2016年05月23日

◆ オスプレイと石破茂

 石破茂が、オスプレイについてデマを飛ばしている。
 
  【 内容を修正済み 】

 ──

 石破茂は、軍事知識のある軍事オタクとして知られているだけでなく、将来の首相候補とも言われる。(先の総裁選では、安倍首相のライバルの一番手だった。安倍首相の次には、石破茂が最有力となる。)
 ところが、この人がオスプレイについて、とんでもないことを言っている。本人のブログから引用しよう。
 従来機 CH-46シーナイトは 1960年の初飛行から半世紀以上を経過した老朽機のため、すでに自衛隊では全機退役済みで、米軍でもオスプレイへの転換が進んでいます。
 後継機の選択肢がオスプレイしかないことは以前からわかっていたことです。
 米国の立場は「他に後継機は存在しない。このままCH-46を使用することもあり得ない」……というものなのでしょう。
( → 石破茂(いしばしげる)ブログ


 《 読者コメントの指摘を受けて、下記を書き直しました。 》


 「後継機の選択肢がオスプレイしかない」
 と言うが、そんなことはない。なぜなら、CH-46 の後継機としては、CH-47 があるからだ。実際、米軍は CH-47 を大量配備している。過去の戦争でも大活躍した。
  → CH-47 (航空機) - Wikipedia

 そもそも、CH-46 と CH-47 は、兄弟機である。CH-46 の新型タイプが CH-47 だと思ってもいいだろう。おおざっぱには。

 というわけで、「 CH-46 の後継機の選択肢がオスプレイしかない」というのは、間違いだ。
 正しくは、「 CH-46 の後継機は CH-47 であり、これが大量配備されてきた」だ。

 「オスプレイは、それはそれとして有益な面もある。しかしそれは、 CH-46 の後継機としての意義ではなく、まったく別の新分野の新兵器という意義だろう。

 ──

 さらに言えば、オスプレイは、CH-46 を使っていた米国陸軍には配備予定がないようだ。米国陸軍は、オスプレイとは別のティルトローター機を導入するようだ。
  → 第3世代のティルトローター ベルV-280ヴェイラー
 一部引用しよう。
 巡航速度510q/h(280kt)、作戦半径900〜1,500km、戦略的展開距離3,800kmの飛行性能をもち、乗員4人が乗組むと共に、兵員11人の搭乗が可能。2030年代の実用化をめざしている。
 構造は固定翼の両端にエンジンを固定し、そこに取りつけたローターマストのみが水平位置から垂直位置まで変向する。したがってオスプレイにくらべて機構は簡単で、部品数も少なく、経済性も信頼性も高まる。
 こうしたV-280について、ベル社は2017年から試験飛行に入る計画。

 オスプレイに比べると、かなり頭のいい方式ですね。





 オスプレイよりもかなり小さいので、ティルトローター機としても無理が少ない。十分に意義がある兵器だと思う。(単純な輸送機とは別の意味の兵器だが。)

 一方、この機種に比べると、オスプレイはいかにも頭の悪い設計だ。いかにも、「無理無理」という感じ。サイズがデカいのも良くない。(重量がひどく重いくせに、小さめのローターで巨大な風を吹いて上昇するなんて、いかにも無理っぽい。)
 デカいオスプレイよりは、小さめの V-280 を使う方がずっと賢明だ。デカいサイズで大量に物資を運びたいときは、従来型のヘリコプターの方が有用だろう。(少なくとも、オスプレイはその巨額のコストには見合わない、と言える。)

 ──

 ともあれ、「 CH-46 の後継機の選択肢がオスプレイしかない」というのは、間違いだ。正しくは、
  ・ CH-46 の後継機は、CH-47 が運用中である。
  ・ UH-60 や AH-64 の後継機として、オスプレイに似た V-280 が開発中である。

 となる。

 あとね。オスプレイはそもそも、垂直離着陸をしない。垂直離着陸は、できることはできるが、実際にやると燃料を馬鹿食いするので、通常は滑走して離陸する。
 ま、着陸するときは、滑走路のないところに着陸するのが普通なので、着陸のときはヘリコプターモードだ。しかし、離陸するときは滑走して離陸するわけで、ヘリコプターとは違う。当然、運用するときには、滑走路のある空母を使う必要がある。空母が必要になるという意味で、通常のヘリコプターとは異なる運用となる。
 こういうことまで理解すれば、「 CH-46 の後継機の選択肢がオスプレイしかない」というような発言は、ありえないはずだ。

 というわけで、軍事オタクを自認するぐらいであるなら、もっとまともな軍事知識を仕入れてほしいものだ。頭悪い感じ。首相候補のくせに。

( ※ 調べてみたら、学歴は、慶應大学法学部卒だって。嘘みたい。




 【 補説 】
 以上は米国での運用の話だった。ちなみに、日本ではどうかというと、下記の通り。

 まず、CH-46 について Wikipedia を見るだけでわかる。
  → Wikipedia
 ここでは、CH-46 について、こう書いてある。
 後継機としてCH-47J/JAが導入される

 その通り。CH-46 の後継機は、CH-47J/JA である。オスプレイではないのだ。
 なお、Wikipedia よりもっと詳しい情報を記すと、陸上自衛隊の後継機は CH-47 だが、海上自衛隊の後継機は AW101 だ。(国内生産の形式名は MCH-101 )。海上自衛隊の CH-46 は、機雷掃海ヘリコプターとして使われていた( → Wikipedia )。その CH-46 が退役したあとは、MCH-101 が機雷掃海ヘリコプターとして使われている。
  → 海自の「MCH101」 機雷除去だけでなく人員・物資輸送でも威力を発揮
 物資輸送にも使われるということだから、上位互換の形で後継機となっているわけだ。
 他に、海上自衛隊の哨戒機としてなら、SH-60K も使われている。これは、前に述べた。
  → オスプレイより SH-60K

 ともあれ、日本では、 CH-46 の後継機は、CH-47J/JA と、MCH101 がある。SH-60K も別途ある。



 【 関連項目 】

 → 安倍首相が中学生以下の間違い「立法府の長」発言
 → 「立法府の長」発言「言い間違えかも」 安倍首相が釈明

 これも馬鹿っぽいが。



 【 追記 】
 「 CH-46 の後継機はオスプレイ」というのは、海兵隊に限っては成立する。石破茂はどうやら、この情報を聞いて、「米国全体で成立する」と勘違いしたようだ。
 
posted by 管理人 at 20:15| Comment(3) | 一般(雑学)4 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
お久しぶりです。
石破氏を擁護するわけではないですが、あまりにもちょっとと思ったので、書き込みさせていただきます。

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 米国の立場は「他に後継機は存在しない。このままCH-46を使用することもあり得ない」
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上の記述って書いてある通り、アメリカ側の話であり、wikipediaに記載されている
「後継機としてCH-47J/JAが導入される」というのは自衛隊がCH-46の後継機としてCH-47使いますって話で、それぞれ別のお話なので、なんら論理破綻していないように見受けられますけど。


要は、
米軍「CH-46の後継機としてMV-22を使うよ」
自衛隊「CH-46の後継機として、CH-47やその他ヘリを使うよ」
って話で、石破氏が言及しているのは米軍のお話ですよ。

石破氏はブログの中で、自衛隊のCH-46の後継機については何ら言及しておらず、ただ「自衛隊において既に退役した」ことだけを書かれています。

米軍と自衛隊の話がごっちゃになっていませんか。


Posted by 梶浦達海 at 2016年05月23日 21:23
 ご指摘ありがとうございます。確かに私の誤読でした。

 そこで内容を全面的に書き改めました。現在は修正済みです。
Posted by 管理人 at 2016年05月23日 22:12
CH-46→MV-22は米海兵隊だし石破のはそのことしか書いてないみたいだけど、いま見ても石破が自衛隊のもそう言ってるように読めちゃうような?
オスプレイは陸自と言うより西普連なので米海兵隊を真似るのは真似っこ故仕方なし、でも高すぎて笑う
Posted by 伊織夜 at 2016年05月23日 22:41
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