2016年04月19日

◆ 地震のあとは疎開を 2

 地震の後では、被災地の外へ脱出して暮らすといい。

 ──

 前項では、物資の分配がうまく行かないと述べた。そこで、分配の仕方を工夫することを考えた。
 だが、ここではそもそも、避難者の数が多すぎるという問題がある。あまりにも人が多いと、分配はもともと困難なのだ。
 《 熊本地震、20万人以上が避難 》
 20万人以上が避難を余儀なくされるなか、各地の避難所は満員状態になっている。余震を恐れるなどの理由も合わさり、屋外や車の中で寝泊まりする人も多い。
 益城町近くの52歳住民はAFP通信に対して「車の中で寝て、日中はテントで過ごしている」と話した。
 水や食料など必要な救援物資が、被災者の手に行き渡っていないという声も上がっている。夕飯はおにぎり2つだけ、水が足りないなどと複数の被災者が話している。
( → ライブドアニュース

 これほど多数の人々がいるのであれば、いくら分配を工夫しても、限度がある。根本対策としては、人口密度を下げるしかない。
 さて。人口密度を下げるというのは、人の数を一定にした状態では、人の住む場所を広げることを意味する。つまり、人を被災地の外部に移すことだ。それは、「疎開」という言葉で表現できる。
 この件は、前にも提案した。
  → 地震のときは疎開を

 似たような意見は、ネット上にもいくつか見つかる。たとえば、これだ。
  → 余震が長引くなら疎開も選択肢 阪神・淡路大震災の体験と熊本地震

 ここでは疎開を「選択肢」としようと提案している。では、誰の選択肢か? 行政の選択肢か? いや、それでは困る。ここでは、被災者の選択肢とするべきだ。そして、被災者のうちの希望者は、全員、その選択肢を取れる(= 疎開できる)ようにするべきだ。
 
 ──

 あとは、その方策だ。

 (1) 外部の自治体

 外部の自治体は、被災者の受け入れをすることを声明するべきだ。「いつでも来ていいですよ。避難所は刀剣にもありますよ」というふうに。
 福岡や佐賀や長崎や宮崎あたりの自治体が声を上げるべきだ。

 (2) 移動経路

 熊本県の道路は、寸断状態がいっぱいある。そこで、移動できる経路を知る必要がある。それは、前述だ。
  → トヨタ「通れた道マップ」
  → ホンダ「インターナビ 通行実績情報マップ」

 これを見ると、不通の箇所がかなりあるが、車は通れなくても、人は通れるはずだ。
 そして、どこであろうと、今の避難所から1km も歩けば、自動車の通る道路に出られる。そこから先は、自動車で外部に移動すればいいだろう。

 (3) 移動手段

 移動手段はどうするか? 滅茶苦茶に渋滞している状態で、さらにバスを走らせるか? いや、それは無理だ。
 ここで、困ったときの Openブログ。過去記事を見れば、解決策がある。救援物資を運んできたあとの、帰りのトラックだ。空になった荷台に、人が乗れる。
 輸送手段が問題だ、と思われるが、あまり心配しなくていい、と思う。
 (1) 水や食料を何十回もくりかえし運ぶのに比べれば、人間を1回だけ運ぶ方が、はるかに簡単である。
 (2) 水や食料を運んだトラックは、帰りは(荷台が空の)空トラックとなっているから、そこに人間を乗せれば、被災地の外に運び出せる。

 ※ ただし、トラックの荷台に人間を乗せるのは、現行法規では違法だ( → 出典 )。ゆえに、地震のときの緊急時には例外として合法となるように、法改正をする必要があるだろう。
( → 地震のときは疎開を: Open ブログ

 (4) 疎開先

 移動したあとは、疎開先で避難所暮らしとなる。ただし、自宅が倒壊してしまった人は、戻る先がないのだから、避難所にいつまでも暮らしているわけには行くまい。新たな生活設計をする必要がある。
 とすれば、避難先で、安い貸間でも借りるといい。そのための空き家は、いっぱいある。それを使えばいい。
 地震の後で仮設住宅を設置するというのは、百害あって一利なしである。莫大なコストをかけて、大量の人命を殺すだけだ。そのことが、先の東日本大震災の経験から、明らかになっている。
 では、正しくは? 「既存の住宅を使うこと」である。幸い、日本には大量の空き家・空き部屋がある。それらを使えば済むだけのことだ。
( → 地震で仮設住宅を設置するな

 家屋が倒壊した人向けには、貸間を提供するといい。月3万円以下の条件で、いくらでも物件が見つかりそうだ。たとえば、下記。
   → 神埼市の賃貸情報
 夫婦で3万円、子連れで4万円ぐらいのアパートを、無償で提供するといい。仮設住宅に馬鹿高い金を出すよりも、貸間の方がはるかに安上がりだ。

 (5) 無料シャトルバス

 疎開するにしても、本格的な疎開は、まだずっと先だろう。
 それまでは、あまり遠くないところにある避難所でくらせばいい。その避難所と、地元(被災地)とを結ぶ無料シャトルバスを運営して、ときどき自宅に戻れるようにするといい。
 具体的には、無料シャトルバスを、週2回ぐらい使えるチケットを渡す。
 これは、本格的な疎開というより、半分だけの疎開みたいなものだ。

 (6) 時期

 時期はいつか? 
 当面は、道路寸断で、渋滞続きだから、このあと半月ぐらいは、自宅に戻ることもないだろう。しばらく避難所暮らしをすることになる。疎開するとしたら、そのあとだ。たとえば、半月後。

 その後は、どうする? 自宅に戻るか、もっと別のところで本格的に疎開するか、だ。各人が好きな方を選択すればいい。
 ただし、選択肢には、「仮設住宅」という選択肢はない。これだけは絶対駄目だ。こんなのは、ただの金の無駄だ。前に下記で論じた通り。
  → 仮設住宅から出たらどうする?
 ここでは最後に、次のように結論している。
 「 結局、政府がやったのは、大金を投入して、あれやこれやと破壊したことだけだった。その根源が、仮設住宅だったのだ。無駄の極み」 
 こういう巨大な無駄を、二度と繰り返すべきではあるまい。

 ──

 結論。

 水も断水して、ろくに生きていけない、というのが現状だ。
  → 熊本市の救援妨害 (次項)
 こういう現状では、さっさと他地域へ疎開するのが最善だ。
 ただし、そのためには、政府が「荷台に人を乗せることを許容する」「疎開の希望者を募る」という布告を出すことが、あらかじめ必要だ。
 なのに、それをしない政府が、最大のネックだな。




 [ 余談 ]
 ついでだが、避難所の一例を示す。阿蘇市・尾ケ石東部小学校。



 ボロ体育館だ。よくもまあ、壊れなかったものだ。
 


 【 関連項目 】
 続編となる情報が、下記項目の後半にあります。疎開先の情報。
  → 車中泊を禁止せよ
 
posted by 管理人 at 19:44| Comment(3) |  震災(東北・熊本) | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
まあアイデアとしてはありですが、やはり行政としては気乗りしないでしょうね。ドアツードアをバスで輸送できない限り実現は難しいでしょう。
非常時とはいえトラックの荷台から人が落ちたときの責任問題。トラックの荷台に乗ってみるとわかりますが、車酔いのある人は猛烈に酔いますよ。それで転落することも十分ありえます。
1キロメートルも歩けばというのは典型的な都会人の発想です。私も都会暮らしが長かったので管理人さんと感覚は同じでまた実際に1,2キロメートルは歩きますが、ちょっと地方に行くとキチガイ扱いされます。まず車移動以外は想定外でしょう。また実際、体がそういう生活に慣れきっているので、1キロメートル歩くだけで体調不良になる人が少なからず出るでしょうね。

また大人数の引率をする経験をすると分かるのですが、仮にアスファルトの一本道を移動させるとしてもある程度の人数の集団を1キロメートル移動させるというのは想像以上に難しいものです。めいめいで移動するように、バスはいついつに出発などという形式ではやはり無責任呼ばわりされるでしょうし。

Posted by 通りがかり at 2016年04月20日 14:57
自分もまったく同意見です。

政府はなぜ被災地に固執するんでしょうね。水もろくにない地域に住民を雑魚寝させたら、健康を害します。すでに死者が出てますが。
Posted by 井上晃宏 at 2016年04月20日 14:57
まあわたしとしてはそれこそ特例としてドローンのペイロード規制を解禁して物資輸送をさせたらおもしろいと思います。仮に墜落しても物資なのでいいでしょう。ただ墜落した物資が避難民に当たるリスクを考えると行政は消極的になりそうですが。

管理人さんのアイデアも試す価値はあるものですからあとは政治家の決断でしょうね。危機管理で名をあげたいという功名心でいいので手をあげる政治家が出てくると面白いですね。
Posted by 通りがかり at 2016年04月20日 15:25
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