2016年04月29日

◆ 避難所に留まりたがるわけ

 エコノミークラス症候群になる危険性が高いのに、いつまでも避難所(または車中泊)に留まる人々が多い。なぜか?

 ──

 すでに「みなし仮設」の受け付けも始まった。
  → なぜ賃貸住宅が足りない?
 なのに、あくまで避難所(または車中泊)に留まりたがる人が多い。なぜか? 

 この疑問に答える新聞記事があった。(読売・朝刊・社会面 2016-04-29 )
 「どうして車中泊を続けるのか?」
 という質問に答える形。多くは単に「元の生活に戻りたい」というようなことを語っているだけだが、3人、理由を答えた人がいる。
  ・ 町内会長をしている責任感。
  ・ ペット病院にペットがたくさん来て、仕事が多忙。 
  ・ 仮設住宅ができるのを待つ。


 1番目と2番目は、仕事中毒みたいなものだ。本人ばかりが仕事の重要性を過大評価している。別に、さっさと疎開しても平気なのだが。(仮にペットが死んだとしても、人間が死ぬのとは違う。)

 3番目が問題だ。避難所暮らし(車中泊暮らし)は、健康の点ですごく悪いと自覚していながら、「ここにいれば仮設住宅に入れる」と信じて、1カ月以上先の仮設住宅を待つために、ずっと苦しい不健康な生活を送ろうとしている。
 逆に言えば、彼らに苦しい不健康な生活を送るように促しているのは、政府や自治体の「仮設住宅を建設する」という方針なのだ。政府がこういう方針を取るからこそ、人々は避難所暮らし(車中泊暮らし)をやめようとしない。つまり、政府や自治体は、「仮設住宅」という餌を目の前にぶら下げることで、人々を(エコノミークラス症候群を通じて)死に導いているのだ。
 この件は、前にも記した。
  → 仮設住宅は人を殺す
 一部抜粋しよう。
 高齢者の生命を救うために、政府が勧告するべきだろう。
 「ただちに避難所を離れて、各地で医療を受けてください」
 というふうに。
 しかるに、政府は、それとは逆のことをする。
 「避難所に留まってください。避難所に留まった人だけに、仮設住宅という素晴らしいご褒美を上げますよ。たっぷりとお金のかかった仮設住宅がほしければ、避難所に留まりなさい。もし避難所から出たら、仮設住宅に入れてあげませんからね」
 というふうに。

 高齢者が「故郷から離れたくない」という思いは、「自分の命を失ってもいい」と思うほど強いものだ。そこで、仮設住宅に入りたい人々は、次々と死んでいく。そして、その状況を、政府があえて推進する。
 政府は、「仮設住宅の建設」という方針を採る。そのことで、国民の税金を、人殺しのために使っているのだ。

 これは一部抜粋だが、上記項目をじっくり読んでほしい。結果的に、東日本大震災では、 3400人が死んだ。震災関連死という形で。
  → 被災者にホテルと仮設住宅 (項目の最後)

 ──

 結論。

 エコノミークラス症候群になる危険性が高いのに、いつまでも避難所(または車中泊)に留まる人々が多いのは、なぜか?
 政府がそういう愚行を推進するからだ。1000万円分の餌を、目の前にぶら下げることで。
 なお、この殺人政策にかかる費用は、全額、政府と自治体の負担だ。(9割ぐらいが政府負担。) あなたの払った税金も、住民を救うためではなく、住民を死なせるために使われる。



 [ 付記 ]
 この意味で、仮設住宅というのは、一種の殺人装置のようなものだ。これを餌にして、獲物を帯び寄せる、罠。その手前に落とし穴があるとは、獲物は気づかない。だまされて、おびき出される。

 だまされるのは、被災者だけではない。読売の社説もそうだ。
 《 熊本仮設住宅 避難所生活の長期化防ぎたい 》
 熊本地震で損壊した住宅は2万棟を超える。被災者の避難所暮らしが長期化せぬよう、仮設住宅の整備を急ぎたい。
 一部の避難所では、感染症が発生している。プライバシーを保てないなどとして、車内で寝泊まりする住民には、肺塞栓症(エコノミークラス症候群)が相次ぐ。
 熊本県は、本震で震度7が観測された西原村に、まず50戸を建設すると発表した。5月に着工し、6月の完成を目指すという。
 東日本大震災では、アパートなどの民間賃貸住宅を利用する「みなし仮設」の仕組みも、多くの被災地で導入された。整備費の抑制が見込めるだけに、今回も積極的に活用すべきだ。
 仮設住宅が用意されるまでの間は、避難所の環境改善にも取り組まねばならない。間仕切りの設置や、仮設トイレの増設といった対応が求められる。梅雨や暑さへの備えも不可欠だ。
( →  読売新聞 : 社説

 冒頭で、仮設住宅の推進を打ち出している。「みなし仮設ならば整備費の抑制が見込める」と理解しているし、6月の完成まで1カ月以上もかかると理解している。それまで避難所の環境はひどいし、感染症や肺塞栓症の危険もあると理解している。
 つまり、こうだ。
  ・ 仮設住宅には多くの問題があると理解している。
  ・ みなし仮設ならばそれらの問題はないと理解している。
  ・ なのに、ベターな見なし仮設よりも、ずっと悪い仮設住宅を推奨している。

 論理が滅茶苦茶としか言いようのない論説だ。こんな文章を書いて「頭大丈夫か」と言いたくなる。
 


 【 追記 】
 読売の記事では、仮設住宅の完成は6月と記されていたが、30日の朝日の記事によると、6月下旬とのことだ。
 ……県が 29日、発表した。県は同日、西原村と甲佐町で計 100戸の応急仮設住宅を着工。6月下旬の入居をめざす。
( → 朝日新聞 2016-04-30

 完成時期と入居時期は少し違うのかもしれないが、いずれにせよ、入居は2カ月も先だ。今すぐにも入居できる「みなし仮設」とは全然違う。

 なお、それとは別に、「ウィークリーマンション/マンスリーマンション」というものもある。熊本市内で1日ごとに 1500円〜3000円ぐらいで借りることができる。2週間ぐらいの短期滞在ならば、ホテルのかわりになる。例は下記。
  → 熊本市のマンスリーマンションを比較する
 ここに一時的に滞在してから、みなし仮設に入ることができれば、それが最善だ。
 難点は、熊本市がたったの 2100件しか予算化していないことだ。万単位で予算化すればいいのに。……ここが最大の難点。行政の失敗。何度も指摘したとおり。
 
 あと、すでに入居した人に対しても、「みなし仮設」と認定して、家賃無償化をするといいだろう。その方が合理的だ。
( ※ ただし、敷金・礼金は減額してもいいかも。)
( ※ 単身者・夫婦・子連れなどで、家賃負担の上限を変えるべきだろう。)
 
posted by 管理人 at 23:58| Comment(4) |  震災(東北・熊本) | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
 最後に 【 追記 】 を加筆しました。
 タイムスタンプは 下記 ↓
Posted by 管理人 at 2016年04月30日 10:15
田舎に住む高齢者がいきなり都会に住めと言われても無理な話ですが。
Posted by まりん at 2016年05月01日 14:33
たぶん 見知らぬ土地へ避難すると情報が入ってこなくなる(と思っている)からじゃないでしょうか
 仮設住宅の応募に遅れるのではないか 少しでも良い条件にありつきたい。
 自宅の後始末 役所から何らかの援助があるかないか
 近所の人達は 色々な物品を支給してもらったが自分たちはありつけなかった・・・

横並びが好きな国民性なのかも
Posted by P助 at 2016年05月03日 07:28
>  仮設住宅の応募に遅れるのではないか

 遅れるのではなく、応募資格そのものを喪失するか、決定的に後回しにされます。他県で安定した生活を送れるならば、仮設住宅には入れる優先度は大幅に下がります。
 一方、避難所で劣悪な生活を送っていれば、早急にまともな生活に入る優先度が高くなるので、優先的に仮設住宅には入れます。
 仮設住宅があると、今は劣悪な条件であるほど有利なので、結果的に劣悪な条件で暮らすことが強いられます。
 つまり、劣悪化政策。莫大な金を払って、劣悪な生活に入るように促す。本項で述べた通り。

> 横並びが好きな国民性なのかも

 国民のせいではなく、政府の政策のせいです。政府が促しているのです。お間違えなく。
Posted by 管理人 at 2016年05月03日 09:14
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