2016年04月19日

◆ 熊本市の救援妨害

 救援物資を被災者に渡そう、という行動を、熊本市が妨害している。なぜか?
  ※ 後半に 【 追記 】 あり。

 ──

 熊本市は、先にボランティアの受付をするようになった。
  → 熊本市でボランティア募集

 これはそれでいいのだが、一方で、個人が支援物資を渡すのを禁じている。
個人での支援物資の持ち込み

熊本市の指定避難所への
個人での支援物資の持ち込みは断られます。
市から避難所の運営にNGが出たそうです。

私もミネラルウォーターと生理用品を大量に持参しましたが断られました。
( → スザンヌのブログの読者コメント 119

 ふうむ。何らかの事情があって、物資の受け入れを禁じているようだ。「ま、そんなものか……」と思ったが、被災者の声を見たら、ビックリだ。
 《 熊本に水、支援物資を届けてください!お願いします! 》
全国のみなさん、熊本市民を助けてください!
熊本市に水などの支援物資を届けてください!
水が一番助かります。実家が熊本市にあるのですが、飲料水、米を炊く為の水がぜんぜん足りません!
食料も自治体からは、ほとんどいきわたっていません。2時間以上暑い中並んで1日1家族で水1本、おにぎり2個という人や、まったく手に入らない人も沢山います。熊本市の一部の人たちだけが足りないのではなく、誰に連絡しても水がほとんどありません。
母や義理両親、兄弟、友人、親せき・・・熊本に住む大事な人たちが、飢え、乾きと戦っています。電気がなんとか使えるようになった家庭でも、ほとんどが水がにごっているか、断水しています。
( → ミニマリスト子持ち主婦 2016/04/19 )

 水は生死に関わるもので、最も必要性の高いものだ。また、エコノミークラス症候群にならないためには、絶対に必要だ。「こまめに水を取ることが予防になる」と医者も述べている。
 だからこそ、支援者は、大量のミネラルウォーターを避難所に持ち込んだ。ところがそれは、受け取り拒否された。なぜか? 個人の持ち込みは不可、というふうに熊本市が命令したからだ。

 ではなぜ、熊本市はこういうふうに命令したのか? はっきりとはしないが、たぶん、「管理ができないから」という理由だろう。「人手不足だし、管理ができないから」と。
 しかし、管理ができなければ、勝手に分配すればいいのだ。たとえ不公平であろうと、分配すればいいのだ。
 なのに、不公平であることを恐れて、管理できない状態での配布を拒んだ。……これはまさしく、前々項で述べたことの、そのまんまだ。
 公平に配分しようとすると、公平にできないときには配分そのものができなくなる
( → 物資を不公平に分配せよ

 ──

 避難所では、エコノミークラス症候群で、死者が出た。
  → エコノミークラス症候群で初の死者 熊本
 さらに被害は拡大している。
  → 14人がエコノミークラス症候群、女性3人重体
 水を飲めないという状態では、当然のことだろう。そして、それは、熊本市が水の受け取りを禁じているからなのだ。全国の人々がいくら水を持ち込んでも、熊本市が門前払いしてしまうのだ。

 ──

 熊本市民は、暴動を起こした方がいいね。さもないと、どんどん死者が出るぞ。
 水なしで生きていけるか? 

 
 ( ※ だから、死にたくなければ、さっさと疎開するべきなのだが。→ 地震のあとは疎開を 2
 


 【 追記 】
 熊本市が受け取り禁止にしていることについては、裏が取れた。次の公式見解がある。
 《 地震に関する支援物資の搬送について 》
 現在、配送業者による熊本市への荷物の集配が中止されています。
  これらの影響もあり、連日、熊本市の担当課への電話による問合せが殺到しており、被災者への救援活動に少なからず支障をきたしている状況です。
 つきましては、当面の間は個人によります熊本市への支援物資の配送を見合わせていただき、問合せも極力控えていただきますようご協力のほどよろしくお願いいたします。
( → 熊本市ホームページ

 要するに、電話殺到で仕事ができなくなって忙しいから、個人による物資搬入を禁止する、ということらしい。
 しかしこれは滅茶苦茶だろう。
  ・ 電話殺到と物資搬入は、関係ない。(担当者が別だ。)
  ・ 熊本市が忙しくても、避難所の担当者は暇なので、両者は関係ない。
  ・ 配送業者が集配を中止しているのなら、なおさら個人による搬入が必要だ。


 もしかしたら、上の通知は「熊本市という自治体への物資搬入」を意味しているのかもしれない。しかしながら現実には、「熊本市という地域への物資搬入」が禁止されている。少なくとも、避難所の担当者はそう解釈して、「ミネラルウォーターの受け取りを拒否します」と言っている。
 情報伝達のミスかもしれないが、とにかく現実にはこういうことが起こっているのだ。
 
( ※ もし情報伝達のミスであるなら、熊本市は「誤解です」という公式声明をするべきだろう。さもないと、各地で支援物資の拒否が続く。)

 ──

 なお、熊本市に限らず、多くの自治体は「個人からの支援物資の受け入れを拒否」という方針を打ち出している。これは東日本大震災のときから続く方針だ。その理由は下記。
 適当な食料や古着を送る?やめてください迷惑です。個人が段ボール数箱分程度の支援物資を送るのは、より分けや保管の手間がかかるためかえって迷惑になります。
( → 大地震時『被災地“以外”』のNG行為とやるべきことは?|備える.jp

 しかしながら、今回の例では、より分ける必要もないミネラルウォーターを大量に運んだのに、「駄目」と言われた。あまりにも杓子定規。

 かくて、言葉の伝達ミスから生じた、杓子定規な方針のせいで、まったんの避難所ではミネラルウォーターの受け取りが拒否される。そのせいで、死者が出る。人災だね。

 東日本大震災では、地震による直接の死者(家屋倒壊などによる死者)は、90人程度に過ぎなかった。( → Wikipedia ) その一方で、30分後に来た津波に逃げ遅れた人は、1.5万人にも上った。地震による死者を圧倒的に上回る死者が、逃げ遅れ(油断・気のゆるみ)という人的要因によって生じた。ただしこれは、自分自身の責任だ。
 一方、熊本地震では、地震による直接の死者(家屋倒壊などによる死者)は、40人程度に過ぎなかった。しかしその後、震災関連死という形で、避難所における死者がどんどん出ている。最終的には、「自治体からの指示のせい」による死者の方が、地震による直接の死者を上回るかもしれない。……そして、その根本的な理由は、「言葉の伝達ミス」から生じた方針であるのかもしれない。

 ──

 なお、対策はある。担当者の許可を得ないで、個人が自分で勝手に配ってしまえばいいのだ。そうすれば、「規則違反だ」と咎められることもなく、「すばらしいことだ」と感謝される。
 実例を掲げよう。


 ここでは、個人で勝手に給水活動をするタレントがいて、その活動が称賛されている。
 この活動は、熊本市の許可を得ているはずがないし、「個人による支援は不可」という方針(伝達ミスによる方針?) にも反している。しかしながら、それが咎められることはないし、むしろ称賛される。
 だから、ミネラルウォーターの配布は、個人が勝手に持ち込んで、個人が勝手に配布してしまえばいいのだ。それなら拒否されることもない。むしろ喜ばれる。
 
posted by 管理人 at 22:52| Comment(13) |  震災(東北・熊本) | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
水はもちろんですがあとはトイレの供給が重要でしょうね。
仮に水が十分供給されたとしてもトイレを使うのが不便だと摂取を我慢してしまうことが間々あります。
男女比が詳細にわかりませんが、重症者に女性が多いということがこの事態を示唆しているように思います。女性はトイレに時間がかかるし、なかなか立ちションというわけにもいかないでしょうから。
Posted by 通りがかり at 2016年04月19日 23:27
阪神淡路大震災の避難所のトイレ掃除ボランティアに参加した経験があります。水の無いトイレは便器の上に何重にも新聞紙が重ねられ大便と新聞紙のミルフィーユ状態でトイレの床だけでなく壁までこすりつけたうんこだらけ。あまり語られることがないのですが、食と排泄はセットで最優先課題でしょうね。
Posted by maccoto at 2016年04月20日 11:46
ビル・ゲイツの財団が一大プロジェクトとして水を使わなくても衛生的なトイレの開発に勤しんでいるそうなので、それに投資するのもありかもしれません。彼らは発展途上国の衛生向上を目的としていますが、我々は災害時の衛生確保に有益です。
Posted by 通りがかり at 2016年04月20日 15:11
 最後に 【 追記 】 を加筆しました。
 状況を詳しく分析しています。かなり重要な話。
Posted by 管理人 at 2016年04月21日 07:37
電源が確保できれば、バイオトイレが活躍できるんですが。
Posted by けろ at 2016年04月21日 09:08
十分に賞味期限があればいいですが、しばしば「善意」の物資には賞味期限ギリギリか切れてしまっていることもあるようです。そのあたりのQCがネックでしょう。下痢にでもなれば、エコノミークラス症候群どころではない致死率になるでしょう。食中毒になれば一気に集団がやられることもありえます。行政が慎重になることは無理もありません。
かのタレントさんの善意は疑うようもありませんが、無知なるが故の蛮勇ともいえます。
Posted by 通りがかり at 2016年04月21日 11:04
> かのタレントさんの善意

もとのブログを見てください。タレントではなくて、ファンです。また、食品ではなく、ミネラル・ウォーターです。賞味期限なんて、1〜2年も先でしょう。
Posted by 管理人 at 2016年04月21日 12:10
今回の差し入れのために購入したのであれば、賞味期限も余裕あるでしょうが、一般論として一般人の差し入れに「もう賞味期限も近いし、惜しくないから困っているところに送ろう」というのが珍しくないようですよ。最近は3.11を期にミネラルウォーターを用意している家庭も多いですから。
そういう事情を考えると、賞味期限をチェックする手間など、諸々考えれば行政の対応は理解できます。
むしろ中央政府からミネラルウォーターを作っている会社に他の地域が品薄になっても九州に送るよう「要請」すべきでしょう。総理からであれば会社は逆らわないと思いますよ。逆らったらあとが怖いですし。
Posted by 通りがかり at 2016年04月21日 13:34
> 賞味期限をチェックする手間

このような情報が出回ると、きわめて有害なので、指摘しておきます。

ミネラルウォーターの賞味期限は、消費期限ではありません。賞味期限を過ぎても、十分に飲めます。
https://www.alpina-water.co.jp/blog/mineralwater/991.html
http://www.lifehacker.jp/2015/08/150807bottled_water.html

基本的に水は腐らないものです。ちょっと気になるとしても、沸騰させて調理に使うのなら何の問題もない。また、どうしても気になるなら、飲用以外の用途(皿洗いや赤ちゃん洗浄用など)にも使えます。

したがって、行政としては、賞味期限のチェックなどという余計な作業は、絶対にしてはいけません。そんなことをすれば、余分な作業が加わるので、配分量が減ってしまいます。無意味なこと(配分しないこと)をするより、配分するという仕事に専念するべきです。配分するために労力を割くときに、配分しないために労力を割くのは有害無益です。それは被災者の死をもたらします。賞味期限切れのミネラルウォーターを飲んで死ぬことは絶対にありませんが、賞味期限をチェックすることで配分量を減らせば死者が増えます。そういうことをやってはいけません。絶対に。
 
 とにかく、基本的に「腐らないもの」については、賞味期限のチェックなどは有害無益です。絶対にやってはいけません。やれば、死者が増えます。

 別項では、「公平にならないから分配しない」(餓死させる)という愚行を示しましたが、「味が劣るから分配しない」(水不足で死なす)という愚行が上の例です。どっちも、狂気の沙汰だ。

 「赤ん坊のミルクに水が必要なんです。そのミネラルウォーターを下さい」という母親の目の前で、「いや、駄目だ」と言って、ミネラルウォーターの水を流しに捨ててしまう、という役人。赤ん坊殺しの悪魔にも等しい。
Posted by 管理人 at 2016年04月21日 14:00
ええと、書いてありますよね、「保存状態による。」と。それがわからない以上、賞味期限以上に品質の不確定性が高いでしょう?
一般人が持ち込んでくるミネラルウォーターの保存状態がわからない以上、行政が慎重になるのは無理ないでしょう。
「ミネラルウォーターは、直射日光や高温にさらしたり、殺虫剤やガソリンに触れたり、ボトルが汚れていたりしない限りは、かなり長い間安全に飲むことができるそうです。」
殺虫剤やガソリンはともかくそれ以外は保存しているときに十分起こりうる事態です。
それこそここ1~2週間以内に購入したということを証明できるレシートでも添付してもらわないと安心できないでしょう。
本当に下痢になるとまずいですからね、この手の事態では。それこそ、赤ちゃん殺しになってしまいかねません。
さきに書いたとおり、これは中央政府=安倍の無策だと思いますよ。サントリーでもなんでもメーカーの社長を総理官邸に呼びつけて一言「よろしく」と鶴の一声でメーカーは動きます。メーカーは少なくとも一般人以上にはQCに気をつかっていますから、一般人から募るよりは安全だし、輸送路も確保しているでしょう。ひとえに安倍総理にかかっています。
Posted by とおりがかり at 2016年04月21日 14:40
> 殺虫剤やガソリンはともかくそれ以外は保存しているときに十分起こりうる事態です

 それは、保有期間には関係がないので、賞味期限までの時間が長かろうが短かろうが、どっちみち別のこと。
 ここ1~2週間以内に購入したということを証明できるレシートがあっても、駄目なものは駄目です。新しければ安全だという保証はない。古ければ駄目だという保証もない。まったく別のことです。
 そもそも、「ここ1~2週間以内に購入したということを証明できるレシート」なんて言い出したら、ほとんどの品物が不可になるし、また、チェックの手間も大変だ。その一方で、品不足は深刻化する。
 
> 本当に下痢になるとまずいですからね、この手の事態では。それこそ、赤ちゃん殺しになってしまいかねません。

 なるわけがないでしょ。たかがミネラルウォーターの賞味期限で。
 どうせ心配するなら、ミルク不足や、哺乳瓶を洗う水の不足の心配をすればいいのに、そっちの方はまったく知らんぷりで、どうでもいいミネラルウォーターの賞味期限なんかを気にしている。
 もうちっと、衛生状態とは何かについて理解してください。衛生状態を改善するのに最大の効果をもたらすのは、水洗いです。水不足ではそれができない。
 あなたみたいに水不足状態をめざすと、ひどい伝染病さえ発生しかねない。ミネラルウォーターの味(賞味)を気にしすぎて、衛生状態はほったらかし。
 これじゃ、人が死にますよ。
 
Posted by 管理人 at 2016年04月21日 18:58
> 本当に下痢になるとまずいですからね

賞味期限と消費期限を混同しているんですね。
そういう人は、結構多い。賞味期限が来た食品を捨ててしまう、という人。何が何だかわかっていないんですね。

→ http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1070363790
Posted by 管理人 at 2016年04月21日 22:41
くだんのページにも「消費期限」はない。と書いてあるんですけどね。少々風味が損なわれても大丈夫です。
ペットボトルは気体を通します。よって劣悪な環境(例えばなんらかの有機溶剤を使っていたりして、いろんな芳香が漂う様なところ)に長時間保管しておくと、ミネラル水にその匂いが染み込むこともあります。だからといってそのミネラル水が毒というわけではありません。
なお、微量の化学物質の影響も受ける化学物質過敏症の人は湯冷しにしてください。
Posted by 京都の人 at 2016年04月21日 23:28
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