2016年05月09日

◆ 阿蘇大橋を再建する場所

 阿蘇大橋を再建する場所は、現在地よりも、別の場所の方がいい。北方 800メートル。

 ──

 前項で述べたように、阿蘇大橋に代わる橋は、現状では存在しない。南阿蘇橋は不適格だ。(そこに至る途中の道が、まずい場所にある。)
 それというのも、阿蘇の地形が原因だ。阿蘇は、阿蘇山のまわりに、外輪山がある。阿蘇山と外輪山の間の窪地に、南阿蘇の市街地や、立野地区がある。これらは限定的に平らな土地であって、これら以外は山岳部だ。また、川のそばは、(川に削られたせいで)険峻な断崖絶壁みたいなところも多い。たとえば、ここだ。
  → 村営碧流キャンプ場
 つまり、阿蘇大橋のところだけが険峻なのではなく、あちこちに険峻なところがある。「簡単に橋を建てられる」というようなところは、ほとんどないのだ。
 このことは、Yahoo の地形図を見ると、おおまかにわかる。





 もっとよくわかるのは、Google Map( Google Earth )だ。阿蘇の地域を表示させたあとで、航空写真に切り替えて、さらに、Ctrl キーを押しながら、画像をスライドさせると、3D表示になる。90度回転させることもできる。
  → Google Map の 3D表示

 これでもいいが、もっといいのが、アプリ版の Google Earth だ。これを使うと、過去の時点の画像も出るし、詳細な操作も可能だ。たとえば、こんな画像が出る。(左が北、右が南)


Google Earth

asoohasi.jpg
クリックして拡大



 画像で、右方の  325  と記してあるところが、かつての阿蘇大橋だ。(今はない。)
 左方の  57  と書いてあるところは、川の右岸と左岸が接近している。ここが、私の推奨地だ。つまり、ここに阿蘇大橋を再建することを推奨したい。

 理由は二つ。
 (1) 川幅が狭いので、工事が比較的容易である。
 (2) 土砂崩れの可能性が低い。


 まず、「川幅が狭い」という条件を満たすところは、ここと、阿蘇大橋のところの、二箇所しかない。他の場所は、川幅がはるかに広いか、もっとずっと遠隔地であるか、どちらかであって、不適切だ。
 次に、「土砂崩れの可能性」を考えると、今の阿蘇大橋のある(あった)ところは、土砂崩れがすでに発生した。また発生する可能性が十分にある。特に、山肌は剥き出しであり、植林されていないことを考えると、雨への抵抗力はきわめて小さい。そのうち大雨があると、ふたたび土砂崩れが起こる可能性は十分にある。だから、現在の阿蘇大橋と同じところに橋を再建することは、絶対に駄目だ。(専門家も否定的だ。)

 一方、私の提案したところは、土砂崩れが起きにくい。このことは、Yahoo の地形図を見るとわかる。土砂崩れが起きやすい場所は、ちょっと凹んでいるところ(尾根ではないところ)だが、阿蘇大橋のあるところは、まさしくそれに該当する。現在の土砂崩れは、この場所で起こるべくして起こったと言える。一方、私の提案したところは、尾根に当たるので、ここで土砂崩れが起こる可能性は低い。土砂崩れが起こるとしたら、これよりも南側 100メートルの箇所だろう。(上の画像では 右側 100メートルの箇所。茶色っぽくなっている箇所。右の画像では、「やまおく阿蘇店」の1〜2センチぐらい下の箇所。)ここで土砂崩れが起こる可能性はあるが、両岸の接近している箇所では、土砂崩れの可能性は低い。

 というわけで、必要条件と十分条件をともに満たす箇所は、ここしかない。だから、ここに阿蘇大橋を再建することを推奨しよう。

 なお、位置は、現在の阿蘇大橋の場所と比べると、北方(上の画像では左側。右の画像では上側)に 800メートルほどズレる。これは、自動車では、1分間ぐらいの距離だ。往復で 2分ちょっとぐらい余計にかかる計算だ。この程度なら、許容範囲だろう。
 逆に言えば、現在の位置にある阿蘇大橋が崩落してしまった(土砂崩れに飲み込まれてしまった)のは、この2分間分の距離を節約しようとしたからだ。「近い方がお得ですよ。時間もお金も得しますよ。2分間分ね」というふうに、目先の小さな利益をめざしたから、安全性を損ねて、土砂崩れの起こる場所に建設してしまったのだ。
 今回は、死者は東海大の学生が1名いただけだったが、それは地震が夜間に起こったからだ。もし昼間だったら、阿蘇大橋にはもっと多くの自動車が走っていたはずで、被害は甚大だっただろう。
 その再来を招かないためにも、再建する新しい橋は、現在地から北方 800メートルにずらすべきだ。それが私の提案だ。



 [ 付記 ]
 とはいえ、マーフィーの法則によれば、人は常に最悪の選択肢を取る。特に自民党政府はそうだ。
 したがって、現在と同じところに阿蘇大橋が再建される可能性は、十分にある。その場合、将来的に、多大な人命が奪われることになりそうだ。人災ですね。
 ちなみに、熊本県知事は、「阿蘇大橋を何とか再建してほしい。国の金で」と思っているようだ。
  → 県や市町村の負担をゼロに
 ここで考えているのは、「スピードと金」だけだ。「安全性」という概念は、頭からすっぽりと抜けている。
 となると、県のせいで、ひどい人災が起こる可能性は、結構ある。「阿蘇大橋の再建では安全性を優先」なんてことを考えているのは、日本では私だけかもね。
( ※ 例の専門家の提案[→ 前項 ]もあるが、それは、はるか遠くの位置に別ルートを作るというものであり、阿蘇大橋の再建ではない。)



 ※ 以下は読まなくてもいい。


 [ 余談 ]
 阿蘇大橋の北方 400〜500メートルぐらいのところに、川を渡るルートがある。これは、いったん道から逸れて下り坂を通り、川を渡って、上り坂を通る……という細い道だ。西岸からの入口は、こうなる。



 これは、便利そうだが、便利ではない。
  ・ 道が細すぎて、一車線しかない。
  ・ 水平距離は短いが、上下動するので、消費エネルギーが多い。

 後者の点から、自動車が通るには向いていない。たぶん人間用の通路だろう。自動車にとっては、無視していいだろう。
 
posted by 管理人 at 20:17| Comment(4) |  震災(東北・熊本) | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
 最後に [ 付記 ] と [ 余談 ] を加筆しました。
 タイムスタンプは 下記 ↓
Posted by 管理人 at 2016年05月09日 22:23
 ニュースから

  ̄ ̄
 国土交通省は9日、熊本地震で崩落した阿蘇大橋(熊本県南阿蘇村)について、国の直轄事業として再建すると発表した。
 現場の斜面が緩んでいることもあり、別の場所での架け替えや特殊な工事を想定している。
 http://mainichi.jp/articles/20160510/k00/00m/040/029000c

  ̄ ̄

 ※ 読売朝刊にも同趣旨。
Posted by 管理人 at 2016年05月10日 12:50
川幅が狭い、広いで崩落が決まるわけではありません。
今回の崩落は活断層が原因です
http://www.qsr.mlit.go.jp/tateno/damujigyo/QA02.pdf
阿蘇大橋の崩落はこの図で25の活断層(の延長線上 堆積した火山灰で今まで場所が不鮮明だった)
阿蘇長陽大橋前後の崩落は北向山断層(の延長線上)
が原因です。
貴方の提案する代替架橋場所は25の活断層の場所になりきわめて危険です。
Posted by   at 2016年05月18日 01:27
その PDF の図では、25 は立野ダムのそばであり、阿蘇大橋よりもずっと南西です。
なのに「延長上」というようなことで危険扱いするのならば、この一帯すべてが危険扱いとなり、新たな大橋の建設はすべて否定されます。それでいいの? 

そもそも、阿蘇大橋は、活断層で崩落したわけではありません。隣にある山の土砂崩れで崩落したんです。お間違えなく。
Posted by 管理人 at 2016年05月18日 06:14
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

過去ログ