衛官になると思いますが,ただでさえ自衛官出身者は(特にサービス業には)嫌われるから,そのへんもクリアしないとなぁ。
教育好きな自衛隊に“販売業の教育”もやってもらうというのはいかがでしょう(笑)営業がうまい尉官クラスだっていますよね(笑)
Posted by 先生 at 2016年06月08日 11:37
> 自衛官出身者は(特にサービス業には)嫌われる

 上官の経験者ならば、生意気だとされて嫌われるかもしれないが、たいていは下っ端なんだから、「上官の言うことには絶対服従する」ということで、好まれるんじゃないかな? 一兵卒なんだから、平社員としては最適だと思えるが。
 威張り散らす一兵卒なんていないし。絶対服従をたたきこまれているだけだし。

 また、上官の経験者は、もともと有能であることが証明済みなんだから、引く手あまたでしょう。今は人材難だし。店長候補にしてもいい。
Posted by 管理人 at 2016年06月08日 12:09
いやぁ管理人さん。使ってみるとよく分かります
指示待ち社員でかつ融通もきかず,
さらに接遇ができない(10代なら許せますが)。
昔と違って技術職も客の前に立たされますから,
大方の現場では,特に接客をともなう現場ではほんとに迷惑。
本人たちも常識との乖離に苦しんでおられます(笑)

自衛隊は街の人と意識的に区別させは「街の奴らは敵視」という非公式の教育項目があるそうです。これは組織維持のためでしょうが,一昼夜でこの洗脳を解くのは難しいそうです。
とにかく知っている近隣の会社では定年組は採用しないし,任期満了組もできれば避けます。
Posted by 先生 at 2016年06月09日 06:49
会社の仕事で疲れ 即応予備自衛隊の訓練で疲れ 親の介護に疲れ
「過労死寸前でした」即応予備自衛官個人にはかなり高い体力と技術と指導力が求められますから、
常備自衛官からのパワハラもありますし
年間70万程度の金ではわりにあいませんよ
Posted by 元 即応予備自衛官 at 2016年06月09日 15:16
> わりにあいませんよ

割に合うかどうか、ということを考えるなら、最初から自衛官に応募はしないでしょう。
特に昨今は、集団的自衛権の兼ね合いから、戦地に出向く機会も生じる。損得勘定でなら、もともと自衛官に応募するはずがない。
応募したのは、「国民の緊急事態に貢献したい」と思う人でしょう。大震災のときに貢献したい、というふうな。

あと、(残業と介護で)過労死寸前になるのは、即応自衛官とは関係ないと思うけど。
Posted by 管理人 at 2016年06月09日 19:00
> 街の奴らは敵視

 日本人市民を敵視? 
 自衛官は、侵略軍の味方なのか。
Posted by 管理人 at 2016年06月09日 19:02
たまたま熊本地震の事調べてたらここにたどり着きました。初めまして。
災害派遣にも参加した即自ですが、正直気合ではご飯は食べられません。現状即応隊員のヤル気と犠牲の上で成り立ってる制度かなと感じております。
手当も税金引かれ手取り年間45万程度で訓練では自腹も多いですし、怪我や病気も訓練中は名目上面倒見て貰う事になってますが、自分持ちです(公務災害認定が中々されない)。せめて少しでも福利厚生があれば魅力度が上がると思います。もしくは年金に色を付けて支給とか訓練以外でも自衛隊病院が使えるとかあれば。
会社に関しても会社を優遇しても現場の同僚からの圧力の方がキツイと言う隊員が多いです。なのでなるべく迷惑をかけないように普段の休日を使って参加したり訓練に行く度に現場にお土産もっていったりする人も多いです。
訓練についても平日は常備自衛官が演習場や設備を使ってるので中々難しいですね、週末ですら中々即応が使える枠がないので。
愚痴っぽくてスミマセン。
長々と失礼しました。
Posted by 即自です at 2016年09月25日 03:21
あっ後「街の奴らは敵視」って言うのは10年以上自衛隊に関わってますが初めて聞きました。
「指示待ち社員でかつ融通もきかず」って言うのはありますね。

せっかくなので貴方の案について考えてみました。

(1)について、貴方は販売員くらいにしかなれない即応に魅力を感じますか?

(2)逆に言うと即応はすぐ雇ったアルバイトが変わりができるくらいの仕事にしかつけないって事ですよ?

(3)これは現状特に規制はありません。出来る・やってることです。
ですが、お客さん全てが保守でもないので革新系の人がモンスター化する恐れがあります。
表彰状に関してもやってますし、イベントの時は来賓として招待される事もやってますよ。


即応の隊員を増やすには福利厚生、もしくは年金や医療費などの優遇が良いと思います。
Posted by 即自です at 2016年09月25日 03:52
> (1)について、貴方は販売員くらいにしかなれない即応

 別に「販売員くらいにしかなれない」なんて言っていないんですが。「工場勤務よりは店舗勤務の方が、平日の休みを取りやすい」というだけです。
 ただの事例なので、これの逆を言ったとしても、「工場勤務にしかなれない」というようなことはありません。
 「なるべく〜」とは言っていますが、「〜に限る」とは言っていません。

> (2)逆に言うと即応はすぐ雇ったアルバイトが変わりができるくらいの仕事にしかつけないって事ですよ?

 そんなことはないでしょう。フランスでは夏のバカンスの間、正社員がバカンスで休んでいるかわりに、アルバイトを導入します。それと同様。
 一般的には、完全な代替でなく、一時しのぎの代替ができればいい。自動車会社で言えば、設計や販売などの業務は休んでしまっていい。少しだけ出勤している正社員の補助をして手助けできるようなアルバイトが導入される。
 そもそも、「休まれたら業務が成立しない」なんて言い出したら、即応自衛官になることが原理的に不可能でしょ。たとえば個人医院とか。

 本項ではあくまで会社側負担を減らすための工夫です。負担を皆無にする方法ではありません。そんなうまい方法があるわけがない。(従業員がいなくても同じ生産量が出るのなら、最初から従業員を雇わない。)

>(3)ですが、お客さん全てが保守でもないので革新系の人がモンスター化する恐れがあります。

 事例は「災害派遣したことの宣伝」です。戦時派遣ならともかく災害派遣に反対する左翼なんて、聞いたことがない。ゆえに、心配無用。

> 表彰状に関してもやってますし、イベントの時は来賓として招待される事もやってますよ。

 もしかして、即応自衛官のこと? たぶんそうでしょう。
 私が言っているのは、即応自衛官のことではなくて、即応自衛官を雇用する企業経営者や企業のことですよ。
 本項は「企業がいかにして即応自衛官を雇いたがるか」ということです。「一般人がいかに即応自衛官になりたがるか」という話はしていません。
 後者のためだったら、給料を上げたり福利厚生をあげればいいんだけど、そんなことをいくらやっても、企業の側の採用意欲は増えない。たとえば、即応自衛官になりたいという人に年収 200万円と年金倍増を保証したとしても、その人を雇用してくれる(または既存の社員に即応応募を認める)という企業が増える効果はまったくない。
 即応に対応したがる退職自衛官の数を増やすのが目的ではなく、そういう退職自衛官を雇用したがる企業を増やすのが目的です。退職自衛官の数はもともとたっぷりあるので、全員が即応になる必要はない。一部だけで十分。それ(即応の応募者となる退職者)はすでに足りているはずだ。
 足りないのは、即応を雇用してくれる企業の方。退職自衛官が応募したがっても、企業の側が認めてくれない。
Posted by 管理人 at 2016年09月25日 07:05
早々のコメント有難うございます。

1に関して、推奨するとやはり選択肢がかなり狭まりますしハードルが上がり志願者は減りますし週末の訓練を挟んでくれている今の方が参加しやすいですし、週末の方が使える設備等が増えるので濃厚な訓練が出来ます。

2に関して、フランスは社会がそういう状況を許してるので成り立つかもしれないが現状の日本の社会環境では難しいのでは?理想はその方が良いかもしれませんが、生産力の劣る一時的なアルバイトを雇う事事態、企業にとっては貰ってる給付金以上の負担になりますからね。

3に関して、元自衛官を積極的に雇ってる企業ってだけでリスク化する事もあるって事です。
自分は一人親方でやってますが一般のお客さんにはなるべく言わないようにしてます。何度かそういう事があったので。それに防災訓練ですら抗議活動する輩がいますし、過去には災害派遣に反対してた左翼もいましたからね。

>>表彰状に関してもやってますし、イベントの時は来賓として招待される事もやってますよ。

すみません、言葉足らずでしたね。雇用企業の社長や法人に対してやってますし、連隊長クラスが定期的に雇用企業に挨拶回りもしたりしてます。
即応はあくまでも自衛隊側なんで来賓招待なんてされません。

>それ(即応の応募者となる退職者)はすでに足りているはずだ。

足りてても現状の待遇でなる人が現れるかどうかですかね。

>足りないのは、即応を雇用してくれる企業の方。

どちらかでは無く、どちらも必要だと感じています。雇用してくれる企業があってもどうしても他の社員と差がついてしまい即応はいつまでも下っ端でお給料が少なく即応や会社を辞めざるをえなくなったり、逆に即応を優遇してくれる会社は現場の仲間の反感を買ったりですね。
周りの話を聞いていると、会社は以外と受け入れる所はあるのですが、現場の同僚が嫌がって仕事しづらくなるパターンが多いですね。

まぁ先ずは防衛省の徹底した意識改革から初めて欲しいですね。未だに予備自と即応の違いも分かってない職員や隊員が多いですからね。そんな状態で一般の方に色々理解してもらおうなんて無理ですからね。
Posted by 即自です at 2016年09月25日 17:21
> 生産力の劣る一時的なアルバイトを雇う事事態、企業にとっては貰ってる給付金以上の負担になりますからね。

 いや、その分は本人の賃金を払わないわけですから、本人の賃金の分だけ浮きます。たとえば、本人の賃金が1日2万円浮いて、バイトの賃金が 8000円、みたいになります。差し引きして、1万2000円浮く。能率が低ければ、バイトを二人雇えばいい。
 まあ、一人休んだぐらいでがたつくような職場だと無理なので、もともと大きな職場が対象です。

> 自分は一人親方でやってますが

それだと風当たりが強いでしょうね。「お店が災害救助で宣伝」は、もっと大きな会社の場合。誰が出たかがわからないような場合。
一人親方だと、誰が出たかがバレるので、風当たりが強くなる。

> 現場の同僚が嫌がって仕事しづらくなる

ちゃんと代替要員を用意しないブラック企業でしょうね。それだと、若手が育児休暇も取れないかも。
育児休暇が普及すれば、誰もが自己都合で少しぐらい休めるようになるでしょう。現状は病欠も困難で、ひどすぎる。
まあ、大企業を中心に、クリーンな企業で採用が増えることを期待します。中小企業は、最初から期待していない。無理っぽい。一人休んでも大変だろうし。

 
Posted by 管理人 at 2016年09月25日 20:49
>一人休んだぐらいでがたつくような職場だと無理なので、もともと大きな職場が対象です。

即応が下っ端社員・バイト、技術職以外を想定していると言う事ですか?

>中小企業は、最初から期待していない。

日本の会社の9割は中小企業ですからね、なかなか難しい所です。

一般の方の意見を聞けて勉強になりました。ありがとうございます。
Posted by 即自です at 2016年09月25日 21:29
↑ 大きな会社の営業職などを想定しています。

 あと、企業の比率では中小企業が多いが、従業員の比率では、大企業が 37%です。珍しくもない。10人のうち4人が大企業。
 → http://money-money-more.seesaa.net/article/410968005.html
Posted by 管理人 at 2016年09月25日 21:43
上記のリンクによると東京と大阪だけで大企業で働く全社員の内の約63%が働いているそうです。
陸自の駐屯地特にコア部隊は基本的に地方にあるので分散配置と訓練出頭や有事の際の出頭が困難になならないですかね?

まぁでも残り37%の内に優先的に即応を雇ってくれるなら良いですね。

Posted by 即自です at 2016年09月26日 18:19
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