2016年05月21日

◆ オスプレイより複合ヘリコプター

 ティルトローター機(オスプレイなど)にかわる、新型ヘリコプターの提案。新技術の提案。
( ※ 航空マニア向けの話です。一般人向けではない。)

 ──

 オスプレイの難点は高価格である点だ、というふうに私は批判した。(危険だとか低機能だとかよりも、とにかくコストが問題だ。)
 ここで、オスプレイと同様のティルトローター機で、AW609 があると示した。( → 前項 ) これは、小型の民間機ということもあって、コストは比較的低くて済む。とすれば、コストの問題はおおよそ解決することになる。
 では、これでいいか? いや、よく調べると、あまりよくない。理由は以下。(民間用途と国家用途で分けて考える。)

 第1に、民間用途なら、軽飛行機を飛ばす方がいいだろう。軽飛行機なら、コストはずっと安くて済む。燃費もいいし、機体も安い。中古品もいっぱい出回っているから、離島のような用途には最適だ。
 ただし、軽飛行機を飛ばすには、滑走路が必要だ。ここがネックとなる。滑走路をつくるには、場所とコストがかかる。小笠原だと、滑走路を作る土地がない。また、たとえ土地があっても、距離が遠すぎて、飛行機運賃が高くなりすぎる。となると、需要がない。需要がないと、滑走路の建設費を償却できない。……これらの点から、小笠原には滑走路は作れそうにない。となると、軽飛行機は駄目だ。
 だから、軽飛行機のかわりに、ティルトローター機がよさそうだ。とはいえ、需要がないと、軽飛行機も駄目だが、ティルトローター機はもっと駄目だ。もともとコストがかかるからだ。たとえ路線を作っても、客はほとんどいないだろう。(片道 10万円を大幅に超えそうだ。)というわけで、民間用途は無理っぽい。
( ※ 小笠原の場合は、船が主流となる。それでも2〜6万円もかかる。超安価な船でさえ高額すぎるありさまだ。軽飛行機の需要は少ないし、ティルトローター機の需要はほとんどあるまい。)

 第2に、国家用途ならどうか? 小笠原の急患は年に 20〜30回ぐらいだから、普段は機体が遊んでしまう。となると、普段はティルトローター機を国家用途で使うしかない。たとえば、海上自衛隊や海上保安庁で。主に哨戒の用途だ。
 しかし、哨戒の用途ならば、速度の高速性よりも、長い時間を飛べることが重要となる。そのためには、燃費が重要となる。しかし、ティルトローター機は、燃費が悪い。(なぜかというと、ローターをティルトさせるには、エンジンが重いと駄目なので、エンジンはレシプロエンジンでなく、ターボプロップとなる。ターボプロップは、レシプロエンジンよりも燃費が悪い。かくて必然的に、ティルトローター機は燃費が悪くなる。)
 というわけで、燃費の悪いティルトローター機は、哨戒の用途は向かない。だから、海上自衛隊も海上保安庁も、欲しがらない。使うとすれば、陸上自衛隊だが、陸上自衛隊は、すでに(大型機の)オスプレイがある。小型機を今さら必要とするとは思えない。
 というわけで、国家用途としても、小型のティルトローター機は必要なさそうだ。

 かくて、小型のティルトローター機は、民間用途も国家用途も(ほとんど)ない。最も合理的な代案は、長距離ヘリコプターだろう。速度は少し遅いが、AW139 や UH-60J を使うのが実用的だ。

 ──

 とはいえ、AW139 や UH-60J は、どうにも速度が遅い。未来のことを考えると、「もっといいものはないか?」と考えたくなる。
 「ティルトローター機」というのは、回答の一つだが、前述の通り、いろいろと難点がありすぎる。速度も高くないし、燃費も良くなくて、普通のプロペラ機に比べると大きく劣る(ガス食いだ)。これでは未来の回答に離れそうにない。あくまでニッチの回答であるにすぎない。

 そこで、未来の回答となるものが、いくつか提案された。それは「複合ヘリコプター」と呼ばれるものだ。
  → 複合ヘリコプター - Wikipedia
 これは何かというと、「ヘリコプターとプロペラ機を合体させたもの」だ。つまり、ローターとプロペラの双方を備えるものだ。
 ティルトローター機が、「ヘリコプターとプロペラ機の中間にあるもの」とすれば、複合ヘリコプターは、「ヘリコプターとプロペラ機を合わせたもの」と言える。前者は、足して2で割ったものであり、後者は、足して2で割らないものだ。
( ※ あくまで比喩的な表現だが。)

 複合ヘリコプターの代表的なものは、ユーロコプター X3 と、シコルスキー X2 だ。



ユーロコプター X3


シコルスキー X2


 いずれも実証機が飛んでいるが、前者は開発はストップしているらしい。つまり、実用化されない。試作したら、「実用化は無理」と判明したらしい。
 なぜか? どうも、速度が思ったほど上がらないせいらしい。ユーロコプター X3 は 430km/h 。 シコルスキー X2 は 460km/h 。これでは、レシプロヘリコプター AW139 の 306km/h に比べて、大幅に良くなるわけではない。ティルトローター機やプロペラ飛行機の 560km/h 程度に比べて、見劣りする。
 
 ではなぜ、複合ヘリコプターは、速度が上がらないか? 実は、基本的な限界がある。ローターが高速回転すると、ロー−ターの末端が音速を超える。そうなると、衝撃波が生じる。だから、あまり高速に飛ぶことはできないのだ。
 ヘリコプターは垂直離着陸が行える航空機として有用性が高いが、「衝撃波による制約」と「揚力の非対称性」によって固定翼機に比べて飛行速度に限界がある。衝撃波による制約とは、高速回転する回転翼の先端部が概ねマッハ0.9以上で空気を切り裂くようになると、翼の上面だけでなく下面まで衝撃波に包まれて能力低下が激しくなるため、投入エネルギーに関わらず有効な翼長や回転数に限界があり、機関出力を有効に利用できなくなることである。これは固定翼プロペラ機が音速飛行しない理由でもある。
( → 複合ヘリコプター - Wikipedia

 こうして、ヘリコプターや複合ヘリコプターでは、ある程度の「速度の限界」がある。それは、プロペラ機よりも早く来る限界だ。
 この限界をなくして、プロペラ飛行機並みの速度にすにはどうすればいいか? 「ティルトローターにする」というのが一つの回答だ。
 しかしこれは、「燃費が悪い」という問題が付随する。ターボプロップだからだ。だいたい、ターボプロップでありながらプロペラ機並みの速度しか出ないなんて、技術的には失敗しているとも言える。(ターボプロップならば、800〜900km/h ぐらい出ても当然だ。)

 ──

 そこで、本項では、私が代案を出す。もちろん、素人の考えなので、実現性が高いとは言えない。それでも、航空マニア向けに、とりあえずアイデアを出しておこう。
( ※ 冒頭に述べたように、航空マニア向けの話です。専門家向けとは違います。)

 垂直上昇プロペラ機


 横たわっているプロペラ機を、上に向けて立てる、という感じのものだ。プロペラ機は前に進むが、上に向けて立てれば上に向かって進む。そういう感じの機種だ。(竹とんぼみたいだ。)
  → 参考画像(垂直上昇するプロペラ機)

 ただし、普通のプロペラ機を上に向けただけでは、(離陸時に)上昇できない。そこで、プロペラ機のプロペラを、ヘリコプターのローターに取り替える。
 換言すれば、ヘリコプターにぶら下がっている客室を、90度寝かせるわけだ。ヘリコプターの客室は、普通は前を向いている。しかしかわりに、ヘリコプターの客室を上に向かせる。(乗員はベッドに寝た感じになる。) このままローターを回転させると、ヘリコプターはどんどん上昇していく。そして、途中で、ローターの向きを、上向きからだんだん横向きに変えていく。すると、客室にいた人々は、初めは寝ていたのに、途中から立つことになる。このあとは、ヘリコプターのローターがプロペラの代わりとなって、前進していく。

 以上は、原理だ。これを実用化するには、いくつかの修正が必要だ。
 (1) 水平飛行の揚力を得るために、翼が必要だ。
 (2) ローターは二重にして、逆回転にするべきだ。(シコルスキー X2 と同様だ。)
 (3) 二重のローターは、大きさを変えて、大と小にするべきだ。つまり、大きなローターと、小さなローターがある。
 (4) 離陸時には、大きなローターと、小さなローターを、ともに全力で使う。
 (5) 水平飛行時には、大きなローターをほとんど回転させない。同時に、大きなローターのブレードの向きをほぼ 90度ずらして、前方から来る風を受け流す。(ブレードは翼と平行する。)


 以上の修正によって、「ヘリコプターを横向きにするとプロペラ機になる」というアイデアが実現する。うまいアイデア。

 ただし、難点もある。機構的には成立するが、乗客にとって快適性が良くないのだ。
 離陸時には、乗客はベッドに寝ている感じとなる。しだいに機体が 90度回転すると、乗客は起き上がる感じになる。
 起き上がったあと、立ったままだとつらいので、椅子に座りたい。とはいえ、ベッドを椅子に作り直すのは、面倒だ。(できないことはないが、機構的に複雑になる。)
 そこで、最初から椅子に腰掛けてもらうといい。この場合には、寝ているときには、ベッドに寝ているのではなく、椅子の背もたれに寝ている感じになる。また、足は、足を高くして寝ている感じになる。 
 これで何とかなる。とはいえ、それでもまだ、乗客は快適だとは言えない。居心地が良くない感じだ。その意味では、実用性は低いかもね。( ※ 軍事用途なら問題なさそうだが。)

 なお、「着陸時に目視できない」という問題もある。機体の尻から着陸するとき、尻の方が目に見えないから、着陸しづらい、というわけだ。
 しかし、大丈夫。今では各種センサーが発達しているから、着陸はすべて自動化できる。自動車の駐車の自動化と同様だ。
 だから、着陸時にも、別に問題はない。心配しなくても大丈夫。

 格納ローター


 別の案を出そう。これは「ヘリコプターを横向きにするとプロペラ機になる」というアイデアではなくて、「ヘリコプターのローターを隠せばプロペラ機になる」というアイデアだ。初めからローターとプロペラを用意しておく。( シコルスキー X2 と似た感じだ。)このあと、ローターを隠してしまえば、あとにはプロペラ機だけが残る。
 では、どうやって、ローターを隠すか? それには、変形ロボみたいな方法を使う。

 (1) ローターは、直線状のものとする。(それが二つか三つあってもいい。)
 (2) 機体もまた、直線状とする。(ヘリコプターみたいに丸っこくなくて、飛行機みたいに細長くする。)
 (3) 細長い機体の屋根裏に、直線状のローターを収納する。

 こうすれば、飛行時には、ローターは細長い機体に収納されているので、空気抵抗を受けない。見たところは、ローターがないので、ただのレシプロプロペラ機に見える。となれば、速度もまた、レシプロプロペラ機並みになる。しかも、燃費もレシプロ飛行機並みだ。(というか、この状態では、レシプロプロペラ機そのものだ。)

 ただし、注意。直線状のローターを収納するといっても、ローターを出したり引っ込めたりするのは、機構的に大変だ。
 そこで、ローターは動かさないで、本体の方からカバーを延ばして、カバーがローターを(包むように)覆い隠すといい。

 似た機構は、自動車のオープンカーにある。オープンカーの屋根(ハードルーフ)が、自動的に、出たり入ったりする。こういうふうに。





 オープンカーでは、近年、この機能が発達した。それを応用するわけだ。
 こうして、ローターを機体に格納することで、ローターの空気抵抗をなくすことができる。(飛行時には単純なプロペラ機になる。)

 ──

 以上は、基本的なアイデアだ。ただし、これをこのまま実現しようとしても、容易ではない。このくらいのことなら、すでに考えた人もいるはずだ。そして、その場合、重大な難点にぶつかるのだ。
 重大な難点とは? こうだ。
 「水平飛行時には、ローターがない。ローターがないと、揚力を得られない。そこで、かわりに、大きな翼を必要とする。しかし、大きな翼があると、ローターの下降気流が翼にぶつかるので、離陸することができなくなってしまう」

 実は、この問題は、ユーロコプター X3 にもある。ユーロコプター X3 は、翼があるので、ローターの下降気流が翼にぶつかる。これでは、離陸時も、水平飛行時も、著しく効率が落ちてしまう。
 はっきり言って、ローターの下降気流を受けるところに翼を置くなんて、ただの間抜けである。ユーロコプター X3 は間抜けだ、と言ってもいいかもしれない。
 ただ、ユーロコプター X3 の場合には、ローターによる揚力は常にある。だから、翼はごく小さいもので済む。というか、翼とは言えないほど小さなものであって、ただの「両側のエンジンを支えるための支柱」であるのかもしれない。
 一方、本項目のアイデアだと、翼は揚力を得るためのものであり、かなり大きくする必要がある。そうなると、ローターの下降気流が翼にぶつかるという問題が、大々的に発生する。これをどうするか? 

 ──

 まあ、(前に思いついた人のうち)たいていの人は、ここで挫折したはずだ。とはいえ、私は、うまい方法を思いついた。それを以下で示す。

 (1) ローターの下降気流を受け流すために、翼を下向きにするといい。

 図で示そう。標準的な発想では、こうなる。(正面から見た図)

   ━━┳━━
    ─◯─


 上半分はローターだ。その下に、機体 ◯ があり、その左右に翼がある。  
 しかし、この翼を、下向きにするといい。下図のように。(左右の翼は、つながっているものとする。図では分離しているが。)

   ━━┳━━
    /◯\


 これなら、下降気流を、翼で受け流すことができる。完全に、ではないが、大幅に受け流すことができる。

 (2) さらに、機体にかかる分も減らすために、機体を(正面から見て)三角形にする。

 図で示そう。下図のようにする。(左右の翼は、つながっているものとする。図では分離しているが。)

   ━━┳━━
    /△\


 これだと、機体そのものにかかる下降気流を受け流すこともできる。
 同時に、機体下面を平面状にすることで、機体そのもので揚力を得る。つまり、機体を翼のかわりにするわけだ。その分、翼を小さくすることができる。

 ここで、心配が出るだろう。
 「斜めの翼なんて、強度が心配だ」
 と。なるほど。それならば、さらに工夫するといい。つまり、斜めの翼の下端(左右にある)を結ぶ翼(水平状の翼)があるといい。こうすると、複翼機(複葉機)みたいになる。その分、揚力はさらに上がるので、その分、上から見た翼の投影面積はさらに小さくなる。

 とはいえ、翼の面積があまり小さくなると、安定性が悪くなりそうだ。となると、人間が操作するのは、すごく気を遣いそうだ。
 だが、大丈夫。今は自動化が進んでいる。安定性の問題は、コンピュータによる電子制御で解決できる。つまり、細かな操作をすべてコンピュータ任せにすれば、安定性は大丈夫だ。

 それでもまだ心配がありそうだ。
 「この図では、翼が小さすぎる。普通のセスナ機みたいな大きさの翼がない。だったら、まともに飛行できないのでは?」
 いやいや。その点は大丈夫。翼の大きさは、小さくて十分なのだ。なぜか? そもそも、セスナ機などに大きさの翼があるのは、離陸時に大きな揚力を必要とするからだ。一方、本項のアイデアでは、離陸時には大きなローターを使う。だから、離陸のために大きな翼を必要とすることはないのだ。
 翼を使うのは、水平飛行のときだけだ。ならば、そのために、小さな翼があればいい。具体的には、どのくらいか? スペースシャトル並みで十分だろう。



スペースシャトル(Amazon)


 この程度の大きさの小さな翼があれば、水平飛行のための揚力は十分に得られる。あとは、後ろに付いたプロペラを回転させて、震電 のように飛べばいい。



震電(Amazon)


 この機体(震電)では、翼は大きめだが、本項の提案では、もっとずっと小さな翼で済む。(離陸時には使わないからだ。)

 なお、プロペラを後方に置くことには理由がある。
 第1に、プロペラを機体の後方または前方に置くことで、重いレシプロエンジンを容易に支えることができる。(逆に、プロペラを双発機のように翼に載せると、翼に強度が必要となり、翼が大型化する。それはまずい。また、エンジン部分が下方気流を受けるデメリットもある。)
 第2に、前方にプロペラを置くと空気抵抗が大きくなるが、後方にプロペラを置くと空気抵抗を大幅に減らせる。(震電もそうだ。)
 第3に、もう一つ理由がある。震電のような後方プロペラ機が実用化されなかったのは、離陸時に車輪の跳ねた小石がプロペラに当たって、プロペラを破損しかねない、という問題があるからだ。これは、地方の整備不良の滑走路では、特に重大な問題となる。とはいえ、本項の提案では、この問題が生じない。なぜなら、離陸時に(ヘリコプターの)ローターを使うのならば、離陸時には滑走しないからだ。滑走しなければ、小石がぶつかる問題も生じない。

 ──

 というわけで、以上の方法を使えば、「飛行時にはローターを隠して、ヘリコプターがプロペラ機に変形する」という方式が成立するわけだ。それも、ごく簡単な機構で。(オープンカーみたいな機構で。)
 こういう変形ロボみたいな方式は、とても面白いだろう。というわけで、少なくとも、マニア向けの話にはなる。

( ※ 実現性についてまでは保証できません。何か致命的な難点がある可能性もある。ちょうど、ユーロコプター X3 が実用化されないような理由が。)
 
 とはいえ、シコルスキー X3 は、あくまでヘリコプターだ。後ろにプロペラが付いたヘリコプター、という程度。飛行機みたいにはならない。その意味で、本項のテーマには、あまり合致しない。実現性は高いが、その分、革新性も低い。



 [ 付記1 ]
 ユーロコプター X3 は、いろいろと難点が大きい。翼やエンジンフードに、ローターの下降気流がぶつかるからだ。プロペラは後方に置くべきだろう。……この意味で、ユーロコプター X3 は、とうてい実用化しそうにない。

 シコルスキー X2 は、その問題はない。実用化しないのは、まだ開発中ということらしい。実際、最近でも、後継機である S-97 Raider の開発過程を公開している。実用化に向けて、着々と研究中ということらしい。
  → Sikorsky: 次世代ヘリコプター「S-97 Raider」の初飛行試験に成功
 
 [ 付記2 ]
 2番目の案(格納ローター)では、エンジンをどこに置くか? もちろん、普通のヘリコプターと同様だ。ローターの下。
 ただし、民間ヘリコプターとは違って、軍用ヘリコプターのようにする。つまり、エンジン部分を機体の内部に取り込む。
  → 軍用ヘリコプターの構造図
 これだと、「客室部分が消えてしまって、人の居場所が足りない!」と思うだろう。だが、さにあらず。私の提案では、機体はとても細長くなる。だから、客室は前の方にどんどん延びるので、客室は結構広いのだ。細長い機体の後半は機械部で、前半は客室だ、という感じ。エンジンは、機体のほぼ中央に位置する。
( ※ エンジンからプロペラシャフトが後方に延びて、後方のプロペラを回転させる。)



 [ 余談 ]
 最後に「複葉機」というアイデアを出したが、これを聞くと、「何とまあ、時代錯誤な」と思う人もいそうだ。
 しかし、「複葉機」というアイデアは、最先端の理論でも使われる。「複葉機によって、超音速の衝撃波を減らす」という案だ。
  → ソニックブームを相殺する超音速複葉翼理論



 【 追記1 】
 「格納ローター」という方式を提案したが、少し変更したい。
 格納する方法として、「オープンカーの屋根の自動収納」という方式を示した。これは、機体の横から筒が延びて、すっぽりとドーム上にくるむ、という方式だ。
 しかし、よく考えると、これは駄目だ。時速 200km ぐらいの速度で高速飛行中に、こんな板状のものを出し入れしたら、空気抵抗でとんでもないことになりそうだ。機体が揺れたら、板が飛び散ってしまうかもしれない。
 そこで、もっとシンプルな方式を提案したい。「多重スライド式」という方式だ。下記の画像を参照。



折り畳み カップ


 旅行用の折りたたみカップというものがある。同心円状に重なった何枚かの筒が、スライドすることで、筒が延び縮みする。大きく伸びると、コップになる。
 これと同様にする。機体の前方のあたりに、多重の筒(半分に割った半円形の筒)を置く。これを伸ばすことで、ルーフ部分を覆うことができるようになる。
 この方式なら、空気抵抗があっても、何も問題ない。空気抵抗を受けると、自動的に屋根がすっぽりと覆われるだけだ。

 ただし、この方式は、ちょっと機構が複雑になりすぎかもしれない。ここまでやるくらいなら、ローターの軸を単に上下させることの方が、簡単かもしれない。これも、機構的には、あまり難しくはないからだ。

 【 追記2 】
 よく考えたら、すぐ上のような面倒臭いことをする必要はさらさらない、と思い直した。ローター格納のために、複雑な機構を用意する必要はない。ローターを格納しなければいいのだ。つまり、ローターを剥き出しにすればいいのだ。
 それで別に問題はない。なぜなら、ローターは直線状で、前後方向に延びているだけだからだ。これなら、空気抵抗はほとんどない。ローターの軸の空気抵抗の方がずっと大きいくらいだ。また、一般の飛行機の翼の抵抗の方が、ずっと大きいくらいだ。(本項の提案では、大きな翼はなく、小さな翼があるだけなので、翼の空気抵抗は大きくない。)
 というわけで、小さなローターが剥き出しになっていることぐらい、たいして問題ではないのだ。ローターが止まったままだと(振動したりして)不安定だから、ローターのブレードの端のところだけ、フックみたいなもので留めておけばいい。これなら簡単だ。
 というわけで、「ローター格納式」というアイデアは、「ローターを格納しない」という方式で実現できそうだ。……となると、名前がまずかったな。「格納ローター」という名前はやめて、「ローター停止方式」という名前にすれば良かった。
 
posted by 管理人 at 23:25| Comment(4) |  戦争・軍備 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
機体中心付近から伸びる長いX型固定翼の端4箇所に着陸用脚を設置し機体下部に離陸用ローターを配置すれば、固定翼によるローター抵抗をほぼ無くせますが、何処がクリティカルになりそうでしょうか。
Posted by 新道 at 2016年05月22日 08:36
↑ 空気は上から下に流れるので、ローターの下に固定翼を置こうが、ローターの上に固定翼を置こうが、どっちみち空気の流れを阻害します。「抵抗をほぼ無くせます」ということはありません。ただ、うまくい行けば、2〜3割減ぐらいにはなるかも。

 ただし、この方法で、空気抵抗の問題は解決しても、衝撃波の問題は解決しないので、高速化は無理です。どうせなら固定翼を持たないシコルスキー X2 の方が賢明でしょう。

 そもそも、翼の問題が生じるのは、ローターを格納した場合だけです。ローターを格納しない場合には、ローターで揚力を得られるので、固定翼そのものが不要です。ユーロコプターにしても、何のために固定翼があるのか不明。上記案は、同じ難点となっている。

 なお、ローター格納式にする場合には、翼は小さくて済むので、なるべく中央部に翼を置くべきです。本体から離れた位置には、ローターの強い風が当たるからです。その意味で、翼はローターの下に置くべきです。そうすれば小さくて済む。一方、翼をローターの上に置くと、翼は最低でもローターの直径を上回る。これではローターの外周部の強い下降気流の影響を受ける(上側で受ける)ので、抵抗が大きくなります。
Posted by 管理人 at 2016年05月22日 10:26
誤解されているようにおもいますが、固定翼からローターまでの鉛直方向距離は吸い込み側抵抗が無視できるほど大きいような配置の場合です。この場合、固定翼端の脚部長が長くなるので、この辺が構造強度上クリティカルになるのではというコメントでした。
Posted by 新道 at 2016年05月22日 21:04
> 長いX型固定翼の端4箇所に着陸用脚を設置し機体下部に離陸用ローターを配置

 ちょっとおもしろいアイデアだけど、小さな円が四つだと、大きな円が一つに比べて、円の面積が小さすぎる。揚力が足りない。これを解決するには、全体を大きくする必要があるが、そうすると固定翼が長くなりすぎる。
 これを解決するには、×型固定翼でなく、+型固定翼とする。機体の先端と後端にローターを付ける。タンデム型(2輪型)ヘリコプターに近い。2輪型だと、左右に安定性がないので、左右にもローターを付けるが、それは小型で良い。固定翼も短い。
 以上のようにすれば大丈夫だろう。ただし、コストがものすごく上昇する。コストの点で、無理っぽい。オスプレイよりはマシだけど。
 あと、そもそも、高速化できない。だったら、ただの一輪型のヘリコプターの方がマシだろう。コストも安いし。

Posted by 管理人 at 2017年08月07日 07:29
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