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地震で家を失って、茫然自失する人が多い。たいていの人は、黙ってしょんぼりするだけだが、一部のタレントは被害状況をブログで発信している。
【 2016年 04月 16日 】
今朝はわずかな希望を抱え自宅に行ってみた
知人の車を借りて町を走行
全くの別世界
うねりまくった道路
映画のような風景が目の前に
涙が出てくる
止まらない
目にはいってくる景色は
もう絶望的
ポロポロ止めどなく涙が
誰もいないこの集落に
早朝わたしの泣き叫ぶ声だけが響いてる
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【 2016年 04月 17日 】
ただ泣いてるだけでは前に進めないことは
わかっているのですが
勝手に涙が出てくるので
どうしようもありません……
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【 2016年 04月 18日 】
これからどうしていいのかまったくわからず
ただ呆然と時間だけが過ぎて
子どもたちは明日は学校行く?
とか聞いてくると
なんかそれだけで涙が出てきてしまったり
( → 井上晴美 ブログ vida simple )
これに対して、「ブログを書ける余裕がよくあるな」というような誹謗中傷が押し寄せたので、本人は発信を中止してしまった。
→ 井上晴美、ブログで「発信やめます」 熊本地震で誹謗中傷に
とはいえ、ひどく傷心しているということが、上のブログからもよくわかる。
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こういう状況で、政府は、ホテルと仮設住宅を提供する方針を示した。
(1) ホテル
熊本市内のホテル・旅館・フェリーなどの宿泊施設を、被災者に向けて提供するそうだ。
→ 【熊本地震】熊本県と全旅連、被災者に宿泊提供、1500人想定
これを聞いたときは、「やたらと金がかかって、無駄だ。むしろ一般住宅を借り上げろ」と思ったのだが、調べてみると、そう簡単な話ではないとわかった。
→ 高齢者や障害者対象に1500人分の避難先確保
つまり、対象は、一般被災者ではなく、高齢者や障害者に限定される。
→ 旅館やホテルの宿泊費は1人当たり1泊3食付きで5000円程度
代金は特に高額ではなく、3食付きで5000円という格安料金だ。常識的にはありえないような低価格。
→ 大動脈寸断 福岡市も宿泊キャンセル相次ぐ
→ 九州観光に打撃=キャンセル部屋「長期避難に」
ホテル・旅館へのキャンセルが続出しているから、これらの業界への救済策となる。一石二鳥だ。うまい手。無駄に空いている施設と人手を有効利用するのならば、業界への補償金やら、失業手当やらを、見返りなしで払うよりは、ずっといい。
この意味で、ホテルや旅館を使うのは、被災者救済よりも、業界救済の意味で有効だろう。
また、対象が高齢者や障害者に限られるのならば、道義的にも悪くない。
というわけで、この施策は、問題ないと思う。一つ難点を言えば、無料ではちょっと不公平なので、食費の一部ぐらいは負担してもらった方がよさそうだ、ということ。
なお、せっかくの施策だが、あまり利用されていないそうだ。周知徹底されていないせいらしい。
→ 避難先として確保のホテルや旅館 受け入れ進まず
本ブログを読んだ人が、被災者に教えて上げるといいですね。
(2) 仮設住宅
政府は仮設住宅を建設する方針だ。
→ 首相 仮設住宅整備など被災者支援に全力 | NHKニュース
→ 石井国交相、仮設住宅建設へ準備指示(産経)
→ 国交省、仮設住宅の準備開始 熊本地震の被災者受け入れ:日経
→ 建物損壊、9千棟超 益城町、仮設住宅を検討:中日新聞
→ 宮城県、熊本地震被災者に仮設住宅提供の方針 : 読売新聞
仮設住宅は駄目だ、と何度も説明したのだが。
→ 地震で仮設住宅を設置するな
→ サイト内検索
簡単に言うと、こうだ。
・ 莫大な金がかかる (解体費込みで 1000万円)
・ 5年後には、家から追い出される。
・ だったら最初から恒久住宅(中古)を 1000万円で与えよ
・ 空き家の賃貸住宅ならば、ずっと低コストだ。
・ 仮設住宅ができるまでには何カ月もかかる
・ その順番を待つ間に、被災者が莫大に死ぬ
簡単に言えば、仮設住宅というものは、こうだ。
「莫大な金をかけて、多大な死者を出す。運良く生き残っても、5年後には追い出される」
愚の骨頂とは、このことだ。
かわりに、別の方法を取るべきだ。
同じ金をかけるなら、恒久住宅(中古)を購入することができる。
( ※ 新築の高級プレハブ住宅は 2000万円。)
貸間の貸与ならば、はるかに低コストで済む。
そのいずれでも、死者は出ない。
→ 仮設住宅から出たらどうする? (詳細解説)
なのに、わざわざ愚の骨頂の政策を取るのだから、呆れてものが言えない。
地震の死者は、40〜50人ぐらいで済みそうだが、政府の愚策によって死ぬ数は、それをはるかに上回るだろう。「仮設住宅供与」なんて方針を出せば、順番待ちをする被災者が避難所で数千人も死ぬハメになるかもしれない。実際、東日本大震災では、莫大な数が死んだ。
仮設住宅による死者数は、2900人以上となった。以下は新聞記事から。
(中略)
ここでは「仮設住宅」という言葉は使われていないが、実質的には「仮設住宅のせい」と考えていい。というのは、……(後略)
( → 仮設住宅は人を殺す: Open ブログ )
この情報は古いので、最新の情報を見る。復興庁のサイトに数字がある。
東日本大震災における震災関連死の死者数(平成27 年9 月30 日現在)を把握したので、公表します。
集計の結果は、1都9県で合計3,407 人です
( → 公表データ(PDF) )
熊本でも仮設住宅を建設するという方針を出せば、やはり、震災関連死が数千人になりそうだ。
殺人政府。
怖いのは、地震よりも、政府の愚かさだ。これが大量の人命を奪う。
( ※ すでに避難所で死者が出ている。)
宿泊費用は後で自治体などが支援すればいいと思います。
非常にいいと思います。
コストが全然違うので、大金持ちでない限り、貸間の方がお得です。自治体が補助するとしても、月1.5万円なら、格安ホテルの1日分にしかなりません。
ホテルは、数も限られているので、あくまで高齢者・障碍者限定でしょう。20万人もいる被災者すべてを収容するのは原理的に無理。
私は大手建設業者で欠陥住宅を建てられました。
(瑕疵担保はあるものの、どのように修繕するかは業者任せで、極端な話、修繕しなくても罰則はない。裁判をしても時間も金もかかるし、裁判官は建築素人なので業者の言い分を鵜呑みにして判決することもよくある)
家を建てるなら欠陥住宅にならない対策も合わせて実施しないと意味がないです。
そのためには法律を変えないといけないんですが、建築業界は猛反発するでしょう。
家は命を守るために重要なものだと思いますが、欠陥住宅を建てても業者に罰則がないのが現状です。
欠陥住宅を立てた業者は殺人未遂で起訴されてもいいくらいなのに。
「家を建てるべし」と書いているわけじゃありません。「家を建てるとしても、仮設住宅よりははるかにマシだ」というふうに、比較対象を示しているだけです。お薦めしているわけじゃありません。
お薦めは、新築ではなくて、空き物件である貸間(または貸家)を借りることです。
次善が、中古住宅の購入。
3番目が、新築(そして将来の払い下げ。)
5年間のコストはおおざっぱに、
・ 仮設住宅 1000万円
・ 貸間 200万円
・ 貸家 400万円
・ 中古購入 1000万円
・ 新築供与 2000万円
・ 新築払下げ 1000万円
新築は、仮設住宅よりは(効用がずっと上なので)政策としてはマシですが、私がお薦めするのは貸間(賃貸)です。空き室や空き家はいっぱいあるので。
でもその空き家も欠陥住宅の可能性が有ります。
阪神の時に調査に行った建築士に言わせると、
一階部分が倒壊してるのは欠陥住宅とのことです。
中古の空き家にしても、複数の建築士が一ヶ月程度時間をかけてきちんと保証したものでないと
地震が再度来た時に危険です。
さすがにこの近辺では、もう地震は来ないでしょう。来るとしたら、3カ月以内の余震だけ。
余震が収まったあとなら、あと30年は大丈夫。30年もたてば、中古住宅は寿命を越える。
あと、今回の地震を生き延びたなら、欠陥住宅ではない。
また、今回の地震の範囲外なら、普通の場合と同様。耐震診断を受けた証明書を見るといい。
→ http://mbp-okayama.com/kikuchi/column/7709/
それでもまだ、どうしても気になるなら、賃貸にすればいい。
仮設住宅は、劣悪、冬は寒い、夏は暑い。
倒壊した家屋に1戸あたり2000万再建助成してもよいと思う。